Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ 日本武道館 2007.12.8

ほぼ定刻に客電が消えた。
スクリーンの役目も兼ねているステージを覆っている幕に、
1980年までのジョン・レノンのバイオ的な映像が映しだされる。映像が2007の数字になった。
同時に「 I Want You(She’s So Heavy)」のエンディング・パートの演奏が始まった。
幕には、既にステージに立っているであろう3人のシルエットが浮かぶ。
その幕が落とされると、ステージ上に立つのは向かって左から吉井和哉、奥田民生、斉藤和義であった。

曲は「Dig A Pony」になる。ヴォーカルを取るのは吉井である。
意表をつかれたオープニング・ナンバーだが、すぐさま曲が「I’ve Got A Feeling」になり、
今度は民生がヴォーカルを取る。
ここで初めて " おー!『LET IT BE』または『GET BACK SESSION』のメドレーできたかー " と理解した。
それなら斉藤和義は何を歌うんだろうな…と一瞬だけ思った。
何故、一瞬だけしか思えなかったのか。
そのステージに、いきなり忌野清志郎が出てきたからである。
あまりにも予期せぬ出来事!
僕は嬉しいという気持ちになる準備さえできていない。

そんな僕や僕達を気にせず、清志郎は歌いだした。

  Don’t Let Me Down!

今日、このライヴを観ることができなかった清志郎ファンの皆さん。
安心してください。
大丈夫です…いや、大丈夫どころではありません。
清志郎のヴォーカル。
とんでもないです。本当にとんでもないです。マジで、とんでもなかったです。
あまりの声で、武道館のPAスピーカーが割れていましたから…というのは冗談だけれど、
僕がそう感じたのはまぎれも無い事実。
この曲を演るのならチャボと二人で弾き語りと勝手に思っていたので、
ここでバンド・サウンド、しかもライヴのオープニングで歌ったことは嬉しい誤算。
まだライヴの冒頭だというのに、既に山場となっていた。
本当に凄かった。

曲が終わって、すぐに僕のアタマに浮かんだのは『瀕死の双六問屋』の文庫本あとがきだ。

  俺を誰だと思ってやがるんだ

まさに、そんなヴォーカルであった。圧倒された。
忌野清志郎、完全復活!

さて、僕は清志郎とチャボを観に来たとはいえ、これは『ジョン・レノン スーパー・ライヴ』である。
演奏されるのはビートルズ時代も含めたジョンの曲ばかりなので、メニューはいいに決まっている。
あとは一部を除き、観たこと聴いたことが無い人達ばかりなので、
ニュートラルにライヴ自体は楽しもうと思った。
清志郎とチャボ以外のパートの感想は、最後に簡単にまとめたい。

Image010_20071209025903.jpg

忌野清志郎 with 仲井戸麗市。
出演は本編で言うところのトリ扱いであった。
しかも、ステージ後ろのスクリーンには、

  Imawano Kiyoshiro with Nakaido Reichi

という文字が二人の出演前に映し出されていたのである。
他の出演者にはこんなものは無かった。
ジョン・レノン スーパー・ライヴなのに、この破格な特別扱いは何なのだ(笑)。

Image011.jpg

後で清志郎が

   " あのジョンとヨーコのヨーコさんから、療養中に「早く良くなって云々」という手紙をもらった "

とMCしていたが、本当にそういったことでの特別な扱いだったのだろうか。
それにしても間違いなくライヴのハイライトがこの二人のパートだったと思う。
真っ暗なステージ上に人がうごめく。
そこには清志郎とチャボ、そしてコーちゃんがいるはずだ。
わくわくするし、ドキドキするし、いてもたってもいられず、始まる前から席を立ち上がってしまう。
一応、ハンカチだけは手にして(笑)。

突然、アナログなキーボード・サウンドが鳴り響いたと思ったら、
演奏と同時に照明が点き、清志郎が叫ぶ。
曲は『ジョンの魂』から「Mother」。
清志郎による日本語カヴァーで始まった。

向かって左にチャボ。手にするギターはGodin。
スライドでソロを弾くとき以外はボトルネックを口にくわえながらのプレイ。
何だか凄く集中しているように見える。
コーちゃんが奥でリンゴ・スターしている。
キーボードは厚見玲衣だ。

  MAMA DON’T GO
  DADDY COME HOME

このメンバーを従えて、ステージ中央でシャウトする清志郎。
僕もステージへ向けて叫ぶ。

  清志郎!
  清志郎!!
  清志郎!!!

