「雨あがりの夜空に」全ヴァージョン個人的レヴュー

僕にとっての最高のブリティッシュ・ロック・チューンは、
ローリング・ストーンズの「Jumpin’Jack Flash」である。
そしてジャパニーズ・ロックのそれは、
間違いなくRCサクセションの「雨あがりの夜空に」だ。
作詞・作曲は忌野清志郎と仲井戸麗市の共作。

この日本ロック界が誇る名曲の残されている全ヴァージョンを個人的にレヴューしてみます。

ただし、RCサクセションのレコードで発表されたもののみ。
清志郎のソロや映像作品は除く。

●シングル・ヴァージョン(80)
80年代のスタートに相応しくも似つかわしいポップなジャケットが物語るように、
後のRCを考えればそのサウンドはまったく彼ららしくは無い。
それもそのはずで、編曲にはバンドと共に椎名和夫がクレジットされている。
彼はムーンライダーズのギタリストを経てアレンジャーとしての仕事を始めたのだが、
一時期の中島みゆき、
しかもデジタル・ロックなサウンドで彼女の作品をアレンジしたものが代表作に挙げられるという人だ。
今の耳だとイントロやBメロで聴かれるシンセのフレーズなんかが思い切り80年代だが、
それ以外は特に違和感を感じない。椎名和夫色は許容範囲ギリギリといった感じである。

この他に目立つ特徴としては、サビをしっかりとハモッているところだろうか。

レコーディングのクレジットにはメンバー全員の名前があるが、
実は僕自身、実際にはあやしいような気も昔からしている。
イントロの強烈なギター。
小川銀次ならまだしも、どうしたってチャボが弾いているようには思えないんだよねぇ。

しかし、そんなことはどうでもいいんだ。
このシングルの発売記念として例の伝説となる渋谷・屋根裏四日間ライヴが行われたわけで、
RCにとっても日本のロック・シーンにとってもエポックなナンバーであることには間違いない。
そして何よりもとにかく忌野清志郎のヴォーカルが惚れ惚れするほどに素晴らしい。

●RHAPSODYヴァージョン(80)
久保講堂でのライヴ・ヴァージョン。
発表当時から既にライヴのラスト・ナンバーとして演奏されており、
ここでもラフながらも強烈な演奏を聴かせてくれる。
公式なレコード作品として残されたものの中では唯一納得できるのがこのヴァージョンである。

テンポとしてはやや遅めなのだが、
かえってそれがルーズでダルな感じを出していてカッコイイ。
ナチュラルに歪んだチャボのギターの音も最高。
まさにリズム・ギタリストとしての仲井戸麗市が全開である。

RC時代のチャボの代名詞ともなった、
清志郎による「オーケー、チャボ!」に導かれてプレイされるイントロは不滅だ。

●THE KING OF LIVEヴァージョン(83)
アルバム「OK」発表前、渋谷公会堂でのライヴを収録。
この時は何と2曲目に演奏された。
演奏としては特筆すべきものは皆無。
チャボのギターもこの時期から歪みが後退して変にクリアになり、
僕が嫌いな音を出すようになってきた。
プレイもラフ。イントロも全然シャープじゃない。
特に間奏の適当なプレイは、ここから活動休止時まで変化することは無かった…。
そんな中でも唯一聴くべきところを挙げるとしたら、コーちゃんのタイコかな。
その個性が出始めた時期なので、アクセントの付け方やオカズなど、独特だ。

●the TEARS OF a CLOWNヴァージョン(86)
86年からスタートした夏の野音「4 SUMMER NIGHTS」。そのライヴ・ヴァージョンだ。
チャボのギターにエフェクトがかかっていない以外は、
基本的に「THE KING OF LIVE」と変わっていない。
そのイントロのギターも強烈っぽく聴こえるが、実は軽い。
D.U.B.のドラマーである菊池隆のパーカッションが加わっているが、
そんなに良い効果はあがっていないと思う。
それどころか、RHAPSODYヴァージョンと比べてリズムがずいぶん軽い。
正直に言えば、この時期は既に曲の良さだけで持っているという状態である。
誤解しないで欲しいが、ライヴでは盛り上がるのだよ。もちろん僕も。
ただ、演奏としての魅力は感じなくなっていたということです。

●RHAPSODY NAKEDヴァージョン(05)
これは多少バランスや定位が違うかもしれないが、
RHAPSODYヴァージョンとまったく同じだろう。

以上がRCサクセション名義で発表された「雨あがりの夜空に」である。
ライヴ映像を入れれば81年の武道館や、90年の日比谷野音などもある。
更に清志郎のソロや「GLAD ALL OVER」などのイヴェントを加えれば、
CD、映像共にもっとたくさんある。
81年の武道館はまだ良いが、
その他のほとんどがTHE KING OF LIVEのヴァージョンが基になっており、
決してシングル・ヴァージョンやRHAPSODYヴァージョンにまで立ち返るに至っていない。

先日の新ナニワ・サリバン・ショーで聴いたのも同じだった。
企画物としてライムスターとのコラボはあるけど。

「雨あがりの夜空に」。
清志郎35周年記念で再レコーディングしても面白かったと思うんだけどね。
ただしレコーディングのメンツは問題なんだけどさ。


※このエントリーは、以前のブログ『Blueの雑記帳』に書いたものです。
  画像はすべて削除いたしました。
  ここから下は、当時頂いたコメントになります。

Blue1981
2006/03/30 0:45

H32さん

こちらこそお久しぶりです。

人によって印象は様々でしょうからね。この記事はあくまでも私が個人的に感じていることです。
結局、公式に発表されている中ではシングル・ヴァージョンがいちばん好きです。


H32
2006/03/30 0:31

(http://sitio.exblog.jp/)
↑名前入れるの忘れました・・・。


(名前なし)
2006/03/30 0:26

お久しぶりです。
当時は「tears of crown」以降のラフなギター・サウンドが好きでした。(特にロックンロールバンドスタンドのヴァージョンは荒かったと記憶しています。)
今冷静に聴くと、「ラプソディー」のサウンドに、後期の歌詞が乗っていると最高ですね!
コーちゃんのドラムに関しては、全く同感です。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

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