仲井戸麗市×石橋凌「SOUL TO SOUL」with藤井一彦、伊東ミキオ 南青山MANDALA 2012.8.19~8.21

魂こがす3日間…を覚悟していたけれど、結果としては、
個人的に魂がこげるどころか、魂やすまり、魂あたたまる…という3日間。
もちろんライヴ中は興奮しっぱなし、感動感激しっぱなしだったわけだが、
終わってみれば、この穏やかな気分は何なのだろう。
藤井一彦と伊東ミキオの愛あるサポートを受けたチャボと凌の音楽。
SOUL TO SOULなミュージック。
文字にしてしまえばこんな風にしか表すことができないけれど、
そんな音楽が僕をこんな気分にさせてくれたのだろうと思う。

CIMG1833.jpg CIMG1836.jpg CIMG1847.jpg

まずは石橋凌のステージから書く。

ソロ・アルバム『表現者』でもARBナンバーがセルフ・カヴァーされていたから、
ライヴではその曲に加えて演奏された他のARB時代の曲があるわけで、
そりゃぁ僕みたいなファンは盛り上がるしかなかったわけだ。

初日は藤井一彦のギターとのステージ。
前半から中盤で演奏された「HEAVY DAYS」「抵抗の詩」「Just a 16」。
特に「HEAVY DAYS」は泣けた。
おそらく僕は2007年のLOFTで聴いた以来だ。
そして「Just a 16」。
ヴォーカルだけとれば、ARBのライヴで聴けた鬼気迫るうたに近いものを感じた。
ここで白眉だったのが一彦によるギター。
スパニッシュ風なアレンジで、実にカッコ良かった。好ヴァージョンだと思う。
本編ラストは「AFTER '45」。いつ聴いても名曲だ。

2日目の伊東ミキオとのステージ。
「PALL MALLに火をつけて」には驚いた。
チャボが歌う曲として、ライヴ前に友だちと気軽に予想した中にあった曲だが、
凌のパートで歌われるとは思ってもいなかった。
おそらくピアノのアレンジから考えて選ばれたのだろう。
この日の本編ラストは「魂こがして」だった。
一生歌っていきます…のフレーズを久しぶりに耳にし、ゾクゾクした。

3日ともセット・リストを変えてきた。
それぞれが違う魅力にあふれた3日間だったけれど、
最終日が新作『表現者』的な色がいちばん出ていたセット・リストだった。
「縁のブルース」がココロに沁みてきた。

凌は3日とも持ち時間の中で、全力で自分が今できうるステージをやりきったと思う。
それがあまりにもの世界を作ってしまったため、
友だちがしていた " チャボのライヴに来た気がしない " というツイートの気持ちもわかる。
確かにその通りだったかもしれない。
でも、基本的にこれまでの共演ライヴと構成は同じだし、チャボの姿勢も変わっていない。
相手側のスタンスなんだと思う。
チャボへのリスペクトと感謝の気持ちを感じさせながらも、
自分の世界を完璧に提示するガチなうたと演奏。
凌はプロとしてそれをやっただけなのだ。
僕にとっては素晴らしい石橋凌の3日間だった。

**********

さて、仲井戸麗市。
チャボはまったく逆のステージだった。
オリジナルは最小限に抑えたカヴァーを中心に置くメニュー。
最近はこんなステージも少なくないので、
まぁ、いつものチャボらしい内容だったと思う。
驚いたのはARBの「ウィスキー&ウォッカ」を歌ったことだ。
凌の曲を演るとは思ったが、まさかこんなにストレートなARBの代表曲を選ぶとは!
しかも、完全なオリジナル・アレンジになっていて、
その崩されたメロディーから可愛さを感じるという物凄いヴァージョンだった。
♪リンドンリンドンイェー や ♪おおあわて の部分がそれだ(笑)。
さすがに初日は固く、こなれていない演奏だったが、二日目はいきなりキメていた。
いいヴァージョンだったと思う。

