屋根の上

去年の12月、麗蘭はBillboard Live TOKYOで「Merry X'mas Baby」を演った。
そのライヴ後に友達からもらったメールには、こう書かれていた。

  「Merry X'mas Baby」の歌詞がなんだか胸にせまりました

僕は、こんな返事をした。

  私はこの曲が発表された当時から、清志郎を思い浮かべていました。
  初めて聴いたときから、清志郎の存在を感じていた曲です。
  発表された93年というのは 『DADA』 もありました。
  このアルバムにも同じことを感じました。
  今となっては、無意識だとしても、
  清志郎への思いが出てき始めた時期だと思っています。
  RC時代に共作した「ランタン」を収録したのも偶然では無いでしょう。
  そして翌年、例の 『GLAD ALL OVER』 の94年になるわけです。

RCサクセションが活動休止した直後は、清志郎もチャボも自分の事でいっぱいで、
お互いにお互いのことを思うなんて事は、まだ無かったのではないか。
ただ、その時点で既に20年もつきあってきた友人であり、
かつ、そのうち半分の10年間は一緒のバンドでぶっ飛んでいたわけである。
ある程度の時間が経てば、お互いが気になるのは当然だろう…と思うことは、
ファンなら…というか、僕にとっては自然であった。

僕が勝手に思うに、それは92年からスタートしている。

92年の11月、清志郎は2・3'sの1stを発表する。
ここで清志郎は「あの娘が結婚してしまう」をカヴァーした。
この曲を取り上げたきっかけはともかく、
何でまた古井戸を演るんだ…と当時の僕は感じたが、
これがまたかなり切ないヴァージョンになっていて、
特に終盤の清志郎によるアドリヴ(?)の歌詞を聴いて、
" 何だよ、まるでチャボのことを歌っているみたいじゃないか " と思った。
僕の家においでよ きっとうまくやれるよ…なんて、まさに、だった。
これは思い切り個人的な感覚だったが、確信でもあった。

また、このアルバム収録曲には「お兄さんの歌」がある。
一般的には、清志郎がRC時代とは変わった事で離れていったファンに向けての皮肉…。
そんな曲だと理解されていると思うが、僕は何故だかここにもチャボを感じていた。
というか、以前もここに書いたけれど、間違いなくこの曲はRCサクセションである。

そして極めつけは「インディアン・サマー」だ。
どう聴いても、ここで歌われている相手は、完全にチャボである。

こんな僕なりの理由があり、2・3'sの1stは全体的に切なさが溢れている。
清志郎がチャボのことを想いだしている…ということで。

年が明けて93年、チャボが3rdアルバム 『DADA』 を発表する。
ここには清志郎との共作である「ランタン」が収録されていた。
そして同年、ミニ・アルバムでの「Merry X'mas Baby」のラストの歌詞。
いなくなった友達のココロ…なんて、どうしたって僕は清志郎を思ってしまったわけだ。

二人は(特にチャボは)ハッキリと意識をしていないかもしれないが、
でも、結果としてチャボが清志郎に応える形になっている…と僕は感じていたのだ。
そして94年の 『GLAD ALL OVER』 となり、共演を果たしたわけである。

こんなやり取りを、昨年の暮れに友だちと、した。

     **********

写真集 『BOYFRIEND』 の最後にあるチャボの詩。
ここにはこんな一節があった(※一部、引用)。

  僕等は屋根に登って 夜空の下
  これからの事を 夢みたっけ…

  僕等は一緒に屋根の上
  月が僕等を照らしだしていた…

僕はこの詩を読んで感動したと同時に、驚いた。
もちろん「インディアン・サマー」を思い出したからだ。

  ぼくらは屋根の上にいたんだ

  もう一度あの屋根の上に 君と帰りたい
  ほら 何のわだかまりのない
  あの屋根の上に

清志郎が、君ともう一度帰りたい…と歌った、
何のわだかまりもなかった…という屋根の上。
チャボが、一緒にこれからの事を夢みていた…という屋根の上。
そこは、二人にとっては今でも、
そしていつまでも大切で最高の場所であり、時間だったのだろうということがわかる。

  ある意味、何にも背負うものなんて無い、いちばんいい時だった

実際に、最近のチャボはインタヴューでその時代を振り返り、こう語っていた。

二人にとっての屋根の上?

