fluid / 古井戸 -2015-
80年代のある時期から90年代アタマにかけて、
RCサクセション以前にチャボが在籍していた古井戸をすべて聴きたくて、
必死で中古レコード屋を巡り、エレック時代のアルバムを集めました。
美品であれば、当時は中古市場での古井戸の相場は5ケタ。
1枚見つけるたびに10,000円が吹っ飛んで行きましたが、
代わりに手に入れた音楽の魅力がそれを上回っていました。

レコードは深くじっくりと聴きこみましたが、
チャボのライヴで取り上げられる古井戸はほんの一部でした。
よって、その時々では、満足な古井戸を聴くことは叶いませんでした。
さらに輪をかけていたのが、チャボの古井戸への想いやスタンスです。
FC会報やインタヴューを中心に知っていったそれらにより、
徐々に古井戸は僕の中でタブーになっていきます。
まぁ…タブーは大げさであっても、事実、それに近かったというのが実感です。
僕が思うチャボと古井戸のあいだにある距離は、想像している以上に離れていたのでしょう。
きっとそれはいつまでも縮まることのない距離…。
さて、今現在のチャボはニュートラルに古井戸の曲を取り上げるようになっています。
チャボが古井戸を多く歌うようになったのは90年代が終わる頃で、
僕自身がハッキリそれを意識できたのは98年、SWEET HOME SHINJUKUです。
実際にこのライヴでは、ひとつのステージで「何とかなれ」と「永い夢」を歌うなど、
驚きのセット・リストもありました。
ファンならご承知の通り、解散コンサートを象徴している2曲です。
これを同時にライヴで取り上げることにびっくりしたのを今も思い出せます。

古井戸を歌うようになり、結果として、
2000年に発表された『works』での古井戸セルフ・カヴァーに繋がるわけで、
理由はわかりませんが、間違いなくチャボにとってポイントになった時期のはずです。
それでも…チャボが古井戸を歌うことはあっても、
古井戸を語る…話すことは、ほぼ無いと言っていいと思います。
この、チャボが触れないことによる影響はかなり大きく、
過去の古井戸のベスト盤発売や紙ジャケCDでのリイシューなど、
何度かあった機会も、そう話題になることもなく、
結果として再評価にも繋がらず今に至っているのは、
仲井戸麗市サイド側のスタンスがいちばんの理由だと感じています。
仲井戸麗市、デビュー45周年の今年、
『fluid』のタイトルで発表された3枚組のCD。
モノクロの何枚かの未発表写真以外は、
単に発表された順にオリジナル・アルバム収録曲が並び、
デビューから解散までの10年間を追った流れになっています。
しかし、収録された42曲を通して聴くと、
流体と言うバンド名に込められたその意味をダイレクトに感じさせてくれます。
70年代と言う時代のため、今ではどうしても違和感を感じてしまう歌詞があるけれど、
メロディ、アレンジ、ギターのフレーズなどをじっくり聴いてみると、
実に多彩な音楽性を持っていたことがわかりますし、
洗練されているアレンジで、今も通用する曲も少なくありません。
個人的には、まずは「待ちぼうけ」や「ねむけざまし」「ねえ君」。
これらは今のチャボが好むタイプの曲であり、ソロで演っていてもおかしくないし、
シンプルなアレンジとギターが実にかっこよく、あらためて驚かされた曲たちです。
「何とかなれ」「ポスターカラー」のように、ハモリというより二人のヴォーカルを重ねたり、
「四季の詩」「スーパードライバー5月4日」のツイン・ヴォーカルで聴かせるアレンジは、
独特な古井戸サウンドの特徴であり、こちらも実にかっこいいです。
未CD化の『サイド・バイ・サイド』からの4曲も貴重です。
「チャンピオンが負けた日」と「さよならマスター」などは良くできた曲で、
いわゆるニュー・ミュージック的な音ですが、
しっかりしたメロディとアレンジがあるし、このPOPさは悪くありません。
アルバムがフルで再発されたら、今ならば高く再評価されそうな気がします。
これまでと変わらず、今回もチャボは何も語っていませんが、
その代りに3枚のディスクが思い切り雄弁です。
『fluid』は、古井戸のコンピレーションとして決定版なのは間違いないでしょう。
最後にひとつだけ。
仲井戸麗市と古井戸のデビュー45周年に沿って、
僕ならばこのアルバムに次の3曲を追加して45曲にします。
「花言葉」from 唄の市 第一集(朗読はカットしたヴァージョンで)
「退屈」from 古井戸の世界
「ステーションホテル」from シングル(絶対にシングル・ヴァージョンです)

