ロング・グッドバイ 浅川マキの世界 / 浅川マキ・他 著

帯のコピーを転載する。

  2010年1月17日に急逝した、日本におけるワン&オンリーの歌手・浅川マキ、
  その独自の世界を、著者自身の原稿、対談、関係者等のインタビュー、写真、
  年譜、ディスコグラフィーで構成した、その軌跡の全貌を伝える、
  最初にして最後のオフィシャル決定版。
  デビュー当時から写真を撮り続けている田村仁の貴重な写真を多数収録。

巻頭の田村仁による、あまりにも美しくカッコイイ数枚の写真!
声が、歌が、音が聴こえる。
その時代を知らなくとも、見るだけでゾクゾクする。

この本は、70年代のものを中心とした彼女自身による文章と、
交流があった人との対談。
そして関係者の追悼文とインタヴュー。
ディスコグラフィーに年譜、コンサート・リスト等で構成されている。

めちゃくちゃ面白い。
出てくる人物…ミュージシャンは、ほとんどが初めて知る人だけれど、
まったくそれは邪魔にならず、グイグイとのめり込んでしまう。
特に彼女による文章がとても独特で、いい。
まだまだ人物像を掴むことはできていないけれど、
ココロ惹かれる不思議な文章を書く人だなぁ…と思う。
彼女が書いたものすべてが良かったが、
そんな中でも " 浅川マキが書く人物論 " で、
阿部薫のことを書いたものが、なかなか凄かった。

少しでも彼女に興味を持ったら、手にしたほうがいい。
読んで損はしないと思う。

     **********

" 時代に合わせて呼吸をするつもりはない "

本にも出てくるが、彼女の代表的なこんな発言がある。
なるほど、彼女のイメージにピッタリだ。
ただ、そうは言っても作品に関しては…特に初期のそれは、
発表された時代を抜きには語れないだろう。
だいいち、それでこその一連の初期の傑作群だと僕なんかは思うしね。

僕は事前にそういった彼女を取り巻く時代性や、
独特の新宿文化などを詳しく調べもしなかったし、
もちろん触れることもなく、ほぼ何の先入観も無く浅川マキ作品に接した。
しかも、まずはベスト・アルバムを聴いたことにより、
初期のオリジナル・アルバムを聴く前に、
音楽性が良い意味で多彩だということを知れたことも大きかった。
何の根拠もなく、勝手なイメージで膨らませていた音楽性はそこに無かった。
" 何だよ、モロにニュー・ミュージックじゃねぇか " と言った曲までもがあって驚いたが、
それにより僕の中の針がマイナスな方向に振れることは無かった。

     **********

CD化されたアルバムを、1stから発表順に10枚聴いていった。
聴くアルバムすべてが、本当にすべてが素晴らしい。
知っている曲のほうが圧倒的に少ないのだが、まったく関係ない。
確か清志郎が再発されたオーティスのレコードを後追いで聴いていったとき、
" 再発されるアルバム、すべてが良かった " と言っていたと思うが、
その気持ちは、もしかしたらこういうものだったかもしれない。

彼女の声、ヴォーカルが、特にライヴでのそれが凄まじくいい。
例えば「ガソリン・アレイ」。
72年発表の 『MAKI LIVE』 に収録されている。
真島昌利によるカヴァー(これもカッコイイ)を知っている人も多いと思うが、
浅川マキの本家ヴァージョンを聴いてしまうと、マーシーを聴けなくなってしまう。
これはマーシーのカヴァーが良くないというのでは無い。
聴く必要がなくなるのである。

浅川マキ
EMIミュージックジャパン
発売日:2011-01-19

冷静に聴けば初期には演歌的な曲もあるし、それはそれで正しいだろう。
実際に本での五木寛之との対談で " 演歌が好き " という発言もあるし。
でも、音楽のスタイル云々ではなく、
彼女が作る世界が僕にはロックであり、ロックとしか言い様が無い。
だから、素晴らしい。

