私が選ぶ2005年ロック大賞

西暦2005年も今日で終わり。年の瀬である。
毎年、麗蘭のライヴのため京都で過ごし、
後は大晦日まで家でゆっくりとするのが僕の年末だ。
昔はTVも良く観たが、最近は年末年始だからと言って、
特に楽しみにしているような番組も無い。
たまに音楽モノをチェックする程度だ。

今日はNHK-BS2のロック誕生50年をBGMのように流しながら、
午後からのんびりとしている。
この手の番組は定番であるが、
当時の映像を流すだけというシンプルな構成が、実は最高だ。
何も考えずに観られる事がいちばんだ。

さて、昔は僕も年末だけの楽しみにしていた番組があった。
TVでは無く、ラジオである。
渋谷陽一による「あなたが選ぶロック大賞」だ。
" あなたが選ぶ " がアタマに付いていなかったかもしれないが、
とにかくその年の人気投票みたいなものだ。
渋谷陽一の番組であるから、年度に関係なくツェッペリンが上位にランクされていたのだが、
ある年は、それがあまりにも不自然ということで、
渋谷氏自身が特別にランク外にしたという時もあった。
まぁ、渋谷氏の番組のリスナーが聴くのだから別にいいのだが、とにかくそういった番組だった。
RCサクセションが国内部門で一位になったりしていたのも、僕が好きだった理由である。

今年の自分自身のロック大賞は何か…というものを2005年最後の記事にしたい。

●アルバム部門

・ラプソディー ネイキッド/RCサクセション
・ゲット・ビハインド・ミー・サタン/ホワイト・ストライプス

RCサクセションのアルバムは、個人的な思い入れも含めての選出。
日本のロック・シーンでも事件であっただろうと思う。
このアルバムのおかげで、ネット上でのブログ繋がりが広がったというのも、
個人的には嬉しい事だった。

ホワイト・ストライプスは、現在進行形の音に疎い僕が、唯一ぶっ飛ばされたバンド。
前作「エレファント」も良かったが、この新作も凄かった。

●ライヴ部門

・クイーン+ポール・ロジャース さいたまスーパーアリーナ 10.26.
・仲井戸麗市 CHABO GO! GO! [THE Duet] SHIBUYA-AX 10.8.

クイーンとポール・ロジャースの組合わせでのツアーのニュースは複雑だったが、
70年代に必死に聴いていたバンドで観ていないのがクイーンただひとつだったこともあり、
観に行った。
冷静に観られた人達はともかく、個人的な思い入れが強かったファンにとっては満点だっただろう。
僕は後者なので、演奏の出来やポール・ロジャースの立場論等はほとんど関係無かった。

仲井戸麗市の今年のライヴはどれも素晴らしかったのだが、
異色の楽器奏者とのコラボ・シリーズを選んだ。
三回行われたが、その集大成である10月のライヴ。
これは今まで観たチャボのライヴの中でも、
かなり個人的には上位に位置することになるものだった。
音楽の素晴らしさと同時に、人間としてのチャボに感動した一夜。

●映像部門

・フェスティバル・エクスプレス
・Lightning Blues Guitar Fes.

「フェスティバル・エクスプレス」は映画を観に行って感動した。
実は、僕はこういったフェスものはどちらかというと苦手なのだ。
ウッドストックとかモンタレーとか。
でも、これは良かった。
特に、ジャニス・ジョプリンに対しての個人的な印象が変わってしまった映画。
DVDも特典映像も含めて素晴らしかった。

「Lightning Blues Guitar Fes.」は、96年にCharの江戸屋で企画されたライヴ。
完全版CDとダイジェストDVDのBOXであった。DVDが素晴らしい。
DVDは何度も観たが、CDはまだ一度も聴いていない。

●その他

・ELECレコードの完全復刻プロジェクト

エレック時代の古井戸のオリジナル・アルバムが遂にCD化されるのである。
チャボ・ファンの僕としては念願であった。


今年は自然災害が多かったし、後半になっても嫌なニュースばかりだった。
個人的にもそんなに良いことは多くなかった。
それでも、それが小さな事だったとしても音楽に力をもらったことがたくさんあった。
結局は音楽、ミュージックなのだ。


●特別部門

・ブログを通して知り合えた人達

こんなに個人的趣味丸出しで偏った内容のブログでも、
何人かの人達とここを通して知り合えた。
ここでまだ一度きりしか出会っていない人達も、
今でも訪れてくれる人達にも、全ての人達に感謝しています。
今年一年、ブログが楽しかったです。ありがとうございました。
そして来年もよろしくお願いします。

2006年も、皆さんに良い日がたくさんありますように。

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麗蘭2005TOUR 泣いてたまるか!!

●東京:SHIBUYA-AX 2005.12.23.

東京で麗蘭を観るのは2000年の「My R&R TOUR」以来5年振りだ。
これまでも麗蘭のTOURに東京が組まれていたことがあるが、
年末の京都が同じTOURにあれば迷わずそちらだけに行っていたからだ。

さて、今回のTOURはアルバムや新曲などの作品を引っさげてのライヴでは無い。
ただ麗蘭は91年からの活動でアルバムが二枚しか無いわけだから、
僕もこういったTOURには慣れてはいる。
でも、昨年が2ndアルバム「SOSが鳴ってる」に伴う物凄いライヴだったので、
どうしたって今回も期待してしまう。
しかも、ここ最近のチャボのソロ名義での活動が素晴らしく充実していたため、
必ずそれが麗蘭にもプラスになるだろうという予感があり余計にそう思っていたわけだ。

はたして、その僕の予感や期待は嬉しいほうに裏切られることとなった。

実は、このライヴで僕が陣取ったのはPA卓のすぐ隣りであり、
ステージ全体はもちろん、その音さえバッチリと把握できる場所であった。
少しだけ気持ち的に余裕を持ち、そのライヴ全体を把握してみたいと思っていたのだ。

いつものようにオープニングは「浪路はるかに」である。メンバー四人がステージに現れる。
さぁ、一曲目は何だ?
「ミッドナイト ブギ」か「I Feel Beat」か、それとも…。

新曲で始まったのである。
これは意外であった。毎回チャボは新曲を用意してきてくれるが、
まさか一発目からぶちかますとは!

