RCサクセションがきこえた

60年代のローリング・ストーンズをリアルで聴いていたわけでは無いけれど、
レコードや当時の映像により、自分なりに雰囲気と音は把握しているつもりだ。

ザ・ローリング・ストーンズ
UNIVERSAL INTERNATIONAL(P)(M)
発売日:2008-08-02

2006年のストーンズ来日公演で聴いた「Midnight Rambler」。
その日、東京ドームで鳴っていた音が69年だったことに僕は驚いた。
もちろん実際には2006年のライヴである。
ストーンズだって、まさか60年代を再現しようとしていたわけではないだろうが、
僕は、キースが弾くイントロから既にあの時代の音だと感じたのだった。
東京ドームと 『GIMME SHELTER』 が重なり、
個人的に、なかなか凄い体験だったと今でも思う。
この日は他にも60年代の曲が演奏されていたけれど、
「Midnight Rambler」だけは、僕には特別に聴こえたのである。

デヴィッド・メイズルス;アルバート・メイズルス;シャーロット・ズウェリン
ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2009-12-16

ミック・ジャガーとキース・リチャーズ。そしてチャーリー・ワッツ。
目の前ではこのストーンズのオリジナル・メンバー3人が演奏していたわけだ。
間違いなくあの時代を生きて感じて過ごして歩いてきたメンバーなわけだ。
例え当時から何年が経とうとも、この3人にはあの時代が染み付いているに違いない。
ということは、ライヴ中の3人のフィーリング如何によっては、
本人達が無意識であったとしても、
僕が感じたこういったことが起こるのは、意外でも何でも無いのかもしれない。

さて、GO!!60ツアーでの仲井戸麗市。
チャボは " チャボにとっての忌野清志郎というヴォーカリスト " について話している。
そして、同じように " RCサクセションというバンド " にも触れている。

清志郎という素晴らしいヴォーカリストと出会えたことの喜び。
その清志郎とRCサクセションというバンドを一緒に演れたことの誇り。
加えて清志郎=RCサクセションの楽曲の魅力。
更に友達として過ごしてきた時間の楽しさ。
こういったことを、決して説くというのではなく、
チャボ自身の素直な思いの言葉として、お客さんに話している。

以前ならば…いや、ハッキリ言えば清志郎がこうならなければ、
絶対にチャボは(TVや雑誌、ラジオ等も含めて)こういう話をしなかったと思う。
清志郎の生前に話すことができなかったという後悔も、
今はもしかしたらあるのかも知れない。
ただ、この後悔云々というのはまったくの僕の個人的な想像であり、
ツアーでのチャボからは、" 後悔しているから " という雰囲気を感じることはない。

とにかく、2010年の自分のライヴに何が期待されているのかをしっかりと受けとめた結果、
清志郎の話をして、RCの曲を歌い、ギターを弾いているということなのだろう。

本格的にソロ活動を開始してからも、
RCの曲…それこそ「雨あがりの夜空に」は何度もプレイしているチャボだが、
いつでも…例えばそれが清志郎との共演であっても、
おそらく常にRCを意識しながらプレイしていたのではないかと僕自身は思っている。
ちなみに、この " 意識して " というのは、RC時代の自分になって…みたいなことではなく、
RCに対しての迷いや逡巡を指す。

変な表現で誤解されるかもしれないけれど、
ココロからストレートに演奏したことは無かったんじゃないかなぁ。
要するに、RCや清志郎についてはいつも一定の距離を置いていたであろうチャボは、
演奏でもそうしていたんだろうな…ということだ。

こういったことは雑誌のインタヴューからも感じることができた。
これは清志郎と一緒の取材になると、よりわかりやすくなる。
清志郎は思っていることをそのまま発言する傾向だが、チャボは違う。
ロッキング・オン・ジャパンでの GLAD ALL OVER 直前インタヴューでの例。

  渋谷陽一「(仲井戸は)俺とやってればいいんだ、みたいな?」
  清志郎 「そうそうそう」

この質問をされた場合、チャボは絶対に「そうそうそう」なんて言わないと思うのだ。

同じくジャパン誌で連載されていた公開文通の 『仲井戸くんと忌野くん』 でも、
清志郎からの " 一緒に何かを… " というアプローチや発言は目立つけれど、
それを受けてチャボが返すと言うことは、ほとんど無かったはずだ。

いずれにせよ、チャボなりにRCや清志郎には距離を置いていた事は間違いないと思う。
もちろん " 清志郎と一緒に演りたい。一緒に演れたら " と思っていたとしても。