美しい。美しすぎる。
ざまぁみやがれ…って誰に言いたいんだかわからないが、
これが忌野清志郎だと世界中に自慢したい。

ここでやや長めのMC。
前述したヨーコからの手紙のことがここで明らかにされた他、

  ブドーカン、ベイベー!

が飛び出したぞ!一足先に聴けて嬉しい!

そして " 復活したのでまた長いハード・デイズが始まる " と言って演奏されたのは、
ビートルズの「A Hard Day’s Night」。
イントロとエンディングがドアーズの「Light My Fire」というスペシャル・ヴァージョンだった。
そういえば今回のバンドはドアーズとまったく同じベース・レスの編成。
それでもバッチリだったよ。このバンドでツアーでもいいんじゃないか(笑)。
ただ、この編成についてはちょっと思うことがあるので、後述する。

さて「A Hard Day’s Night」だが、ポールのヴォーカル・パートも清志郎が歌った。
もしかしてチャボが…と期待したんだけどなぁ。
でも、あの間奏をプレイするチャボを観られただけで十分(この曲ではストラトを手にしていた)だ。

ラストはチャボが再びGodinを手にしての「Imagine」だった。
途中で「Strawberry Fields Forever」のフレーズが挟み込まれていたという、
やはりスペシャルなアレンジだったが、基本はRCサクセションのヴァージョンである。
要するに、ラストに " ぼくらは薄着で笑っちゃう " …「窓の外は雪」の一節が歌われる、
あの感動的なヴァージョンで演奏されたのだ。

  ぼくらは薄着で笑っちゃう
  夢を見てるのは きみ一人じゃない ひとりぼっちじゃない

曲のエンディングで清志郎がこう歌いながらステージを左右に駆ける。
もう、正直ここではステージが観えなかった。
泣けた。本当に泣けた。これを書いている今も、思い出して涙ぐんでいる。

このライヴを観る前の僕は、コーちゃんが参加することを知っても、
チャボのギターをバックにした弾き語りが主になるんじゃないかと思っていた。
だから「Don’t Let Me Down」や「Imagine」以外の曲が聴きたいなんて贅沢な思いでいたのだ。
まさか、このようなバンドで演るとは想像していなかったのである。
3曲とも本当に素晴らしく感動的な演奏と歌であった。

1990年、RCサクセションは無期限活動休止してしまった。
でも、それから17年のあいだに、
嬉しいことに僕達は清志郎とチャボのいくつかの共演を目にしてきた。
感動的な共演は過去にも何度かあったが、
今回はその中でも一生忘れることができないもののひとつになりました。

最後に思い切り深読みさせて…いや、夢を見させてもらいます。
冷静に考えれば整合性はありません。
でも深読み…いや、夢を見ます。

清志郎、チャボ、コーちゃんという今回のメンバー。
編成がベース・レスだったのは何故か。
清志郎はRCサクセションをやりたかったのではないか。
ということは、ベースはリンコしかいない。リンコができないなら、ベースはいらない。

" それならGee2woはどうしたんだよ。キーボードが厚見玲衣だったじゃないか " 

整合性が無いというのはここだ。
でもね、音として考えた場合、今回はどうしてもキーボードは必要だったのだろう。
もちろん彼がRCのサブを務めていたことがポイント。だから、kyonやたつのすけではダメなのだ。

清志郎は今回、リンコとGee2woにも声をかけていたのではないだろうか…という夢です。

  夢かもしれない でもその夢を見てるのは ぼく一人じゃない

     **********

【くるり】
リッケンバッカーを抱えての「She Said She Said」がカッコよかった。

【BONNIE PINK】
学校の下校時にかかっていた音楽が「Hey Jude」だっただの、
ジョージ・マーティンのアルバムで「Blackbird」を歌わせてもらっただの、
無意識だったのだろうがポールの曲ばかりについてのMCになっていたのはどうかと思った(笑)。
「(Just Like)Starting Over」が良かった。歌、うまいですね。