しかし、驚きはすぐに違和感へ変わる。
その理由はイントロのギターの音。
これが今までの麗蘭とは違ったサウンドのように感じたのだ。
この違和感は何だろう…と思ったら、イントロのフレーズはチャボが弾いていたのである。
一発目が鳴った瞬間、僕はその音とフレーズから勝手に蘭丸のプレイだと思ったが、
すぐに弾いているのがチャボとわかり、びっくりした。これが違和感の原因だったのだ。

これまでの麗蘭は、良くも悪くもチャボと蘭丸のギターの微妙な混ざり具合が魅力であり、
それが個性になっていたと思う。
お互いにそのミュージシャン・スタイルをほとんど変えずにぶつけ合うのだ。

そんな麗蘭の魅力をいちばん堪能できるのが、
2ndに収録された「天の川サーフ」だと僕は思っている。

さてこのライヴの一曲目である。
チャボが奏でるフレーズが蘭丸っぽくなったことにより、いきなりサウンドがまとまった。
まさに唯一無二の新しい”麗蘭”サウンドが完成していたように思う。
曲自体も、中盤にアップテンポな別のパターンの曲を挟んでおり、
二曲を合わせた組曲のようだった。
これは何か手本があるのかもしれないが、
僕はポール・マッカートニーが良くやるメドレー(BAND ON THE RUNみたいな、ね)を思い浮べた。
これは新境地だと思う。
是非、この路線を拡大していき、2006年は3rdアルバムを制作、発表してほしい。

もう一曲、TOURのタイトルを付けた新曲が演奏されたのだが、
こちらは従来のチャボらしいナンバー。
チャボが作るこの手の曲は正統派ロックン・ロールなのだが、どこかに切なさが感じられる。
それはメロディや歌詞の時もあるし、ギターのフレーズに感じる時もある。
今ではあまり演らなくなってしまったが、
「涙のジョニーB.グッド(タイトルは僕の想像です)」という曲がある。
この曲はタイトル通りチャック・ベリー・タイプのロックン・ロールなのだが、
やはりどこかに切なさが滲み出る。
これは僕が感じるチャボの魅力のひとつでもある。この切なさがあるから、曲が心に残るのだ。
カッコよかったよ、これ。

中盤には、蘭丸の曲にチャボが詞を付けたという曲も披露された。
蘭丸らしいイントロの王道ソングだ。
ミラクル。そしてサンシャイン、ムーンライト、レインボウという四つの単語が印象に残る。

ライヴを強引に分けると、新境地の前半、お馴染み代表曲の後半といったメニューだった。
特に前半はチャボと蘭丸のギター二本がしっかりと絡んでおり、聴き応えがあった。
ディストーションさせたギターをチャボがこれだけ弾くのを観て聴けただけでも、
僕は最高の気分である。
久しぶりにソロを弾くだけではない”ギタリスト・仲井戸麗市”を堪能させてもらった。

ライヴ会場で配られたチラシには、このTOURのライヴ・アルバムが発表されるとあった。
レコーディングはTOURの千秋楽である京都・磔磔の三日間。凄いことになりそうだ。
明日からでも新幹線に乗って京都で待っていたいくらいである。

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阿久悠40周年記念番組

途中からしか観られなかったのだが、観たかったものには間に合った。
それはCharである。「気絶するほど悩ましい」を歌うという話を聞いたときから楽しみにしていた。

バンドではなく、アコギの弾き語りであったなぁ。ちょっと残念だ。
実は、今月のアタマに僕はある店で演奏する機会があり、この曲を演奏する予定だった。
しかも、TVでCharが演ったようにアコギのヴァージョンでだ。
実際には客席にいた某シンガーの飛び入りで「stand by me」をセッションする事となり、
演奏できなかったのだが(笑)、僕が演ろうとしていたのはCharのようなヴァージョンだったのである。
実に雰囲気が似ていてびっくりした。

しかし当時のレコードと、今回のTVでのCharのヴォ-カルがほとんど同じだったというのは凄い。
変わっていないのではなく、当時で既に完成していたのだろう。

番組は阿久悠が作詞をした曲を当時のVTRやゲストの歌で紹介するという、まさに歌謡史だった。
詞はともかく、いい曲が多いなぁ本当に。全盛期の歌謡曲はバカにできないよ、マジで。

さて、Char以外ではスパイダーズ…いや日本風にはスパイダースか…をバックに、
何と鈴木ヒロミツがモップス時代の名曲「朝まで待てない」を歌ったのと、
南こうせつが坂崎幸之助を迎え、初期の「酔いどれかぐや姫」を歌ったのが良かった。

そして何といってもジュリー、沢田研二である。
残念ながら当時のVTRであったが、そのメドレーは強力。
75年の「時の過ぎ行くままに」。77年「さよならをいう気もない」に「勝手にしやがれ」。
78年「サムライ」「ダーリング」「ヤマトより愛をこめて」「LOVE(抱きしめたい)」等々。
他にも当時の阿久悠作品だけ挙げても、
「憎みきれないろくでなし」「カサブランカ・ダンディ」「OH!ギャル」「酒場でDABADA」「麗人」。
これらの70年代後半のジュリーは無敵である。
だってこれに阿久悠以外の作品が加わるんだよ。
ヒットした・しないは全く関係無い名曲群だと思う。

阿久悠自身には特に興味は無いのだが、こういう企画はなかなか面白い。
ただし、TVでやるなら司会の人選は考えて欲しいということと、
なるべく感情や偏りを抜きにした選曲。
これだけは必要であろう。

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ブラームスの子守歌/リンダ・ロンシュタット from『愛の贈りもの』 -1996-

いつも記事のタイトルはオリジナル表記をするのだが、
今回は邦題が気分なので、あえて邦題にした。
リンダ・ロンシュタットが96年に発表した素敵なアルバムが、この「愛の贈りもの」だ。
オリジナル・タイトルは「Dedicated To The One I Love」という。


リンダ・ロンシュタット(1996-07-25)
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ララバイ、所謂”子守歌”をテーマに選曲されたカヴァー集だ。
子守歌がコンセプトと言っても、取り上げられた曲はバラエティにとんでいる。
ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」に、
ビーチ・ボーイズの「イン・マイ・ルーム」。
エヴァリー・ブラザーズの「愛をいつまでも」などのスタンダード・ナンバーが続く。
この辺りは歌手としてのリンダが全開である。
例えばストーンズの「ダイスをころがせ」のカヴァーでロックン・ロールする彼女も最高であるが、
ここでのヴォーカルは、ただただ聴き入ってしまう。

そして異色なカヴァーが一曲。何とクイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」を取り上げているのだ。
これまた見事なララバイ・ヴァージョンに仕上げている。

このアルバムは良く夜中に部屋で流すことが多いのだが、
今まで気にしなかったが、今夜ちょっと気付いたことがあったので、記事に書いた次第。

少し前、チャボのFCの集いがあった。
この時に一曲目にチャボがかけたのがブラームスの子守歌。
何と、このリンダのアルバムにその曲が収録されていたのである。
今まで何度も聴いていたし、FCの集いの後にも聴いたはずだ。
それでもまったく気付かなかった。
まぁ、いつもは聴くというより部屋で流すわけだし、
ライナー等も特に見たりはしないので、こうなっていたのだろうな。

