仲井戸麗市×新谷祥子 2018春に奏でるDuet. 南青山MANDALA 2018.4.12~4.13

二人の共演は春の恒例である。
その始まりは実に13年前に遡る。

  それにしても新谷さんは素晴らしかった。
  巧みにマリンバを叩き、パーカッションを操る。
  優しさと強さ、その表現力、数曲で披露したヴォイス…。完全に目と耳を奪われる。
  演奏中の彼女はワイルドであるが、美しい。
  視覚的にもとても素敵なミュージシャンである。カッコよかった。
  しかも、曲が終わるたびに見せてくれた笑顔がとてもチャーミングで、
  そのギャップがまた良かった。

  ステージでは「静の仲井戸麗市、動の新谷祥子」であり、
  曲によってはチャボ、完全に食われていたよ。

  僕は、今回のDuetがいちばん良かったと思う。
  音楽的にも楽器的にも、そしてミュージシャン同士の相性としても、
  おそらくベスト・マッチだったのだろう。
  チャボも新谷さんも、お互いが主張するところはもちろんあるのだが、
  それのバランスが良かった。
  チャボが押すと新谷さんが引き、新谷さんが走るとチャボが止まるのである。
  しかも、それが自然な感じであった。

2005年に初めてこの二人の共演を観たとき、僕はブログにこう記した。
ここから13年。
当時の印象は今も変わらない。
それどころか、チャボと新谷さん双方にこの同じ時間が流れているので、
その時間分の音楽がそれぞれに積み重なっているわけである。
ここで言う音楽はそのものだけを指すのではなく、
あたりまえだが生活や環境、体験など、人生と言っていいものだ。
それが各々の音楽…音と言葉だ…となり、2018年の春に交わった。
初めから凄かったセッションにこうしたことが加わるのだから無敵である。

image1 (3)

特にラストに演奏された「長い旅」が白眉。
新谷さんの3rdアルバムに収録されているこの曲に、
今回は何とチャボの「MY WAY」「明日の為に、今日もある。」、
そして「風樹」の歌詞を加えて構成した実験的な曲として披露してくれた。

元々は新谷さんらしいPOPなメロディを持つ曲なのだが、
チャボが「風樹」のリーディングを被せ、新谷さんはチャボの詩をラップ調に乗せる。
実験的と書いたが、こう言葉で振り返ってみても、やはり実験的だったと思う。
しかし、この曲は僕の耳にはまったくPOPで聴きやすい曲として届いた。
まるで初めからそうであったかのような曲であった。

これこそが、新谷祥子が仲井戸麗市と演り続けてきたことの成果というか、
演りたかったことのひとつの形なのだろう…と思った。
これまで通りに、単に自分の曲をチャボとセッションするだけでは、
アレンジをセッション用に変えたとしても、おそらくこの「長い旅」の感動は無かったと思う。
新谷さんの中の " 仲井戸麗市と演奏することの意味 " が、
きっと今回の「長い旅」になったのだろう。

繰り返すが、「長い旅」は実験的だけどPOP。
ここの " POP " というのは僕の中で " 新谷祥子と仲井戸麗市 " とイコールである。
こうして具体的な形で二人の音楽として結実していたのが素晴らしい。
そして、その曲でライヴが締めくくられたことはとても素敵である。

     **********

新谷祥子パート。
相変わらずの新曲とカヴァー中心で、
今回も既発のオリジナル曲を披露することは少なかったが、
音楽プロデューサーの大森昭男さんに纏わるエピソードからの「それだけのこと」は、
重みと深みがあった。
取り上げられるカヴァーもチック・コリアからベートーヴェンという風に実にらしい選曲。
春と言いながらもじっくりと聴かせるメニューだった。
恒例のチャボのカヴァーは「荒野で」。
バンド・アレンジをマリンバ弾き歌いで演奏するという荒業であるが、
そのおかげで視覚的にも音的にも素晴らしい彼女の特徴が出ていたと思う。

仲井戸麗市パート。
いきなりチャック・ベリー風味の「春が来た」である。
「花」とか「今日の日はさようなら」とか、最近のチャボは唱歌的な曲を歌うが、
このモードに慣れるのはなかなか難しい(笑)。
純粋なオリジナルはほとんど披露せず、
ビートルズ、ディラン、トム・ウェイツなどのカヴァーと共作曲が中心だった。
新谷祥子の「鐘は鳴る」をリーディングではなく歌ってのカヴァー。
チャボ的にはこうした曲は試練なのだろうが、その良い意味での拙さも吉と出ていた。
リーディングよりも絶対に歌である。そう思う。
最後に歌われた梅津和時との共作「祈り」は、Soul Matesとしての活動と関係がありそうだ。

セッション・パート。
仲井戸麗市の「ホームタウン」「BLUE MOON」「ま、いずれにせよ」や、
ベット・ミドラーの「The Rose」、前述した「長い旅」など、
すべてが聴きごたえのあるものだった。
平成の橋幸夫、吉永小百合による「いつでも夢を」は評価が難しいが(笑)。

毎回思うことだが、2時間のステージでいいので、オール・セッションのライヴを観たい。

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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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