中島みゆき その個人的追憶

中島みゆきのオリジナル・アルバムは、昨年リリースされた 『転生』 で33枚にもなる。
ベスト・アルバムと、数少ないながらもライヴ・アルバムもあるから、
全てあわせればかなりの枚数になる。
ちなみにベストと言ってもシングルのAB面を収録した 『singles』 二種類は重要だ。
彼女のシングルはアルバム未収録曲が多いので、ファンは持っていなければならないのだ。
更にアルバム収録曲もヴァージョン違いが多い。
「アザミ嬢のララバイ」「時代」などの初期代表曲も、まったく違うアレンジとなっている。

さて、僕と中島みゆきの出会いは77年の「わかれうた」。
曲も良かったが、まずその声が魅力的だった。ファンになった。
レコードはもちろん、オールナイト・ニッポン一部(月曜深夜)もずっと聴いていた。
オールナイト・ニッポンは各コーナーが愉快だったのはもちろんだけれど、
最後のお便り…放送終了直前に語られるコメント、メッセージが毎週楽しみだった。
同じようなファンも多かったと思う。

同時期の松任谷由実や竹内まりやは、
嫌いだったわけでは無いがほとんど聴くことは無かった。
女性シンガーソング・ライターなら、僕は完全に中島みゆきだったのだ。
ただ、リアル・タイムで聴いていたのは83年の 『予感』 まで。
何故だかアルバムのラスト・ナンバー「ファイト!」を最後にストップしてしまった…。

音楽的に言えば84年の 『はじめまして』 からサウンドが変化し、
これは88年の 『中島みゆき』 まで続く。
いわゆる " みゆきさんご乱心 " と呼ばれた時期である。
僕が聴かなくなった時期とピッタリ一致するのだが、理由はこれでは無い。

何故だったのかな?
おそらく、僕は既にRCサクセションというバンドと出会っていたし、
同時にARB、ルースターズ、ストリート・スライダーズというバンドや、
佐野元春、山下久美子などに傾倒していった頃だ。
そんな中で中島みゆきから離れていったのは、きっと自然だったのだろう。

結局このまま80年代、90年代を終えてしまった。
その間、TV絡みのシングル以外はまともに耳にせず…。
もちろんポイントでは曲やアルバムも耳にしてはいたが、
この時期は、とてもじゃ無いが聴いていたとは言うことはできない。

そして例の02年紅白歌合戦。
中島みゆきの出演は放送前から話題になっていたが、
僕自身は「めったにTVに出ない人だからなぁ」という、楽しみにはしていたが、
何とも軽く呑気な思いでそれを待っていた。

出演はちょうど23時頃だったはず。
歌詞のミスなんかは大した問題では無かった。
とにかく「カッコイイ!」という印象だった。
堂々と歌いきったその姿に感動した。
同時に、僕は何かとてつもない失敗をしてしまったのではないか…と思った。
その失敗とは、彼女を聴かなくなっていたことを指す。

この時点で僕が持っていた彼女のCDは、確かたったの5枚。

『愛していると云ってくれ』(78)
『親愛なる者へ』(79)
『おかえりなさい』(79)
『生きていてもいいですか』(80)
『臨月』(81)。

もちろん年が明けた03年から、僕は彼女の90年代の作品を聴きまくることになる。

『夜を往け』(90)、『歌でしか言えない』(91)、『EAST ASIA』(92)と続く3枚は凄かった。
ビートルズのアルバムで例えれば 『HELP!』 『RUBBER SOUL』 、
そして 『REVOLVER』 を続けて聴くみたいなものだった。