本編の最後は、実に何年振りだろうかの「R&R Tonight」だった。
若手とセッションでこんなの思い出した…と言っていたが、
何故思い出したのか、その理由は何なのか…が気になる。

久々に曲の中に入っていくチャボを観た。
ひとつひとつのフレーズを歌いながらというよりも確かめながらという演奏。
ギターを弾いてるのではなく自分がギターになっているという演奏。
この曲をここで歌ったのは、単に思い出しただけということではあるまい。
ここから次に繋げてほしい。
このライヴから何かが生まれてほしい。
そんなことを思った。

**********

アンコールのセッションは音楽に溢れた素晴らしいものだった。
あの場に僕がテロップを出すならば " HAPPY " しか考えられない。
ここからは箇条書きで印象に残ったシーンを記しておく。

・「横浜ホンキートンクブルース」の間奏。
 藤井一彦がギターソロの途中でチャボに抱きつくという場面があった。
 いいシーンだった。
 RCサクセションに対するファンの思いに勝ち負け優劣をつけるつもりはないが、
 自分に近いか、自分も理解でき共有ができるか…はわかるつもりだ。
 そしてそれを目の当たりにすることは感動的だし、具体的な行為でなくてもそれは伝わるのだ。
 例えばJAPAN JAMのエレカシのように、ただ演奏するだけで感じさせてくれることもある。
 そういえばエレカシ宮本は、去年の11月の野音ではチャボに抱きついていた。
 もしかしたらMANDALAでの一彦と同じ気持ちだったのかもしれない。

・それぞれが間奏などでソロを廻すが、プレイしているチャボを見る一彦、
 プレイしているミッキーや一彦を見るチャボ、凌。
 その視線というか、見守り方というか、それが暖かくいい雰囲気でとても良かった。

・変な表現かもしれないが、
 凌はチャボにまったく遠慮することなくヴォーカリストとして歌っていた。
 だからこそセッションが単なる豪華メンバーによる感動的で凄いということだけでなく、
 バンドの演奏として音も素晴らしかったのだと思う。
 3人がチャボをリスペクトする気持ちは十二分に伝わってきたが、
 チャボを必要以上に立てて自分たちの演奏がひいているようなことは一切無く、
 本編もセッションもガチだった。
 ひとり対ふたりということを差し引いても、正直いえば、
 チャボよりも凌と一彦、凌とミッキーの演奏のほうがまとまりは上だった。
 ここで言いたいのは演奏の出来云々のことではなく、
 ガチだったからこそ素晴らしい共演になっていたということだ。

・「いい事ばかりはありゃしない」。最終日のみ、一彦もヴォーカルをとった。
 ♪ 新宿駅の~ベンチで~ 。本人はきっとこのことを思い出すたびに泣くと思う。

・" 俺をコピーできるのは一彦しかいねぇ " とMCするチャボの横で、
 一彦は「君ぼく」の間奏を爪弾いたのである。
 最終日のアンコールでの、ほんの一瞬だけのシーン。
 僕は見逃さなかったし、聴き逃さなかった。

・「横浜ホンキートンクブルース」での凌は、
 オリジナルの " 例えばブルースなんて聴きたい夜は " を、
 初日はトム・ウェイツ、2日目はオーティス・レディングと歌っていた。

あぁ…他にも書きたいことがたくさんあるけれど書ききれないや…。
チャボのMCも、凌のMCも楽しかったし。
例のアイロン事件(笑)のエピソードはもう忘れられないだろう。

CIMG1854.jpg

**********

最後にあらためて仲井戸麗市のことを。

チャボのパートは、僕にとっては「R&R Tonight」がすべて。
極端なことを言えば、僕にとって他の曲は不要だった。
さらに言えば、この曲のここだけ、だ。

" まるで14~15の頃のような気分さ 初めてエレキギター手に入れたあの夏のような "

