泉谷しげる with LOSER その個人的追憶

泉谷しげる with LOSERがオリジナル・メンバーで再結成され、
今年、2012年のARABAKI ROCK FES.に出演する。
久しぶりに興奮するニュースであり、既に冷静でいられなくなっている。
凄いバンドだったんだよ…と言えても、個人的にそのライヴを体験したのはたった5回のみ。
予習も兼ねて振り返ってみる。

確かスパゲティ屋だった。
時期はハッキリしないけれど、87年の秋頃だったはずだ。
その日に買ったロッキング・オン誌を手にその店に入った僕は、
食後にコーヒーを飲みながら読み始めた。
途中でたどり着いたあるページに目が釘付けになる。
泉谷しげるのライヴ・インフォメーション。
場所はインクスティック芝浦。
3日間連続のライヴだった。
派手な宣伝ではなく、それどころか無愛想な感じのページだと記憶している。
それでも僕の目が釘付けになった理由は、発表されたバンド・メンバーだった。
順番はまったく記憶に無いが、そこにはこう記されていた。

泉谷しげる(Vo)
吉田建(B)
村上ポンタ秀一(Dr)
仲井戸麗市(G)
下山淳(G)

ロッキング・オン誌はこの5人についてこう書いていた。

 " ウルトラマンとスーパーマンとガンダムが一緒に出てくるTV番組のようです "

この時点で、後にバンド名となる LOSER は使われていなかったはずだが、
僕にとって最強のロック・バンド、泉谷しげる with LOSER 誕生の瞬間だった。
とにかく興奮したことを強烈に記憶している。
細かいことはおぼえていないが、僕は初日と3日目のチケットを手に入れた。

1988年1月20日。インク初日。
客席は超満員。ぐしゃぐしゃ。
身動きが取れないうえ、開演前から怒号が飛び交う。
後にこれもまた泉谷のライヴのある意味で演出というか、
まぁ魅力のひとつだとわかり楽しめるようになったが、そのときは初体験。
しかもライヴ中には怒号と罵声以外に、モノまでが飛び交った。
実際、どこからか飛んできた空き缶が、僕の近くの女性のアタマに当たった。
その女性には失礼で申し訳ないことだけれど、当たった際の " カーン " という音が、
僕の耳に、やけにキレイに響いたのでハッキリ記憶しているのだ。
とにかく、こんな状態のライヴは初めてだった。

肝心の音。
この5人の出す音は凄かった。
早川義夫風に表現すれば " 凄いものは凄いとしか書けない " という音だった。

生で聴くポンタのドラムにぶっ飛ぶ。
吉田建はひたすらクールだった。
そしてステージには仲井戸麗市がいて下山淳がいた。
世界でいちばん好きなギタリストとその次に好きなギタリストが、
同じバンドでギターを弾いていた。
目の前には夢のような現実の光景。
その真ん中で泉谷の大将が吠えていた。
やはりこの文章の後には " 凄かった " としか付け加えられない。

このインクスティック3Daysは日替わりでゲスト出演があった。
初日は桑田佳祐。2日目は忌野清志郎。3日目はSION。
僕は清志郎だけ見逃したことになるが、後にライヴの様子がラジオでOAされ、
清志郎出演パートを聴くことができたのは救いだった。

凄かったという記憶と印象しか残らなかったインクスティックを経て、
3ヵ月後の4月5日には、汐留PITにてHOWLING LIVEが行われる。
書いていて懐かしいな、PITって(笑)。
割りと大きな会場だったので、3回目にして初めて冷静にLOSERを観ることができた。
これは後にCD、映像の両方で作品化されたので、
そちらを観てもらえれば、ライヴの様子がわかると思う。

ビクターエンタテインメント
発売日:2003-03-26

オリジナルLOSERの魅力を捉えた大傑作で、観たことがないファンは必見だ。
以前、ここでも取り上げたこともありました → HOWLING LIVE/泉谷しげる with LOSER -1988-
秋には観られなかったことを大後悔している学園祭ツアーもあった。
これも映像化されている。もちろん必見。

こういった活動で手ごたえを感じたのか、泉谷しげるは年末に、
過去の楽曲をLOSERで再生させるという『IZUMIYA-SELF COVERS』を発表する。

ビクターエンタテインメント
発売日:1988-12-07

ここで展開されたセルフ・カヴァーは、まさにLOSERでしか出せないハードな音であり、
おそらくファンによる好き嫌いの評価さえをも超えたと思える、本当に凄まじい出来だった。

早速、そんなアルバムを引っさげてのLOSERを、僕は目撃する。
1989年2月6日の渋谷公会堂。
HOWLING LIVE Ⅱと題されたこのライヴは、キーボードでホッピー神山が参加。
忌野清志郎などゲストも出演した、実に聴き応え、見応えがあるライヴだった。
演奏はCDで聴ける音以上の凄まじさだったが、
長年の活動をしてきたバンドのように余裕さえ感じさせるものでもあった。
この時期はタイプが違う二人のギタリストのコンビネーションもバッチリになっていた。
ただし、88年から始まった泉谷とLOSERの活動は、個人的にはここで一段落したように思う。

11月、泉谷はLOSERと共に『90'sバラッド』を発表するが、
これがオリジナルLOSERとしては最後の作品となった。

ビクターエンタテインメント
発売日:1989-11-21

そして、僕が観たオリジナルLOSER最後のライヴも、
このアルバム発表に先がけて行われた1989年10月30日の渋谷公会堂、
90'sバラッド HALLELUJAH LIVEと題されたライヴだった。