今回、じっくりとライナーを読んでみた。
ブラ-ムスが1868年に書いたとても有名な曲だそうだ。
1941年に、
あのビング・クロスビーがレコーディングしてポピュラー・ソングとして知られるようになったらしい。

思わぬところで大好きだったアルバムがチャボと繋がった。
こういったことが、音楽を聴いているとたまに起こる。
音楽ファンなら共有できる素敵な瞬間である。

アルバムのラストは、ビートルズのララバイである「グッド・ナイト」で締めくくられるのです。

トータル・タイムは30分も無い短い作品だが、これは素晴らしいアルバムである。
もちろん大人も楽しめるが、
もしあなたに小さなお子さんがいるならば、このCDを子守歌にする事をお薦めする。

一緒に夢の中へどうぞ。

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ビートルズのクリスマス・レコード

ビートルズの英ファン・クラブが、
63年から69年まで会員向けに配布していたクリスマス・レコードがある。
レコードというかソノシート(ペラペラなヤツです)で、
内容はメッセージや寸劇、演奏などであったらしい。
中にはオリジナル曲が収録されている年度もある。

実際にはこの企画、ファンに対してメンバーの生の声を届けてビートルズを盛り上げようと言う、
ブライアン・エプスタインの戦略だったのだろうが、
ファンの立場から言えばこれは本当に嬉しいものだったろう。

今でも自分の好きなミュージシャンから、
毎年クリスマスにメッセージ入りのレコード(今はCDか…)が届くなんて絶対にわくわくすると思う。
ただし、曲と言うわけでは無いので、制作する側にはセンスが要求されると思うけれどね…。
この面でも、ビートルズは才能があったんだろうな。
今でも観ることができるインタヴューの対応やステージでのMC等からも、
そういったものを感じることができるし。
特にジョンとポールは、やはり抜きん出ているようだ。

さて、ここで紹介するのは、そのクリスマス・レコードのうち最初の63年と、最後の69年のもの。
63年版は、当時のビートルズのライヴでのMCをクリスマス・ヴァージョンにしたような内容で、
即興でメンバーがクリスマス・ソングを歌うなど、聴いていても楽しい。
ビートルズが世界に出て行く前であるので、メンバー四人でひとつになっているのがわかるし、
内容も、メンバーがバラバラで録音しているのではなく、四人揃ってその場で収録しているようだ。

69年版は、もうバンドの末期である。
内容を聴くと、ビートルズというよりもジョンとヨーコによるクリスマス・メッセージである。
ほとんどがジョンとヨーコの会話、対話で、
その間に他のメンバーのメッセージが挟まると言う編集だ。
聴きようによっては、一連のジョンとヨーコのアヴァンギャルド三部作の一部のようでもあり、
聴きやすくPOPになった「レヴォルーションNO9」のようでもある。

このように、
このクリスマス・レコードもビートルズの活動の変化がそのまま反映されているのが興味深い。

     **********

今年もあと一週間となりました。
短かすぎた春だったでしょうか。悔しすぎた夏だったでしょうか。淋しすぎた秋だったでしょうか…。

2005年のクリスマス。皆さんには誰からどんなメッセージが届きましたか?

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麗蘭2005TOUR 泣いてたまるか!! 東京SHIBUYA-AX 2005.12.23.

僕が事前に期待していたことや予感していたことは、嬉しいほうに裏切られたライヴだった。

まだ磔磔も観に行くので、ライヴの記事はその後にまとめて書くことにするが、
明日にでも新幹線に乗って京都に行き、待っていたいくらいである。

エレックレコード、無事に再発

実物をこの目で見るまでは信じなかったエレックレコード完全復刻プロジェクトだが、
その第一弾が無事に再発された。ひとまずはこの快挙を素直に喜びたい。

ただ、実際にCDショップに並んでいるのを見ても、これがどのくらい凄いことなのかが良くわからない。
ほんの10年程、いや5年程前までは、古井戸のアルバムが中古レコード店に並ぶのはとても珍しかった。
たまに見かけても「ラスト・ステージ」が関の山。
エレック時代のアルバムは、それこそマニアックな店を探さない限り、まず目にすることは無かったはずだ。

そんな中でも激レアだったのが「古井戸ライブ」である。

それがどうだ。

今では某オークション・サイトでは僕が中古屋で目にしていた当時の十分の一の値段で出品されていたりする。
そして今日、CDになった「古井戸ライブ」が店頭にズラーッと並んでいるのである。

  The Times They Are A-Changin'  時代は変わるものである。

古井戸、仲井戸麗市の記念すべきデヴュー作である「唄の市第一集」。
72年の日比谷野外大音楽堂で行われた「野音唄の市」。
そして「古井戸ライブ」。

古井戸絡みの三枚を買ってきた。
紙ジャケット仕様での再発である。VAPは思っていたよりも丁寧な仕事であった。
レコードの帯は復刻されていなかったが、合格点であろう。
RCサクセション再発担当者にこの仕事は見習って欲しいものである。

さて、この復刻プロジェクトは2006年秋まで続く一年がかりの大きなものである。
2006年2月には待望の古井戸のオリジナル・アルバム1stから4thまでがCD化される。
繰り返すが、「イエスタデイズ」も忘れないで欲しい。

※まだ三枚とも通して聴いていないのだが、「野音唄の市」はアナログ落としのCD化のようである。
  すべての曲がそうだとは言わないが、一部針飛びの音が聴こえるからだ。
  残念ながら古井戸の「明日引っ越します」のイントロでもハッキリと聴こえる。

※「古井戸ライブ」はMC等の編集がオリジナルのアナログと一部違うみたいだぞ。
  曲もミックスが変えられている様な気がするし、これは細かいところまで聴きこみがいがありそうだ。

Hello Good-bye/麗蘭 from『single』 -1997-

思えば80年代のクリスマスあたりから年末にかけての時期は、
毎年RCサクセションの武道館があったので、
RCを観て年が暮れるという十年間を過ごしていたわけである。
90年を最後にそれがなくなってしまったが、
新たに年末の個人的イヴェントになったのが麗蘭の京都、磔磔でのライヴである。

麗蘭を観に行くまでは、京都と言えば中学生の修学旅行で行ったことがあるだけであった。
それが今では毎年のように年末は京都というのが続いている。
クリスマスのときもあったし、それこそ大晦日までいたこともあるが、
紅葉が終わった後というのもあるのだろう、
何だか独特な忙しない雰囲気いっぱいの、京都は四条河原町あたりは大好きになった。
東京とは違った年末の忙しさを感じるのもわくわくするし、鴨川沿いを歩くのも風情がある。
街を歩き回るのも、観光スポットへ足を運ぶのも同じように好きだし、
毎年「今年はどこへ行こう」とプランを練るのも楽しい。

