SONGS & FRIENDS 佐野元春 Café Bohemia 渋谷公会堂 2020.2.8.

終盤で登場した佐野元春がこの夜を指して、
独立したミュージシャンがひとつのテーマのもとに連携することが素敵だと説き、
そしてそれを自分が思い描いたカフェ・ボヘミアの世界であると言わなければ、
SONGS and FRIENDS 佐野元春『Café Bohemia』を冠したライヴであることを、
その時点の僕は忘れていたように思う。
それほど僕にとってはひとつのアルバム再現ライヴを超えた時間だったのだろう。

荒井由実『ひこうき雲』、小坂忠『ほうろう』に続いて、
武部聡志が取りあげたのが佐野元春、しかも『Café Bohemia』。
正直、意外なチョイスだったが、前回の『ほうろう』ライヴを振り返れば、
期待していて間違いないだろう…の思いは当たった。

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オープニングのGLIM SPANKYが「STRANGE DAYS -奇妙な日々-」。
そして「Happy Man」を続けた瞬間、楽しい夜になることを確信。
『Café Bohemia』以外の曲もカヴァーされることがわかったからだ。
これで一気に期待が高まったのは言うまでもない。

基本的な構成は『Café Bohemia』収録曲ともう1曲を出演者ごとに演奏する。
その選曲は元春自身が各々にリクエストしたように伝えられているが、
結果的に選ばれた曲はバラエティに富み、
ややマニアックな佐野元春ベスト盤的セット・リストになっていた。

HOBO KING BANDに武部聡が加わったハウス・バンドは、
カフェ・ボヘミア・グランド・ロッケストラと名付けられたらしい。
このバンドによるオリジナルに沿ったアレンジをもとに、
各出演者の個性が反映された演奏は、
元春のオリジナル・ヴァージョンの素晴らしさを引き出していたと同時に、
出演者各々の魅力もしっかりと伝わってきて素晴らしいと思った。

そんな中、ファンとしての気持ちを隠さずに、
ステージに立つ喜びを全開にしていた山中さわおのロックン・ロールと、
対照的に独自性が光る演奏の山口洋、LOVE PSYCHEDELICOが印象的だったが、
この夜の白眉はRHYMESTERだっただろう。
バンドではなく彼らだけでプレイされた「COMPLICATION SHAKEDOWN」。
あのリフに乗って放たれるあの言葉たちは、
レコードやCDでしか聴けないと思っていたが、こうしてライヴで体験できるとは!

気分があがった…とか、興奮させられた…とか陳腐な形容しかできないが、
これが僕からの最大限の称賛だ。
曲の瑞々しさは変わらず、2020年の今でも新しく思えることに感動した。
同時に、この曲に感じたこの思いこそ、あの夜に僕が感じたことのような気がする。

  瑞々しさは変わらず、今でも新しい。

これが佐野元春なのかもしれない。

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<2020.2.8 「SONGS & FRIENDS 佐野元春 Café Bohemia」セットリスト>
ストレンジ・デイズ -GLIM SPANKY
ハッピーマン -GLIM SPANKY
月と専制君主 -田中和将(GRAPEVINE)
ジャスミンガール -田中和将(GRAPEVINE)
ワイルド・ハーツ -山中さわお(the pillows)
スターダスト・キッズ -山中さわお(the pillows)
コンプリケーション・シェイクダウン -RHYMESTER
ロックンロール・ハート -小坂忠
君を連れてゆく -山口洋 & 小坂忠
ニュー・エイジ -山口洋
彼女が自由におどる時 -LOVE PSYCHEDELICO
虹をおいかけて -LOVE PSYCHEDELICO
シーズン・イン・ザ・サン -堂島孝平
レインボウ・イン・マイ・ソウル -堂島孝平
ガラスのジェネレーション -中村一義
クリスマス・タイム・イン・ブルー -中村一義
99ブルース -佐野元春
インディビデュアリスト -佐野元春
ヤングブラッズ -佐野元春
カフェ・ボヘミアのテーマ -カフェ・ボヘミア・グランド・ロッケストラ
(アンコール)
約束の橋 -佐野元春 & ALL CAST

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小倉博和 60th Anniversary LIVE No Guitar, No Life Billboard Live TOKYO 2nd stage 2020.1.30.

