But Beautiful / 浜田真理子 -2013-

浜田真理子、4年ぶりになる5枚目のオリジナル・アルバムが発売された。
タイトルは『But Beautiful』。
その名の通り、何もかもが美しいアルバムであり、どこまでも美しい音楽である。


CDとして作品化されたものよりも先に、新作発売記念ライヴで全曲を聴いた。
ライヴではアルバムの全曲を、しかもその収録順に歌ってくれたわけだが、
当然ライヴはピアノの弾き語りになる。
はたして…いつものハマダマリコ的な世界が展開されたわけだが、
何てったって新曲であるからして、受けた印象はこれまでとは同じようで違う。
いきなり冒頭から ♪ あなたには顔がない わたしには声がない…である。
ただし、この一節から僕自身が感じる強烈な違和感こそが浜田真理子の魅力だ。
直前の自分がどんな精神状態であっても、彼女の歌とピアノが空気を震わせた瞬間、
一気にハマダワールドへ引き込まれてしまう。
いつ、どんなライヴであってもそれは変わらない。
ライヴで歌われた新曲を聴いた結果、アルバムに触れる前から、
少なくとも僕にとってのそれは大傑作と確信することになった。

新作について事前にわかっていた情報は、弾き語りのソロ録音ではなくアンサンブル。
3rdアルバム『夜も昼も』での最小限アンサンブル・スタイルを踏襲しながらも、
新しい形に挑戦…ということだった。
彼女自身のブログではレコーディングの様子が綴られていた
これを読んだときは本当に驚いたが、その音がまったく想像できないながらも、
もちろん期待に胸とココロをを大きく膨らませていた。

オープニングの「森へ行きましょう」がいきなり凄い。
これからこの曲を聴くたびに何が歌われているのかを考えることになるだろう。

続く「ミシン」がこれまた凄い。
事前情報から想像していたピアノの弾き語りにストリングスの味付け…とはまったく違う、
曲の本質を浮かび上がらせる素晴らしいアレンジだ。

「遠い場所から」には無駄な音がひとつもない。
一音も付け足す必要ははなく、一音でも欠かすことはできない。

ハマダマリコ節が炸裂した「ためいき小唄」。
こういったメロディを歌わせたら右に出るものはいないだろう。
♪ ためいきためいきためいきためいき…のリフレインが美しい。

ライヴでは個人的白眉だった「花散らしの雨」。
語って歌い、歌って語るというシャンソンを意識したスタイルとのことだ。
あまりにもライヴがカッコ良かったので、
スタジオ・ヴァージョンはライヴに比べて物足りなさを感じてしまったが、
聴いていくうちにそんな気持ちは解消していった。
それでも、やはりライヴでこそ聴きたい曲だ。

たき火をしているように…なレコーディングだったという「ちょっとひとこと」は、
参加した各メンバーの出す音が主張することなく目立ちながら浜田真理子している。

ライヴで聴く透き通った美しさがそのままパックされた「はためいて」。

ファンにはお馴染みの名曲でやっとCD化された「骨董屋」。
こうして冷静に聴くと、そのストーリーを知っていてもあらためて引き込まれる。

「Good Bye, Love」は、
ライヴのMCで知ることになった愉快なレコーディングのエピソードのおかげで、
あるシーンが目に浮かび笑ってしまうのだが、もちろんそんな風に聴く曲ではない。
歌詞を読めばわかってもらえるだろうと思う。

メロトロンがあまりにも美しい「啓示」。
こうしたある種の宗教的にも取れるテーマは珍しいというか、
これまではなかったのではないか。短いながらも大きな作品だ。

「あなたなしで」は、
収録曲の中ではいちばんのハマダマリコ的王道のラヴ・ソング。

アルバムを締めくくるのは「四十雀」の続編であろうか…という「五十雀」。
とても短い曲だが、残る余韻の深さは底なしだ。
そして、何よりもポジティヴに終わるのが素晴らしい。

あぁ、結局は全曲に触れてしまった…。

発売記念ライヴを渋谷のクアトロで観たその夜、
真夜中にそっとこのCDを聴いた。
想像していた以上に驚きの音だったけれど、間違いなくハマダマリコの世界。
収録曲すべてが素晴らしかった。
ふるえて、わらえて、なけてくる。
But Beautiful。
僕にとって美しいと呼べるのはこういう音楽を指す。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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