そして、そんな年末の京都での個人的なBGMが麗蘭の「Hello Good-bye」だ。
97年にFC会員限定で自主制作されたシングル、
「SOUL X'mas」にカップリングされていた曲である。
FC以外では磔磔のライヴ時でも発売されていたので、
そういう意味でも京都のBGMにはピッタリだ。

今では毎回ボブ・ディランの「時代は変わる」を、
チャボ風に一年を振り返る曲として演ってくれるのだが、
「Hello Good-bye」は同じように97年を振り返った曲である。
しかし、普遍性も合わせ持つ曲だ。
オリジナルには”来年の俺たちのジャイアンツ”という歌詞があるのだが、
これは今では歌われていない。
確かにジャイアンツと歌うのとそうでないのとではイメージがまったく変わってしまうし、
チャボもその辺を気にしたんだと思うが、僕は歌ってもいいと思っているんだけどな…。

2004年の麗蘭「ROCK馬鹿と知的ヒッピーを元気にするTOUR」を収録したDVDが今年発売された。
ここに収録されている「Hello Good-bye」がたまらないんだよなぁ。
だって、その曲中に京都の年末の街などが映し出される編集なのだ。
京都だけでなくその他の映像も含まれているのだが、
イントロから鴨川が映し出されるのを観ただけで、僕は感動して涙ぐんでしまう。

さぁ、今年も麗蘭の年末だ。21日からはお待ち兼ねのTOURが始まるぞ。
まずは23日のクリスマス模様でいっぱいの渋谷だ。

磔磔?
行くに決まっているじゃないか!

イエスタデイズ/古井戸 -1975-

このアルバム発表当時の位置付けはわからないのだが、
アルバム未収録曲とライヴ・ヴァージョンに『四季の詩』、『ぽえじー』、
『オレンジ色のすけっち』からセレクトされた曲を加えた編集盤。
エレック・レコード最後の作品なので、
良くある移籍に伴う契約合わせや企画盤なのかもしれない。
ただ、ライヴが帯に新録音と書かれており、
あくまでも未発表という表記では無いところから、
もしかしたら発表には古井戸自身の意思もあったアルバムかも。


古井戸(2006-12-21)
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このアルバムは好編集盤である。

既発の曲は「らびん・すぷーんふる」「ポスターカラー」「夕立ち」「Love Song」のみ。
A-4、A-5、B-4、B-5が75年、B-1、B-2、B-3が73年の、それぞれライヴ・ヴァージョンだ。
古井戸のライヴは、正式に発表された『古井戸ライブ』があるが、
ここに収録されたテイクも素晴らしい。

73年のライヴは、『古井戸ライブ』が録音された年でもあるので、
メンバーは同じ編成のようだ。
チャボのマンドリンが聴けるし、
ストリングス入りで切なさがアップした「ちどり足」が好きだ。
75年では、加奈崎芳太郎により切々と歌われる「花言葉」と、
「750円のブルース」「セントルイス ブルース」のブルース二連発が良い。
後者でのチャボのギターがカッコイイ。

B-6は、ラジオ関東での古井戸の番組のテーマ曲らしい。

B-7もライヴのようだが、クレジットが無いのでデータはまったく不明。
ただ、チャボのヴォーカルを聴くと、そんなに初期のライヴでは無いと思う。

エレックの再発プロジェクトにこのアルバムが入っているのかは現時点では不明だが、
外さないで欲しい。

それにしてもここに収録された75年のライヴ。
通して聴いてみたいと思うのは僕だけでは無いだろう。

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時代/中島みゆき from『私の声が聞こえますか』 -1976-

  あの紅白歌合戦出場がきっかけになり、
  90年代の中島みゆきを聴いてこなかったことを後悔し、後追いで追っかけた。

  素晴らしかった。夢中で聴いた。リアル・タイムで聴かなかったことを心から後悔した。

  先日、彼女のデビュー・アルバムを久しぶりに聴いた。
  1976年発表。中島みゆき24歳。
  初期の代表曲である「時代」が収録されている。
  その普遍性にぶっ飛ぶ。

  僕がこの曲を知った中学生当時は、
  その当時の彼女のイメージからか、一連の暗い歌の中の一曲という印象であった。
  でも、その中でも少し明るいかな…程度の認識。
  今回改めて接し、何てポジティヴな曲なんだと気付く。
  聴きようによっては、もしかしたら臭い応援歌みたいに聴こえるかもしれない。
  でも、今の自分には凄く心地よく響く。

  今日は倒れた旅人たちも 生まれ変わって歩き出すよ…か…。
  だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう…か…。

     **********

この文章は2004年夏、僕のある日の日記からの抜粋である。

2004年は、中島みゆきの一連の作品を聴き返した年だった。
日記にもあるように、例の紅白歌合戦が良くも悪くもきっかけであったが、
理由は今ではどうでも良い。
だって90年代のみゆきを知ることができたのだから。

「夜を往け」(90)でスタートする10年間。
何なんだ、この作品群は、と思った。
とにかく凄かった。凄かった…という表現しかできなかった。

90年代のみゆきに圧倒されていたそんな時に、ふと「時代」を聴いたのである。
シングル・ヴァージョンではなく、
ギターの弾き語りで歌われているアルバム・ヴァージョンだ。

中島みゆきを僕が知ったのは、
他にも同じような人が多いと思うが「わかれうた」がヒットした77年。
やはり当時のイメージがあるので、
「時代」を初めて聴いたときの印象もこの延長であった。
いかに耳が未熟だったのかがわかる。

30年近く前の歌が今でもそのまま、いや、その当時以上のリアルさで僕に響いた。

シングル・ヴァージョンでもなく、93年の再レコーディング・ヴァージョンでもなく、
どうしたってデヴュー・アルバムのラストに収録された、
アコースティック・ギターのみをバックにしたヴァージョンが光る。
余分なものが削ぎ落とされたものが一番というのは、
ジョン・レノンの名曲と同じである。


中島みゆき(2001-03-28)
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わかってもらえるさ/R.C.サクセション from『single』 -1976-

RCサクセションの全ての曲中、僕がダントツに切なさを感じるナンバー。
名曲である。

所謂、暗黒の”福生の時代”に作られ発表されたシングル。
詞は忌野清志郎、曲は肝沢幅一の名義で、
A面とB面ではなく、D面とS面となっている。
また、RCのRとCの間に「.」が記載されている。