そのミュージシャンに縁がないと思っていても、
気がついていないだけで彼ら彼女らの音を聴いているケースは少なくない。
それどころか、想像以上にふれている場合がある。
この夜に六本木に集まったミュージシャン達は、まさに僕にとってのそれで、
80年代からよく耳にしてきた音を出していたメンバーだ。
そんなミュージシャン中の代表的なひとり。
今では福山雅治のバックがいちばん知られているであろうか、
ギタリスト、小倉博和の60歳を記念した公演に足を運んだ。

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お祝いに駆けつけたのは、
スケジュール調整が大変だっただろうことは容易に想像がつく12名。

 有賀啓雄(b)
 井上鑑(key)
 大貫妙子(vo)
 今剛(g)
 斎藤有太(key)
 佐橋佳幸(g)
 髙水健司(b)
 林立夫(ds)
 三沢またろう(perc)
 山木秀夫(ds)
 山本拓夫(sax)
 亀田誠治(b)

メンバーの名前を並べると、
まるで誰かのレコードやCDのクレジットを見ているかのようだ。
例えばヴォーカリストの名前として、誰の名をここに挙げても違和感はないだろうが、
この夜は小倉博和の名がそこに入った。
しかも会場はBillboard Live TOKYO。
決して広くはないあのステージにこんなメンバーが立つのである。
その好みは人それぞれという前提だが、
ここからどんな音が出てきても、それは補償されていると言っていい。
僕自身はニュートラルな気持ちで臨んだが、
この考えは間違ってはいなかった。

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おおまかにわければ、前半は佐橋佳幸との山弦を軸としたアコースティック・パート。
後半はPARACHUTE、福山雅治バンドのメンバーを軸としたエレクトリック・パート。
コントラストが映える見事な構成が光っていた。

たとえば佐橋佳幸はエレキ・パートに加わってもプレイするのはアコギだ。
彼もエレキを鳴らしたとしら、もちろん迫力は増すだろうし、
いわゆる演奏のロック的な魅力は大きくなったかもしれないが、
そうしないことで、少人数ではないがアンサンブルを保つあたりが、
さすがにこのメンバーだけあるなぁ…なんて思ったりした。

その分、今剛のギターが音量も含めてのとんでもない存在感だったが、
聴こえてくるのはレコードで聴きなれたあの音なので感動した。
僕の中では中島みゆき作品でのプレイがいちばん馴染みだが、
今剛の名が頭にはっきりと刻まれたのは、
おそらくRCサクセションのシングル、「ステップ!」のギターだ。
清志郎のシャウトのバックに流れるソロは忘れることができない。

林立夫、山木秀夫、三沢またろう。
この贅沢な3人が揃ってのリズム隊は、耳だけでなく目も奪われる。

彼らが鳴らす雄弁すぎる各楽器の中、
唯一のヴォーカリスト大貫妙子の声がオアシス的な空間を作る。

ライヴ中はどこを観ても、誰を観ても、楽しめただろう。

こうした中、決して本人自体は強く主張することをしないながらも、
不動の存在だった小倉博和。
確か今回のライヴのために書いたと言っていたと思うが、
ライヴ自体のタイトルにもなり本編を締めくくった「No Guitar No Life」。
グラムっぽさも漂うヘヴィなインストで、これが実にかっこよかった。
美しいアコギ。
セミアコでロックン・ロールし、ヴォーカリストの役目も果たすギター。
ソロでもバンドでも素晴らしい。
聴かせてくれたすべてが聴き応え、見応えがあるプレイだった。

p.s.
テレビで音楽番組を観ても、生演奏を聴く機会はほぼなくなった。
残念なことだし、悲しいことだとあらためて感じた。
今夜のライヴに集まったミュージシャンたちの生演奏が、
テレビなどで普通に観られ、聴けるようになったらいいなぁ。
ココロからそう思う。

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Harry and the Siegfried Live 2020 beat the odds マイナビBLITZ赤坂 2020.1.23.

2018年。
ARABAKI ROCK FES。
村越 HARRY 弘明 with THE STREET SLIDERS 35th ANNIVERSARY BAND。

スライダーズ35周年名義のバンドを率いて東北の空へぶちこまれた不滅のブギー。
組まれたのはベスト・アルバムのようなリスト。
ただでさえ身体が揺れる…揺らされるスライダーズのロックン・ロールを、
ココロも躍らせてくれるものとしてHARRYは演ってくれた。

広く歓迎され華やかだったJOY-POPSの全国ツアーに隠れた感はあるが、
スライダーズを再結成せずにHARRYがスライダーズしたそれは、
点で爆発したからこそ与えられ残されたインパクトと感動は大きく、
2018年の個人的ベスト・パフォーマンスと言っていいものだった。