【THE SUNDAY DRIVER】
このチャリティー・ライヴによって建てられた学校に行ったときの映像を流しながら、
「Love」と「Real Love」を演奏。こういう演出は個人的にはちょっと…。

【斉藤和義】
案の定、まずは弾き語りだった。曲は「Jealous Guy」で、もちろん自身の日本語カヴァー。
そして「Baby It’s You」。これは少し意外な選曲だったけど、楽しめた。

【Chara】
「Grow Old With Me」と「Give Peace A Chance」を歌ったのだが、
何ともパフォーマンスが古かったような…。個人的にはちょっと観ていて厳しかった。
Charaのファンは少なくなかったようだけど、
あの歌とステージングでは、説得力に欠けていたんじゃないかと思う。

【LOVE PSYCHEDELICO】
前日に観たのと同じく、6人のバンドだけで演奏。
完全にデリコなヴァージョンとなっていた「Instant Karma!」には感動してしまった。
「Across The Universe」も好カヴァー。選曲も素敵。

【奥田民生と木村カエラ】
「Slippin’ And Slidin’」がロックン・ロールしていて最高。
民生はこういう曲を演奏するのがとても似合う。
カエラとの「And Your Bird Can Sing」では、3本のギターであのリード・パートを演奏していた。

【吉井和哉】
いきなりの「Hey Bulldog」がカッコ良い。
続いて「Help!」を独自のアレンジで歌ったのだが、
デリコのヴァージョンと同じメロディで歌うところがあって、ちょっと驚いた。
絶対にデリコを聴いていたのだと思う(笑)。
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Peace Pipe: 武道館での清志郎 [music]

私は行けなかった,昨日の武道館での Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ を,Blue さんがレポートしてくれている.

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安心しました(笑)

わかってはいたものの、Blueさんがはっきりと言ってくれて、安心しました(笑)

やってくれたんですね!
世界中に自慢したい清志郎カムバックなんですね!
やった~!
ざまーみろ!なんですね!

1月の札幌市民会館よりも、さらにパワーアップしてるんでしょうね!

早く会いたい、聴きたい、目に、心に焼き付けたいです!

読んでて、こっちまでウルウルでした。

私も、夢を見ます

レポ、きっとお書きいただけるだろうと思って、楽しみにしていました。
“Mother”の日本語版、ヨーコさんからの手紙、ベース・レスという編成…ポイントが多すぎて、語り始めたらキリがないという感じになりそうです。

清志郎の「明瞭な日本語の発音と声の大きさ」に関しては、私も、こういうイベントライブで何度か再認識させられたことがあります。そのあたりも完全復活しているようで、うれしかったり、ちょっと心配だったり…(無理しないでねってことで)。

いやあ~、読んでるだけで興奮&感動しちゃいます!
会場で目の当たりにしたら自分も泣いてたかも知れません。
しかしコーちゃんも出たとは知りませんでした。
自分もBlueさんの深読み、いや夢、同感です!
すてきなレポート、しかも速攻でありがとうございました。

せっちゃんはきっと「Jealous Guy」やると思ってました。ヨーコさん公認の日本語詞だって自慢してましたから(笑)。

RCバージョンは知らないんですが、清志郎さんの「imagine」を一度だけライブで聴いたことがあります。あれは本当に泣けますね。原曲よりいいんじゃないか?ってくらい良かった。
「ざまあみろ!」ってくらいお元気だったんですね~。本当によかった。。2月がますます楽しみになりました!

と言いたいところですが、なんとこの時期長めの海外出張が入りそうになってて、かなり焦ってます。日程ずらすべく、目下必死で調整中なのです。。最悪一時帰国してでも観に行きたい!!