未だに忘れられないのがオープニングの「ハレルヤ」だ。
ロッキング・オン・ジャパン誌にこのときのライヴのレヴューが載った。
そこにはこう書かれていた。

 " 「ハレルヤ」を5人揃って演奏し始めた時は、大仰な言い方かもしれないが、
 雷が落ちてきたような衝撃を感じた "

本当にそんな感じだった。
この曲は泉谷がひとり弾き語りで歌いだすのだけれど、
全員での演奏が始まった瞬間の感動は今でも身体の中に残っている。

うーん、こうして簡単に振り返ってまとめてみただけでも興奮したぞ。
92年の東北で、どんな音が鳴るのだろう。楽しみで仕方が無い。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

LOSER

追っかけをしていた時期を思い出しました。ある地方の会場では曲の途中で停電になり、音も照明がブツっと切れましたざわざわとなる会場。しばらくして照明がもどりLOSERの面々がポーズを決めて照明の中に現れた時のかっこよさ!このライブの一番の盛り上がりでした。
大阪では清志郎が飛び入りして、翌日のRCには泉谷が飛び入りと二度楽しめる構成でした。懐かしいなぁ。

Re: きいさん

> 追っかけをしていた時期を思い出しました。

追っかけですか!それは凄い…いや、うらやましいです。

> ある地方の会場では曲の途中で停電になり、音も照明がブツっと切れましたざわざわとなる会場。
> しばらくして照明がもどりLOSERの面々がポーズを決めて照明の中に現れた時のかっこよさ!
> このライブの一番の盛り上がりでした。

そんなエピソードがあったのですね。貴重なお話ありがとうございました。
想像するだけで凄いな。

> 大阪では清志郎が飛び入りして、翌日のRCには泉谷が飛び入りと二度楽しめる構成でした。

当時はこういうケースも少なくなかったんですよね。
コメントありがとうございました。

No title

これ、僕も三夜連続行きました。普段ブログにコメントなんてなくてこれがはじめてです。ええと…。本当にすごかったのに、そう言ってる人が少ないし(当時わかってたのは渋谷陽一だけですよね)、ラジオで泉谷しげる with LOSERの曲がかかることもほとんどないし、このまま忘れられていくのかと思うとさみしいです。
横浜国大はご覧になりましたか(ブログ内のほかの記事にあるなら教えてください)。
僕の生涯最高の演奏が横浜国大の泉谷しげる with LOSERです。
どんとと山口冨士夫もよかったですが…。
自己紹介にURLつけましたが、音楽と関係なくてごめんなさい。

Re: よいさん

> これ、僕も三夜連続行きました。普段ブログにコメントなんてなくてこれがはじめてです。

3days!それは羨ましいです。

> ラジオで泉谷しげる with LOSERの曲がかかることもほとんどないし、
> このまま忘れられていくのかと思うとさみしいです。

そういえばそうですね。ラジオで聴くことはほとんどないかも。

> 横浜国大はご覧になりましたか(ブログ内のほかの記事にあるなら教えてください)。
> 僕の生涯最高の演奏が横浜国大の泉谷しげる with LOSERです。

これに限らず、LOSERの学園祭は行ってないんです。
何故だか見送っているんですよね。
1回くらいは見ればよかったなぁ。

コメントありがとうございました。
Profile

Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

Information
- Information -

★非公開コメント、承認前コメントは非表示としています。よってコメントを頂いてもしばらくは何も表示されませんが、ちゃんと届きますのでご安心ください

テンプレート変更(12/18)

ツイッターをブログに表示(12/11)

「ツイートを毎日まとめて記事にする」を追加(5/14)

Blueの本棚ブログパーツ設置(2/20)

[ツイートする][Facebook]ボタンを設置

ブログ拍手へのたくさんの拍手を頂き、どうもありがとうございます。
ブログ拍手からは私Blue宛コメントもできますが、コメントは非公開設定にしているため返事をすることができません。拍手コメントを頂いた方には、あらためてこの場でお礼を申し上げます。どうもありがとうございました

★コメント、トラックバックについて

当Blogはコメントとトラックバックを承認後の表示とさせて頂いています。反映されるまで時間がかかりますが、ご了承ください。

基本的にはすべて承認していますが、明らかに悪意のあるコメント、または不快で不適切なコメント、コメントの度に名前を詐称する別人のなりすましや意味不明のコメントなど、管理者が承認できないコメントとトラックバックは予告無しに削除、及びその後のコメントを拒否させて頂きます。その後、書き込みとアクセス拒否の対応をさせて頂く事もあります。承認するか否か、または拒否の判断は管理者に権限がありますのでご了承ください

今後とも『Blueの雑記帳』をよろしくお願い致します


-- E N D --
.
.
Access Counter
Welcome Home!!
Realtime Counter
よォーこそ!
Blue's Link
Blue's BBS
Recent Comments & Trackbacks
twitter
Entry Ranking
Blueの雑記帳内 検索フォーム
Still Alive And Well
Blue Day Horns
Blue's INFORMATION
チャボの盗難楽器発見にご協力をお願いします
The Beatles
My R&R
Blog Category
Past Entries
Blog Link
Contact

名前:
メール:
件名:
本文:

Blog Ranking

FC2ブログランキング

人気blogランキング

ブログパーツ