ロックな体験/ROLLING STONES 2003.3.10

何を持ってロックとするか。
その定義は人によりけりだが、
それでもそう呼べる体験をロック・ファンならば必ずひとつは持っているはずだ。
例えば、ある1枚のレコードや1曲を聴いての衝撃もあっただろう。
そして、ミュージシャン自身に会っての驚きや感激によるものもあったかもしれない。
しかし、やはり一番多いのは、実際にライヴを観て聴いての体験だと思うのだ。

ロックを聴き始めて30年程経つが、
僕が今まで「これがロックだ」と感じたライヴ体験は3回ある。
今回はその3回についての個人的想いを。

最初は1981年12月24日、日本武道館。
記念すべきRCサクセション初の武道館コンサートだ。
中盤に仲井戸麗市がヴォーカルをとる「チャンスは今夜」が演奏されたのだが、
これがその時点で僕が観た中での、最強のロックン・ロールであった。
この模様はビデオにもなって発売されたので、今でもこの「チャンスは今夜」を観る事ができる。
しかし、あの場で実際に観るのとでは、当たり前であるがまったくその印象は違う。
ギターをほとんど弾かず、スタンド・マイクを引きずり回してシャウトしロックするチャボは美しい。
ビートルズのライヴで、
ラスト・ナンバーとしてポールによって歌われた「I'M DOWN」を僕は思い出してしまった。

2番目は1985年4月10日、代々木のオリンピック・プール。
ブルース・スプリングスティーンの初来日公演だ。
「BORN IN THE U.S.A.」発売後のワールド・ツアーの一環としての来日であった。
盛り上がり方は尋常ではなく、
1曲目からメーターがレッド・ゾーンへ振り切れ、それがラストまで続く。
ライヴは日本版のコンパクトなサイズだったと思うが、
それでも2部構成だったし、噂どおりのステージで圧倒された。
特にアンコールのロックン・ロール・メドレーは圧巻。
会場の客電がすべて点き、
昼間のような明るさの中で演奏された「TWIST AND SHOUT」は忘れられない。
スプリングスティーンを、
ロックン・ロールの未来と言ったジョン・ランドーはノストラダムスよりも偉大である。
僕はそのロックン・ロールの未来に実際に立ち会って目撃したのだから…。

このときのスプリングスティーン以上の体験はこの先は無いだろうな…と思っていたし、
実際にずーっと無かった。
あの日が来るまでは。

3回目の体験。
2003年3月10日。スプリングスティーンの代々木から18年後である。
場所は日本武道館。
まさか20年近く経って、
あれを超えるロック・バンドのライヴを体験できるとは思ってもいなかった。

ローリング・ストーンズ。
ストーンズは初来日からすべて観ているが、
来日も4回目ともなればさすがにこちらも慣れてくるので、心がときめくということも特に無い。
普通に期待して、それに応えてくれれば満足する…という感じであった。
しかし、この時のツアーは今までとは少し趣向が違っていた。
ライヴのメニューをスタジアム、アリーナ、シアターと3つに分け、
実際に会場もそれにあわせて選ばれる。
要するに、シアターのメニューであれば、小さな会場でストーンズを観られるのだ。
まさか渋谷公会堂クラスはあり得ないだろうから、もし実現するならば武道館しかない。
そしてそれはその通りに発表されたのだ。

武道館でストーンズ! 
幻の初来日か、はては映画「太陽を盗んだ男」か…。
とにかく武道館でストーンズが観られるのだ。

ストーンズともなれば、来日が決まると、
それこそツアーの模様やセット・リストなんかの情報が事前に溢れ、
まだ観てもいないのに観たような気になってしまうという状態をこれまでも経験してきたので、
この時は自分から予め情報をシャットアウトし、なるべく最低限の情報のみで臨むようにしていた。
そして、それは僕にとっては大正解だったのである。

この武道館のチケット自体、運が良く偶然入手できたようなものだったから、席は関係なかった。
とにかく武道館でストーンズが観られるという事だけで良かったのだ。
会場に入ってステージ真横のスタンド席に座っただけで満足感が生まれてしまった。

案の定開演時間は押していく。
ただでさえ観客の期待でパンパンに張った空気で満たされた武道館は、
更に興奮と熱狂とに包まれていく。
武道館が風船になって破裂しそうだ。もうわけがわからない。
あのステージには、何かとんでもないものが出てくるような気がしてくる。
出てくるのはストーンズなのに。

開演予定時間を何分過ぎただろうか。ついに客電が落ちた!
会場の盛り上がりは既に最高潮である。
1曲目はいったい何だ?
ツアーのセット・リスト情報を得ていなかった僕の頭の中に、
様々なスト-ンズ・ナンバーが駆け巡る。
そのとき突然キースがステージに飛び出し、あのイントロをテレキャスターでぶちかました。
そしてミックが「俺は嵐の中で生まれた…」と歌いだす。

あなたにとってロックな1曲を選べと言われたとする。
僕は間違いなくローリング・ストーンズの「JUMPIN'JACK FLASH」を選ぶ。

武道館のオープニングを飾ったのは、
68年に発表されたスト-ンズ最強のロック・ナンバーであった。
この1曲で僕のアタマはショートしてしまい、その後のライヴはほとんど覚えていない。
だって密かに僕は、
「1曲目がジャンピン・ジャック・フラッシュだったら死んでもいいなぁ」と思っていたのだから。

後からこのツアーのいろいろな記事を読んだのだが、
シアター・メニューの1曲目はだいたいこの曲であった。
このことを知らないで本当に良かったと思っている。

今、思い出してもくらくらする。
このときの「JUMPIN'JACK FLASH」 以上の体験は、間違いなくこの先は無いだろう。

あなたにとってのロックな体験は何ですか?
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Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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