2020年。
マイナビBLITZ赤坂。
Harry and the Siegfried / Live 2020 beat the odds。

 Vo.& Gt. 村越弘明
 Gt. フジイケンジ
 Key. 高野勲
 Ba. ウエノコウジ
 Dr. 中村達也

このバンド名とタイトルのもと、ARABAKIメンバーが再び集結の知らせ。
しかもフル・ライヴ。
楽しみのひとことでは表せない期待を抱いて会場に向かった。

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「Can't Get Enough」で始まったライヴは予想がつかず、
この先どうなるんだ! 的な嬉しい思いを持ったが、
大まかには前半がソロ、スライダーズを後半に出してくる構成。
最低限のMCでバンドが次々と曲を出してくるのが痛快だった。

同じフレーズの合唱や手を同時に突きあげるなどのシーンは、ほぼ見られなかった。
しかし、腰に直撃するその音に自然と身体は踊らされてしまう。
その心地よさと興奮、喜びと感動は、
おそらくこの夜の赤坂でしか味わえないものだっただろう。

演奏されたスライダーズ・ナンバーを覚えている限りあげてみる。

 のら犬にさえなれない
 TOKYO JUNK
 カメレオン
 TIME IS EVERYTHING TO ME
 今はこれでいいさ
 Let's go down the street
 Back To Back
 VELVET SKY
 Angel Duster
 Bun Bun
 Baby. 途方に暮れてるのさ
 Baby,Don't Worry
 Can't Get Enough

ARABAKIとは異なる渋めなチョイスだが、
かえってロックン・ロールが引き立つリストになっていたのではないか。

そんな中、ライヴ中盤にさりげなく挟まれた「のら犬にさえなれない」の白眉。
HARRYの歌とバンドの音に加え、照明、音響、空気、温度など、
あの場に合ったすべての要素が最高点で結実した名曲・名演になった。
“ いい曲だなぁ… “ と単純明快な思いで聴いていたら、涙が出てきた。

音楽によって何度も体験しているこうした涙を形容する言葉は何だろう?
今の僕は見つけることができないのだが、
あふれるそれは、他人から見たらきっと美しいに違いないと信じたい。

アンコール。
まずは “ 3分で終わる曲を演るぜ “ と「サイレンノイローゼ」。
そして “ 次は2分半だ “ と「Bun Bun」。
最高のロックン・ロールで締めくくるHARRYとバンドは、
冬だけでなくココロの寒さまでをも吹き飛ばしてくれた。

終演後、会場を出ての帰り道。
ふと、通りでロックン・ロールを拾えるような気がした。

塚本功 新春 Special 2days 小島麻由美 下北沢lete 2020.1.4.

このライヴが新年の一発目になるのは3回目。
もちろん楽しみは第二部、塚本功&小島麻由美のパートだったが、
今年は年末の阿佐ヶ谷ロフトAに引き続き、
ASA-CHANGがパーカッションで参加してトリオ編成に。
これにより音がカラフルになり、聴きごたえ抜群だった。

よい曲、よい歌、よいギター。
それを20名も入れば満員の場所で演るので、
ある意味で自宅で聴かせてもらっているような感覚。
しかもリクエストにもたくさん応えてくれるという、
とても贅沢な時間を過ごすことができた。

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それにしても、レパートリーはそれなりに頭の中に入っているとはいえ、
ファンからのリクエストに対するその場での対応力は凄い。
頭だけでなく身体に入っていなければできないと思うが、
それをサラッとやってのけることに拍手。
こうしたことに代表される、音楽で会話する3人が素晴らしかった。

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KISS END OF THE WORLD TOUR 盛岡タカヤアリーナ 2019.12.14.

黒っぽいハイエース? が3台、盛岡駅の降車場についた。
最初にドアが開いたのは1台目だったと思う。
降りてきたトミー・セイヤーの姿をキャッチした。
トミー! と声が出そうになったが、2台目、3台目のドアが開き、
黒いパーカーのフードを被った長身の男が目に入った途端、
僕のアタマとココロがショートした。

  ジーン・シモンズ!

さっきまでステージでベースを抱えてシャウトし、
火を噴き、血を吐き、ロックン・ロールしていた男が、僕に向かって歩いてくる。
何か気の利いた言葉を伝えたい…と、一瞬だけ思ったが、
もちろんそんな英語力は無いことを悟った僕が発したこと、
発せられること、
発することができたこと、
そして発したいと思ったことは、感謝。
ありがとうの一言だった。

  ジーン!
  サンキュー!

この陳腐で単純な、しかし40年をこえる思い入れが詰まった僕のメッセージに、
何とジーンはグータッチで応えてくれたのである。

  !!!