もちろん”わかってもらえなかった”らしい。

シングルにはミュージシャンのクレジットは無いが、
アルバム「EPLP」のライナーを見ると、
清志郎はヴォーカルとギター、リンコさんはベースでクレジットされている。
RC名義だがメンバーはこの二人だけで、破廉ケンチは参加していない。
ちなみにB面の「よごれた顔でこんにちは」のキーボードはG2が弾いているようだ。

  この歌の良さが いつかきっと君にも わかってもらえるさ
  いつかそんな日になる ぼくら何もまちがってない

76年の初めに「シングル・マン」が発売されたが、
結局はレコーディングから一年後の発売である。
そして発売から1年で廃盤となるわけだ…。
こんな時期であるから、
「わかってもらえるさ」で歌われている心境は偽りが無い正直なものだと思う。

72年の「楽しい夕に」と80年の「RHAPSODY」の間には、
76年の「シングル・マン」が発表されただけ。
今考えてみると、「シングル・マン」は相当に異質な作品である。
おそらく音楽的にはRCサクセション、
いや忌野清志郎の全作品中で最も高度だろう。
メロディ、歌詞、アレンジ、演奏、サウンド、ジャケット等、
どれをとってもまさにあんな時代のあのメンバーだからこそ作れたのだろうし、
もう二度と本人達でさえ再現できない作品だとも思う。
僕は、RCというか忌野清志郎の最高傑作は「シングル・マン」だと思っている。

「わかってもらえるさ」には、そんな「シングル・マン」の音楽性がまだ残っている。
やたらとうるさく変化するバッキングの演奏や変拍子。
意外とリズムはヘヴィだし、ピアノも好演である。

そして何といっても清志郎の弾くギターだ。
イントロから間奏だけでなく、
全編で聴くことができるそのリード・ギターは素晴らしい。
ツイン・ハーモニーのフレーズが、何だか物凄く切なく響くのだ。
だから歌われる歌詞と相まって、いつどんな時に聴いても涙を誘う。
僕にとって、マジで泣ける曲である。

  気の合う友達ってたくさんいるのさ
  今は気付かないだけ
  街で すれちがっただけで わかるようになるよ

80年以降のRCのステージで、この曲が歌われたことはあるのだろうか。
僕が知る限りでは、無い。
RC活動休止の90年以降でも、知らないだけかもしれないが、
僕が把握している範囲では、やはり無い。

「よごれた顔でこんにちは」は94年のステージで演奏された。
当然、この時には「わかってもらえるさ」も頭をよぎったはずである。
しかし、取り上げなかったのだ。
僕が想像しているよりも、清志郎の中ではかなりヘヴィな曲なのかもしれない。

  いつか君にも会えるね
  うれしい報せをもっていってあげたいんだ

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夜の散歩をしないかね/RCサクセション from『シングル・マン』 -1976-

今では清志郎とチャボが共演する際に、
必ずと言っていいほど演ってくれるバラード。
もう定番となってしまったが、
さすがにあの「GLAD ALL OVER」のラスト・ナンバーで演奏された時は泣けた。

さて、「シングル・マン」のこの曲を聴いていて昔から思っていたことを、
今夜ここに書くことにします。

  きれいな月だよ 出ておいでよ

この「出ておいでよ」の部分、二回目は口笛になるのだが、
そのバックに女性の声が聴こえるのはファンならわかるだろう。
まぁ、全編で女性の何とも妖しげなつぶやきが聴こえる曲なのだが、
僕はどうしてもこの口笛の後ろが気になって仕方が無いのである。昔っから。

  ちょっと待って …

「ちょっと待って」は聴こえる。わかる。
しかし、この「…」の部分。ここが何と言っているのかずーっと知りたいと思っているのです。
知っている人がいたら、是非コメントへお願いします。

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Char meets 仲井戸CHABO麗市

かなり遅くなったが、Charの番組にチャボが出演したものを観た。

感動した。

ギタリストがお互いにギターを抱えてただトークをしているだけ。
しかも適当に、本当に適当にセッションしているだけだ。
どっちかの家に遊びに行って、部屋で二人で駄弁っている…といった番組である。

しかしバンドをやっていた人、特にギタリストは観りゃわかるのだが、これはたまらない。
最高である。

僕も番組中、ギターをずっと抱えていた。
「GOING DOWN」は二人と一緒にTVの前でセッションしたぞ。

江戸屋のイヴェント以来の「ラヴ・イン・ヴェイン」。
二人だけの演奏のほうがいいんじゃないか?
しかしチャボの思い入れとは別に、Charが曲を忘れていたのは可笑しかった。
この二人は音楽に対する姿勢や想いが決定的に違うミュージシャンなんだな、と改めて思った。

初代チャボ・バンドのライヴにCharが飛び入りし、「MONEY」を演ったという話は興奮した。
仲井戸麗市、竹中尚人、春日博文の三大ギタリストが共にワウワウをプレイしたという。
観たかった。すげぇ「MONEY」だったんだろうな。
その「MONEY」も久々に演ってくれた。ボロボロだったが最高だった。

チャボのチェット・アトキンスをCharが弾き、Charのエレアコをチャボが弾いての即興ブルース。
番組の中での個人的ハイライトだ。
それにしてもこのセッションでのプレイは興味深い。
楽器が音を出すのではなく、そのミュージシャンが音を出すのだと言うことがはっきりとわかる。
チャボのいつものチェット・アトキンスだが、
Charが弾くと僕が聴きなれた麗蘭の音では無いのである。
まぎれもなくCharの音なのだ。
そのChar。チェットを弾いたあとに「このギター、フュージョンぽいなぁ」と発言。
あのギターにフュージョンというイメージなんて今まで持ったことが無かった。
さすが、である。

チャボも言っていたが、ストラトキャスターの「じょり~ん」。
Charが出す「じょり~ん」は本当にいい音です。
TVからも伝わってくる。

Charがサム・ピックを使って弾くのを観られるのも貴重だと思う。

セッションだけでなくトーク部分も最高なので、細かい事を入れれば全然書き足りない。
特にクラプトン、ベック、ペイジ、ヘンドリックスの話では、むむっと唸るような発言多し。
とにかく90分なんて短すぎるよ。

ちなみにCharの公式サイトでもこの番組が紹介されている。
このサイトでは、チャボの使用ギターが画像付きで解説されているので、ファンは必見です。

この番組、僕は放送時に観ることができなかったのだが、yukoさんがビデオを貸してくれたのです。
感謝します。どうもありがとう。


あのね、これ観たら絶対に誰もがギターを弾きたくなると思うよ。

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おおくぼひさこさん

おおくぼさんというのは、チャボの奥様である写真家の「おおくぼひさこ」さんである。

その日は渋谷公会堂でRCサクセションのライヴがあった。
83年のSUMMER TOURである。
しかし、開演前に僕は行くところがあったのだ。
それは渋谷は公園通り沿いにあったスタジオ・パルコで開催されていたRCサクセションの写真展。
ロッキング・オンから発売された「RCサクセション写真集」と関連したものだったと思うが、
記憶は定かではない。
開催されていた、というか、僕の記憶が正しければ、この日が初日だったのではなかったか。
とにかく、RCを観る前にRCを見ようと思ったのだ。

