In Motion 2017 –変容 佐野元春 & 井上鑑 ファウンデーションズ O-EAST 2017.4.4

公式インフォから抜粋引用。

 「植民地の夜は更けて」(2001年)、「増幅」(2003年)、「僕が旅に出る理由」(2010年)
 に続いて4度目となる今回の「スポークンワーズ・ライブ」。 バンド・メンバーは、
 井上鑑(Keyboard)を中心に、高水健司(Bass)、山木秀夫(Drums)、金子飛鳥(Violin)の4人。
 これまでも佐野元春のリーディング・パフォーマンスを支えてきた最強のミュージシャン達だ。

 佐野元春のリーディング・パフォーマンスは、フォーク、ジャズ、アバンギャルド、ファンクから現代音楽まで、
 縦横無尽に展開するバンド演奏に佐野元春のフリー・フォームの詩がグルーヴするユニークなパフォーマンスだ。
 そこで繰り出される自由かつ多面的なイメージは、ラップ・ミュージックの進化形を予感させる。

 さらに今回は、初の試みとしてプロジェクターを使った映像演出を導入し、佐野元春の詩を核とした、
 言葉・音楽・映像による、進化したライブアート・パフォーマンスを行う。

 ロックンロールのフォーマットに忠実でありながら、詩的質感を保ち続ける希有な表現者である佐野元春。
 「In Motion 2017 – 変容」。このコンサートでは普段のロッカーの姿とは違って、
 攻撃性と優雅さを備えた哲学詩人としての佐野元春を感じることができるはずだ。

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スポークンワーズ・ライヴ、僕は初体験。
インフォメーションにある内容とミュージシャン名から受けるイメージはあるが、
余計なことは考えず、僕が知る音楽の通常フォーマットのライヴという概念を無くし、
未体験のパフォーマンスを観に行くというモードで臨んだ。
佐野元春だ。
何も不安はない。

バンドの演奏が思いのほか激しい(良い意味で)。
おかげで元春の言葉が聴き取れない瞬間もあったが、
ステージ後方に映る映像でピックアップされるキーワードがカヴァーしてくれる。
その映像も難解なものではなく、どちらかというとありふれた景色などが多いが、
言葉と演奏と交わることにより、アタマの中のふだん触れない部分を刺激してくれる。
このライヴは誰のどこを見て何を聴くというよりも、
目の前で展開するひとつの塊を目と耳とアタマとココロで受け止めるとでも言うべきか。

手数が多いながらもシンプルに聴こえて心地よい山木秀夫のドラム。
金子飛鳥の多彩な音色が飛び交うヴァイオリン。
言葉だけでなく音も主役だった。

中盤、スクリーンには " SHAME 君を汚したのは誰 " 。
知っているタイトルであり言葉であるが、
披露されたパフォーマンスでのそれは、僕の知るそれではなかった。
しかし、僕のこうした先入観的なものが吹き飛ぶことが快感になる。
ここからラストまでの展開は、何だかもの凄いスピード感だったように思う。
ヘヴィではないが軽いものでもないし、フリーであるがPOPにも聴こえる。
メロディや言葉や曲への思い入れなどでの音楽的カタルシスとは違った快感。

言葉だけじゃ伝えきれない。
言葉だけじゃ包みきれない。
映像と音。
バンド。
かっこいい。

高揚した。

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竹中直人 とうとう61になっちまった!どうする直人?!の小さなLive 下北沢GARDEN 2017.3.20

冒頭で、司会進行を務めるTBSアナウンサーの堀井美香から、
今夜のライヴは4時間を予定しているとの発言でいきなり客席がどよめくが、
実際にそれだけのプログラムであり、見てよし聴いてよしの楽しめる夜だった。

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第一部。
まずは竹中さん一人の弾き語りで古井戸。
「さなえちゃん」「窓の向こうは冬」「ポスターカラー」の三連発。
特に十八番である「ポスターカラー」だ。
竹中さんのひとり古井戸からはハッキリと加奈崎芳太郎と仲井戸麗市を感じることができる。
聴きほれた。

その後のオレンジ気分バンドとの演奏も、鉄板のお笑いネタをMCで挟みながら、
定番であるカヴァーを中心にしたプログラムは楽しいの一言。
チャボの「ティーンエイジャー」やRCの「いい事ばかりはありゃしない」などは、
アレンジの好みはともかく、個人的に歌われることは喜ばしい。