説明不要だろう。
それは渋谷にあったライヴ・ハウスだよ。
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非公開コメント

インディアンサマーは大好きな曲なんですが、屋根の上までは思い至りませんでした。あのアルバムは、いくじなしの印象が強かったので、むしろ決別の意識表示を受け取っていました。ずーっと誤解していたようです

Re: 吉田さん

> インディアンサマーは大好きな曲なんですが、屋根の上までは思い至りませんでした。

この曲、あらためてチャボに置き換えて聴いてみてください。
かなり沁みると思います。

> あのアルバムは、いくじなしの印象が強かったので、
> むしろ決別の意識表示を受け取っていました。

いや、同じように思った人も多いんじゃないかな?
「いくじなし」はかなり印象に残る曲ですしね。

私の得意とする深読みではありますが、
あの時期はこんな風に受け取っていました。

No title

Blueさん
はじめてコメントいたします。
いつもいつも、読ませていただいてました。

いつかコメントを書こう書こう、と思いつつ
ずーっと時間ばかりたっていましたが
今回のトピックがあまりにもドンピシャで嬉しくて。

まったくもって、
ぼくも長い間おんなじことを思っていました。
なんだかとても、嬉しかったです。

DADAしかり、
ちょっと拡げてみると、
Naughty Boy、曲がり角のところで、いくじなし、インディアンサマー、
そしてじぶんにとって決定的なのはBOYS。
極端にいうと、全部おんなじ歌に聴こえるんです。
どれも、数えきれないくらい聴きました。

勝手な深読みもあるだろうし
一側面ではあるけれど、
そんな彼らがいとおしくてたまらないです。
ぼくの好きなRCサクセションは
弱くてカッコ悪くて、なによりカッコいいんだ。

だから、というわけでもないんですが
「BOYFRIEND」のチャボの言葉、
3人になってしまった90年の写真に添えられた、
リンコさんについて触れられた短い言葉。
それを読んだときに、とてもとても救われた気がして
泣かないようにするので精一杯でした。

「BOYFRIEND」で
長年思っていたことがまた少しわかったような
そんな気持ちでいたところ、Blueさんの文で拍車がかかっちゃいました。

後ろ向きな発言ではありますが
91-94年というのは、その直前にも増して
RCサクセションを感じさせる年代ですね。
そして2006年も。

長文乱文失礼しました(ヒドいもんです)、
また機会がありましたら、書き込みさせていただきます!

No title

75日もそうですね。

「あいつからはもう、なんの連絡もない。電話の一本もない。まるで音沙汰がない。」

なんだか、アルバムの端々に複雑な想いを絡ませているというか。
一瞬チャボとは関係のない歌のようなんですがね。


Re: horietterさん

> まったくもって、
> ぼくも長い間おんなじことを思っていました。
> なんだかとても、嬉しかったです。

そうでしたか!
同じように思っていたファンは少なくないかもしれませんね。

> ちょっと拡げてみると、
> Naughty Boy、曲がり角のところで、いくじなし、インディアンサマー、
> そしてじぶんにとって決定的なのはBOYS。
> 極端にいうと、全部おんなじ歌に聴こえるんです。

確かに挙げて頂いた曲にも、似たような匂いを感じますよね。

> 勝手な深読みもあるだろうし
> 一側面ではあるけれど、
> そんな彼らがいとおしくてたまらないです。

ファンが深読みできることも魅力のひとつなんじゃないかな。
清志郎とチャボ(もちろんRCも)は、そんなファンの期待(?)にも応えてくれていました。

> 「BOYFRIEND」のチャボの言葉、
> 3人になってしまった90年の写真に添えられた、
> リンコさんについて触れられた短い言葉。

キヨシローも俺も知っていた…ですからねぇ。
そして、あの写真に添えられていた…というのも良かったな。
この3人こそ、今も終わっていないRCサクセションなのです。

コメントありがとうございました。

Re: t さん

> 75日もそうですね。
> なんだか、アルバムの端々に複雑な想いを絡ませているというか。
> 一瞬チャボとは関係のない歌のようなんですがね。

私もそう思います。
それにしても、チャボは当時、何かを感じたりしていたのかなぁ。

深読み

俺もします!
病的なまでに(笑)
Blueさんの記事、そして皆さんのコメント
いちいち頷いたり、“あぁ、そうか、そうだよな”と思わされたり。

こういうのって、ジョンとポールやミックとキースにも感じますが
日本の他のアーティストでもあるんでしょうかね?

