夜も昼も / 浜田真理子 -2006-

中島みゆきを歌うその声に惹かれたのがきっかけだ。
素晴らしい歌声だった。
言葉にしちゃえば、きっと透明感だとか癒し系だとか、
そんなものになっちゃうんだろう。
でも、そういったものとは何かが違っていたと感じたのは確かだ。

その後、彼女が歌った「アザミ嬢のララバイ~世情(メドレー)」。
これが収録された中島みゆきカヴァー集 『元気ですか』 を入手。
この曲を真っ先に聴いたのは言うまでも無い。
はたして…。

スピーカーから流れてきた彼女の歌声に感動した。
本当に心が動かされた。
ピアノの音とヴォーカルだけに、こんなに衝撃を受けたのは初めてだ。

例えば、忌野清志郎も一度聴けば忘れることの無い独特な声であるが、
彼の場合は、単に声だけが僕の心を動かしたわけではない。
しかし、浜田真理子はまさにその声だけが僕を捉え、心を奪っていったのである。

もちろん中島みゆきのカヴァーだけで満足できるわけが無かった。
現時点での最新作である 『夜も昼も』 を手に入れる。
家に帰るまで、聴きたくて聴きたくて仕方が無かった。
早く早く早く帰りたかったし、聴きたかった。
こんな気持ちになったのは仲井戸麗市の 『絵』 と麗蘭の1stを手に入れたとき以来だ。

人生で出会う一枚のレコード(CD)というのが人それぞれで何枚かあると思うが、
それでも、そんなに数が多いものでは無いと思う。
だからこその「一枚」なわけだし。
浜田真理子の 『夜も昼も』 は、
たった一日聴いただけで、僕にとってのそんな一枚となった。

ピアノの弾き語りというのが彼女の基本スタイルのようだが、
このアルバムにはいくつか他の楽器が絶妙なさじ加減で加わっている。
それはピアニカやチェロ、コントラバスなどだ。
しかし、まったく無駄な音が無い。
だいたい音自体が少ないうえにそんな感じなので、
これ以上無いというところまで削られている…
いや、この音楽にはこれが最大限の音の数なのだろう。
素晴らしいアレンジだ。

全曲が彼女のオリジナル。
ラヴ・ソング。
初めて彼女の歌詞に触れたのだが、とても素敵だ。
読むだけで目に優しい言葉たち…と言ったら良いだろうか。
本当にそんな感じなのだ。
ひらがなが似合う…と言ったら少しはわかってもらえるだろうか。

そして、圧倒的なその音楽。
メロディは、誰もがいつかどこかで聴いたことがあるように錯覚する曲が多い。
この「誰もが聴いたことがあるようなメロディ」、
「誰でも簡単に思い浮かびそうなメロディ」を作ることができているということは、
それが名曲であるということだ。
いきなりな展開になるが、これはポール・マッカートニーが作る曲と同じである。
例えば「All My Loving」。あれは誰もが聴いたことがありそうな曲だが、
発表された63年以前には、あのメロディは世界に存在していなかったわけだ。
浜田真理子が作る曲も同じである。

アルバムには結構バラエティにとんだ作品が並んでいるのだが、
それをこの楽器編成で見事に表現しているのも素晴らしい。
そして、何と言っても、その中で燦然と輝いているのが彼女のヴォーカルである。
この声に僕は惚れたのだ。

彼女のオフィシャル・サイトを見ると、
その音楽から受ける印象とは違うキャラのような感じもするが、
そんな軽いギャップも僕は楽しんでいる。
※2004年にはTV番組『情熱大陸』に出演している。

さて、このアルバムに限って言えば、誰にでも薦められる作品だ…と感じる。
最初に書いたように「癒し系」という単語で十分に説明できる内容だと思う。
ただ、この音楽には狂気がある…と思う。
彼女自身がどうであれ、僕はここからかすかだとしてもそれを感じる。
特に「爪紅のワルツ」という曲。
アルバムの中でも最もお気に入りのナンバーで、タイトルどおりワルツである。
しかし、このワルツで踊ることができるのは、
かつてミック・ジャガーがMr.Dと踊ったのと同じダンスだろう。

浜田真理子の 『夜も昼も』。
僕がここ十年で聴いた中でも、個人的BESTに挙げられる作品となった。
素晴らしいミュージシャンと出会えて嬉しい。


浜田真理子 / インディペンデントレーベル(2006/11/04)
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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