90年代作品は発表された順に聴いていった。
この流れの中では「浅い眠り」や「空と君のあいだに」なんかのドラマ主題歌も、
改めて魅力的に聴くことができた。

『わたしの子供になりなさい』(98)がまた凄いアルバムだったなぁ。
彼女のヴォーカル・スタイルは、
曲によってはまったく同じ人が歌っているとは思えないものがある。
このアルバムは、そんな彼女のヴォーカルが堪能できる。
「わたしの子供になりなさい」「命の別名」「愛情物語」「木曜の夜」。
彼女を知らなければ、この4曲が同じ人によって歌われているとは思えないはずだ。
全中島作品中、最大の問題作だろう「4.2.3.」が収録されているのも注目したい点。
収録曲も佳曲が多い。
このアルバムの実際の評価は知らないが、僕は全曲が好きである。名盤だと思う。

さて、オリジナル・アルバムの中には、
『夜会』 のレパートリー集という企画ものも何枚かあるのだが、
その中の 『日-WINGS』(01)に収録されている「竹の歌」。
僕はこのフォークロア的な曲が大好きなのだが(ちなみにPVも素晴らしい出来)、
いつかやってみたいと思ったのが、
この曲を聴きながら京都は嵯峨野の竹林を歩くことであった。
これは2003年に実現させたのだが、実際にやってみたら凄かった。
竹林を歩いているのだが、どこか別の場所に連れて行かれるというような不思議な感覚。
京都でも日本でも無いような…という感じだった。
同じようにやってみたいことがあと二つある。
樹齢二千年と言われる神代桜を見ながら「紫の桜」を聴くことと、
そして雪の降る日に「六花」を聴くことである。

こんな状態で90年代から84年以降の作品も聴き返し、
今ではほとんどのアルバムを手に入れた。
一人のアーティスト、またはバンドで、
いちばんCDとレコードを所有しているのが中島みゆきになった。
※ちなみに次点はローリング・ストーンズ。そしてポール・マッカートニーと続く。

やはり彼女を聴かなくなっていたのは失敗だったと確信している。
ご乱心と呼ばれた80年代半ばから後半の作品もまとめて聴くと面白いしね。
だって 『miss M.』(85)じゃ布袋寅泰がギターで参加している曲があったりするんだもん。

僕がこの " ご乱心の時代 " で好きなのは 『はじめまして』(84)。
こんな名盤を当時は無視していたのだからなぁ…。

中島みゆき。
今後も仲井戸麗市と共にずっと聴いていくだろうアーティストである。

さて、今年は念願だった夜会を観ることができたが、通常のライヴはまだ未体験だ。
これは実現させたい…というか、大袈裟ではなく僕の夢のひとつであると言っていい。




※このエントリーは、以前のブログ『Blueの雑記帳』に書いたものです。
  画像はすべて削除いたしました。
  ここから下は、当時頂いたコメントになります。

Blue1981
2006/06/04 0:55

月見家さん

>「歌暦」では「やまねこ」の次に「波の上」

そういや、そうでした。「波の上」は感極まったのか、涙で歌えなくなってしまう瞬間が…。

ちなみにこのアルバム、あの時期のライヴが残されたという意味では、今となっては貴重です。古い曲のアレンジも興味深いです。「悪女」はモロに「BORN IN THE U.S.A.」のスプリングスティーンですしね。アルバムからは漏れましたが「まつりばやし」もリストにはあって、これは聴きたかった。どんなアレンジで演ったのか、凄く興味があります。


月見家
2006/06/02 22:34

(http://moon.ap.teacup.com/tsukimiya/)
「歌暦」では「やまねこ」の次に「波の上」なんですね。
ちょっとびっくりしました…。


Blue1981
2006/05/30 2:02

Rainbowさん

実は私もちょっとした偶然が…。nobuさんの記事にコメントして盛り上がった翌日、会社の取引先の人から着たメールの最後に「昨日行った居酒屋で時代がかかっていました。いい曲ですね」と付け加えられていたんですよ。これだけでも「昨夜みゆきで、ここでもみゆきかぁ。偶然ってあるもんだなぁ」なんて思っていたんですが、その日、私がお昼に入ったお店で、何と薬師丸ひろ子ヴァージョンですが「時代」がかかったんです!Rainbowさんの話ともかぶるし、この偶然は凄いですね。何だろ?

