ラブ・ゼネレーション / 早川義夫

その発言や自身によるエッセイなど、曲の歌詞以外までもが全て名言となってしまう。
個人的にずーっとそう思っているのが早川義夫だ。

ジャックスというバンドのメンバーかつリーダーであり、
特に1stアルバム 『ジャックスの世界』 という素晴らしいレコードを残した。
ジャックス解散後、ソロ作 『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』 という、
やはり素敵なレコードを残す。

その後は音楽業界を退き、しばらく書店の店員をしていたが94年に突如復帰。
復帰第一弾となった 『この世で一番キレイなもの』 は、
これまた凄まじい程に素晴らしい作品だった。
『かっこいいことは~』 で発表された名曲「サルビアの花」や、
ジャックス・ナンバーのセルフ・カヴァーもあったが、
何といってもシングルにもなった「君のために」が美しすぎる。
そのメロディー、歌詞、そしてヴォーカルはもちろんだが、
バック・ミュージシャンの演奏が素晴らしい。

アルバムを通してメンバーはほとんど固定であり、
まるでひとつのバンドとして制作されていたようだ。
ドラムスは麗蘭でもお馴染みのクッキーこと楠均。
ギターにははちみつぱいのメンバーであった渡辺勝。
サックスにはこれまたRCファンには説明不要の梅津和時。
チャボとの共演が印象的だったペダル・スティール・ギターの駒沢裕城も参加している。

当時のレコーディング日誌によれば、
「飾りはいらない、そのままが美しいのである」が合言葉だったそうだ。
「君のために」はそんな曲だし、アルバム自体もそんな作品である。
その後に発表されたアルバムも良いが、僕は復帰後ではこの第一作が一番好きだ。
「君のために」のエンディングの梅津和時によるサックス・ソロは、
何度聴いても感動で震えてしまう。

さて、このアルバム用に作られた販促物であろう、
アナログのレコード・ジャケット大のパンフ?がある。
題して 『ラブ・ゼネレーション'94』 。

早川義夫には、72年に発表された 『ラブ・ゼネレーション』 というエッセイがあるのだ。
その本の帯には「早川義夫全エッセイ集」とある。
また「早川義夫の情念の世界」「早川義夫のヒューマン・ドキュメント」ともある。
昭和42~47年に書かれた文章をまとめた、そんな本だ。
当時の音楽シーンを早川義夫の言葉を通して知ることができるのも貴重だし楽しいので、
これは是非読んでみて欲しい。
文庫化もされているのだが、今でも簡単に入手できるのかな…?
ちなみに、僕は何故だかオリジナル本を所有している(笑)

さて、『ラブ・ゼネレーション'94』 には素敵な言葉がちりばめられている。
一部を転用。

  考え方や生き方を押しつけてはいけない。
  そんなにステキならば嫉妬させてほしい。
 
  第一印象が正しい。あなたの第一印象が正しい。

  共に歌うのではない。互いに歌うのだ。

  歌いたいことがあるから歌う。歌いたいことがないなら歌わない。
  それが歌っていることなのだ。
  声を出さなくとも歌は歌える。
  僕は歌わなかった二十数年間、実は、眠っていたのではなくて
  「歌っていたんだね」と思われるように今歌いたい。

もちろん、オリジナルの 『ラブ・ゼネレーション』 も凄い。
本文も凄いが、それ以上に凄いのが「序」として書かれたいくつかの文章だ。
色々な人に様々な形で取り上げられたり引用されたり、
中には焼き直しされたり(?)し尽くしているが、
凄いものは何度見ても読んでも感じても凄いのは確かだ。
そして本当に凄いと思う。

  歌えないものが、歌っているものを、うらやましいと思うのは、
  別な歌い方を知らないだけだ。

  足りない足りないと、やたらぼやきが多いけれど、
  ほんとは足りないんではなくて、よけいなものが多いのだ。

  フォークは忘れようと唄い ロックは忘れろと唄い 
  歌謡曲は忘れられないと唄う。
  フォークは歌おうと呼びかけ ロックは歌うなと呼びかけ 
  歌謡曲は目を閉じる。

     **********

最後に、あまりにも有名すぎて今更引用するのも恥ずかしいが、
僕にはこの言葉を糧にしていた時期が確かにあった。
それはやはり 『ラブ・ゼネレーション』 の「序」にあった、たった二行の言葉だ。

  線は、のびていくことができるが、点は、のびようがない。
  しかし、点は爆発する。

今、またこの言葉は僕に必要かもしれない。

早川 義夫 / シンコーミュージック(1998/12/10)
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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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