第一部のハイライトは、サプライズで登場した玉置浩二。
二人のタッグで制作された4月にリリースされるアルバムからの曲をセッションし、
おまけで「田園」の弾き語りを聴かせてくれた。
歌はもちろんMCでも、竹中さんが歌った「WOMAN」という曲を指し、

 " 「WOMAN」ていうから薬師丸ひろ子の「Woman」かと思ったよ "

のぶっちゃけ発言。わかる人は、一応、笑うところだったろう。
とにかく嵐のように登場し、去って行った。凄かったの一言。

そして第二部。
ここからが本当の豪華ゲストによるバースデー・ライヴだった。
奥田民生が映画『僕らのワンダフルデイズ』の主題歌「雲海」を歌い、
斉藤和義が竹中さんと「ハミングバード」を歌う。
そして二部のハイライトはワタナベイビーと竹中さんによる「今夜はブギーバック」。
途中でスチャダラパーが乱入し、ステージに花を添える。
それにしてもヒット曲とは恐ろしい。
僕にとって特別な曲でなくとも、その時代を一瞬で持ってきてしまう。
感動してしまった。

とにかく4時間弱。
誰がゲストで出てくるか予想できない展開でお腹いっぱいだ。
私的なバースデー・ライヴを見せてもらっているようで本当に楽しかった。

小島麻由美 『JIVE!JIVE!JIVE!』 billboard LIVE TOKYO 2017.3.12

数年前に「赤い帽子」という曲を知ったのをきっかけに、
少しずつ彼女の音楽に触れていくうちにすっかりファンになった。
2015年のARABAKI ROCK FESや、
2016年のHMV GET BACK SESSIONアルバム『二十歳の恋』再現、
そして今年の年初には塚本功とのデュオと、
これまで体験した、すべて異なる編成でのライヴは素晴らしく、
ますます彼女に惹かれている。
そんな状態なので、今回のビルボード公演は楽しみだった。

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公式インフォから引用。

  独特の歌詞、多様な要素を内包した音楽性で独自の世界観を表現するシンガー・ソングライター、
  小島麻由美が塚本功、勝手にしやがれメンバー、
  そしてDUB MASTER Xとのコラボセットでビルボードライブ東京に初登場!

またしてもこれまでと違う編成。
彼女はメンバーを固定しているわけではないのかもしれない。
こうした試みは、ファンにとっては好みによって凶と出る場合もあるだろうから、
決して良いことばかりではないとは思うが、僕にとっては今回も吉だった。
人数の割には音が適度に薄いバッキングは心地よく、
独特な彼女のヴォーカルの魅力をじゅうぶんに引き出していた。

それにしても最高の演奏とグダグダなMCのコントラストが凄い(笑)。
どこまで決めているのか不明だが、おそらく何も決めていないのだろう。
MCではステージ上のメンバーだけでなく、お客さんにも突然の無茶ぶりをする。
ライヴのよい流れが断ち切られてもおかしくないシチュエーションなのだが、
不思議とそうはならない…少なくとも僕はそう感じる。
その理由は、おそらくだが、その次に来る音楽・演奏の素晴らしさをわかっているからだ。
音楽の巨大な説得力がすべてを包み込む。
だから、あのMCを含めて小島麻由美の音楽ということなのだろう、きっと。

「モビー・ディック」「泡になった恋」「パレード」など僕のお気に入りは嬉しかったが、
何と言っても「赤い帽子」であった。
年初の塚本功とのデュオで歌われたときも感動したが、バンドアレンジはやはり最高だ。
大作でも無いし、特別に感動的な内容の歌詞でも無い。
しかしメロディ、演奏、ヴォーカル、楽器、テンポ、リズムなど、
曲を構成するすべての要素が僕の身体に入り込み、ココロを強くふるわせる。
こうした曲には何年かにいちど出会うのだが、これもそんな1曲だ。

現在は新作発表に向けて準備中のようだ。
曲作りについてはなかなかうまくいってないようで、
塚本功と、やはりグダグダなMCでこの重要な話をしていたが、
僕たちに届けられる時には最高のものになると断言していた。
この流れは、まさに前述した僕が感じる彼女のライヴのMCと演奏のそれではないか。
近々届けられるだろう最高の音楽を期待したい。

