1980年4月5日(土) 開場5:30pm 開演6:00pm 場所 久保講堂

押入れから1980年の日記を引っ張り出し、4月5日を見てみる。
現在の僕が思っている80年当時の自分の姿がズレていないか確認したかった。

白いページに、何故か赤のボールペンで記された日記の一行目。
安心した。当時の僕は、今の僕だったのだ。

CIMG4378.jpg

4月5日(土)
すげー!! RCサクセションのコンサート。
ステージの1番前まで飛び出してさ。
目の前にきよしろー、チャボ、ぎんじがいるんだ。

そして日記はこう続く。

今日のこの公演はライヴレコードになって6月に出るんだって。

もちろんこのレコードは『RHAPSODY』である。
更に翌日の日記には、ハッキリとこう書かれていた。  

昨日のコンサートでの感激が忘れられず「雨あがりの夜空に」を買ってきた。

1980年4月5日に初めてRCのライヴを観て、
その翌日に当時の最新シングル盤であった「雨あがりの夜空に」を買ったのだ。
こうして僕の10代が始まった。

     **********

改めてblogを始めるにあたり何から書こうか迷ったが、
やはり僕の原点とも言えるこの日のことからに決めました。

CIMG4371.jpg

出会いは1979年の12月だった。
当時中学生の僕は既に洋楽少年だったが、友人T君が妙な名前のバンドを教えてくれた。
それがRCサクセションだった。

     **********

T君の兄貴はフォーク好きだった。
そういった事もあり僕よりもずいぶんいろいろな事を知っていたし、
家にもたくさんのレコードがあった。
おそらく、その兄貴経由でT君もRCを知ったのだろう。

79年の暮れのこと。
T君はY君と共に僕の家に来た。
あるバンドのラジオ公開録音ライヴに行ってきたと言う。
僕に、そのライヴがいかに凄かったか…を二人は語っていった。
そのバンドの名はRCサクセション。
これが僕とRCの、最初の出会いになる。

LP 『シングル・マン』 や「ステップ!」のシングルを当時は耳にしていたが、
彼らの音にしっかりと触れたのは年が明けた80年のこと。
当時、NHK-FMの夜10時に「サウンドストリート」という番組があった。
月曜日から金曜日までDJが日替わりで代わる何ともイカシタ番組だった。
80年代半ばまで続いていたと思うが、当時のDJは月曜が松任谷正隆、
火曜が森永博志、水曜が甲斐よしひろ、そして木曜と金曜が渋谷陽一だった。

特に火曜日を担当していた森永博志さんという人。
彼は良く日本のバンドのライヴを流してくれていた。
そこでRCのスタジオ・ライヴがオン・エアされたのである。
ただし、僕はリアル・タイムでそれを聴いていない。
T君が録音したテープを聴かせてくれたのだ。
それが初めて聴いたRCのライヴの音であった。

コミック・バンドかと思った…というのが僕の第一印象である。
今となってはメンバー紹介を丸ごと1曲としてオープニングに演奏するという、
その圧倒的なエンターテインメント性が光るが、当時はそんなバンドは皆無であった。

" よ~こそ~ " だよ? 
" 古くからのオイラのダチさ~ " だよ?
こんなことを歌うバンドなんて聴いたことが無かった。

当時のメジャー・シーンでの日本のロックはチャーにツイスト、
そして原田真二がロック御三家(何と言う括りだ!)と呼ばれ、
他に挙げるとしたら、ゴダイゴや甲斐バンドあたり。
彼らの曲と比べてみれば、その異質さがハッキリする。

既に僕はバンドを組んでギターに熱中していたので、
そのテープでも自然とギターに耳が行った。
まだ小川銀次がリード・ギタリストとして在籍していて、
「よォーこそ!」で歌われているとおりバリバリに弾きまくっていた。
特に「スローバラード」での泣きのギターと、
「ステップ!」の後半に延々と続くギター・ソロは素晴らしいの一言だった。

ただ、この時点では単に興味のあるバンドのひとつに過ぎなかった。
しかし、ある日を境にそれは一変する。

     **********

T君とは別の友人が、RCのコンサートのチケットを買ってきてくれた。
僕が頼んでいた訳ではない。
悪く言えばおせっかい、よく言えば気を利かせてくれたのだろう。
何故だか…というか、幸運にも…というか、僕の分までそれはあったのだ。
たぶん行くかどうか一瞬迷った…という記憶がある。
しかし、全席自由だったが1,500円という低価格が大きかった。
僕は行くことにした。
まさかそれが後に伝説となるコンサートとは夢にも思わず…。

自由席と言う事もあり、当日は友人達と朝早くから出かけた。
場所は霞ヶ関にあった久保講堂というホール。
ホールの前には既に数十人の列があったが、僕達は何番目だったろうか、
そんなに後ろでは無い位置に並ぶことができた。
開場まで何をしながら時間をつぶしていたかは憶えていない。
あっという間だった気がする。
ただはっきりと記憶しているのは、
近くに並んでいた人が持っていた、P-MODELの 『IN A MODEL ROOM』 のレコード。
今でもこのカラフルなデザインのジャケットを鮮明に思い出す。

そして遂に開場、開演。
いきなりギンギラのジャケットを羽織ったお兄さんが客席を煽りまくる。
メンバーの名前は知ってはいたが、顔と一致しない。

あれは誰だ? 
清志郎か? 
いや、チャボじゃない? 
銀次? 

