忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日比谷野外大音楽堂 Love&Peace FINAL 2019.5.4.

仲井戸麗市と三宅伸治、そして梅津和時での「多摩蘭坂」で締めくくられた、
4時間弱にわたるロックン・ロール・ショー。

  清志郎の戦友、梅津和時
  RCが止まったあとに清志郎を支えた、三宅伸治

本編から印象的なMCをしていたチャボは、二人をこう紹介した。
もちろん清志郎の友人として、片山広明を始め、石田長生、藤井裕、シーナと、
この場にいるはずの逝ってしまった友人達のことも忘れず紹介する。
さらに、今夜を清志郎ファミリーへ捧げると言っての優しい呼びかけ。

  清志郎が愛したファミリー タッペイ、モモちゃん、ケイコ!
  お父さん、凄いな!

そして…。

  この10年間、いろいろと紆余曲折あったけど、
  清志郎のために10年間、こいつが頑張って続けました
  紹介するよ 蔦岡晃! 蔦岡! 顔出せ!

乱暴な中に深い優しさが伺える、実にチャボらしいねぎらいの言葉。

  KING! GOD! 夢助!
  本当の神様! 忌野清志郎!

それに応えた蔦岡さんが清志郎の名を呼び、コンサートは終わった。

このラスト・シーンがこの夜の、
そして10年間の象徴のようで、感動的だった。

     **********

この日のチャボのMCは、間違いなく主役のひとつだった。
演奏と同じくらいか、それ以上に響いてくる瞬間が何度もあった。
本編でも本領が発揮されていた。
自身のパートに出演したゲストに対し、
初めて観る人でも、誰もがその人を理解できるであろう紹介をする。
しかもユーモアを交えながら、しかし実にロック的なフレーズで決めてくれる。
これはお客さんはもちろん、紹介される本人も盛りあがることは確実だ。

ただ、こうしたMCの随所に " そろそろ戻ってこいよ " とか、
" 早く起きろよ " といった清志郎への呼びかけがあったのが切なかった。
全編が楽しく進んだ中で、唯一、
悲しみとやり切れなさを感じられる瞬間だったかもしれない。

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清志郎の音楽史を辿るという今回のプログラム。
ハードフォーク期から80年代KING OF LIVE期。
そしてRC以降のソロ期をゲストの歌で追っていく。

ゲスト一人一曲という公平性はよかったと思う。
" 出演者一人一人が力いっぱい歌っていたよ " と、
矢野顕子が終演後にツイートしていたが、本当にその通りだった。
清志郎という唯一無二のヴォーカリストのトリビュートであるからして、
各々が自分のスタイルを出すことはとても難しいと思うが、
清志郎に対して、清志郎の曲に対して、このコンサートに対して、
ゲストそれぞれのスタンスが垣間見え、結果、個性は出ていた。

シークレット・ゲストの木村拓哉には驚かされたが、
彼の出演を含む、そのゲスト陣の顔ぶれと、
ハードフォーク期からロックン・ロール、R&B、
そしてタイマーズに至るまでの音楽性の広く大きな幅から、
あらためて忌野清志郎の音楽…その凄さと魅力が浮き彫りになっていた。

僕にとっての80年代RCサクセションのように、
ファンにもそれぞれにその人の清志郎が存在する。
しかもその幅がとても広い。
私の清志郎と誰かの清志郎が違うのは当たり前だが、
そこに共有点を見つけることは困難かもしれない。
いや、ハッキリと不可能なのかも…とさえ思う。
しかし、それが忌野清志郎なのである。

だから今回のプログラムは、
どんなファンも自身の思いをぶつけるところがあったであろう、
素晴らしい構成だったと思うのだ。

     **********

僕は80年代のRCで決まってしまった人間なので、
仲井戸麗市のパートがハイライトだった。
Charの「ロックン・ロール・ショー」。
夏木マリの「上を向いて歩こう」。
HARRYの「いい事ばかりはありゃしない」。
宮本浩次の「君が僕を知ってる」。
特にこの流れは変化球無しの直球勝負の選曲だからこそ泣けた。
だってここは日比谷野外大音楽堂である。
野音で聴くRCサクセションは最高だ。

それにしても「上を向いて歩こう」の歌詞にあわせ、
涙がこぼれないように上を向いたら、
それまで重たかった曇天に青空がのぞいてた。
あまりにも出来過ぎだったが、実は開演直前の天気をチェックしたとき、
激しい雨雲がかかっていたのはちょうど国立、国分寺あたりと僕には見え、
もしかしたら清志郎が食い止めてくれているのかも…なんて思っていた。
これに加えて、野音のRCが大きな意味を持ってしまう僕なので、
青空を見たときは本当に感動した。
結果として開演中に雨が降ることは無かった。
これは間違いなく奇跡だったと思う。

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■初期~RCサクセション
竹中直人のおかげで開演前の緊張感がほぐれリラックスできた。
曽我部恵一の『シングル・マン』はいつも圧倒される。
浜崎貴司&高野寛、真心ブラザーズのシングルAB面も嬉しかった。
清水ミチコが笑いを取りながら受け入れられていることに感動する。
これを2010年にやられたら、僕はとても受け入れることはできなかっただろう。
ここに10年という決して短くは無い時間を感じた。
矢野顕子&のんは清志郎を歌ったオリジナル曲「わたしはベイベー」。
この曲は「ひとつだけ」のフレーズが挟まれるアレンジなので、
二人にとってあの場には相応しい選曲だったと思う。