僕が8月の上信越ツアーの金沢で聴いた「雨あがりの夜空に」。
これまではあまり感じる事は無かったけれど、僕はここに思い切りRCを感じてしまった。
もちろん過去に気持ちの中で " やっぱりRCだよ " と思ったことは何度もあったけれど、
それは期待や願望という要素が大きく、リアルにRCを感じたということでは無い。

でも、金沢は違った。
RCを感じたし、RCがきこえた。

そしてこれもまた最近感じるようになっていることに、
" 「雨あがりの夜空に」のイントロが最高なんだよ " というのがある。
この「雨あがり~」のイントロ、
実はRCの頃から演奏のたびに違うという、良くも悪くもムラがあり、
単に個人的な好みだけなのかもしれないが、
僕自身、ライヴでガッカリさせられたことが何度もある。
それが今は、そのサウンド、テンポ、タイミング、そしてフィーリングが、
僕にとっての最高の「雨あがりの夜空に」なのだ。
ハッキリ言えば、RCサクセションなのだ。

今のチャボはRCに対して距離を置くことを捨てた…というよりも、
意識せず自然体なのだと思うが、
無意識に " 俺はRCなんだ " という姿勢で楽曲に向かうようになっているのだろう。
こう考えると、僕が感じたことについても自分で納得できるのだ。

80年代のRCサクセションは、間違いなく仲井戸麗市の中にある。
清志郎と共にKING OF LIVEとして駆け抜けたあの時代を、チャボは今でも持っている。
そしてそれは仲井戸麗市しか持っていないかもしれない。
もしかしたら、もうチャボの中にしか無いかもしれない…なんて思う。

こんな人がそんな気持ちでそういう曲を演れば、
あの時代の音が2010年に鳴ったっておかしくないだろう。
今の僕には、キースの「Midnight Rambler」とチャボの「雨あがりの夜空に」が、
見事に重なるのである。


P.S.
今ツアーでも清志郎との最後の共作曲として「毎日がブランニューデイ」を歌っているチャボだが、
もうひとつ歌うべき、いや、今となってはチャボしか歌えない曲が残っているだろう。
そして、それを聴きたいファンは決して僕だけじゃ無いはずだ。

チャボ、是非「激しい雨」をフルで演ってくれないか?
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「激しい雨」

チャボからサビの歌詞が出された時、清志郎はどんなにかうれしかったでしょうね。
最新作のリードトラックでありながら、チャボのいないステージでは清志郎はこの曲を演りませんでした(ナッシュビルでのPV撮影を例外として)。
そこに、清志郎の、この曲への、そしてチャボへの思いが込められているような気がします。

10月9日、日本中でかきならされてきたイントロに続いて、「季節はづれの・・・」と歌われたら・・・。そのとき自分がどんな気持ちになるのか、想像できません(涙)。

Re: 夢風さん

> 最新作のリードトラックでありながら、チャボのいないステージでは清志郎はこの曲を演りませんでした。
> そこに、清志郎の、この曲への、そしてチャボへの思いが込められているような気がします。

一連の完全復活祭でこの曲を二人一緒に演奏するのを観られて、今では本当に良かったと思います。

今年のARABAKIでは " もしかしたら… " と思いましたけれどねぇ。
10/9のリストにこの曲が加わるかなぁ…。

うまく言えないけど…。

以前、こちらで教えて頂いたNHKオンデマンドで
『YOU RCふたたび』を観ました。
これは録画を逃して悔しかった覚えがあって。
じっくり観るのは初めてだったのですが、
私は昔ああやって清志郎とチャボがふたりで並んでいる場合、
ほとんど清志郎ばっかり観てたと思うんです、清志郎ファンだったから。
当時チャボってちょっとコワくて(笑)すこし近寄りがたい人って
思ってた気がするんです。もちろんチャボのファンでもありましたケド。

それで今回よくよくチャボのことを観てみると、全然印象が違う。
“可憐”て言葉が浮かんじゃいました。清志郎でもそうなんだけど…。
何だかとても無垢な感じがしました。キレイでした。
そしてやっぱりちょっとオニイサンなんですよね。
私はそんなチャボをみると少し緊張感を持ちますが、
清志郎はそんなチャボのことが大好きなんですよね?

赤い糸って、男女間だけのものじゃないんだなって。。。
う~ん、うまく言えなくてごめんなさい。
でも、残念だったなあ。何でもそんなにうまくいくわけないけど…。

なんだか中途半端なコメント、すみません。
チャボがすごく“可憐”に見えたことに感動…ということでした。

Re: tamaさん

> 清志郎はそんなチャボのことが大好きなんですよね?