何が何だかわからない興奮と喜びで混乱した僕の視界に、あの大きな瞳が入ってきた。
とっさに…いや、反射的に叫んでいた。

  ポール!
  サンキュー!

スターチャイルド…ポール・スタンレーは " まぁ、落ち着けよ " と、
僕の興奮を冷ましてくれるかのように、
" サンキュー " と控えめに、しかしハッキリと返してくれた。
聴きなれた声がホールド・ミー・タッチ・ミーしていたことに感動した。

この間、30秒…長くても1分に満たない時間だったと思うが、
決して数字では計ることのできない、
ロック・ヒーローと僕が過ごした夢のようなひとときである。
     
     **********

偶然だったのだろう。
しかし、ここに至るまでの経緯を冷静に振り返ってみれば、
何かひとつでも欠けていたら、
そしてひとつでも何かが加わっていたとしたら、これはなかったのだ。
盛岡公演を僕が選んだのは、最後の来日だからなるべく近くで体験したいという理由だが、
今となっては、もう呼ばれたとしか思えない。

     **********

こうして、僕にとっての最後のキッス来日公演は、最高の結末で終わった。
アリーナ公演を体験できるだけで満足だったのに、こんな展開が待っていようとは、
夢にも思わなかったし、思えなかったし、思うはずもなかった。

10代の頃、雑誌の写真や記事で見るだけの、
そしてレコードで聴くだけの存在だった二人と、
40年以上の時間を経て会うことができ、ありがとうと伝えられたこと。
これを演出してくれた誰かがいるのだとしたら、ココロから感謝する。
この結末は偶然ではない。

しかし、キッスと僕の物語はこれで終わりではない。
終わるわけがないし、終わらせるつもりもない。
これからも僕の中でまだまだ続くだろうし、続かせていくだろうし、続いていくだろう。

     **********

開演前のBGMがレッド・ツェッペリンの「ロックン・ロール」になり、客電がおちた。
キッス・アーミーのロゴが浮かびあがり、あのアナウンスが響き渡る。

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  世界でもっとも熱いバンド!
  キッス!

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これまでにいちばん聴いたかもしれない曲のイントロが鳴る。
幕が切って落とされ、天から降りてくる4人を見た瞬間から、
既に僕の興奮は最高潮である。

「Deuce」のエンディング・フォーメーションでは、
後方のスクリーンにも、
過去の同じフォーメーション・シーンがいくつか映しだされる。
喜びと興奮と切なさが同時に押し寄せる、実に感動的な演出だった。

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火を吹き、血を吐くジーン・シモンズは、
わかっているのだけれど、
何度もみているのだけれど、かっこいい。
興奮する。

とっくに10代ではなくなった自分が、
10代と同じような気持ちでジーンを見つめ、
やはり10代のような笑顔であるのが、とてもよくわかる。
演奏の一部でもある長い舌と共に、もう生で見ることができないのが残念だ。

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アリーナ後方の中央へ飛んでくるポール・スタンレー。
セットされているのは小さなステージだが、
ここで歌われる「Love Gun」、
「I Was Made for Lovin’ You」の何と大きなことか。
このシーンも定番だが、すべての観客に気を届ける姿は感動的だ。

そしてこれも毎回思うことだが、
おそらく、あの場にいたほとんどの人が、
自分とポールの目があったと思ったことだろう。
素晴らしい。

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「Beth」で歌われる歌詞が沁みて、こんなにも心が動かされるとは、
『地獄の軍団』を夢中で聴いていたころには想像できなかったことだ。

  Me and the boys will be playing all night

Meはキッス。
そしてBoysはあの場にいたファン全員だ。

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アリーナを埋め尽くす紙ふぶきとバルーンが躍る中、
" rock and roll all nite and party every day " が飛び交い、
ポールがギターを破壊する。
キッスのライヴでしか体験できないカタルシス。

Good Night!

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最高を望む僕に、キッスは最高をくれた。

出会いは1976年。
もう43年なんだ。

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Hot Stuff Promotion 40th Anniversary Music Supreme Char/松任谷由実 片柳アリーナ 2019.6.23.