ヒナさん

>わかってはいたものの、Blueさんがはっきりと言ってくれて、安心しました(笑)
私も「わかっていました」が、それでも予想をはるかに超えたヴォーカルでした。
やってくれた…どころじゃないですよ(笑)。
「Don't Let Me Down」なんて、こちら側が「おかえりムード」的な感情を出す暇なんて無く、
ただただ、その唄にびっくりするだけでした。凄かったです。

月見家さん

>清志郎の「明瞭な日本語の発音と声の大きさ」
もちろん武道館ですから、席によって結構な差があるとは思います。
それを差し引いても、あの迫力ある声はいったい何だったんだと思う程です。
私の耳がおかしい(笑)のかもしれませんが、これは決して大袈裟じゃ無いんですよ、マジで。

LA MOSCAさん

昨夜は、普段は絶対に聴かない『COVERS』を引っ張り出し、
「Imagine」1曲だけをリピート再生して、このレポを何とか書きました。
ライヴでの「Imagine」のエンディング。今、思い出しても、ちょっとうるっとしますね(笑)。

>自分もBlueさんの深読み、いや夢、同感です!
突拍子も無い夢ですが(笑)。でも、今回はこんな夢を思ってもいいでしょう。

ayakoさん

>せっちゃんはきっと「Jealous Guy」やると思ってました
良かったですよ「Jealous Guy」。

>清志郎さんの「imagine」
>原曲よりいいんじゃないか?ってくらい良かった
私も間違いなく最高のカヴァー・ヴァージョンだと思います。

>2月がますます楽しみになりました!
>なんとこの時期長めの海外出張が入りそうになってて
2月は本当に凄いことになると思いますよ。客席全てが清志郎を観に来た人で埋まるわけですから。
出張なんて吹っ飛ばして…なんて言えませんが(笑)、何とか観られるように祈っています。

Blueさんのレポ心待ちにしていました。行きたくても行けなかったので(泣)。
読んでて泣けてきました。。。
ありがとうございます。
いい夢見られそう…
でも、
イマジン、聞きたかったなあ。。

待ってました。
Blueさんのレポを。

「俺を誰だと思ってやがるんだ」
「ざまぁみやがれ」

これだけで十分です(笑)

2月が待ち遠しいです。

gakuさん

心待ちだなんてありがとうございます。
当日の様子が少しでも伝われば嬉しいです。

>イマジン、聞きたかったなあ。。
gakuさん自身で、武道館で歌う最高の清志郎の姿をイマジンしてみてください!
それはきっと、私が観たのと同じものが浮かぶんじゃないかなぁ…なんて思います。

恭さん

>「俺を誰だと思ってやがるんだ」
>「ざまぁみやがれ」
いや、ホントにそんな感じでした(笑)。

>2月が待ち遠しいです
ねぇ。武道館の中は、いったいどんなことになるんでしょうかー(笑)。

Blueさん、レポありがとうございました。私も興奮して読みました。2.10がますます楽しみです。
ところで今夜、フジテレビ『SMAP×SMAP』出演ですがいったい何を演るんでしょうか、、、?
ジョンの曲、、、?
激しい雨?
まさか新曲?
あるいは、、、??

TVにこんなドキドキするのも久しぶりです。

タオルさん

2/10が本当に待ちきれないですよ。

>フジテレビ『SMAP×SMAP』出演
いやぁ、そろそろですねぇ。私もドキドキしてきましたよ。

いやいやいや、ほんと、すごかったです。
あのボーカル。
席によってなんかじゃありません。
遅刻して、外で聞いたのに、あの声のすごさ、ハンパなかったです。
そして、イマジン、ほんとにほんとにすごかった。
そしてね、私も、blueさんと同じ、すごく誇らしい気持ちだったんです!
世界中に自慢したい!同じだったんですね^^

nobuさん

>遅刻して、外で聞いたのに、あの声のすごさ
そーかー。私は武道館の外で清志郎の歌を聴いたこと無いですからね。
遅刻は残念でしたが、ある意味でnobuさんは貴重な体験をしたんじゃ…(笑)。

>世界中に自慢したい!
しましょう皆で自慢!(笑)。いやぁ、でもこれは本心だなぁ。

知ってましたか?

ジョンの命日=ジム・モリソンの誕生日
なんか話題になってますよ

mmさん

>ジョンの命日=ジム・モリソンの誕生日
知っていますよ。意識していてのアレンジかもしれませんが、どうかな。
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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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