チャボのギターを聴いてくれ その1

『札幌市民会館 最後の日』で「いい事ばかりはありゃしない」の終盤のギター・ソロを聴き、
久しぶりに " ギタリスト仲井戸麗市 " を目の当たりにした気がする。

さて、僕は高校時代にチャボのギターをひたすらコピーしまくっていたのだ。
前からやってみたかったのだが今回が良い機会だ。
独断でチャボのギター・プレイを勝手にまとめてみます。
ただ、古井戸からのキャリアを全て網羅するとなるととんでもない数になるので、
ここは時期を限定します。
その時期については賛否あることを承知の上で、次のような定義にさせて頂きます。

  清志郎の横でギターを弾いている自分で成立してた

RCサクセション活動休止後の、このチャボの発言を基本とします。
まずは「清志郎の横で」ということ。
これはチャボがRCサクセションのメンバーだった時代に限定していいでしょう。
次に「ギターを弾いている自分で成立してた」ということ。
「成立してた」ということは、途中から「それだけでは成立しなくなった」ということです。
これも僕なりに決めさせてもらうと、まずRCは84年に事務所独立問題が持ち上がります。
そして翌85年にチャボは1stソロ・アルバム『THE仲井戸麗市BOOK』を発表することから、
84年が「それだけでは成立しなくなった」時期と推測します。
よって80年~83年のRCサクセションでのチャボのプレイに限定します。

最初に、この時期のチャボのプレイには主な特徴があるのですが、
これまた独断でいくつか挙げてみます。

 A チャボならではの指グセによる記名性がハッキリとしたフレージング
 B タメて爆発させるワイルドなダブル・チョーキング
 C 感情一発でつい持ち上げてしまう一音半チョーキング
 D ソロの最後をルーズに流す
 E ソロの締めをチョーキングでぶった切る
 F タイム感が独特なスライド・ギター
 G ワウを使ったプレイ
 H 早弾きじゃないのにやたらとスピードを感じるツッコミのプレイ
 I 所謂「泣き」や「歌っている」ギター・ソロ
 J 似たような、または同じフレーズのリフレイン
 K 所謂「起承転結」ではなく「起承転転」「起承転転結」に聴こえるソロの組み立て
 L バッチリとコンパクトにまとめたキャッチーなソロ
 M バッキングに徹した不動のリズム・ギター、または単なるバックのみ

次に、あくまでもチャボのギター・プレイに対しての、わたくしBlue基準の評価です。

 い これこそ仲井戸麗市!必ず聴いてください。
 ろ 聴く価値あります。
 は 満足できます。
 に これもチャボ。ファンなら聴くべき。
 ほ こんなチャボも聴いてみよう。マニア向け。
 へ チャボが弾いていることを思えば損した気にはならないかな(笑)。
 と 聴かなくても支障はありません。

それでは80年~81年からいってみます。

『PLEASE』(80)
●ダーリン・ミシン(M / と)
イントロのアコギと、続くエレキによる歯切れの良いカッティングにはハッとさせられるが、
全体的には単にバッキングに徹しているだけで、これといって特筆すべきプレイは無い。

●トランジスタ・ラジオ(M / は)
全編では単なるリズムを刻んでいるだけのプレイだが、
そのイントロと間奏で聴けるディストーション・サウンドが最高。
この音だけでチャボのファンは聴いて損はしない。
「ダーリン・ミシン」でも聴けるが、POPな音作りの『PLEASE』において、
実はチャボのギターはかなり歪んでいるのだ。

●モーニング・コールをよろしく(M / と)
完全にバッキングのみ。

●たとえばこんなラヴ・ソング(L、M / ろ)
曲にバッチリと合ったギター・ソロを軽くキメている。
バッキングも含め、そのR&Bテイストなプレイは聴き応え十分。
裏から入るイントロもビートルズのジョージっぽくてカッコイイ。

●DDはCCライダー(D、J、M / へ)
バッキングがそのまま間奏になったような感じなので、
キーボードとの絡みで聴くと面白いと思える部分もあるにはあるが、特に聴きものではない。

●Sweet Soul Music(M / へ)
曲調から言えば、もっとチャボのギターが目立っても良いと思うが、
終始控えめなプレイとなっている。

●ぼくはタオル(F、M / と)
バッキングは面白くないし、間奏とラストのスライドも今ひとつ。

●ミスター・TVプロデューサー(M / と)
バッキングのみ。特に聴くべきところは無い。

●いい事ばかりはありゃしない(F、M / へ)
この名曲も、チャボのギターだけに限れば、残念ながら良いテイクとは言えない。
バッキングでもチャボらしいプレイが聴けないし、スライドもこのフレーズではちょっと苦しい。

●あきれて物も言えない(A、D、I / は)
曲の全編(左チャンネル)でチャボ独特の跳ねて引っ掛かるようなオブリガートとソロが聴ける。
一聴すると弾きまくっているようなイメージだが、実はそんなに派手なプレイではない。
しかしながらチャボの特徴である強烈な指グセによるフレーズの連発で、仲井戸節が炸裂している。