HOT STUFF40周年記念の豪華なツーマン。
オープニングは同じく40年記念マガジンでの対談映像が映され、
それが終わると同時に、自然と二人での演奏に繋がっていった。
約3時間にわたるライヴはこうして始まった。

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・Charのロックと私が属していたティンパン系は、今思えば東京のロックキッズ達なんだけどカラーがぜんぜん違ってた
・(Charの)スカッとしたギターを聴いてると(昔を)思いだす
・自分で音楽を演るにしてもこっち(Charのようなロック)は無理だと思った
・下北沢に凄いバンドがいるっていうんでスモーキーメディスンを観に行った
・グレイス・スリックそっくりに歌えたよ
・今夜は昔、不良だった二人でおおくりします

これらはユーミンのMC(一部は対談映像)から順不同で拾ったものだが、
この日のキーワードは " ロック " だったのだろうと思う。
実際、1曲目の「Corvett1954」について「こんなロックっぽい曲を…」とCharがいい、
「この曲こんなかっこよかったんだ…」とユーミンが言っていたことからも、
僕にはそんなことが伺えた。
しかし、そんな " ロック " にお互いが引っ張られることはなく、
限られた時間にそれぞれの持ち味が発揮されたライヴだったと思う。

両バンドの演奏が凄い。
かっこいい。
初めての会場だったけれど、音が良かった。
おかげでその音楽を存分に楽しめた。

アンコールでヴォーカルを分け合った「気絶するほど悩ましい」。
間違いなく聴きものだったが、演奏後にCharが言った、
" 気絶するほど楽しかった " の一言が、きっと今夜を表していた。

Charのパートでは、HOT STUFFからのリクエストに応えて演った、
デビュー曲「Navy Blue」が印象的。
マイナー調ロックでのギター・ソロは本当にかっこいいなぁとあらためて思ったが、
全編にわたってCharのギターは音もキレも出来もフレーズも最高だった。

ユーミンのパートは本編を締めくくった「埠頭を渡る風」から「BLIZZARD」に気分があがる。
後者は周りのファンたちからも驚きのような声があがっていた。
どうやら今では苗場でしか演らない曲(?)だったようで、その意味でレアだったのかもしれない。
季節柄「雨のステイション」も沁みた。
これは彼女が初めてHOT STUFFと仕事したツアーの1曲目らしい。

共演パートは、まずはユーミンがCharの還暦記念に提供した「Night Flight」。
エレクトリックとアコースティックの両ヴァージョンが演奏され、両方とも聴きごたえがあった。
後者はライヴの締めくくりだったが、ユーミンのピアノとCharのアコギだけというもので、
これまでもこれからも、なかなか体験できそうもないシーンだろう。
Charの「クロスロード」に「恋のスーパーパラシューター」を被せたアレンジは唸る。
ユーミンの「DANG DANG」でのCharのギターソロも実にかっこよかった。

こうして思い出しながら記していると、あの日の " ロック " が何だったのかが、
わかるような、逆にあらためて何なのだろうと考えさせられるような気がしてくる。
しかし、Charが言った " これからはロックでしょ " はじゅうぶんに反映されていたと思う。
Charのロックが鳴り、ユーミンのロックが鳴らされていた。

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ARABAKI ROCK FEST.19 2019.4.27~4.28.

開催前日までの天候の様子から当日も気をもんでいたが、
幸い、僕が会場にいた時間は雨にたたられることはなかった。
しかし、今年は寒かった。
これまでも陽が落ちてからの寒さは経験済みだが、今年は特に寒かった気がする。
それでも充実した楽しい、そして感動的な2日間だった。

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TOSHI-LOWが「カノン」を歌った。
後にミチロウの訃報をきくことになるので、何かしらのつながりも感じたりしている。

真心ブラザーズの津軽フォーク村にゲストで迎えられたチャボは、
" 愛と平和を大事にしようぜ " のメッセージと共に、
スコット・マッケンジー「花のサンフランシスコ」。
湖をバックにした開放的なステージから東北の空へ Love & peace。

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加山雄三、82歳。
ギターを歪ませてソロを弾きロックン・ロールする姿。
ツインドラムにツインキーボード。トリプルギター(若大将を含めれば4本のギター!)。
加山雄三→藤井一彦→古市コータロー→佐藤タイジで回されたギターソロがかっこよかった
豪華なバックとゲスト陣で華やかで楽しいステージ。
晴れ渡る青空に白い雲。最高にフェス映えするバンド。

3人のウルフルズ。
フェスやイヴェントなどのセッションでのトータス松本は数多く体験済みだけれど、
こうして本家での彼が、当たり前だがいいなって思う。

BARBEE BOYS。
スケジュールの都合で途中でステージを後にしたが、
KONTAと杏子の声はARABAKIの空にずっと響いていた。

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誰もが知る曲を持つバンドはフェスでは強い。
1曲でその場にいるお客さんを持っていってしまう。
「GLORIA」の大合唱が起こったZIGGYのステージは感動的だった。

思えば僕のアラバキ初体験は2010年。
このときに最初に観たのがKANで、初めて聴いたのが「愛は勝つ」だったと思う。
そしてその時に聴いて覚えて…いや覚えさせられてしまった「よければ一緒に」。
9年たっても覚えていたので、最初の印象が相当に強力だったのだろう(笑)。