鈴木祥子 LIVE CANDY APPLE RED1997→2017 音響ハウス第一スタジオ 2017.3.4

レコーディング・スタジオにお客さんを入れてライヴを行う。
観客はスタジオかコントロール・ルームのどちらかの席で楽しめる。
演奏はその場で録音されてCD-Rとして配布される…ということだ、簡単にまとめると。
他にもこうした企画はあるのかもしれないが、それでも音楽ファンにとっては垂涎。
だって会場が数々の名作が録音された音響ハウス。
その第一スタジオに入るだけでなく、そこで鳴る音を聴くことができるわけだ。
さらにスタジオではなくコントロール・ルーム席を選べば、
実際のレコーディングの雰囲気を本番に近い形で体験できるのだ。

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もちろん通常のライヴではないので、演奏側も観客もいつもとは勝手が違う。
窮屈で違和感ある環境だったと思うけれど、
こうしたマイナス点を軽く払拭する内容だった。
少なくとも僕はそう感じた。
短い時間ではあったが、思い切り楽しむことができた。

公式インフォより引用。

  アルバム『キャンディ・アップル・レッド』の20周年と
  DSD配信記念をミックスしたスペシャル・エディションです。
  レコーディング・メンバーである菅原弘明/名村武/鈴木祥子に加え、
  キーボードにはDr.KYON、ドラムスには楠均。
  スズキがロックに目覚めた?
  1995年/新宿リキッド・ルームでのライブのメンバーが揃いました。
  そして20年。
  リアルな「ロックン ロール」に目覚めたスズキがお送りする
  20年目の『キャンディ・アップル・レッド』はどんな変貌を遂げているのか?
  ドラマー・鈴木祥子の華麗なる?復活とともに未来を占う一夜に乞う御期待!
  (当日の演奏はリアルタイムでレコーディングされております。
  最高の技術を誇る音響ハウスのサウンドを、
  ライブの熱気とともにぜひお持ち帰りくださいませ。)
  アルバム「キャンディ・アップル・レッド」からはバンド・セットで10曲を演奏。
  本編はアルバム曲・アルバム以外の弾き語り曲を含みます。

例えば、このインフォにある固有名詞を、
それぞれが自身のフェイヴァリットな人や作品に置き換えれば、
この企画が相当にわくわくするものだということが理解できると思う。

モノよりもコトを重視していく時代になっているが、
ファンもアーティストも両方が刺激を受けて楽しめるこうした企画は本当に素晴らしい。

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HOBO KING SESSION Vol.13 – 酉(とり) - 晴れたら空に豆まいて 2017.1.7

オフィシャルのインフォより引用。

 1996年発表の佐野元春10thアルバム「FRUITS」のレコーディングセッションから生まれ、
 その後00年代半ばまで佐野元春とライブツアー&レコーディングをともに行い、
 現在も、変則的な編成ではありますが、
 ビルボードでの佐野元春アコースティックライブなどで観ることのできるTHE HOBO KING BAND。
 メンバー全員が多くのアーティストから信頼を集め、
 日本の音楽界で活躍中のスーパーミュージシャン集団です。
 「HOBO KING SESSION」は不定期開催で、 毎回テーマを設け、バラエティー豊かで、
 楽しくご機嫌なカバーセッションが繰り広げられます。
 13回目を数える今回はのテーマは、新年開催にちなみ今年の干支「酉(とり)」です。
 「酉(とり)」をテーマにどんなナンバーが飛び出すか?
 HOBO KING BANDとの新年会ということでぜひご参加ください。

     **********

わかる人に向けてであれば、
この内容だけで当日の様子を想像することは可能だと思う。
基本的にカヴァー大会なのだが、王道的なロックはほとんど取り上げられず、
それでいてマニアックな選曲のセッションは、僕なんかはとても新鮮。

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メンバーを見てもらえればわかることだが、
所謂スタジオ畑のミュージシャンが集まっての超絶演奏ではない。
佐野元春のバック以外にもバンドを知り尽くしてきた人ばかりなので、
実に気の合ったバンド・アンサンブルなのがかっこいい。
ただし、ストレートなカヴァーではなく、高度な遊びがあるし、
小難しく解説的で押しつけ的なものも無く、逆に笑いをとって演奏する。
例えば、Dr. kyOnが取り上げたのは美空ひばりの「びっこの七面鳥」なのだが、
これを " HOBO KING BANDなのでグラム・ロック風に… " というアレンジで演る。
しーたか&井上富雄のリズム隊によるドッコドッコ・ビートの上に、
ストラトを抱えていた佐橋佳幸がゴールドのレス・ポールに持ち替えザクザクとコードを刻むと、
今まで聴いたことが無い美空ひばりの出来上がりである。
山本拓夫はチャーリー・パーカーの曲をリトル・フィート風に料理させる。
これにより、知らない曲もまったく飽きずに楽しむことが出来る。

