CYNDI LAUPER MEMPHIS BLUES JAPAN TOUR 2011 Bunkamuraオーチャードホール 2011.3.18

好きなアーティスト…ということもあった。
ファンがあなたに求めているものなのか…と思っていながらも、
彼女の歌うブルースへの興味…もあった。
そしてこのような時期に決行される来日公演…ということもあった。
でも、何よりも、このライヴに行くのを楽しみにしていたのに、
観ることができなくなってしまった友達の思い…があった。
そんな、色々な思いを持って足を運んだライヴだった。

3.11の東北地方太平洋沖地震以後、
まだ通常の状態では無いが、仕事も再開している。
でも、日々流されるニュースに不安を感じ、
いまだに続く余震に怯え、
まったく気持ちが落ち着くことはない。
こんな時だからこそハッキリと見えてしまう他人の嫌な部分を強烈に嫌悪し、
ちょっとした優しさや思いやりに、直接でなくても触れると瞬時に涙が出てくるという、
物凄く不安定に過ごした一週間であった。
その気持ちが晴れないまま渋谷に向かった。

CIMG9072.jpg CIMG9074.jpg CIMG9075.jpg

例えば××のライヴは凄かった…とか、
△△の来日公演は感動した…というコンサートならば、
僕も過去に何度も体験しているけれど、
そのライヴを通して、音楽そのものの素晴らしさを感じるという体験はそうそう無い。
今夜のシンディ・ローパーのライヴは、間違いなくそれであった。

オーチャードホールの床は何度も何度も大きく揺れていた。
全然、怖くなかった。

     **********

ステージには楽器以外、何にもセットされていない。
照明もホールに設置されているものだけを使うようだ。
開演前のBGMは、新作にあわせてかブルースのスタンダードが流れている。
彼女なりのブルースをあれこれ想像しながら開演を待つ。
約15分ほど遅れて東京公演最終日が始まった。

バンドが位置に付くと、袖からシンディが現れる。
拍手。
目の前にシンディ・ローパー。
感激。

演奏はすぐに始まらない。
紙コップに入った酒…ウィスキーかな…をステージに注ぐ。
そして客席にも撒く。
僕もそれを浴びる(と言ってもほんの少々だけれど)。
そんなちょっとした儀式みたいなものでライヴはスタートした。

「Just Your Fool」「Shattered Dreams」と、
まずは新作のオープニングを飾る2曲。
ヴォーカルはCDで聴くよりもパワフルであり、
ステージを動き回る独特のアクションも実にキマッていてカッコイイ!

たくさんブルースが演奏される中に、過去のヒット曲や代表曲が挟まれる構成。
3曲目にいきなり「She Bop」が来たが、あの80年代の雰囲気のままではなく、
2011年型ブルース・ヴァージョンになっていて、聴きものだった。

続いての「Early in the Mornin'」を挟み、「All Through the Night」。
正直、これはグッときた。
かなり、きた。
一気に20代のある時期が全てよみがえった。
Hはどうしているかなぁ…なんて…。

中盤の「Lead Me On」「Crossroads」「Down Don't Bother Me」「Don't Cry No More」。
この辺もまったくダレることもなく進む。
シンディ・ローパーが歌っていると言うことが、
ブルースを聴いたことの無い女性ファンにさえ「Crossroads」を届けるのである。

「The Goonies 'R Good Enough」も「She Bop」同様に生まれかわっていた。
当時は好きな曲では無かったけれど、このアレンジで演奏されるならいい(笑)。

そして本編のラストは「Change of Heart」。
2ndアルバム 『TRUE COLORS』 のオープニングを飾っていたこの名曲で一旦終了。

アンコールは次の通り。

「Don't Wanna Cry」
「Girls Just Want to Have Fun」
「Time After Time」
「Shine」
「True Colors」

もう何と言うか…ライヴを観ているのではなく参加している気分だ。
それは一緒に演奏しているみたい…というのとは違うんだ。
もちろんアーティストとお客さんなんだけど、そのあいだには何にも無いんだよ。
よって、一緒に時間を共有している感が半端ではない。
素晴らしいことである。

こんな時期のライヴだからこそ…ということもあるのだろうけれど、
それでも音楽には力があるんだと思わずにはいられない、
素晴らしいライヴだったと思う。
一週間の不安が払拭された気がする。
2011年の来日公演は、きっと今後も語られ続けるだろう。

     **********

彼女は何度も客席に降りてきて歌った。
小さなステージが用意されているわけではない。
客席の椅子の上で歌うのである。
僕の前にも来てくれた。
2度、手を握り合った。
ライヴに来れなかった友達の名前を呼んだ。

 見える?
 目の前にいるのはシンディ・ローパーだぜ
 感じる?
 握っているのはシンディの手だぜ
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非公開コメント

ありがとうございます

良かった。Blueさんでほんと良かった。
後悔はしてないけど(と、言い聞かせているのかな)やっぱり、行かないと決めた時、色んな意味で泣いたもの。
こんな時なのに「ライブに行けなくなった」と泣くのも不謹慎なのか?「これが札幌なら行けたのに」とか、もうわけわからなかった。
行きたくても行けない人もいるんだから、最初は延期を願っていた。行ける人は被害に合ってないから行けるんでしょ!とまで思った。最低だ。

行ける人も色んな思いで行ってたんですよね。
シンディだって、色んな思いで開催を決めてくれた。
だから、前向きになれました。

シンディのライブで元気になった人がどれほどいるか!