「日-WINGS」は夜会の曲集だからちょっと独特な作品だと思うんですが、私は「竹の歌」が大好きなので、これだけでOKなアルバムです。お薦めですよ。


Blue1981
2006/05/30 1:52

nobuさん

nobuさんが書いた記事の影響ですよ。おかげでかなりの「みゆきモード」に入り込んでいます。今日一日の私のwalkmanですが、朝は「予感」、昼は「臨月」、夜は「親愛なる者へ」でした。帰宅してからは「寒水魚」です。やばいです。しばらく続きそうです…。



Blue1981
2006/05/30 1:48

月見家さん

おっ!月見家さんもみゆき好きですか!
「singles」「singlesⅡ」はファンは持ってなきゃのアイテムですよ。今となってはシングル盤のジャケットをまとめて見られるのもポイント高いです。是非、買いなおしてください。

>「やまねこ」と「波の上」の2曲
こりゃまた「やまねこ」なんて…。デジタル・ロックかつパワーステーションな甲斐バンド・サウンドがバリバリな曲ですよね。好きですけど(笑
「波の上」とは渋い選曲。久々にライヴ盤「歌暦」を聴きたくなりました。


Rainbow
2006/05/30 1:07

(http://ameblo.jp/rainbowgraf/)
アルバム、そんなにあるんですか。。。
まだ半分ほどしか持っていないことになります。

Blueさんの記事読んでびっくりしました。
今日(既に日付は昨日です)初めて行ったマッサージの女性の
話した話とかぶってます。

インストゥメンタルの時代が流れたので「あ、時代」と言ったら
「みゆきさん、好きなんですよ」から
「オールナイトニッポン」の話へ。
 (わたしはみゆきさんのオールナイト殆ど聞いたことがなくて)
あのガハハの時間の最後に手紙を読むコーナーがあって、という話。
ここ数日は「日ーWINGS」が大好きで毎日、今日も聴いてた話などで
初対面とは思えない出会いだったんです。

それをブログに書いたあと、Blueさんのとこに来たので・・
本当に驚いた!
次は「日ーWINGS」かな、と思いました(笑)


nobu
2006/05/29 23:57

(http://ameblo.jp/nobu-s/)
お~。blueさんも記事書かれていたんですね。
そうそう、あのころ世間的な人気は圧倒的にゆーみんで、みゆきさんが好きというと暗いといわれたものでしたが、私は断然みゆきさん派でした。
ほんとになんで聴かなくなっちゃったんだろう?
ご乱心の時代だったのと、やはり私もロックの方へも行き始めちゃったんだったかな。
さて、ゆるゆるといきますかね。


月見家
2006/05/29 23:54

(http://moon.ap.teacup.com/tsukimiya/)
“singles”両方とも持っていましたが、「なんかあんまり聴いてないよな〜」ということで、割と早めに手放してしまいました。
ときどき後悔におそわれるのですが、今回の記事を拝見して、またその思いが再燃…。
まぁ、人間にはいろいろな時期があるものですよね。

印象に残っているのは「やまねこ」と「波の上」の2曲です。
関連記事
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

鍵コメントさま

コメントありがとうございます。

同じような体験…ということで、私のほうこそとても親近感を感じました。
もしかしたら他にも似たような人がいるのかもしれませんね。

今からでも遅くないですよ。
それどころか、今後は聴くことが楽しくて仕方が無いという状態になると思います。
私がそうでしたから(笑)。
Profile

Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

Access Counter
Welcome Home!!
Realtime Counter
よォーこそ!
Blue's Link
Blue's BBS
Recent Comments & Trackbacks
twitter
Blueの雑記帳内 検索フォーム
Still Alive And Well
Blue's INFORMATION
チャボの盗難楽器発見にご協力をお願いします
Blog Category
Past Entries
Blog Link
Blog Ranking

FC2ブログランキング

人気blogランキング

ブログパーツ