泉谷しげる 生まれ落ちた者たちへの生誕祭 恵比寿ザ・ガーデン・ホール 2009.5.10

僕は一生、このライヴを忘れないと思う。

自身の誕生日(5/11)を記念してのライヴ。
実際に特別なものであり、一部はピアノとバイオリンとの共演。
二部はいつものバンドによる演奏。
映像作品化される予定があるのか、何台かのカメラも入っていた。
更に、時期が時期だからか報道陣も多い…と泉谷がMCでも話していた。
でも、それは単なる偶然である。
僕自身も昨年の60×60のすぐ後にチケットを取っていたし。
まさか5/9があのような日になるとは、誰一人も想像していなかったわけだ。

一部の一曲目が終わった後、いきなり清志郎についてのコメントが出る…が、
ここでは既に話しているように、彼の死は受け入れないという簡単なものだった。
ただ、一部の最後に演奏された曲。おそらく「頭上の驚異」(脅威かもしれない)というタイトル。
感動的なバラードだったのだが、ここではハッキリと " 忌野さんに捧げます " と言って歌った。

     **********

二部は、まずは現時点の最新作 『すべて時代のせいにして』 からのナンバーで幕が開いた。
演奏は引き締まっており、泉谷の声もまずまず。
これはいいライヴになりそうだと確信。
ステージは進む。

中盤で、本人は体力温存用の時間だと笑わせて、客電をつけ、お客さんに写真を撮らせる。
RCが客席での録音をOKしていた件を思い出してしまった。
この最中には、清志郎以外に吉田拓郎などの名前を出し、
同世代に対してのエールをユーモアを交えてMCしていた。
湿っぽい雰囲気はまったくゼロ。

しかし、この後からの展開が凄かった。
※リストは前後しているところもあると思います

「デトロイト・ポーカー」
「地下室のヒーロー」
「火の鳥」
「眠れない夜」
「国旗はためく下に」
「褐色のセールスマン」
「翼なき野郎ども」

この日は全席指定だったけれど、
「デトロイト・ポーカー」以降は、全席自由のオール・スタンディング化した。

「眠れない夜」あたりまでは、泉谷ロックの黄金ナンバーによる興奮だったと思うのだが、
途中からどうも様子がおかしくなってくる。
バンド側ではなく、僕の。

いったい何に感動しているのか、何が僕の心を動かすのかがわからないのだが、
身体の奥から込みあがってくる何かを押さえられなくなってきた。
本編ラストの「翼なき野郎ども」が始まったとき、ついに涙が溢れる。
後から後から涙が出て来る。止まらない。
これは泣いているのだろうか? いや、泣いているのとは違う気がする。
でも、泉谷しげるに、泉谷しげるの音楽によっての涙なのは間違いないのだ。

本編が終わっても、バンドも泉谷もステージを後にしない。
そのまま歌いだす。
関係ないのかもしれない。そう僕が思いたいだけなのかもしれない。
でも、ここで歌われたこのフレーズは沁みた。
「長い友との始まりに」。

     **********

" 冥福を祈らないし、告別もしない。オレだけは絶対に忌野清志郎の死は、認めない "

この、実に彼らしいコメントを知っている人も多いと思うけれど、
もちろん泉谷しげるは、そんな彼なりの表現で清志郎の死を悲しんでいるわけだ。

その曲の演奏が始まり、最初の歌詞が歌いだされる直前、泉谷はこう叫んだ。

  いまわのー!

「雨あがりの夜空に」だった。

今、思い出しながらこれを書いているのだけれど、ダメだ、泣けてくる…。
何とか最後まで一緒に歌ったが、あれだけライヴで号泣したのは初めてだ。

昨日までの一週間、一人でいるときに泣きたくなったら、泣けるだけ泣いたはずだ。
でも、泣くのをガマンしたことも、たくさんあった。
その、ガマンした涙が、この「雨あがりの夜空に」ですべて流れた。

こんなに悲しく、切ない「雨あがりの夜空に」なんて知らない。
でも、こんなに嬉しい「雨あがりの夜空に」も、知らない。
泉谷しげるは、泣いていた。

自分の誕生日を記念しての特別なライヴを、
大切な友人のためにめちゃくちゃにした(最大級の賞賛の言葉だ!)泉谷しげるに感謝。
少しばかりの追悼のコメントや演奏はあるだろうと思っていたが、
結果として、今の彼の最高のカタチで追悼してくれたと思う。
このライヴは忘れない。泉谷、ありがとう。

※RO69 最速ライヴ・レポート
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非公開コメント

No title

表現者が死ぬということは、
その作品が忘れ去れたときに訪れる。

だから泉谷さんの言葉は清志郎を決して
表現者として殺したりはしないという決意表明でした。

それは全ての『清志郎に与えられた者』に課せられた使命です。

このバトンは途切れさせない。
この聖火は絶やさない。

No title

くっついては離れ、離れてはくっつき・・・
しかし、心のそこではいつもくっついている。
男と男ですが、『つなひき』という曲は清志郎と泉谷のように聴こえます。

オレも涙が止まらなかった

泣いた訳ではない
ただただ涙が溢れてきた
清志朗さんへの追憶の為では無い。
しかし、泉谷の彼に対する真っ直ぐな葛藤が
オレの中へビンビンに入ってくる。

泉谷!ありがとう。
「今、俺達は間違いなく生きている。」
そう感じた。
そして、愛する者が旅立つ哀しみ どうしようもない哀しみ...
相反する様な生命の矛盾を感じた。

2009.05.10-恵比寿ガーデンホール
きっと、そこに集った多くの人達がそれぞれの思いで涙を流した事だろう。
その思い全ては、泉谷が集まった人達皆に送ってくれたメッセージだと思った。
自分は、その分かり易い所だけ感じる事が出来たんだ。

泉谷、でっけー。

素晴らしい夜を有り難う。

泉谷・・

泉谷さん、最高!!
清志郎、やっぱり最高です!