こういった " 清志郎はチャボが大好き " という話は友達とのあいだでも良く出るのですが、
本当にそう思いますし、そうなんだと思いますよ。

> 赤い糸って、男女間だけのものじゃないんだなって。。。

私もその通りだと思います。

> 『YOU RCふたたび』を観ました。

以前、ここにコメントをくれたのもtamaさんですよね?
箱根、観に行っていたんですね!
http://blue19812nd.blog50.fc2.com/blog-entry-838.html

RCとの距離

先日の、清志郎の絵の特集番組でのインタビューで、チャボが
ハッキリ
「あの頃、オレは距離を置こうとしていたから」
と話していたことでビックリした、という記事がありました(そして
私もそう思いました)が、清志郎がこうなって、何かちょっと、
変わったのかなあ(変わった、というか、なんというか・・・・
うまく言えないけれど)と思います。
ああいう場所では、もう無理に話さないで、チャボ・・・・とは
やっぱりまだ思いますけれど。

いつもコーちゃん話で申し訳ありませんが、コーちゃんも、
最近、RCの曲をたまにライブでやっているのです。
ライブのメンバーにもよるけど。
私は行けなかったのですが、先月(先々月だったかも)の
ライブでは、
「ぼくとあの娘」
を歌ったそうですよ・・・^^。
(コーちゃんが「歌う」ってこと自体ビックリですよね、私も
 最初すごく驚いた!)

RCは、そっと復活しているのかもしれませんね。

Re: びーとさん

> チャボがハッキリ「あの頃、オレは距離を置こうとしていたから」と話していた

チャボがこう言うということは、
当時のことは本当に何もわからないし知らないんでしょうね。
しばらくそれを引きずって(という表現が正しいのかわかりません)いたことも、
私は間違いないと思っています。

> 清志郎がこうなって、何かちょっと、変わったのかなあ(変わった、というか、なんというか・・・・
> うまく言えないけれど)と思います。

変わったと思います。

> ああいう場所では、もう無理に話さないで、チャボ・・・・とは
> やっぱりまだ思いますけれど。

私の勝手な思いですが、周りにも " もうチャボに声をかけないでよ " と言いたいです。

> いつもコーちゃん話で申し訳ありませんが、コーちゃんも、
> 最近、RCの曲をたまにライブでやっているのです。

もちろん、コーちゃんの中にも80年代RCは生きていると思っています。
今年4/2の船橋でのライヴの話は、行った友人から聞きました。
" 清志郎がこうなった今、思い出すのは屋根裏時代… " と、
コーちゃんが話していたことを教えてもらいました。
チャボもコーちゃんも、そして清志郎にとっても、
あの " 屋根の上の時代 " は特別なんだなぁと、あらためて感動します。

> 「ぼくとあの娘」を歌ったそうですよ・・・^^。
> (コーちゃんが「歌う」ってこと自体ビックリですよね、私も最初すごく驚いた!)

これ、聴きたい!
コーちゃんの歌って、私は「ダンスパーティー」のコーラスしか知らないなぁ。

> RCは、そっと復活しているのかもしれませんね。

あぁ、そうかもしれませんね。

上手く言えませんが・・・

今回のエントリー、皆さんのコメントも含めて何度も何度も読み返させていただいて大きな共感と感銘を受けました。

「雨あがり」のイントロにムラがあるのは俺も思います。
最近のチャボを観てないので偉そうなことは言えませんが
Blueさんのおっしゃるように、自然体になり、“俺はRCなんだ”という思いもあるんでしょうね。

ここんとこのメディアでの発言には、俺も「もういいよ、チャボ」という思いがありますが、ヘヴィーな気持ちもありつつ、使命感と言ったら変ですが、伝えておきたい、伝えるべきだ、というような思いもあるんじゃないでしょうか?

「雨あがり」の件も含めて、腹をくくったトコがあるような気がします。

なんか支離滅裂ですいません。
スゴイ、揺さぶられてしまったので、この記事に。

Re: LA MOSCAさん

去年の5月以降、それなりの回数でチャボのライヴを観てきました。
そのほとんどでチャボは「雨あがり~」を演ってきましたが、
演奏に変化が見えたのは COUNTDOWN JAPAN 0910 だったと思います。
2009年最後のライヴが、結果として何かが始まったライヴになったような気がします。
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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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