ただの私/オノ・ヨーコ

「ただの私」というオノ・ヨーコの本がある。
自身の半生を綴った文章からウーマン・リブ、
フェミニストとしての面を書いたエッセイやインタビューなど、
70年代の文章を中心にまとめたものだ。
とにかく彼女の生き方、考え方はもちろんだが、その凄まじい人生に感動すると思う。
ただしそれは結果としてそういう生き方や人生になっているだけなのかもしれない。
その結果を見て聞いた僕らが感じた事が、ヨーコのイメージになっている面は多いと思うのだ。
こういう点をヨーコ本人は、あまり気にしていないのだろう…と思うのだが…。

事実、彼女は本のタイトルのように「私はただ私でありたいと思って暮らしてきただけ」と言う。
しかし、やはりあの時代とジョン・レノンを抜きには語れないと思う。
ただ、本を読めばわかるが、不思議なことにジョン・レノンの香りがあまりしないのだ。
もちろんインタビューでも語られているしエッセイにも名前は出てくる。
しかし、それでもジョンの色は薄い。
これはヨーコの本(や、インタビューなども含めて)の特徴だと、常々個人的に強く感じていることだ。

この本はハード・カバーよりも文庫版がお薦めである。
その理由は、文庫化にあたり、ヨーコからの希望でふたつの短い文が追加されているからだ。
ひとつは「空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか」というもの。
これは、もう1冊のヨーコに関する代表的な本である「オノ・ヨーコ 人と作品」という、
彼女の前衛芸術活動について書かれたものがあるが、この本にヨーコが寄せた文章の再録だ。
編者である飯村隆彦さんがあとがきに「大変、力強い文章である」と書いているが、そのとおりだ。
僕は今までロックに関する素晴らしい文章をたくさん読んできたつもりだが、
この文章はおそらくその中でも個人的にいちばんかもしれない。
これが文庫版ではまず巻頭に置かれている。

そしてもうひとつは「明日また行くんだ」という感動的なエッセイである。
これは某百貨店主催のビートルズ展にヨーコから寄せられたエッセイということだ。
ジョンを失った後に訪れた軽井沢での出来事を綴ったもので、読むたびにグッときてしまう。
これが文庫の最後を飾っている。
このふたつは、立ち読みでも良いから読んでみて欲しい。


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最後に、去年の初夏に東京で開催された「YES オノ・ヨーコ」展について。
過去に日本でも何度か個展は開催されているが、このときが初めて足を運べた個展である。
ヨーコの作品は、我々が参加をして完成するものがほとんどだ。
展示してあるものは、実際に参加できた作品もあったが、できないものもあった。
できないものの前では、いつかのジョンと同じように「想像の中で参加」したつもりだ。
とにかく有名なアート作品を実際に目にする事ができて感激した。

加えて僕が感じたのはヨーコのカッコよさだ。
特に昔の写真を見ると、その目が印象的である。
特に正面を見ている写真の視線の力強さは凄い。
そして、美しいのだ。きれいなのだ。
ヨーコはカッコイイのである。やっているのは音楽では無いが、ロックだと思った。

それにしても、世界一有名な日本人のひとりであるが、
いまだにジョン・レノンの未亡人ということ以外、
日本では彼女のことはほとんど知られていないというのも不思議である。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

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