何時ごろだったかは憶えていないが、会場に入った途端に心臓が止まりそうになる。
何と、その写真展の主…いや何と言ったら良いのか、
その、おおくぼさんが目の前にいたのである。
心の準備なんてしているわけが無い。

僕は持っていたバッグを見る。ペンは、あった。
しかし、何ともどうでもいいようなメモ用紙しか無かった。
それでも僕はそれをおおくぼさんに差し出し、サインをお願いした。
おおくぼさんは嫌な顔もせずに、気軽にサインをしてくれた。

 「この後にRCのライヴに行くんですか?」

と話かけたのを憶えているが、おおくぼさんが何と答えてくれたのかは忘れてしまった。
でも、素敵な笑顔と握手してもらった手の感触は、今でもハッキリと記憶に残っている。

CIMG6866.jpg CIMG6865.jpg CIMG6867.jpg

チャボやRC等のジャケット写真によっておおくぼさんの作品に出会い、
数少ないながらも発表される写真集はすべて大好きだし、
開催される写真展にはできるだけ足を運んでいる。

RCやチャボのライヴで、
颯爽とカメラを構えて撮影するおおくぼさんの姿を見るのも僕は大好きだった。
最近は会場でカメラを構える姿を見られなくなったのは、残念だ。

さて、写真家としてのおおくぼさんについては僕はほとんど知らない。
チャボを通して語られる姿しかわからないし、
インタヴューや彼女について書かれた物も見た事が無い。
しかし、そんな僕の期待に応えてくれそうな雑誌が発売される。

中州通信という雑誌がそれだ。「人生を楽しむダントツな人の雑誌」というのがコンセプトとのこと。
僕は知らなかったのだが、バックナンバーを見たら、今まで知らなかったことを後悔した。
2003年4月号ではブルースを特集しており、チャボの記事も掲載されている。表紙もチャボだ。
他にも興味深い特集をたくさん組んでいる雑誌だ。

この雑誌の2006年2月号に、おおくぼさんのインタヴューが掲載されるのだ。
中州通信編集担当の方のブログでおおくぼさんの記事を見つけ、この情報を知った。
その記事にコメントさせて頂いたのだが、
以前にも「RHAPSODY NAKED」の記事にトラックバックした事があるブログだった。
この時は雑誌編集の方だとは気付かなかったんですね。

さて、その2006年2月号の特集は「かっこいい女」。

   女性にとってかっこよさとは何か? 男性も女性も憧れるかっこよさとは?
   シビれるようなかっこいいひとを探しに行ってきます。

この特集で、おおくぼさんが取り上げられる。しかもバイオグラフィー的なインタヴューのようだ。
今から楽しみである。

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SEX PISTOLS その個人的追憶

中学の頃の話。
このブログの「BEATLES その個人的追憶」という記事でも触れているが、
僕の当時の仕事は広報委員。
登下校とお昼の校内放送を主に担当していた。
学校の各委員会は二年生と一年生で運営されている。よって委員長が二年生なのだ。
一年生の時は委員長のSさんに憧れていたただの坊主だったが、
二年生ともなればやりたい放題になる。

元々洋楽ロックにのめり込んでいたわけだから、一年の時に隠していた欲求が爆発した。
当然のように「お昼の校内放送」はロックがかかることになる。
それもビートルズなんかではない。

僕の学校のクラスは学年で四組まであった。
それぞれのクラスに広報委員がいる。
僕以外に他のクラスで一人だけロックが好きな委員がいた。
そいつと共謀したのである。

まず、新しく番組を作った。頭が悪い僕らは、ほとんど何も考えずにリクエスト番組を企画。
各学年からお昼の校内放送でかけて欲しい曲のリクエストを集めて、それを放送したのである。
もちろんまともに放送したケースもあったのだろうが、そんなことは全然憶えていない。
リクエストなんてでっちあげだ。

さて、僕以外の委員が当番だったある日。
その日のお昼の校内放送でかかったのはレッド・ツェッペリンの「天国への階段」だった。

想像してみて欲しい。
1977年、78年である。
そんな時代の公立の中学校の給食の時間。
「天国への階段」を聴きながら食べているのだ。
何というシチュエーション。

当然のように刺激を受けた僕は暴走する。

  ”こんにちは、お昼の校内放送です。今日のリクエストです。
   セックス・ピストルズのプリティ・ヴェイカントをどうぞ”

セックス・ピストルズを聴きながら食べた給食の味はどうだったのだろうか。

     ******

セックス・ピストルズ。当時の小学生、中学生には刺激的すぎた名を持つこのバンド。
ミュージック・ライフ誌でもその記事が載り始め、写真もお目見えする。
ショックだった。ジョニー・ロットンは人間じゃないみたいだった。

新宿にあった輸入レコード店のDやOに既に通っていた僕は、
遂にピストルズの1stが入荷したというニュースを知り、すぐにDに買いに行った。
英盤がそこにあったのかどうかは憶えていない。僕が手にしたのは米盤である。
だから、いまだに僕にとってのピストルズの1stのジャケットは、
オリジナルの黄色よりもピンクなのである。

凄いレコードだった。今まで聴いたことが無いロックだった。
冷静に聴けばハードでポップなロックン・ロールなのだが、
そんなことは当時の僕には関係なかった。
巻き舌で歌われるヴォーカルが全てだった。

セックス・ピストルズというのは、僕にとってはジョニー・ロットンだ。
PIL以降に名乗ったジョニー・ライドン、ジョン・ライドンは、
僕の中ではピストルズのヴォーカリストでは無い。
あくまでもジョニー・ロットンである。
しかも、そのヴォーカル同様に巻き舌で”ロットン”と発音するのが正しい。
何とカッコイイ名前だろうか。

僕はリアル・タイムでこのパンク・ムーヴメントを体験したのだが、
所謂パンク・ファッションには興味が無かった。
音楽として、ロックとしてカッコイイと思っただけだ。
特に、ピストルズを筆頭にイギリスのパンク・バンドは肌にあった。
今でもアメリカのパンクよりも好きである。

パンクが敵視していた当時のストーンズやフロイドと一緒に、クラッシュの「1977」も聴いていたし、
自分のバンドではナックの「マイ・シャローナ」と「デイ・トリッパー」のチープ・トリック・ヴァージョンと共に、
「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を演っていた。この三曲は今でもまったく違和感は無い。