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ソウル・フラワー・ユニオンは電気グルーヴの「シャングリラ」を登場SEに。
時期的にもタイムリーだが、こうした場では特に気分があがる。

the pillowsの30周年に華をそえた佐野元春。
ゲストのトリで自身の「アンジェリーナ」も演奏。
寒空に響く元春のロックン・ロールが最高だった。

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今年は過去に比べて寒さが厳しかった。
それでもこの場でしか感じられないものと、この場だから受け止められるものがある。
きっとまた来るだろう。

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     **********

4/27(土)
・TOSHI-LOW
・人間椅子
・SCANDAL
・ドレスコーズ
・真心ブラザーズの津軽フォーク村
・THE ARABAKI ROCKERS SATURDAY NIGHT ROCK'N'ROLL SHOW


4/28(日)
・THE King ALL STARS -2019 ARABAKI MAXIMUM-
・ウルフルズ
・BARBEE BOYS
・ZIGGY
・KAN
・ソウル・フラワー・ユニオン
・the pillows -30th ANNIVERSARY CARNIVAL OF BUSTERS in ARABAKI-

塚本功 新春スペシャル 2days guest 小島麻由美 下北沢lete 2019.1.5.

昨年は行けなかったので2年振りのlete。
塚本功の新春ライヴに小島麻由美がゲストというライヴは2回目だけれど、
既に何度も通っているかのように年初めはこれで…といった、
恒例感を感じてしまえるのが不思議だ。

開場を待って並んでいるあいだに聴こえるリハーサルの様子も、
実際には本番で演奏されない曲もあったりするので、
寒い中でも楽しみながら待つことができるのが嬉しい。

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一部は塚本功ソロ・パート。
インストから歌ものまで幅広く聴かせてくれる。
ギブソンES175Tアンプ直結スタイルの美学。
ギター演奏に目が行きがちだが、そのヴォーカルもいい。
味があると言ってしまえばそれで伝わるかもしれないが、
声はバッチリと出るし、下手なヴォーカリスト以上に聴きごたえがある。

そして二部はいよいよ小島麻由美とのデュオ。
その場で演る曲を決めていくような構成。
かなり行き当たりばったりなので、
何も知らない人ならグダグダに見えてしまうと思うが、
そこで繰り広げられる演奏がとにかく凄い。
さらに二人は言わずもがなの阿吽。
ギターと声を使って音楽で会話する。
しかも「泡になった恋」なんてビートがある曲は、
まるでバンドかと思わされるようなギターとヴォーカルで、
ここが小さな会場だというのを忘れてしまう素晴らしい演奏。

小島麻由美のライヴに満足しなかったことが無い。
最高のライヴ始めだ。

金延幸子 45年目の み空 追加公演 晴れたら空に豆まいて 2018.11.14.

金延幸子。
浜田真理子が新作『NEXT TEARDROP』で「あなたから遠くへ」をカヴァーしたことで、
これまでは “ 知っている人 “ だけだった存在がグッと近くになり、
『み空』もたまに聴くようになっていたタイミングで発表されたライヴ。
しかも鈴木茂、田中章弘、浜田真理子、林立夫がサポートする嬉しい追加公演の知らせ。

浜田真理子ファンとしては、彼女がキーボーディストとして参加するという楽しみもあったが、
その中心が、いわゆる伝説のシンガーソングライターである。
当日が近づくにつれ高まっていった期待を抱えて11/14を迎えた。

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オープニング・アクトは鈴木茂 with 田中章弘とインフォメーションされていたが、
実際はこの二人に林立夫と浜田真理子が加わったフォー・ピースのバンドであった。
鈴木茂自身のMCから、本人はアコースティック的な音を意識していたようだが、
編成自体どこからどう見ても、さらにストラトキャスターが爆発していた音も含め、
紛れもないロック・バンドである。
実際、林さんに “ アコースティックの音量じゃないよ(笑)” と突っ込まれていた。

いや、しかし僕には贅沢すぎるオープニング・アクトだったなぁ。
それにしてもこのバンドにキーボーディストとして参加し、
はっぴいえんどの曲を演奏する浜田真理子をみることができたのは嬉しい。
ステージ上でどういうことを感じたのか、いつか真理子さんに聞いてみたい(笑)。

