浅川マキ、CD紙ジャケ復刻第二弾

半年前に70年代のオリジナル・アルバム10枚が紙ジャケットで復刻されたばかりだが、
何と80年代のアルバムまでもがCD紙ジャケ復刻第二弾として、
アルバムとしての初CD化5タイトルを含む14タイトルが一気に発売された。

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もちろんこのニュースは嬉しかったのだけれど、同時に不安もあった。
80年代と言えば、僕が今年の前半に振り返って聴いてのめり込んだ70年代とは、
その音楽性がガラッと変化していった時代。
僕自身ほとんどのアルバムが未聴とは言え、そんな先入観もあるしあったし、
聴く前はドキドキだった。

今回も発表された順番に聴いていった。

はたして、70年代からリアル・タイムで同時に歩んできたら、
やはり、その変化に戸惑ったのではないかと思う。
でも、2011年7月時点の僕の耳には、何とカッコ良く響くことか。
解説ではなく、簡単な印象だけを記しておきます。

モダン・ジャズに傾倒し、フリーなセッションが繰り広げられる80年の 『ONE』 は、
この前作である78年の 『寂しい日々』 とは、まったく異質な音だ。
これを当時聴いていたとしたら、そりゃ面食らっただろうなと思う。
でも、今の僕は、これを自然と受け入れられるのである。
そう、マキさんの変化を楽しんで聴くことができるのだ。
その意味では、こうして一変に聴けることは、
少なくとも僕にとっては悪いことではなかったかもしれない。

『ONE』 は確かに強烈に変化を感じる作品だったけれど、
でもその後の2枚は、70年代の香りが残っているアルバムだ。
同じ80年の 『ふと、或る夜、生き物みたいに歩いているので 演奏家たちのOKをもらった』 は、
雰囲気が 『Mak Ⅵ』(74年)に似ているライヴ盤。

『マイ・マン』(82年)は70年代のセルフ・カヴァーが多いことで、やはり聴きやすい作品。
同年の『CAT NAP』 は近藤等則のプロデュース作。
ここで70年代の世界が消えたのではないか。
「マシン(Machine)」という曲が凄かった。

浅川マキ
EMIミュージックジャパン
発売日:2011-06-15

『WHO'S KNOCKING ON MY DOOR』(83年)は後藤次利がプロデュース。
「コントロール」のような実にポップで歌謡曲的な曲もあるし、
当時の後藤次利らしいアレンジも今聴くと懐かしい気がする。
「町の汽船」が印象的。
同年の 『幻の男たち』 は本多俊之とのデュオ作。
緊張感あふれるアルバムというコピーだったけれど、僕は映画のサントラ風に聴こえた。
決して難解で緊張感が張り詰めているような音ではないと感じた。

浅川マキ
EMIミュージックジャパン
発売日:2011-06-15

84年には自身の選曲によるベスト盤 『Selected Album by Maki』 が出ている。
70年代を中心とした代表曲かつ名曲が並ぶ。
その中に突然あらわれる、新録の「語り」が聴きもの。
アルバムは南正人の名曲「あたしのブギウギ」で終わる。
今のところ、僕がいちばん気に入っている曲でもある。


『SOME YEARS PARST』(85年)は、山内テツと本多俊之のプロデュース作。
かなりストレートなロックだと思うし、曲調もポップ。
ただし、当時この音がどう受けとめられていたかはわからない。
意外と前衛的に聴こえていたかもしれない。
ところで、アルバムにはマキさん自身によって書かれたライナーが多いが、
このアルバムに寄せた文章(山内テツとの関係が語られている)がいい。

浅川マキ
EMIミュージックジャパン
発売日:2011-06-15

渋谷毅のピアノだけで歌う 『ちょっと長い関係のブルース』(85年)は、
とにかくマキさんの声…ヴォーカルが素晴らしい。
「セント・ジェームス病院」がとても良かった。

86年の 『アメリカの夜』。
冒頭の「あいつが一番」の何というカッコ良さ!
意外な洋楽のカヴァーが2曲収録されているのも聴きものかな。
ひとつはT.REX。そしてもうひとつは…。

浅川マキ
EMIミュージックジャパン
発売日:2011-06-15

『こぼれる黄金の砂 -What it be like-』(87年)は、
僕にはもうROLLING STONESの「One Hit (To The Body)」を彷彿させる「放し飼い」に尽きる。
この1曲だけで個人的名盤決定だ。

タイトルだけで聴く前から自信作と思えてしまう87年の 『UNDERGROUND』。
冒頭のアカペラで少し怯んだが…何というカッコイイ作品だろう!
これは部屋で流すのではなく、夜、車の中で聴きたくなる。
" お金じゃない、ほんとうのぜいたくに埋もれて走り続けたい " 。
マキさんのライナーも最高です。

浅川マキ
EMIミュージックジャパン
発売日:2011-06-15

88年の 『幻の女たち』 は、83年の 『幻の男たち』 と対を成す本多俊之とのデュオ作。
聴いていると映像が浮かぶ作品。
質感がトム・ヴァーラインのソロ・アルバムに似ていると感じたり、
何故だか『エンゼル・ハート』 のサントラを思い出したりもした。
同じ88年発表の『Nothing at all to lose』。
『UNDERGROUND』 の延長線上にある作品のようだ。
イントロだけならば、都会的なAORという感じの曲も多い。
ただ、ひとたびヴォーカルが聴こえてくれば、それは吹き飛ぶのだけれど。

こうして80年代のアルバムを聴いていると、
この時期…特に後半にはマキさんのリズム、テンポがハッキリとある気がする。
所謂、突き進む8ビートの曲は無くなっている。

70年代の作品群とは違った意味でじゅうぶんに楽しむことができた。
今後も聴き返すことで、お気に入りな曲やアルバムも出てくるだろう。
それにしても80年代の浅川マキは、
編集盤も入れたら、実に20枚近くのアルバムを発表しているのだ。
凄い。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

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