甲斐バンド BEATNIK TOUR 08-09 THE ONE NIGHT STAND 東京国際フォーラム 2008.10.25

名盤と呼ぶに相応しい甲斐バンドのアルバムは数多いと思うけれど、
僕が一枚だけ挙げるとしたら、個人的な思い入れも含めて、
79年の武道館公演を収録したライヴ盤、すなわち『100万$ナイト』だ。
当時のライヴ・レコードとしての構成、セット・リストすべてが文句なし。
バンドも最高の状態だったのだろう、歌と演奏の完成度も高く、今聴いてもまったく古くない。
日本のロック史に残るライヴ盤だと思う。本気でそう思っている。

     **********

さて、楽しみにしていた甲斐バンドのライヴに行ってきた。

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やっとネット上のネタバレ情報を確認することができる(笑)が、
振り返ってみても凄いメニューだったなぁ。

2時間半で23曲が演奏された。
すべてが甲斐バンド・クラシックスと言えるナンバーばかりだったのだが、
そのうち実に12曲が『100万$ナイト』収録曲だった。
もちろん80年以降に発表された名曲もたくさんあることはわかっている前提だが、
それでもこのことは、70年代だけで既に普遍的な楽曲をこれだけ書いていたと言うことを物語る。
さらに、ギター・バンドとしての素晴らしさ。
キーボードが中心となる曲もあったが、
ほとんどの曲で二本のギターが前面に出ており、カッコよかった。
特に田中一郎。
彼のギターが完全にバンドを引っ張っていたと思う。
僕は大きな拍手を送りたい。

オープニングS.E.は、亡き大森信和のインスト・ナンバーである「25時の追跡」。
このことに加え、この日演奏された曲のギターのほとんどが大森信和のフレーズそのままだった。

昔の話になるが、79年に脱退した甲斐バンドのオリジナル・メンバー、長岡和弘。
同年に行われたライヴで、甲斐よしひろはステージにいないこのベーシストも紹介した。

  見えるだろ? ベース・ギター、長岡和弘

バンドは長岡の後任を入れることは無く、甲斐バンドのベーシストは永久欠番となる。
もちろん、リード・ギターも同じだろう。
国際フォーラムに観に来たお客さん達には伝わったに違いない。
少なくとも、僕にはビンビンに伝わった。

  聴こえるだろ? リード・ギター、大森信和

この日の甲斐バンドは、こう言っていた。

  **********

オープニングは「胸いっぱいの愛」。
アルバム『GOLD』のB面。しかもラスト前の4曲目という地味な扱いだったこれが一曲目とは!
ただし、POPで軽快なロック・ナンバーであり、実はこの曲を好きなファンも多いのでは?

続いて「感触(タッチ)」。
この曲、オリジナルのキーはDなのだが、86年の解散ライヴから(もしかしたらもっと前かも)、
Cに落として演奏されていた。今回も同様にCだったと思う。ちょっと違和感がある。

「らせん階段」は『100万$ナイト』ヴァージョンで演奏されたのだが、
嬉しいことに、オリジナル・レコード同様「ガラスの動物園のテーマ」がアタマにくっついていた。

「ナイト・ウェイヴ」「シーズン」とボブ・クリアマウンテンによるN.Y.三部作からの代表曲が続く。
そして " 松藤が歌ってくれる " と甲斐が言うと、ツイン・ギターによるあのイントロが!
「ビューティフル・エネルギー」だー!
泣くかなと思っていたが、やっぱり泣けました(笑)。

松藤はドラムではなくギターを弾いていたのだが、この曲ではセンター・マイクに立つ。
いい曲だなーと聴いていたんだけど、実はヴォーカルを甲斐と分け合うアレンジなんだよね。
ま、分け合うどころか、中盤から後はすべて甲斐がリード・ヴォーカルなんだけどさ(笑)。
甲斐さん、これはファンの気持ちをわかってないなーと思うよ。
レコードと同じアレンジで演奏するなら尚更だよ。
ドラムを叩きながら…は別にしても、通して松藤が歌ってこその名曲だよ。
これは残念…だったけど、
そうは言っても、最後のサビをリフレインするところから一郎のギター・ソロあたりは、
感動で、もう目が霞んでいました(笑)。

気分が乗ったら演奏する曲…とMCで言っていたが、気分が乗ったのか「シネマ・クラブ」が歌われ、
続いては「カーテン」という『誘惑』からの連発。
特に「カーテン」での一郎と佐藤英二によるエンディングのツイン・ギター・ソロは最高だった。
『流民の歌』で聴ける例のヤツだ。
いや、ツイン・ギターと書いたが、訂正します。
ステージから大森信和の音さえ聴こえてくるような、まさにトリプル・ギター・ソロだった。