このフレーズだけがとてもリアルに僕の心に響いたのだ。
だからこう思ったし、こう思うことにした。

チャボは「R&R Tonight」で歌いたかったのもここなのだ。
きっとここを思い出し、この部分を歌いたかったのだ。
だから「R&R Tonight」を演ったのだ。

何故、ロックン・ロールに惹かれるのか。
何故、音楽なのか。
その本当の理由(わけ)を、その理由をいつか知ることができるなら、
そのことだけでも生きてゆく、生きてく価値があるような気がする。
そして、その答えを出してくれるのは、きっと僕には仲井戸麗市しかいない。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

R&R Tonight…

確かに、全てを包括しているような感じがしますネ。
ドラマや映画のエンディングテーマみたいな。
夏のR&Rライブのテーマソングみたいです。

「忙しすぎたから」は、初めてライブで聴いたかな…?

さっき「横浜ホンキートンク・ブルース」をYouTubeで探しましたら
これ、元は誰の?曲なんでしょ。
宇崎竜童・原田芳雄・松田優作などが歌っている動画…
原田芳雄追悼ライブという動画に、石橋凌さんの姿がありました。

凌さんは大学の時、東大ロックフェスで遠~くからARBを観て以来でした。
俳優さんになったのは偶然ではなかったんですね。
両立させちゃうんだからすごいなぁ~


blueさん、3日目も凌さん楽屋口から顔だされましたか?
気になっていました(笑)

Re: tamaさん

> 「忙しすぎたから」は、初めてライブで聴いたかな…?

そうでしたか。
この曲は94年の夏をどうしても思い出してしまいます。

> さっき「横浜ホンキートンク・ブルース」をYouTubeで探しましたら
> これ、元は誰の?曲なんでしょ。
> 宇崎竜童・原田芳雄・松田優作などが歌っている動画…
> 原田芳雄追悼ライブという動画に、石橋凌さんの姿がありました。

私がお馴染みなのは、作曲者でもあるエディ藩のシングル盤と石黒ケイのヴァージョンかな。
オリジナルは誰なんでしょうね。
ちなみにライヴで浜田真理子さんも歌ったことがあります。絶品でした。

> blueさん、3日目も凌さん楽屋口から顔だされましたか?
> 気になっていました(笑)

3日目は顔を出しませんでしたが、3人がリハ後(?)に外に出てきたそうです。
凌、ミッキー、一彦の順番だったそうで、私は一彦にだけ会えました。
3日連続…惜しかったです(笑)。

しあわせでした

凌とチャボの本気、藤井さんとミッキーさんの二人への敬愛、みんなの音楽への愛、そしてずうずうしいけれど、わたしの31年間の思い。すべてに渦のように包まれて、しあわせでした。
どんなちいさな場面、フレーズも見逃せない、聞き逃せない時間でしたね。

「おーおーあわてー」がツボにはまりすぎて、思い出してはほおがゆるんでます。でも、二度と聞く機会はないだろうなぁ。
新年会でリクエストしましょうか(笑)。

Re: 夢風さん

> 凌とチャボの本気、藤井さんとミッキーさんの二人への敬愛、
> みんなの音楽への愛、そしてずうずうしいけれど、わたしの31年間の思い。
> すべてに渦のように包まれて、しあわせでした。
> どんなちいさな場面、フレーズも見逃せない、聞き逃せない時間でしたね。

おっしゃる通り!
身体中が音楽で満たされたMANDALAでの時間でした。

> 「おーおーあわてー」がツボにはまりすぎて、思い出してはほおがゆるんでます。

どうしてあのメロディーになるんだろ(笑)。
Profile

Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

Access Counter
Welcome Home!!
Realtime Counter
よォーこそ!
Blue's Link
Blue's BBS
Recent Comments & Trackbacks
twitter
Blueの雑記帳内 検索フォーム
Still Alive And Well
Blue's INFORMATION
チャボの盗難楽器発見にご協力をお願いします
Blog Category
Past Entries
Blog Link
Blog Ranking

FC2ブログランキング

人気blogランキング

ブログパーツ