Live. La solitude / 浜田真理子 -2014-

5月のツアー会場で、そして美音堂サイトでの通販でと先行発売はありましたが、
この6月末に、晴れて正式にリリースされました。

SFS-017_convert_20140716223701.jpg

Live. La solitude

ディスクをCDプレーヤーにセットしてスタート・ボタンを押すと、
聴こえてきたのはピアノでも拍手でもなく、
ステージに向かう真理子さんの足音でした。
まずはこのオープニングに興奮しますが、その後の拍手と、
少しもったいぶったイントロから歌いだされる冒頭の歌詞が、
" 早く抱いて うまく抱いて " です。
まさに浜田真理子、9年ぶりのライヴ盤として実に相応しい幕開けです。

1曲目の「早く抱いて」が終わると、聴こえてくるはずの拍手がありません。
おや?…と思いながら聴き続けると、曲間の拍手はすべて編集で消されていました。
拍手が収録されているのはオープニングとエンディングのみ。
しかし、ライヴ盤でありながらのこの編集には制作サイドの強い意志を感じます。
ここで思い出すのが、アルバムの先行発売ライヴ・ツアーのコンセプトです。
以下、抜粋。

 テーマは「ひとり」
 ピアノ弾き語りによるひとり演奏、ひとり歌、「個」、「孤」の歌物語
 聴く人もひとりで物語に浸り、ひとりを堪能し、会場全体で「ひとり」を共有して欲しい

見事にこの内容が反映されたライヴ盤ではないでしょうか。
曲が終わるごとに訪れる静寂が、
まさに「個」と「孤」を表現しているのだな…と感じます。
『Live. La solitude』は、ライヴの再現や記録としてではなく、
当日の音源を使って、改めて " ひとり " というコンセプトを、
作品として提示してくれた素晴らしいライヴ・アルバムなのだと思います。

いきなりの「早く抱いて」と「りんごのひとりごと」の緊張感。
カヴァーが中心なのも、独特のこんな雰囲気を生んでいる要因です。
オリジナルの「Love You Long」でホッとしますが、そんな気分はここだけ。
あとはラストまで「個」と「孤」が繰り返され、
「ひとり」で「ひとり」を堪能し、「ひとり」に浸されます。

最後の " どうもありがとうございました " の挨拶と拍手。
ここにきてやっと「ひとり」から解放されますが、
アルバムを聴いているあいだにこれだけ自分の中に、
そして自分の内に気持ちよくおりていける作品には、
なかなか…そうそう…簡単には出会えないように思いました。

実際のライヴでは収録された以外にも歌われた曲があり、
特に「満月の夕」が未収録なのは残念に思っていましたが、
こうして聴くと、構成はこれしかないという流れになっています。
特に中盤の「Hallelujah」からインストの「予感」、
そして「夕凪のとき」と続くあたりの、
前半と後半をつなぐ流れもコントラストも見事です。
スピーカーの前で歌とピアノに酔うしかありません。
手垢にまみれたスタンダードであるはずの「愛の讃歌」の美しさも白眉です。

真理子さん自身によるライナー(必読!)でも書かれているように、
カヴァーは曲を分解して組み立て直すということですが、
曲を構成する様々な要素の核を取り出したうえで、それを行うのだと思います。
そうでなければあの純度の高いカヴァーは生まれないでしょう。
彼女のオリジナリティが存分に活かされた素晴らしいカヴァーを聴くと、
名曲は誰が歌っても名曲になるとは限らないのだな…という、
逆説的なことを思い知らされます。

アルバムを締めくくるのは、オープニングと対をなす、
ステージを後にする真理子さんの足音です。
その去っていき方の何という臨場感。
そしてカッコよさ!
足音をカッコイイと思ったのは、生まれて初めてかもしれません。

今年、僕にとってこのアルバムを超える作品がリリースされることはないでしょう。
これは浜田真理子が新譜を出す年に、毎回必ず思うことです。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

Profile

Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

Access Counter
Welcome Home!!
Realtime Counter
よォーこそ!
Blue's Link
Blue's BBS
Recent Comments & Trackbacks
twitter
Blueの雑記帳内 検索フォーム
Still Alive And Well
Blue's INFORMATION
チャボの盗難楽器発見にご協力をお願いします
Blog Category
Past Entries
Blog Link
Blog Ranking

FC2ブログランキング

人気blogランキング

ブログパーツ