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金延さんのパートは、弾き語りとバンド編成の二部構成。
しなやかさと力強さが同居し、太いビートも感じられた弾き語りは凄い。
たとえミス・トーンに聴こえたとしても、彼女から発せられる確信に満ちた演奏と歌からは、
不安定なところさえ音楽の一部だとしか感じられず、違和感はない。
何よりも、レコードで聴きなれた歌声には、
2018年に至るまでの時間分の説得力が増していて素晴らしかった。

浜田真理子のソロ・パートを挟んでの二部はバンド編成が中心となり、
音楽の魅力にあふれ、素晴らしいとしか形容できないシーンの連発だった。
「あなたから遠くへ」に浜田真理子がコーラスを入れる。
それをみて聴いている僕は感無量である。
きっと真理子さんも同じだったことだろう。

初回公演では細野晴臣がベースを弾いたという「青い魚」は、
この夜のメンバーらしい、聴きごたえのある実にロック的な演奏であった。

  何だか はっぴいえんど になったような
  いつか はっぴいえんど の中に入って歌いたいと思っていた

「青い魚」が終わった後に彼女が話していたことである。
45年が経過した2018年であっても、こうしたMCがリアルに聴こえる。
僕も本当にはっぴいえんどを体験しているように感じてしまう。

これを音楽のマジックと表現してしまうのは簡単だけれど、
そうしてしまってもいいんじゃないかという雰囲気が、この夜にはあったと思う。
ここから「時にまかせて」が続いたところが個人的ハイライト。
お客さんの合唱が加わり、そのメッセージと曲のよさもあって感動的だった。

本編の最後は「み空」。
邦楽でも洋楽でもない…ジャンル名のつけようがないとても美しい音楽だった。

  つらい時には支えになり、うれしい時はさらに幸せになる
  ミュージックはそういうものである
  だからミュージック…音楽を忘れないでね

音楽は素晴らしいから忘れない。
素晴らしい音楽は忘れられない。
この夜は素敵だったから忘れない。
素敵な夜は忘れられない。
ありがとう。

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P.S.
金延さんの弾き語りによる一部と二部のあいだ。
PA卓にいた久保田麻琴さんのアナウンスにより、本日の最年少(笑)として紹介され、
浜田真理子のソロ・パートが用意されていた。
登場するなり、周りがレジェンドばかりなので今日はパシリで(笑)…と、
いつものように笑わせるのが真理子さんらしい。

披露されたのは2曲。
まずは「純愛」
おそらくあの場には初めて彼女の歌にふれるお客さんもたくさんいただろうから、
自己紹介的には最適なチョイスだったと思う。
そして、2曲目が凄い…というか、本当に凄かった。

  ひとりで演るつもりだったけれど、
  先輩たちが入ってくれることになり
  マジか…と

急いで楽譜を書き直してメンバーに配ったそうである。
鈴木茂(G)、林立夫(D)、田中章弘(B)をバックにして歌われたのは「Mariko's BLUES」。

Billboard Live TokyoMotion Blue YOKOHAMA
そしてクアトロなどで最近のバンド編成によるライヴに慣れていたつもりだったが、
まさかこんな音のハマダマリコを聴けるとは思っていなかった。

リズム隊にエレピとギターという最小限の編成。
全編にわたり鈴木茂は遠慮なくスライド・ギターを炸裂(本当に炸裂!)させる。
負けじと声を張りあげて浜田真理子がブルースをぶつける。
すごいもん聴けたよ♪

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JOY-POPS(村越弘明+土屋公平)35th Anniversary Tour Wrecking Ball 青森Quarter 2018.7.8

今年はストリート・スライダーズのデビュー35周年。
その企画としてJOY-POPSの全国ツアーが発表された。

バンドでやらないところが感慨深く、かつ、意表の付かれ方に驚きと心地よさと、
さらにファンならではのそこにあるはずであろう深い意味を勝手に感じながら、
ロックし、ロールする二人に、さぁ、どこへ会いにいこうか…と考えた。

本当にたまたまだったのだが、発表直前に『LAST LIVE』の映像を観ていた。
「のら犬にさえなれない」演奏直後の印象的なHARRYの表情。

彼が見つめていた武道館の客席の向こう側に何があったのかはわからない。
ここから20年近い年月が経つ。
隣でギターを弾くのは武道館と同じく土屋公平である。
その音を聴きながら2018年のHARRYが客席の先に何を見るのか。