…っていうような感じだった。
そうこうしているうちにベースがぶんぶんうなり出し、コンサートは幕を開けた。
突然ステージの左手からど派手な男が飛び出してきた。

何だあれは。

そしてその男がシャウトする。 " よぉ~こそ~! " と…。

メンバーの顔どころか満足に曲の歌詞も知らないのに、
それから後はただひたすら歌い、踊り、手を上げ、手を叩き…。

コンサートも中盤を過ぎた頃。
「ステップ!」のイントロが始まったとたん、遂に僕たちは我慢できずにステージへ突進した。
久保講堂のコンサート後半の熱狂は、僕たちが引き金をひいたと今でも自負している。

めちゃくちゃになった客席だったが、
最初に突進したおかげで最前列ど真ん中、ステージにかぶりつきの位置を僕たちは確保。
「ステップ!」「スローバラード」「雨あがりの夜空に」。
そしてアンコールの「上を向いて歩こう」「キモちE」「指輪をはめたい」。
最後まで盛りあがりっぱなしだった。

「キモちE」ではドライアイスのようなスモークが、ステージ最前列で噴き出すのだが、
丁度、僕の目の前にあったそれが倒れてこっちを向いていたらしい。
おかげで曲の前半は視界が真っ白になっていて何も見ることができなかったという、
今では愉快で嬉しい思い出もある。
ちなみにこの事は日記にも ドライアイスをもろに顔にうけた と書かれている(笑)。

コンサート終了後、親しくなった大学生のお兄さんお姉さん達と一緒に銀座で食事をした。
" 凄かったね、本当に凄かったね " って話をいっぱいした。
そのお兄さんお姉さん達は凄くいい人で、その後もしばらく付き合いが続いた。
そのうちのひとり、Sさんという女性が伊藤蘭に似ていて僕は好きだった。
今はどこで何をしているのだろう?
そして今でも清志郎やチャボを聴いているのだろうか?

翌日、僕はレコード店に行って「雨あがりの夜空に」のシングル盤を買った。
このコンサートを収録したライヴ盤 『RHAPSODY』 が6月に発売され、
それを機にRCはどんどん大きくなっていく。

『RHAPSODY』 の中の清志郎とチャボは、まだ20代である。
そしてコンサート当日の僕はと言えば、中学は卒業していたが高校には入学前だった。
こんな何とも中途半端な時に、久保講堂のRCサクセションを観たのである。

1980年4月5日。僕には一生忘れられない日のひとつだ。
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テーマ : ライヴレポ・感想
ジャンル : 音楽

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非公開コメント

偶然ながら、素晴らしいライブに参加できてよかったね。
その時は気がつかないけど、後になって考えると、あの出会いがなかったら、自分は今こうしていなかったな~って出会いがあるよね。
これからも、そんな出会いがあるといいね。

お引っ越し、お疲れさまでした

>突然だが僕も「さようなら」を言います。
ココ読んだ瞬間、エライ焦りましたよ。マジで。心臓に悪いっす…。

>中学は卒業していたが高校には入学前
この時期にカラダにしみついた音楽からはちょっとやそっとじゃ抜け出せないもんですよね…。

シンプルなデザインに深い内容…私のブログ(=ゴチャついて薄っぺら)とは正反対で、いつも感嘆しつつ羨望の眼差しで拝見させてもらってます。

リニューアル、おめでとうございますv-46

さらみさん

コメント第一号、ありがとうございます v-218
実はmsnのブログで最初に書いた記事の改訂版なのですが、やはりここから始めないと、どうにも落ち着きませんでしたね。

月見家さん

「さようなら msn」ですよ v-7

このテンプレート、皆さんのモニターでの表示はわからないのですが、文字が大きくて気に入りました。読みやすいですよね?

>中学は卒業していたが高校には入学前
この、まさに "空白の一日" みたいな時期。正確な身分は何だったんだろう?

はじめまして^^

こちらでは、はじめまして。
”さようなら”、見て、ビックリしましたが、ほっとしました^^
全然変わらぬ様子。原点の記事ですねえ。
お引越し、お疲れ様でした。
見やすいし、晴れてコメントできます。
これからも楽しみにしています。

nobuさん

いらっしゃいませ~。v-290
やっと落ち着いて(?)ブログで遊べそうです。変らずマイペースでやっていきますので、よろしくお願いします。

お引越し、おめでとうございます♪

最初の記事がRHAPSODY、嬉しくなってしまいます。

これからも楽しみにしています。

Rainbowさん

いらっしゃいませ~。v-290
何も変らずやっていきますので、こちらでもよろしくお願いします。

No title

僕はこの日厳しいチェックをかいくぐって録音器を持ち込んだんですが、電池切れで録音できなかった。とても残念だったんだけど、ずーっと経ってからNAKEDが出て全曲聴けました。
帰りの電車の新橋駅のホームで生まれて初めて自分で買ったタバコを吸いました。

Re: て さん

> とても残念だったんだけど、ずーっと経ってからNAKEDが出て全曲聴けました。

NAKEDは永久保存版ですよね。
コメントありがとうございました。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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