家でニュース見てると、音楽なんて聴く気になれなかったけど、やっぱり音楽で救われた。

まだまだ沢山の人が苦しんでいて、胸が痛いですが、自分のやれる事やらなきゃ!

また、シンディが来日してくれることを願ってます。

ほんとに、ありがとうございました!シンディ、見えたよ!
もう、また泣くからー(笑)

Wao!

文章を読んだだけで、あたかも自分がそこにいたような感じがしました。
Cyndiのライブは何度か行きましたが、ステージと客席の境目なんてないのは、変わらないんですよね!
セットリストをみてもメッセージ性が込められてますね!
※ステージと客席に酒を撒くのは、かつてなかった行為のようです。
「お清め」ですかね。

No title

BLUEさんも行かれたんですね。
私は、初日と2日目に行きました。

「MEMPHIS BLUES」があまりにも素晴らしく、速攻でチケット確保しましたが、当日はまだまだ複雑な気分でした。
が、そんな気持ちも、1曲目から客席に降りてきて、パワフルに歌う、シンディを観て、吹っ飛んでしまいました。
「MEMPHIS BLUES」の曲も良かったし、おなじみの曲のBLUESバージョンも最高でしたね。


何より、あの高音で伸びる声。ゾクっとしました。

明るい曲を歌っても、どこかに哀しさを含んだ声。凄い武器です。

ホントに音楽って素晴らしいですね。


色んなリスクがあったにもかかわらず、早々に開催を決断したシンディの心意気と、力強く優しさに溢れたライブに感謝です!

Re: ヒナさん

> また、シンディが来日してくれることを願ってます。

きっとまた来日してくれると思います…と言うか、すると思うな。
こんな気持ちで観たライヴは初めてですが、でも来て良かった。
色々な意味で、来て良かったと思いました。

Re: ne_san さん

> Cyndiのライブは何度か行きましたが、
> ステージと客席の境目なんてないのは、変わらないんですよね!

本当に何にも無いんです。
お客さんもそれを当たり前のように感じているのが凄い。

> ※ステージと客席に酒を撒くのは、かつてなかった行為のようです。
> 「お清め」ですかね。

私はいつもやっていることなのかと思いましたが、初めてなのかな?
お清め…みたいなことだと私も思いました。

Re: tako38さん

> 「MEMPHIS BLUES」の曲も良かったし、おなじみの曲のBLUESバージョンも最高でしたね。

間違いなくCDよりもライヴのほうが良かったです。
過去の曲も、あのバンドでのシンプルなアレンジがとても良かった。

> 何より、あの高音で伸びる声。ゾクっとしました。

本当のところはわかりませんが、曲のKeyもオリジナルと変えていないのでは?
ヴォーカルは凄かったですね。

blueさーん(・▽・)♪

ライブはおろか、ニコニコ動画生も逃した者ですが。。

やっとシンディ・ローパーの映像が観れました。
日の丸を体に巻きつけて歌っているものです。
一緒に痛みを感じてくれている、そんな感じがよくわかる。

彼女はもう日本の一部だと思いました。
たぶんこの先、ずっと好きな人だと思います。

Re: tamaさん

> やっとシンディ・ローパーの映像が観れました。
> 日の丸を体に巻きつけて歌っているものです。
> 一緒に痛みを感じてくれている、そんな感じがよくわかる。

通してツアーは素晴らしかったと思いますが、
大阪の2日間は特に感動的だったようですね。

> 彼女はもう日本の一部だと思いました。
> たぶんこの先、ずっと好きな人だと思います。

tamaさんと同じように感じた人も少なくないんじゃないかな。

No title

今回のCyndiのライブは行きたかった!
来日最初のライブが名古屋だったけど、地震のショックで忘れてました。
そして、ニコニコ生放送も。
敢えてこの時期にパフォーマンスをしたCyndi素晴らしいと思います。
また、半年後、一年後に来日して復興した日本を見て欲しいです。

Youtubeで見つけましたので、貼っておきますね。
水の儀式はこれですね。
http://www.youtube.com/watch?v=3N3NrpJ77U4&feature=mfu_in_order&list=UL

Re: イッチーさん

> Youtubeで見つけましたので、貼っておきますね。
> 水の儀式はこれですね。

ニコ動生放送はアンコールしか観ることができなかったので、
ありがとうございます。

2012年も感動でした。

blueさん、こんばんは。

掲示板の方に書こうかと思いましたが、こちらにしました。^^
blueさんのこれを読まなかったら、
今年観に行こうと思ってなかったかもしれないですし。
10日オーチャードホールに観に行きました。

11日の方が注目されていたと思いますが、10日良かったです。

「Girls Just ~」は皆あまり大きな声で歌えなくて何度かやらされたり(笑)、
「True Colors」の最後の♪like a rainbow♪も
あまり上手く合唱できなかったような感じだったけど
歌い終わった後のMCの時、彼女は涙声になっていました。
感動でした。

今年はblueさんは行かなかったのかナ?

Re: tamaさん

> 掲示板の方に書こうかと思いましたが、こちらにしました。^^
> blueさんのこれを読まなかったら、
> 今年観に行こうと思ってなかったかもしれないですし。

そうでしたか。少しでも背中を押せたカタチになったのかな。

> 10日オーチャードホールに観に行きました。
> 11日の方が注目されていたと思いますが、10日良かったです。

どうしたって注目される3.11に合わせて来日したことも凄いと思いました。
今年、私は行きませんでした。でも、色々とネットで情報は拾いました。
そんな感想を読むだけでも、会場での感動的な様子が目に浮かびましたよ。
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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