相手に向けた曲って言ったら、個人的には「GLORY DAY」も外せません。
モロでしょう?アレ。

2・3’sの頃の清志郎はチャボに対して愛憎入り混じった複雑な想いを持ってたんじゃないでしょうか?

Re: LA MOSCA さん

> 俺もします!
> 病的なまでに(笑)
> Blueさんの記事、そして皆さんのコメント
> いちいち頷いたり、“あぁ、そうか、そうだよな”と思わされたり。

LA MOSCAさんは、私に同意してくれる数少ないファンなので、心強いです。
もちろん、嬉しいです。

> 相手に向けた曲って言ったら、個人的には「GLORY DAY」も外せません。
> モロでしょう?アレ。

これはそのまま過ぎるので、深読みの必要は無いでしょう。

> 2・3’sの頃の清志郎はチャボに対して愛憎入り混じった複雑な想いを持ってたんじゃないでしょうか?

でも、やはり " 憎 " よりは、強い " 愛 " が感じられるのが、清志郎たる所以でしょう。

No title

私は本当に、どこかの屋根の上だと思っていました。たとえば、チャボが古井戸を抜ける前の加奈埼さんのソロのレコーディングに清志郎が行った時(箱根でしたっけ)、暇で屋根に登ったりしてた、とどこかに書いてありましたよね。箱根なら「遠く富士が見えて」というのもわかるし…。
でもあのライブハウスのことですか、なるほどそれもそうですね。

それにしても2-3's 1stは、ほんとにチャボやRCへの思いに溢れてると思うし、清志郎自身もどこかでそう言ってたように思うのですが、それを演奏する2-3'sのメンバーは複雑な気持ちじゃなかったのかな、と思ってしまいます。

あと発表の時期はちょっとずれますが、ギビツミはどうですか?「待ってはみたのさ、がまんもしてた…」。チャボのことなのかな…と思って聴いていました。胸が締め付けられるような切ない曲ですよね。

Re: keikoさん

> あと発表の時期はちょっとずれますが、ギビツミはどうですか?

こちらが意識をすれば、本当にいくらでも出てきますね。
ただ、そのうちの何曲かは、間違いなく当っているのではないかと思います。

No title

「いくらでも出てくる」と言えば、私が最もChaboに向けてだな、と思えたのは
Ruffy Tuffyの「出発の時間」です。
ちなみに「インディアンサマー」の相手はリンコさんのようにも思えたのは私だけかしら?
河出書房から出た『忌野清志郎』の本のリンコさんの最後のほうの文章からそう思えたりしました。これは誰にもわからないことで、何とも言えませんけどね。

Re: びおらさん

> 「いくらでも出てくる」と言えば、私が最もChaboに向けてだな、と思えたのは
> Ruffy Tuffyの「出発の時間」です。

もし、これもそうだとすると、無意識的だとしても、
清志郎はずっとチャボを思い続けていたことになるなぁ。

> ちなみに「インディアンサマー」の相手はリンコさんのようにも思えたのは私だけかしら?

リンコに置き換えてみるのも、また違った印象になりますね。

血縁みたいな、ね。

ふたりが仲悪いのかな、とか思った事は全然なかった。
RC休止にしても私はゆるやかにそこに進んでたように感じていました。
何故かと聞かれたら難しいけど、私も同じように10年目の武道館まで
頑張ろうと(笑)思ってたから…。いつも笑顔だったし、
メンバー皆それぞれ、10年を頑張ってたと思うから。
歌詞はどのようにでも受け取れると思うけど、それより
清志郎の表情や言動?に感じます。
素直に家族のように、切れない愛みたいな感じを。
チャボよりもっとストレートに感じると思う。
チャボはちょっと清志郎より恥ずかしがり屋というか(笑)

Re: tamaさん

90年の武道館を観ていて、不安な気持ちは実際にありました。
でも、まさか最後のRCになるなんてことは、本当に思っていませんでした。
もちろん、私も二人は仲が悪かったとは思っていませんよ。
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