77年の偉大なる1st「NEVER MIND THE BOLLOCKS」。
邦題「勝手にしやがれ!!」。
アルバムの冒頭、「HOLIDAYS IN THE SUN」の足音。
「GOD SAVE THE QUEEN」の凄まじいカッコ良さ。
そして「ANARCHY IN THE U.K.」。

永遠である。


※派手なイメージのピストルズだけど、実はモノクロの写真が抜群なのです。
こういう表現はどうかと思うが、モノクロームなジョニー・ロットンやシド・ヴィシャスは美しい。

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Friends And Lovers/GEORGE MARTIN from『In My Life』 -1998-

ジョージ・マーティンが、
自身の最後のレコーディング&プロデュース作品として制作したアルバムが、
ビートルズのナンバーを意外な人たちにカヴァーしてもらうというコンセプトで作られた、
「In My Life」だ。


オムニバス,フィル・コリンズ,ショーン・コネリー,ボビー・マクファーリン,ゴールディ・ホーン,セリーヌ・ディオン,バネッサ・メイ,ジム・キャリー(1998-03-18)
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ジェフ・ベックによる「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」に、
セリーヌ・ディオンによる「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」。
フィル・コリンズによる「ゴールデン・スランバーズ・キャリー・ザット・ウェイト、ジ・エンド」。
日本からボニー・ピンクが参加していたり、ジム・キャリーやショーン・コネリーの俳優陣や、
クラシック・ギター奏者のジョン・ウィリアムズ等、バラエティにとんだ参加者のカヴァーは楽しめる。
それに何といってもジョージ・マーティン・プロデュースのビートルズ・カヴァー集だ。
悪いわけが無い。

さて、その中に一曲だけ、ビートルズ・ナンバーでは無い曲が収録されている。
まるで60年代フランス映画のテーマ曲のような、
美しくセンチメンタルなメロディーを持つインストゥルメンタルだ。
タイトルは「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」。マーティンの自作曲だ。

この曲は、ジョン・レノンの死後まもなく、
モンセラート島(マーティンのスタジオがある島)で書いたという。
”夕暮れ時に、美しい景色の中で地平線に陽が沈むのを眺めながら、
昔馴染みの愛する友人たちのことを思っていると想像してほしい…”とマーティンは書いている。
そういう曲なのである。

このカヴァー・アルバムのタイトルの「イン・マイ・ライフ」。
ジョン・レノンのビートルズ期の代表曲のひとつだ。
その「イン・マイ・ライフ」をカヴァーしているのはショーン・コネリー。
このアルバムのラスト・ナンバーだ。
コネリーが歌うというのではなく、
マーティンらしいピアノとストリングスでの曲のメロディーをバックに、
その歌詞を朗読しているというヴァージョンだ。

マーティンはこのアルバムの最後を「イン・マイ・ライフ」の歌詞で締めくくりたかったと言う。
ということは、自身の長いキャリアの最後も「イン・マイ・ライフ」で締めくくりたかったことになる。
何だか胸を打つ話だなぁ…。

マーティンは「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」を、
ジョンを偲んで「イン・マイ・ライフ」と並べて収録することにしたのだそうだ。
アルバムを聴くとわかるのだが、この二曲はメドレーのように繋がれているのである。
きっと「フレンズ・アンド・ラヴァーズ」は「イン・マイ・ライフ」なのだろう。

もう25回目の12月8日なんだ。

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RCサクセションの再発に思う

何回目だろうか、RCのオリジナル・アルバム再発。
35周年ということで一気に再発された。
初CD化の「The Day Of R&B」が追加されたのが目玉だろう。
最新デジタル・リマスターもあるが、
これはそんなに「売り」になるとは思えない。

さて、僕も過去の再発はその都度購入していたが、
ある時期からそれを止めてしまった。
理由は”飽きた”のだ、再発に。
他のアーティストは調べたことが無いのでわからないが、
RCと同じ回数程度は再発されているのだろうか。
例えば80年代の同時期に僕が好きだったアーティストやバンド。
ARB、ルースターズ、モッズ、佐野元春、山下久美子、ストリート・スライダーズ…。
RCと同じくらい再発されていますか?

多いんじゃないのかな、RCって。

コレクター的な立場ならこれは面白い。
ベスト盤も多いから収集するには適しているし、
その音やライナー、ジャケット、細かいヴァージョン違い…。
マニアには調べがいがあるだろうな。

僕も一応そんな気があったので、
いろいろと集めていたしそれなりな事も把握しているつもりだが、
もういいでしょう、って感じだ。
再発を繰り返すなら何かオマケ(もちろん音源)を付けていくかしないと、
僕はもう手を出すことは無いかな。

それよりもレアな音源を集めたBOX規模のアイテムを企画するか、
未発表ライヴを出すなど、そういうことをしてくれないものかな、と思う。

例えば「シングル・マン」のCD達。
最初にCD化されたもの(87年)は、
帯のコピーに”「スロー・バラード」は永遠に不滅です”とある。
これは良いのだが、スローとバラードの間には「・」は入りません…。
頼むよポリドールさん。
こんなところからRCの再発は最初から仕事が雑だったのがわかるなぁ。

90年の結成20周年盤。
これはバンドも含めてのなかなか大きなプロジェクトで、
僕は評価する再発であった。
すべて同じデザインの帯だったし、
ディスクもアルバムごとに色違いのレーベル面だったので、
コレクターさん達も喜んだと思う。

その次(94年)が凄い。
理由はわからないが、
ボーナス・トラックに「い・け・な・いルージュ・マジック」のAB面を収録という暴挙。
何も関係が無いシングル曲を入れた制作者の意図は何なのだろう。
「スローバラード」がフェイド・アウトした後に、
突然「い・け・な・いルージュ・マジック」が流れる間抜けさ。
清志郎は「EPLP2」が発売されたとき以上に怒りのコメントを発するべきだったと思うが、
バンド側からは何もコメントは無かった(と思う)。
今でもこの形を認めているというのが信じられない。

その後、96年にオリジナルの形で再発された。
いいかげんこれで終わりかと思ったが、確かもう一度、再発されているはずだ。
ここで僕は”飽きた”のだ。

ただ、2002年のハガクレからの再発は紙ジャケット仕様ということで入手した。
オリジナルのアナログ盤に付いていたライナー?は、
ジャケットをメンバー自身が模した写真と、
その裏面に曲名などの簡単なクレジットの下に、やはり三人の写真があった。
この「クレジットの下の写真」なのだが、再発CDでは何故かすべてカットされていたのだ。
ハガクレ盤は、さすがにアナログを復刻するというコンセプトの紙ジャケット仕様ということで、
このライナー?もそのまま復刻しており、晴れてCDでもこの写真が陽の目を見た。
これは評価できる…のだが…。
逆に、肝心のジャケットからRCサクセションのロゴが消えてしまっているのだ。
オリジナルの右上部分にあったのだが…。ハガクレ盤の再発も中途半端だったのが残念である。