こうなったら、80年代以降のオリジナル・アルバムの再発も期待したい。
僕のようなファンをどんどん増やして欲しいものである。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

マキさんの大ファンです

大変ご無沙汰しています。ブログいつも楽しく見させてもらっています。
なかなかコメントする勇気がなく、すみません。どなたもコメントないので私めが。マキさん大好きですよ!!(うちの猫も聞き惚れてます)blueさんも好きになってくれたみたいでとてもうれしいです。私は完全な後追い。チャボさんとの二人会は見逃しました。四~五年前かな、中古屋(リサイクル店)の片隅で「~の世界」を見つけて、それからどっぷりはまりました。一枚ずつ中古レコ屋やヤフオクで集めました(70年代物)。どのアルバムも良いですね。私のお気に入りは山下洋輔トリオとのライブ盤(六枚目?)。一曲目の「わたしの金曜日」~二曲目「港町」の流れがもう、たまりません。清志郎と同じように「日本語を大切に歌う」偉大なシンガーだと思います。亡くなっても、歌は残ります。今日は金曜日、久しぶりにマキさんを聴こうかな?

Re: hisakataさん

> 大変ご無沙汰しています。ブログいつも楽しく見させてもらっています。

おおっ、hisakataさん、お久しぶりです!お元気でしたか?

> マキさん大好きですよ!!(うちの猫も聞き惚れてます)

その猫の名前は、もしかしたら " ふしあわせ " ですか?

> blueさんも好きになってくれたみたいでとてもうれしいです。

完全にのめり込んでいますよ。今は本当にマキさんしか聴いていません。
まったく飽きることがありません。

> 一曲目の「わたしの金曜日」~二曲目「港町」の流れがもう、たまりません。

それは 『MAKIⅥ』 ですね。
10枚すべてが良いのですが、中でも私が気に入っているのは、
『裏窓』 と 『灯ともし頃』 、そして 『ライヴ 夜』 ですね。
Profile

Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

Information
- Information -

★非公開コメント、承認前コメントは非表示としています。よってコメントを頂いてもしばらくは何も表示されませんが、ちゃんと届きますのでご安心ください

テンプレート変更(12/18)

ツイッターをブログに表示(12/11)

「ツイートを毎日まとめて記事にする」を追加(5/14)

Blueの本棚ブログパーツ設置(2/20)

[ツイートする][Facebook]ボタンを設置

ブログ拍手へのたくさんの拍手を頂き、どうもありがとうございます。
ブログ拍手からは私Blue宛コメントもできますが、コメントは非公開設定にしているため返事をすることができません。拍手コメントを頂いた方には、あらためてこの場でお礼を申し上げます。どうもありがとうございました

★コメント、トラックバックについて

当Blogはコメントとトラックバックを承認後の表示とさせて頂いています。反映されるまで時間がかかりますが、ご了承ください。

基本的にはすべて承認していますが、明らかに悪意のあるコメント、または不快で不適切なコメント、コメントの度に名前を詐称する別人のなりすましや意味不明のコメントなど、管理者が承認できないコメントとトラックバックは予告無しに削除、及びその後のコメントを拒否させて頂きます。その後、書き込みとアクセス拒否の対応をさせて頂く事もあります。承認するか否か、または拒否の判断は管理者に権限がありますのでご了承ください

今後とも『Blueの雑記帳』をよろしくお願い致します


-- E N D --
.
.
Access Counter
Welcome Home!!
Realtime Counter
よォーこそ!
Blue's Link
Blue's BBS
Recent Comments & Trackbacks
twitter
Blueの雑記帳内 検索フォーム
Still Alive And Well
Blue Day Horns
Blue's INFORMATION
チャボの盗難楽器発見にご協力をお願いします
The Beatles
My R&R
Blog Category
Past Entries
Blog Link
Contact

名前:
メール:
件名:
本文:

Blog Ranking

FC2ブログランキング

人気blogランキング

ブログパーツ