ジャスト・キッズ / パティ・スミス

まずはオフィシャルからコピー文を引用。

 ニューヨークを舞台に
 写真家ロバート・メイプルソープとの出会いから別れまでの20年を綴った、
 パティ・スミスによる青春回想録

 アーティストを目指し
 20歳の頃単身ニューヨークへやってきた痩せっぽちの女の子は、
 死の間際までかけがえのないパートナーであり続けた写真家
 ロバート・メイプルソープと運命的な出会いを果たす。

 その後、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグら
 60~70年代カウンター・カルチャーの重要人物たちとの交流を育んでいく。
 2010年度全米図書賞ノンフィクション部門受賞。映画化も予定されている。

 ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグ、ジャニス・ジョップリン、
 ジミ・ヘンドリックス、アンディ・ウォーホル、サルバドール・ダリ、サム・シェパード、
 ジム・キャロル、トッド・ラングレンらとの出会いを瑞々しい筆致で描く。

という本である。
ここに挙げられた人たちとの出会いはもちろん興味を惹かれるし、
他にもテレヴィジョンとトム・ヴァーレインが出てくるくだりには、
さすがに " おおっ! " となるけれど、
これらのエピソードにはあまりページがさかれず、
あくまでもパティ・スミスとロバート・メイプルソープが主役だ。
ミュージシャンとしての当時のパティ・スミスについては、
ファンならもっと深く知りたい部分であり、書いてほしい時代でもあるが、
彼女はそれを知っていても、意識してこのようにしたのかもしれない。
ただ、いつかは書いてくれるような気もする。

     **********

決して短い物語ではないけれど、その描写は淡々と描かれていくだけであり、
変な表現だが、ポンポンと読み進めることができた。
彼女の文章はもちろん、翻訳の影響もあるのだろう、
必要以上に感情移入をすることはなかった…が、それがとてもよかった。

一言で表すとしたら美しいラヴ・ストーリーになるだろう。
時代が変わり、それぞれがおかれた環境が変わっても、
二人の関係は決して変わらなかったことが素敵だ。
変わらなかったどころか、
どんどんその繋がりが太く強くなっていったことに感動する。

実質的な最後の章である 『神と手を取り合って』 は、
結末がどこに向かうのかがわかっているからこそ辛くもあるが、
アルバム 『ドリーム・オブ・ライフ』 のレコーディングと同時進行する物語に、
どんどん引き込まれてしまった。
読んでいる最中、アタマの中にはこのアルバムの曲がぐるぐると駆け巡った。
彼女の文章からは、そのレコーディング・シーンがハッキリと目に浮かぶし、
実際に 『ドリーム・オブ・ライフ』 を聴きながら数ページを読んだ。
ただでさえ美しい「ザ・ジャクソン・ソング」や「パス・ザット・クロス」、
そして「ワイルド・リーヴズ」らの曲が、僕には新しく生まれ変わったように聴こえた。

     **********

ロバート・メイプルソープが見にきたという、
息子への子守歌である「ザ・ジャクソン・ソング」のレコーディング。
ピアノに座るリチャード・ソウルとパティは向かい合い、ライヴ録音をする。
フレッド・スミスにリチャードが「何か注文は無いか」と聞くと、
「泣かせる曲にしろよ」とだけフレッドは言う。
歌い終わったパティがガラス越しにコントロール・ルームを見ると、
長椅子の上でロバートは眠り、フレッドは一人で泣きながら立っていた…。

何だかとてもココロに残ったシーンだ。
この本を読む前と、読み終えた今では、
『ドリーム・オブ・ライフ』 は、
僕にとってまったく違うアルバムになってしまった。

     **********

物語が終わり、読者への覚書を読み、いくつかの詩と写真を目にしていくと、
突然「机」という短い一篇があらわれる。
二人の物語を締めくくる素敵なエピソードだ。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

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