今回再発された「シングル・マン」については、正直言って僕はもうどうでもいい。

※ちなみに「シングル・マン」。アナログもオリジナル盤と自主制作盤、そして再発盤と三種類ある。

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いい事ばかりはありゃしない/RCサクセション from『RHAPSODY NAKED』 -2005-

もう今から20年近くも前のこと。
中学の時から僕が10年以上やってきたバンドの解散が決まった。
最後のライヴは友人や知り合いのバンドと一緒に演ろうということで、
渋谷にあった某ライヴハウスを貸しきった。
オールナイトのイヴェントにしたのだ。
もちろん僕らはトリを飾らせてもらった。
そのバンドの結成当時からのオリジナル・メンバーは僕とドラムの二人だけ。
記事にも書いたが、
RCサクセションのドラマーであるコーちゃんに一緒にサインをもらったヤツである。
よって、バンドを作ったことに、RCサクセションの存在はもちろん大きい。

バンド結成時にはRCの曲もコピーしていたが、
メンバーが入れ替わり始めたと同時にRCとは離れていく。
曲もすぐにオリジナルを作るようになり、
解散当時にはRCの色は皆無なバンドだった。
そんなバンドであったが、
解散ライヴのラスト・ナンバーに演奏したのがRCサクセション。
その曲は「いい事ばかりはありゃしない」であった。
何故この曲を選んだのか。
もう理由は憶えていないが、僕の意見であった事は確かである。
しかも、バンドにはヴォーカリストがいたのに、
僕も曲の一部を歌わせてもらったのだ。
その時の自分がどんな気分だったのか忘れてしまったが、
この曲を歌いたかった気分だったのだろう。

     **********

81年のアルバム「PLEASE」で発表されたナンバーであるが、
初期からライヴでのレパートリーであり、
そして既に代表曲でもあった「いい事ばかりはありゃしない」。
清志郎はザ・バンドをイメージして作ったと発言していたが、
なるほど言われてみればそんな匂いもする。
しかし、言われなければこの曲からザ・バンドをイメージすることはできるだろうか。

「RHAPSODY NAKED」での、
ビートルズの「サムシング」のようなコーちゃんのドラムのイントロが、まず良い。
二本のギターとサキソフォン、
金子マリのヴォーカルがフィーチャーされた強力なヴァージョンである。
演奏は非常にラフであり、ところどころで乱れるが、
そんなことは構いやしない程のカッコよさだ。

そして何といっても曲の冒頭での清志郎による「だけどさ~」。
続いて「いい事ばかりはありゃしねぇんだ!」とチャボも一緒に叫ぶ。
これですよ、これ。

歌詞に出てくる月光仮面が生理のことだとか、
坂の途中の坂は多摩蘭坂なのかなとか、
そんな楽しみ方ができるようになったのは、もうずっと後のことだ。

   金が欲しくて働いて 眠るだけ

とにかくこのフレーズを清志郎とチャボと一緒に歌うことが全てであった。
でも、今でもそれが全てのような気もする。

     **********

そうだ!
思い出したが、僕は大学を卒業するときも、この曲を歌ったんだっけ。
どうやら、僕は何か節目の時になると、この曲を歌いたくなるようだ。

     **********

だけどさぁ…やっぱり、いい事ばかりは ありゃしねぇんだよなぁ…

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古井戸vol.4四季の詩/古井戸 -1974-

例えばビートルズの3rdアルバム『A HARD DAY'S NIGHT』。
収録された13曲のうちジョン・レノンの作品が10曲であるため、
ジョンのソロ・アルバムとさえ言われる事がある。
これに倣えば、古井戸の4thアルバム『四季の詩』は、
仲井戸麗市の実質的な1stソロ・アルバムかもしれない。
A-1のみが加奈崎芳太郎作だが、
何といってもこれ以外はすべて仲井戸麗市の作品なのである。
しかも、そのA-1はたった18秒のインストゥルメンタルなのだから。


古井戸(2006-02-22)
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ポスターを兼ねた歌詞カード?に堂々とクレジットされた

  ALL SONGS written by REICHI NAKAIDO

おそらく当時は相当な自信作だったと思う。

実際にこのアルバム、まったく隙がありません。
古井戸の最高傑作は間違いなくこのアルバムだろう。

クレジットによれば、
古井戸の二人とジョン山崎、森谷ジュン、吉田ケンのメンバーが基本となり、
曲によって”はちみつぱい”が参加(A-6とB-2)という形でレコーディングされている。
ちなみにB-2では、
先だってのDuetで共演した駒沢裕城のスティール・ギターを聴くことができる。
そのスティール・ギター。これがまた今年聴いたあの音とまったく同じなのである…。
何なんだこれは。

さて、後にチャボがソロ活動でも演奏する古井戸のナンバーだが、
このアルバムの曲が実に多い。
1st『BOOK』のライヴでは「ひなまつり」が、
そして2ndソロ・アルバム『絵』のツアーでは「春たけなわ」が演奏されていたし、
密室シリーズなどのソロでは「セントルイスブルース」「love song」「四季の詩」が聴けた。
「年の瀬」は新たにレコーディングされ、今では麗蘭年末の京都でも演奏されるようになっている。
「きまぐれラプソディー」は新宿パワーステーションでCHABO BANDヴァージョンを聴いたことがある。
「熊野神社を通って」は、前述した駒沢さんとのDuetで披露された。
「早く帰りたい」は演奏されていないが、
1stソロの『THE 仲井戸麗市 BOOK』にPARTⅡが収録されている。
このように時代や形式はバラバラであるが、取り上げられる曲がいまだに多いことがわかる。
チャボ自身もかなり気に入っているのだろう。

個人的にベスト・トラックだと思っているのは、
はちみつぱいとレコーディングした「love song」だ。
当時の時代色、そしてチャボにしかわからない個人的な色合いが強いナンバーだが、
そのイントロの切ないアコースティック・ギターによる、
印象的なアルペジオのフレーズからして素晴らしい。
ヴァイオリンも美しい。そしてサビの歌詞である。

  君がいつも さみしくならぬように
  君がいつも 心動かぬように 
  僕から100パーセントの愛を 君に
  僕から100パーセントの愛を

完璧なナンバーだと思う。大好きだ。

『四季の詩』収録曲は現在のチャボのナンバーと並べても遜色ない曲達であり、
弾き語りやバンドなど、どんなアレンジにも負けない普遍性も持っていると思う。

発表は1974年。30年前だぜ。
すげぇな、チャボ。

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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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