■タイマーズ
宮藤官九郎、増子直純、Leyona、TOSHI-LOWがゼリーを担当した。
メッセージ性ばかりが強調される傾向のバンドだが、
音楽としてのタイマーズの普遍性と楽しさをあらためて。

■80年代RCサクセション
カースケによるあのドラムのイントロから、チャボがリフを鳴らす。
あぁ、もうここはRCサクセションの野音だ。
" 日本の有名なロックン・ロール! " の不滅のフレーズは青空にとけてった。
チャボいわく " この歌は絶対こいつに歌ってほしかった " 。
RCと同じ三多摩、中央線のヴォーカリストが歌う新宿、吉祥寺、この町。
" 片山広明! " というSAXソロ前のチャボの叫びが今も耳から離れない。
梅津さんはここで片山さんのテナーを吹いたという。
" バンドが大きくなっても赤羽のにおいが消えない "
" 俺はそのバンドのにおいが好きなんだ "
" 紹介するぜ エビバデ! "
1988年、PITでの出来事からもう30年が経ったんだ。

■ソロ
鮎川さんがロックでぶっ飛ばし、マリさんのクイーン・オブ・ソウル。
BEGINと三宅伸治の歌からは清志郎の不在を感じるも、
悲しい気分なんかぶっ飛ばす「JUMP」のロック的な高揚感。
眠れない夜ならば、夜通し踊ろう。

     **********

忌野清志郎 ロックン・ロール・ショーは今回で一段落。
しかし「毎日がブランニューデイ」。

そうだ。
毎日はブランニューデイなのだ。
" 365%、完全に幸福 " に向かって、
また今日から僕はイキがったりビビッたりしながら生きていく。

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忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー
2019年5月4日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

オープニング映像:忌野清志郎が野音にやって来る!
01. ぼくの好きな先生 / 竹中直人、木暮晋也、高木完
02. 甲州街道はもう秋なのさ / 曽我部恵一
03. わかってもらえるさ / 浜崎貴司(FLYING KIDS)、高野寛
04. 帰れない二人 / 清水ミチコ
05. よごれた顔でこんにちは / 真心ブラザーズ
06. わたしはベイべー / 矢野顕子、のん

07. タイマーズのテーマ~偽善者 / 宮藤官九郎
08. 原発賛成音頭 / 増子直純(怒髪天)
09. デイ・ドリーム・ビリーバー / Leyona
10. あこがれの北朝鮮~ Long Time Ago / TOSHI-LOW(BRAHMAN、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)
11. タイマーズのテーマ / TOSHI-LOW、宮藤官九郎、増子直純、Leyona

12. よォーこそ~お墓 / 仲井戸麗市
13. ロックン・ロール・ショー / Char
14. 上を向いて歩こう / 夏木マリ
15. いい事ばかりはありゃしない / 村越弘明
16. 君が僕を知ってる / 宮本浩次
17. スローバラード / 佐藤タイジ(シアターブルック)
18. ドカドカうるさいR&Rバンド / 斉藤和義

19. ROCK ME BABY / 鮎川誠(SHEENA & THE ROKKETS)
20. 愛と平和 / 山崎まさよし
21. 恩赦 / 金子マリ
22. 雑踏 / BEGIN
23. ボスのSOUL / 三宅伸治
24. 毎日がブランニューデイ / 仲井戸麗市
25. JUMP / 金子マリ、斉藤和義、TOSHI-LOW、BEGIN、山崎まさよし、三宅伸治、仲井戸麗市、木村拓哉

<アンコール>
26. 雨あがりの夜空に / 全員
27. 多摩蘭坂 / 梅津和時、仲井戸麗市、三宅伸治

<Dinamic Live>
28. ヒッピーに捧ぐ / 忌野清志郎
29. 毎日がブランニューデイ / 忌野清志郎

     **********

【日時】 2019年5月4日(土) OPEN16:00/START16:30
【会場】 日比谷野外大音楽堂 (雨天決行・荒天中止)
【料金】 全席指定 6,960円(税込) 後方立見 6,960円(税込)
【チケット一般発売】 2019年3月30日(土)10:00~
【お問合わせ】 SOGO TOKYO 03-3405-9999(日・祝除く12:00~13:00/16:00~19:00)

【出演者】五十音順
忌野清志郎/鮎川誠(シーナ&ロケッツ)/梅津和時/江川ゲンタ/金子マリ/河村“カースケ”智康/
宮藤官九郎/斉藤和義/佐藤タイジ(シアターブルック)/清水ミチコ/曽我部恵一/
高野寛/竹中直人/多田葉子/Char/Dr.kyOn/TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)/仲井戸麗市/
中村きたろー/夏木マリ/のん/浜崎貴司(FLYING KIDS)/早川岳晴/BEGIN/真心ブラザーズ/
増子直純(怒髪天)/三宅伸治/宮本浩次/村越弘明/矢野顕子/山崎まさよし/Leyona/渡辺隆雄

今年で10年…。ファイナルを迎える”ロックン・ロール・ショー”は、
1968年初期のRCサクセション~ソロ、忌野清志郎の音楽史を辿るライブとなる。
また、RCサクセション(1977~)は仲井戸麗市、ソロは三宅伸治がオーガナイズする。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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