頭上のキョーイ?!気になる歌です。

だったら聴いてみろよって感じなんですが(^_^.)。。。
なんだか、タイトルだけで、
歌の風景が見えるような感じですね。

忌野がいたから今の俺がスタートした・・・
みたいなコメントがあったような記憶がありますが、
そりゃあもう、絶対に認められない・・・っていうか、
終わらないでしょうね。
大なり、小なり、色んな人が何かが始まったと思いますが。。。


私は・・・・なんというか。。。
ただ、手を合わせただけでした。
じゃあ、何をしにいったのかっていうと。。。
なんか、見届けなきゃって思ったんだと思います。
私が見れる、公開されているものをこの目で。
むしろ、今から始まっている何かがありそうな気もしています。

POP-ID さん

> それは全ての『清志郎に与えられた者』に課せられた使命です。
ライヴのラスト、「野性のバラッド」で泉谷は、
" お前らには俺がついているぜ! " と吠えていました。
" 泣くんじゃねぇぞ、負けるんじゃねぇぞ " とも。
ファンに対して、あの場での最高のメッセージだと思いました。

マイトさん

> 男と男ですが、『つなひき』という曲は清志郎と泉谷のように聴こえます。
あぁ、マイトさんいいですねぇ…。沁みますねぇ…。

越谷原人さん

コメントありがとうございます。

> 泣いた訳ではない
> ただただ涙が溢れてきた
本当にそんな感じでしたよ、私も。
泉谷の想いにココロが動かされたんだと思います。

今日のネット上でこのライヴのニュースをいくつか読みましたが、読んだだけで涙…でした。
思い出すだけで、今でもグッときます。

nobuさん

> 泉谷さん、最高!!
古い友人とは言っても、近年は共演がありませんでしたからね。
それだけは悔やんでいるんじゃないかな。
でも、本当に素晴らしい恵比寿の夜でした。

沙羅 さん

> なんだか、タイトルだけで、
> 歌の風景が見えるような感じですね。
ネット上で、この曲は " 命をテーマにした讃美歌 " と書いてあったのを見つけました。
そんな曲を清志郎に捧げたんです。

> 私は・・・・なんというか。。。
> ただ、手を合わせただけでした。
> じゃあ、何をしにいったのかっていうと。。。
> なんか、見届けなきゃって思ったんだと思います。
> 私が見れる、公開されているものをこの目で。
> むしろ、今から始まっている何かがありそうな気もしています。
実は、私は今日、いい言葉をもらいました。
おかげで気持ちが軽くなり、上を向いて、前を見て歩けます。

アサヒ芸能

本日12日発売の週刊「アサヒ芸能」で、泉谷しげるが、清志郎のことについてインタビュー取材を受けています。

こちらは、読み応えも抜群。

アサ芸ってあたりが、何だか泉谷っぽくて、僕は好きです。

Sさん

> 「アサヒ芸能」で、泉谷しげるが、清志郎のことについてインタビュー取材を受けています。
ホント? それは是非、読んでみたいですね。

No title

15年ぶりのイズミヤ・ライブ。
LOSERのときはよく見に行きましたが、
あの頃と変わらない泉谷で安心しました。

「雨上がりの夜空に」には泣けました。
士は己を知るものの為に死す、といいますが、
まさに己を知る清志郎を失った泉谷の喪失感は
計り知れないものでしょう。だからこそ
同じく心に穴のあいた僕らに、力強いエールを
送ったのだと思います。

今回の泉谷バンド、傭兵組などと呼ばれているようですが、
藤沼を除き、初めて見るメンバーでした。中西康晴さんを
生で見れたのはうれしかったです。またリズム隊は
LOSERよりもよかったのではないでしょうか。とくに
渡邉裕美さんは、プロデューサー業を始めてから
けれん味が出た吉田健さんよりもイズミヤに合っている
と思います。

清志郎やイズミヤと同時代に生きた僥倖を抱きつつ、
The Show Must Go On.

nowhereさん

> 士は己を知るものの為に死す、といいますが、
> まさに己を知る清志郎を失った泉谷の喪失感は
> 計り知れないものでしょう。だからこそ
> 同じく心に穴のあいた僕らに、力強いエールを
> 送ったのだと思います。

泉谷しげるの行動には眉をひそめている清志郎ファンもいると思いますが、
それはその人の感じ方ですから仕方が無いと思います。
ただ、この日に関しては、本当にnowhereさんのおっしゃるようなライヴでした。
感動しました。

> またリズム隊はLOSERよりもよかったのではないでしょうか。

これも好みだと思うんですよね。
あのLOSERサウンドは、ポンタと吉田健だったからこそでしょうし。
でも、今の泉谷には、今のバンドのリズム隊が合っていると私も思います。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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