「裏切りの街角」に続き、皆で歌ってくれと「安奈」。
そしてイントロは佐藤英二じゃないと…という「嵐の季節」。
もちろん皆がこぶしを握り締めて歌っていたなぁ。

甲斐バンドと言えばやっぱりこれ…というパーカッションのイントロが鳴る。
何が出てくるかと思ったら、一郎がエレクトリック・シタールを弾く「地下室のメロディー」。
ここからは、いよいよライヴもクライマックスへ突入だ。

それにしても、ここまで演奏された中に知らない曲が無いのはもちろんだけど、
ほとんど全部歌えるぞー(笑)…と思っていたら、
「氷のくちびる」「ポップコーンをほおばって」「翼あるもの」ときたもんだ!
これで盛り上がらないファンは、一人もいないだろうなぁ。
※ちなみに「カーテン」以降、松藤はドラム・セットに座っていた(「LADY」のみギター)。

あの悲しげなピアノのイントロに乗って今回のツアーを開始したきっかけについて甲斐が語る。
曲は「LADY」。
ここでの佐藤英二のギター・ソロは、大森信和そのまんまだった。

本編を締めくくるのは「HERO(ヒーローになる時、それは今)」。

  空はひび割れ 太陽は燃えつき 海は枯れ果てて 月は砕け散っても

この曲、ここはライヴで聴いてこそ! いつ聴いてもロックだ。

アンコールは二回。
まずは「漂泊者(アウトロー)」。一郎のギター・ソロは思いが込められていたなぁ。
「きんぽうげ」のツイン・ギターも感動的だった。
メンバー紹介があり、「観覧車'82」で一回目のアンコールが終わる。

二回目は、向かって左から佐藤英二、松藤英男、甲斐よしひろ、田中一郎が並んでの、
「破れたハートを売り物に」でスタート。
86年の解散ライヴでのラスト・ナンバーだった「ラヴ・マイナス・ゼロ」と続き、
最後は「街路」から「100万$ナイト」。
もちろんミラー・ボールが回る感動的なエンディングだった。

     **********

ラストの甲斐バンドとは言っても、そんな雰囲気はゼロ。
甲斐のMCも最低限だし、単に曲が続けざまに演奏されていくだけだ。
ライヴ中に何度かジーンとしてしまったが、特に湿っぽかったり切なかったり…は無い。
でも、僕自身、甲斐バンドの曲に思っていた以上に思い入れがあったということがわかった。
これはちょっと驚きだったけれど、同時に音楽の素晴らしさもあらためて再確認。

このところ、いいライヴを続けて観ることができているという実感。
その度に音楽に対する思いも強くなっている。
どんどん、どんどん強くなっている。
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おおお

やばい^^
らせん階段,地下室のメロディー,LADYですか!?
すごい!聞きたい!見たい!
LADYは、甲斐バンドのコンサートに始めてつれていってくれた友達が大好きで、いつも歌ってたんですよ~。でもライブではなかなかやってくれないって。
最後に100万$ナイト!?・・・ヤバイですね。
やはりどこかで絶対見に行かなくては!!

100万$ナイト(ライブアルバム)、いいですよね。私もやられましたよ~。

nobuさん

例えば…ですよ?

 「胸いっぱいの愛」→「港からやってきた女」
 「ナイト・ウェイヴ」→「テレフォン・ノイローゼ」
 「シーズン」→「黒い夏」
 「観覧車'82」→「男と女がいる舗道」
 「ラヴ・マイナス・ゼロ」→「最後の夜汽車」

曲をこんな風に差し替えたとしても、まったく大丈夫だと思うんですよ(笑)。
これは私の願望であり妄想でもありますがー(笑)。
とにかく凄いメニューでした。

行くならファイナルの武道館がいいんじゃないでしょうか?

うらやましい!

大阪も神戸もチケットてにはいらんかった・・・・

モックンモーガンフィールドウタコトバさん

コメントありがとうございます。

チケットが入手できなかったとは残念です。
他の会場の様子はわからないのですが、今後ツアーが進むに連れて音は固まるでしょうし、
どんどん良くなっていくと思います。ファイナルの武道館も楽しみです。

No title

遅れましたが明けましておめでとうございます、自分は有楽町は残念ながら入院中だったので行けませんでした。今回は入院前に行った名古屋と暮れの大阪に参加しました。武道館は某流通センターのルートで参加しようと思ってますのでよろしくです。

檸檬亭椎那さん

> 遅れましたが明けましておめでとうございます
あけましておめでとうございます v-281

いいライヴでしたね。私、武道館はちょっと参加が微妙なのですが(笑)。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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