TWELVE/PATTI SMITH -2007-

先日のギャラリーFCツアーでのチャボからの質問。
新譜が出たら必ず手に入れる人って誰?
僕にとってはパティ・スミスはそんなアーティストの一人だ。
今でも愛聴盤は70年代のアルバムだが、彼女の作品はほとんど期待を裏切られたことは無い。

そんなパティ・スミスがカヴァー集を出すという知らせを聞いた時は興奮した。
しかも、その選曲はジミ・ヘンドリックス、ローリング・ストーンズ、ドアーズ、ビートルズ、ボブ・ディランの他、
スティーヴィー・ワンダーやニルヴァーナ、ティアーズ・フォー・フィアーズ(!)等。
いったいどんな作品になるのか…。

入手するのがやや遅れたが、あえて試聴はせず、事前情報も一切シャットアウトで臨む。

聴いた後にかなりいい気分になったので、僕には珍しいのだが全曲について簡単に触れていく。

●Are You Experienced ? (Jimi Hendrix)
イントロのギターの後ろで、アンプのノイズと思われるジーッという音が聴こえる(気がする)。
これが何ともジミヘン的に感じてしまう。
オリジナルのドラッグっぽさをしっかりと残した堂々たるカヴァーだと思う。

●Everybody Wants To Rule The World (Tears for Fears)
何でこの曲を…と思っていたが、イヤハヤまいりました。凄い。
どこから聴いてもこれはパティ・スミスの曲である。

● Helpless (Neil Young)
優しいアコースティック・ヴァージョンに仕上げているが、これは聴く前から想像できていた。
この曲はオリジナルをあまり崩してカヴァーしたものを聴いたことが無いので、
本音を言えば思い切り壊してみるのも面白いと思うけど、これを聴いてしまうと、そんなことはどうでも良くなる。

●Gimme Shelter (The Rolling Stones)
一番期待していたのがこれ。
テレヴィジョンのトム・ヴァーレイン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが参加しているとなれば尚更だ。
硬質なギター・ロック・ヴァージョンとなっていてかっちょいい!
ただし、思い切りストレートなカヴァーでもあるので、人によっては物足りないかも。
個人的にはトム・ヴァーレインらしいギターがガンガン聴きたかったけれど…。
でも、ライヴで聴いたら凄いな、きっと。
●Within You Without You (The Beatles)
三番目に期待していたのがこれ。オリジナルのインド風味をどう料理しているのか…。
イントロのアコギから驚いたが、すぐに耳に馴染む。そのリズム・アレンジも秀逸。
今まで聴いたこの曲のカヴァー中、個人的ベストだ。とてもいい。
ビートルズのオリジナルよりも好きだ。

●White Rabbit (Jefferson Airplane)
二番目に期待していたのがこれ。ただ、その出来もある程度の想像…というか予想もしていた。
凄く彼女にはまりそうな曲を選んだなぁと思っていたし。さすがにこの名曲は崩せないでしょ。
ヴォーカルもほとんどオリジナルどおりだが、だからこそ良かったと思う。オリジナルが聴きたくなる。

●Changing Of The Guards (Bob Dylan)
僕はディランのオリジナルをまともに聴いたことが無い曲だが、こんな素敵な曲だったっけ?
歌いだした瞬間、ゾクゾクした。パティ自身が70年代後半に書いていそうなメロディだ。
バッチリとはまっている選曲だと思う。

●The Boy In The Bubble (Paul Simon)
残念ながらオリジナルは知らないので何とも言えないが、
ダルシマーという楽器が全編で鳴り続けており、これがとても印象的。

●Soul Kitchen (The Doors)
ヘヴィな感じになるのかなと思っていたが、意外と軽めなアレンジだった。
パティのヴォーカルが素晴らしい。ドアーズの曲だったら何でもOKなんだろうなぁ。

  夢で天使が「ソウル・キッチンをやらなきゃだめよ」という。
  起き上がって外に出たら、
  目の前で停まったゴミ清掃トラックのラジオから「ソウル・キッチン」が大音量で流れていた…

というこの曲を選んだ理由のエピソードが素敵。

●Smells Like Teen Spirit (Nirvana)
最大の聴きものと言える。まさかフォーク的なアプローチでくるとは思わなかった。
しかし素晴らしいカヴァーだ。ニルヴァーナのファンもこれには感動するんじゃないかな。

●Midnight Rider (The Allman Brothers Band)
この曲も僕はオリジナルを知らないのだが、
カヴァーとはいえ、イントロからサザン・ロックらしい曲だ。

●Pastime Paradise (Stevie Wonder)
ティアーズ・フォー・フィアーズも驚いたが、これも驚いた。
しかし、これまたパティ・スミスの曲に仕上がっているのが素晴らしい。
スティーヴィー・ワンダーの名曲も彼女が歌うと違った良さが出る。
ラスト・ナンバーに相応しい感動的なヴァージョンだ。余韻が残る。

今回のカヴァー・アルバム。
そのサウンドは、僕はカヴァーというよりもパティ・スミスのオリジナル作品を聴いているようだった。
もちろん聴きものはあるけれど、特に突出したヴァージョンも無い。
よって、誰にでも気持ち良く聴けるアルバムなんじゃないかな。
パティ・スミスを聴こうと思っている人は、これから入るのも良いかもしれない。

純粋なオリジナル・アルバムではないが、
これを引っさげての来日公演…なんて発表されないものかな?



パティ・スミス / ソニーミュージックエンタテインメント(2007/04/18)
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遅いコメントですが…

お久しぶりです。
私も、パティ大好きで、嬉しくなっちゃいました。でも、まだ聴いてません…なので、Blueさんが書いてるのも読むか読まないか迷いましたが、読ませていただきました(笑)聴くのがますます楽しみです。

「フレデリック」について書いてあるのも読みました。
想い…詰まってますね。素敵なラブソングです。

初めてパティがフジロックに出演した時、この曲をやっていてWOWOWでオンエアされてました。
久しぶりに見たパティの姿と、この曲をやったという事、涙が止まりませんでした。
Blueさんも見ましたかね?
また来日して欲しいですね。フェスだけじゃなくて…

ヒナさん

>私も、パティ大好きで
おー、ヒナさんも! 私の近くには、いそうでいないんですよパティ・ファン。
『TWELVE』はいいアルバムですよ。聴けば聴くほど沁みてきます。

「フレデリック」は綺麗な曲ですよね。
歌われている内容がわからなくとも、あんなに想いが伝わってくるラヴ・ソングは無いと思います。
英語がまったくわからなくても大丈夫。私は感じます。

>初めてパティがフジロックに出演した時
観ていないんですよ。2003年の来日公演も行けなかったんです v-13
個人的にいちばん後悔しているのがこの2003年のパティ・スミスを観なかったことです。
もちろん好きなバンドやアーティストでライヴに行けなかったケースは他にもありますが、
そんな中でもダントツで後悔していますね…。
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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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