●体操しようよ(M / と)
聴く必要は無い。

『PLEASE』は、そのPOPなサウンドと裏腹に多くの曲でチャボのギターは強力に歪んでおり、
所々でハウリングしているのも聴くことができる。
全体的にはバッキングに徹しているが、派手なソロも要所で決めており、
ギタリストとしての存在感はアピールできていると思う。
チャボのギターの比重は30%といったところかな。



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『BLUE』(81)
●ロックン・ロール・ショー(A、C、D、E、G、K / い)
こんなギターがチャボのどこから出てきたんだよというくらいぶっ飛んだプレイ。
『PLEASE』での音は、ここには跡形も無い。
ヘヴィなリフを中心にしたバッキングもいいが、
この時期のチャボの特徴をほとんど聴くことができるというソロの凄まじさ。
これこそ仲井戸麗市。必聴。

●Johnny Blue(H、J、M / に)
あまり他に似たようなプレイが見当たらない独特なプレイ。
この曲をコピーすると面白い。ただ、チャボのノリはなかなか出せない。

●多摩蘭坂(M / へ)
アコギのバッキングが美しいし、間奏も印象的なフレーズなので、
そのプレイの割にはギターが強く残るテイクとなっている。

●ガ・ガ・ガ・ガ・ガ(M / は)
単なるバッキングなのに、ギターがヴォーカルと同等に鳴っているのが凄い。
完全にチャボのギターで成り立っている曲。イントロの歪んだ音も最高である。

●まぼろし(A、C、D、I / い)
グルーヴァーズの藤井一彦をして

 ボブ・マーレー『ライヴ!』での「ノー・ウーマン、ノー・クライ」や、
 ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」のキースのソロと並ぶ、ロック史上屈指の名ギター・ソロ

と言わしめたプレイが聴ける。最高である。

●チャンスは今夜(H、J / ろ)
リズム隊が加わる前のイントロのギターだけで物凄いドライヴ感を出している。
その最高のノリで最後まで突っ走る。バッキングもまったくスピードが衰えない。
こんなギターはライヴでも再現できていないはずだ。
完全にチャボのギターがメンバーを引っ張っている。ライヴ以上にライヴな名演。

●よそ者(A、C、I / ろ)
ソロのフレージングは、おそらく考えて組み立てられたモノと思われるが、
これをコピーすると本当に気持ちがいい。
「チャボのギターはつぼを心得ている」とは内田勘太郎の発言だが、
このソロを聴くとそれが良くわかる。実際に弾いてみると、それは確信になる。

●あの娘のレター(A、M / は)
ソロこそ無いが、「ガ・ガ・ガ・ガ・ガ」同様に単なるバッキングには収まらない際立ったプレイが聴ける。

まるでチャボが中心のギター・バンドと勘違いしそうな『BLUE』。
ローリング・ストーンズの演奏は、
チャーリーのドラムではなくキースのギターに合わせる云々という話があるが、
『BLUE』でのチャボは、完全にそのキース役である。
RCサクセションでの仲井戸麗市のギター・プレイを堪能するには、間違いなく最適な作品。
チャボのギターの比重は、ほとんど100%だ。


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うわぁ~すごっ!
私、ギターは全然知りませんけど、
こういうマニアっぽい(笑)のって、大好きです。
惜しむらくはRCサクセションをほとんど知らないこと。
いつか気が向きましたら、CHABOさんのソロや麗蘭で、似たような企画やってください(笑)。

しっかし…”ボブ・マーレー『ライヴ!』での「ノー・ウーマン、ノー・クライ」と並ぶ”ですか!!! こりゃ聞き捨てなりません。聴いてみたくなりました。

あ、今気づいたんですが、blog linkしてくださってるんですね。しかも大好きなSoul Brother RE2Oさんのblogの次にだなんて…光栄です♪ ありがとうございます。最近海外出張や転勤、家の引っ越しなどでバタバタしておりサボってますが、ネタは山ほどあるのでそのうち大量更新します(笑)。よかったらまた遊びにいらしてくださいね♪

ayakoさん

>こういうマニアっぽい(笑)の
ブログでは「こんなのがあればいいのに」とか「これをやりたいなぁ」が実現できるので、
たまにはこんなモノも楽しんでいきたいと思っています。
ほとんど自分のためにやるようなモノですが、チャボのファンにも共有してもらえたら最高ですね。

>CHABOさんのソロや麗蘭で、似たような企画やってください(笑)。
やりたいですねぇ…というか、おそらくやると思います(笑)。
ただ、RC時代とはギター・スタイルが変っているので難しいかも…。

>ボブ・マーレー『ライヴ!』での「ノー・ウーマン、ノー・クライ」と並ぶですか!!!
私が言っているわけでは無いのですが(笑)、だからこそ説得力があるかも…です!

何だかお忙しそうですが、ayakoさんのライヴ・レポは楽しみにしているので、ドカドカ更新してください。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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