アブラカダブラ/藤真利子 -1983-

『MIS CAST』での沢田研二と白井良明、
この二人のタッグの素晴らしさについては紹介させてもらったばかりだが、
実は同時期に、これまた凄い名盤が生まれている。
このアルバムもEXIOTICS同様、
この流れで取り上げなければ機会は無いだろうと思われるのでご紹介。

それは藤真利子の『アブラカダブラ』だ。

『MIS CAST』同様に白井良明が全曲のアレンジを手掛けているのに加え、
バックもMOONRIDERSのメンバーが務めている。

作曲陣も豪華だ。
細野晴臣と坂本龍一のYMO組、オフコースの松尾一彦。
MOONRIDERSの鈴木慶一、そして沢田研二。
加えてフランス・ギャルのカヴァーも披露。
全曲の作詞は微美杏里こと藤真利子自身。
もちろんヴィヴィアン・リーがペン・ネームの由来だ。

僕がこのアルバムに出会ったのは大学時代。
当時、同級の女の子のバンドに誘われてギターを弾いたのだが、
そのバンドのレパートリーに、
このアルバムから先行カットされていたシングル「紅茶の午后」があったのだ。

僕はこの曲を一発で気に入ってしまい、アルバムを買いに走ったのである。
余談だが、その女の子バンドのレパートリーには松田聖子の「ガラスの林檎」もあった。
この曲をギター二本のバンドでアレンジするのはとても楽しかった。

『アブラカダブラ』はターン・テーブルに乗る回数が本当に多かったアルバムで、
RCサクセションやチャボ、ビートルズと並ぶ愛聴盤の一枚だ。
よって、2000年にCD化された際は本当に嬉しかった。
しかも、84年の『ガラスの動物園』との2in1でCD化されたのだ。
『ガラスの動物園』は松任谷正隆がサウンド・プロデュース、アレンジを手掛けた、
全曲フレンチ・ポップスのカヴァー・アルバム。
ただし、全曲の歌詞は微美杏里による日本語詞で歌われている。
こちらも聴き応え抜群です。

一般的に藤真利子と言えば、知られているのは女優としての姿だと思う。
僕もこのアルバムを知るまでは彼女の音楽については無知だったが、
80年代はかなり充実した音楽活動を行っている。

さて、このアルバムは全編がフレンチ・テイストに溢れている…、
と言えばオシャレな雰囲気と決まっているが、
何といっても白井良明のアレンジである。
フレンチ・ポップスのイメージとは一味も二味も違う。
CDの解説をサエキけんぞうが書いているのだが、そこで彼はこう述べている。

 フレンチを軸にオリエンタリズム、GS(グループ・サウンズ)などの魅力を伝えてくれる…

この表現がいちばん適しているような気がする。
中でもポイントはオリエンタリズムだろう。

アルバムのタイトル曲とも言える「天使と魔法」は細野晴臣作で、
前述したサエキけんぞうによれば過激に歌謡エキゾティシズムを追求した曲とのことだ。
松尾清憲という説が最有力だというGo-Go GIGOLOなる人物とのデュエット・ナンバーで、
白井良明によるシタールが印象的。これはもう日本ポップス史に残る名曲だ。

これだけの豪華な作家陣の曲を見事にまとめあげた白井良明だが、
アレンジャーだけでなくギタリストとしても絶好調である。
フレーズが物凄い。
とにかくアレンジも演奏もバッチリ決まっている。

彼女の音楽がどのような評価を受けているのかがわからないのだが、
こんな作品を作ることができるのに、
現在は音楽活動を停止しているのが本当に残念だと思う。

マジ、名盤です。



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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

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