RCサクセション以前にチャボが在籍していた古井戸をすべて聴きたくて、
必死で中古レコード屋を巡り、エレック時代のアルバムを集めました。
美品であれば、当時は中古市場での古井戸の相場は5ケタ。
1枚見つけるたびに10,000円が吹っ飛んで行きましたが、
代わりに手に入れた音楽の魅力がそれを上回っていました。

レコードは深くじっくりと聴きこみましたが、
チャボのライヴで取り上げられる古井戸はほんの一部でした。
よって、その時々では、満足な古井戸を聴くことは叶いませんでした。
さらに輪をかけていたのが、チャボの古井戸への想いやスタンスです。
FC会報やインタヴューを中心に知っていったそれらにより、
徐々に古井戸は僕の中でタブーになっていきます。
まぁ…タブーは大げさであっても、事実、それに近かったというのが実感です。
僕が思うチャボと古井戸のあいだにある距離は、想像している以上に離れていたのでしょう。
きっとそれはいつまでも縮まることのない距離…。
さて、今現在のチャボはニュートラルに古井戸の曲を取り上げるようになっています。
チャボが古井戸を多く歌うようになったのは90年代が終わる頃で、
僕自身がハッキリそれを意識できたのは98年、SWEET HOME SHINJUKUです。
実際にこのライヴでは、ひとつのステージで「何とかなれ」と「永い夢」を歌うなど、
驚きのセット・リストもありました。
ファンならご承知の通り、解散コンサートを象徴している2曲です。
これを同時にライヴで取り上げることにびっくりしたのを今も思い出せます。

古井戸を歌うようになり、結果として、
2000年に発表された『works』での古井戸セルフ・カヴァーに繋がるわけで、
理由はわかりませんが、間違いなくチャボにとってポイントになった時期のはずです。
それでも…チャボが古井戸を歌うことはあっても、
古井戸を語る…話すことは、ほぼ無いと言っていいと思います。
この、チャボが触れないことによる影響はかなり大きく、
過去の古井戸のベスト盤発売や紙ジャケCDでのリイシューなど、
何度かあった機会も、そう話題になることもなく、
結果として再評価にも繋がらず今に至っているのは、
仲井戸麗市サイド側のスタンスがいちばんの理由だと感じています。
仲井戸麗市、デビュー45周年の今年、
『fluid』のタイトルで発表された3枚組のCD。
モノクロの何枚かの未発表写真以外は、
単に発表された順にオリジナル・アルバム収録曲が並び、
デビューから解散までの10年間を追った流れになっています。
しかし、収録された42曲を通して聴くと、
流体と言うバンド名に込められたその意味をダイレクトに感じさせてくれます。
70年代と言う時代のため、今ではどうしても違和感を感じてしまう歌詞があるけれど、
メロディ、アレンジ、ギターのフレーズなどをじっくり聴いてみると、
実に多彩な音楽性を持っていたことがわかりますし、
洗練されているアレンジで、今も通用する曲も少なくありません。
個人的には、まずは「待ちぼうけ」や「ねむけざまし」「ねえ君」。
これらは今のチャボが好むタイプの曲であり、ソロで演っていてもおかしくないし、
シンプルなアレンジとギターが実にかっこよく、あらためて驚かされた曲たちです。
「何とかなれ」「ポスターカラー」のように、ハモリというより二人のヴォーカルを重ねたり、
「四季の詩」「スーパードライバー5月4日」のツイン・ヴォーカルで聴かせるアレンジは、
独特な古井戸サウンドの特徴であり、こちらも実にかっこいいです。
未CD化の『サイド・バイ・サイド』からの4曲も貴重です。
「チャンピオンが負けた日」と「さよならマスター」などは良くできた曲で、
いわゆるニュー・ミュージック的な音ですが、
しっかりしたメロディとアレンジがあるし、このPOPさは悪くありません。
アルバムがフルで再発されたら、今ならば高く再評価されそうな気がします。
これまでと変わらず、今回もチャボは何も語っていませんが、
その代りに3枚のディスクが思い切り雄弁です。
『fluid』は、古井戸のコンピレーションとして決定版なのは間違いないでしょう。
最後にひとつだけ。
仲井戸麗市と古井戸のデビュー45周年に沿って、
僕ならばこのアルバムに次の3曲を追加して45曲にします。
「花言葉」from 唄の市 第一集(朗読はカットしたヴァージョンで)
「退屈」from 古井戸の世界
「ステーションホテル」from シングル(絶対にシングル・ヴァージョンです)

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