Dbtt6T5U8AE3wqT.jpg

ツアーは春の終わりに始まり、そのまま夏に向かって突っ走ってゆく。
その間、各地でHARRYが見続けてくる最後の景色の中にいたいと思った。

決まった。

二人で駆け抜けるツアー最終日の一択で臨むことにした。

JOY-POPSといえども、こちらから取りに行かなければ詳しい情報は入ってこない。
おかげでツアー中も、僕自身はとても静かな印象を持っていたけれど、
たまに目にし、耳にした何かやモノたちからは、それがわずかだとしても、
体験したファンの思い入れの強さをヒシヒシと感じることができたし、
喜びや嬉しさが日本中で噛み締められているような空気感はかえって感動的で、
間違いなくJOY-POPSは熱狂的に迎えられているであろうことを確信した。

しかし、会いに行けるといっても最終日。
待つ時間はさすがに長い。
事前にセット・リストを調べ、プレイリストを作っての予習も考えたし、
実際、そうしようと思っていたが、二人と共に僕も存分に楽しむには、
やはり真っ新で臨むしかないな…との結論に達した。

そして7月8日。
ついに当日を迎えた。

IMG_0700.jpg

二人がステージに登場した瞬間、自分がどんな思いを抱くのか。
それ自体を僕自身も期待していたのだが、
不思議と18年の月日が無かったかのように、
自然に受け止められていた自分に驚いた。
しかし、今になって思えば、それほど二人が自然だったのだと思う。
これこそが最終日にしたことの効果…と言うのも変な表現だが、
たぶんツアーを続けてきた二人と、それを待っていた自分とに流れた時間は、
前述した、僕が感じてきた全国のファンの思い入れと共に、
初めて出会う前に持つ期待・希望・忍耐のような、
目に見えないものだけれどファンとして持つ大きく重要な要素を、
その出会いの場に添うように、うまく溶かしてくれていたのだろう。

     **********

「7th Ave.Rock」で始まっても、
「Angel Duster」が歌われても、
それを当たり前のように聴いて楽しんでいた自分だったが、
HARRYと公平がエレキを手にして演奏されたその曲だけは違った。
公平のSGから放たれたフレーズだけではわからなかったが、
そこにHARRYがテレキャスターで突っ込んだ瞬間にアタマとココロが沸騰した。

絡むというよりも、ぶつかり飛んでくる二本のギターは、
空気の振動ではなく塊となっていた。
さらにHARRYのアクションとヴォーカルも含め、
何かが18年の月日を超え、かつ積み重なり、二人に降りてきていた。
もちろんスライダーズのライヴでも体験済みの曲だが、
こんなに興奮し、ヤバさを感じ、かっこいいと思った「カメレオン」は初めてだ。

     **********

中盤で披露されたお互いの新曲。
そのうち公平の曲を紹介したHARRYのコメント。

   サム&デイヴや、ジョンとポールみたいに、
   アタマから通して二人でハモるんだぜ

サム&デイヴみたいに…ではなく、
ジョンとポールみたいに…をそこに加えるHARRYがイカシてた。

     **********

HARRYはこんなことを言っていた。

   JOY-POPSはロックンロールバンドじゃないけど…

何をもってのことなのかは図りかねるが、
数々のスライダーズ・ナンバーはもちろん、
そのリフやリズムからグラムな雰囲気も漂ったHARRYの新曲も含め、
あの夜に僕が聴いたのはロックン・ロールだ。

HARRYの発言が、もし、バンドとしての編成を指してのそれだとしたら…。
何の問題もない。
あの日、会場にいたお客さん(全員とは言わないが、それに近い数だけの人)は、
意識的・無意識的に心の中でリズム隊が加わった音を鳴らしていたと思うからだ。
これはファンの思いや想いだけでそうなっていたのではないと思う。
JOY-POPSのライヴがそうしたのである。
そうした音をJOY-POPSが出していたのである。

     **********

ライヴ中、特に歌詞を追いながら聴いていたわけではないが、
その曲の、その歌詞だけがまるで空中に浮かび上がるかのように、
スーッと僕の中に入ってきた。

二人がスライダーズの曲を演奏するのは18年ぶり。
そんなライヴで " いつもそばにいたおまえが見えなかった " とHARRYは歌う。
この歌詞がものすごく響いた。

曲のタイトルは「Friends」。

" それぞれの夜は過ぎてゆく " や " ここがおまえと出会った場所 " とも歌われる。
短くはない年月が経過していることをあらためて知った。

IMG_0698.jpg

二人がステージに登場した瞬間から終演まで、
様々な思いや想いが駆け巡ったが、きっとこれからもじわじわと来るだろう。

2時間を通して会場には笑顔が溢れていて本当に楽しかった。
あらゆる意味で実にロック的な時間だったにもかかわらず、
僕の中に残ったのは二人の笑顔に象徴される楽しさだった。

HARRYと公平にはこの言葉しかない。
ありがとう。

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