もちろんこうした楽しみ方ができるのも、
各々のミュージシャンとしてのテクニックあってのこと。
リハの時間は満足に取れていないだろうが、これだけの演奏をしてしまうのは、
当たり前のことだとはわかっていても凄い。
前日に観た塚本功と小島麻由美のタッグもそうだったが、
演奏ミスをしないことはプロとして最低限の仕事であり誠意だとあらためて思った。

しかし、出てくる音は保証付のうえで、
演奏者側の喜びが客席まで伝わるのが何よりも素敵だ。
こんなセッションを身近に体験できるのは本当に贅沢。

塚本功「新春Special 2days」下北沢lete〈ゲスト〉小島麻由美 2017.1.6

第二部の塚本功と小島麻由美の共演パートが素晴らしかった。
事前に打ち合わせはしたのだろうし、それなりのリハもあったと思うが、
実際の印象ではぶっつけ本番で曲を立て続けに演奏していく展開だった。
しかも阿吽。
お互いがお互いにすぐさま反応していたのが凄い。
いや、「反応」と言う言葉は適切ではないな。
ここでは「会話」に置き換えたい。
二人はギターと歌を使い、音楽で会話をしていた。
こうしたことを目の当たりに体験できるライヴはそうそうない。

会場のleteは20人も入れば満員という空間なので、
強烈な " 二人の部屋で聴かせてもらっています感 " があった。
そんな環境で前述したような演奏が行われるわけだ。
だから、もし時間の制約がなかったとしたら、
二人は永遠に続けることができたのではないか…と本気で思えるほどだった。

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初めて聴く曲でも、どこかで聴いたような感覚になるのが小島麻由美の魅力。
そしてあの独特の声。
そこに塚本功のギターが彩りをそえる。
曲が良く、歌が良く、ギターが良く…唯一無二の音楽だとあらためて再認識した。

僕が小島麻由美のファンになったきっかけは「赤い帽子」とう曲を聴いたこと。
この曲をいつか彼女のライヴで聴きたいと思っていたが、
この夜はお客さんからのリクエストというカタチであったが実現!
バンド演奏ではなかったが、二人でもビートが感じられたし、
とにかく大感激で泣きそうになった。

2017年の新年一発目から最高のライヴ!
今年は良い年になる気がする。

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p.s.
第一部は塚本さんのソロ。
一曲目に歌われたのは、何とRCサクセションの「スローバラード」!
オリジナルのキーでの弾き語りは素敵だった。
まったく予想していない展開に驚いたが、
年初から僕が思っていることと偶然にも重なることになり、
夢は実現するかもしれない…と思わせてくれた。
何だか今からわくわくしている。

石橋凌 SOULFUL CARNIVAL 赤坂BLITZ 2016.7.20

2011年にソロでの音楽活動を再開した際に凌は、
" 昔みたいに使命感やストレスを抱えて歌いたくない。音楽を楽しみたい " と発言していた。
ソロ活動再開後のライヴを何度か観たが、間違いなくこれらを実践していたし、
ステージ上で見せる笑顔やバンドとの雰囲気などから、
本当に音楽を楽しんでいることが伝わってきた。
ARB時代の曲は、凌の自作曲のみという限定されたものだったが、
それでも歌うのは石橋凌であり、演奏はあのメンバーなわけで、満足しないことは無かった。

たくさんのミュージシャンと共に、石橋凌60歳のバースデーを祝うライヴ。
音楽を楽しみたいという今の凌とバンドが、縁のあるミュージシャンたちと演奏するのである。
これまでも同様のライヴをいくつか観てきた。
そのどれもが僕にとっては印象に残る感動的なものだったが、
この日も間違いなく過去のそんなひとつに加わることになった。

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ゲストが自分の持ち歌と凌の曲を演奏するというのが基本的な構成。
そのゲストが選曲したという凌の曲は、ほとんどがARBナンバーだった。

偶然か意識してなのか、選ばれていたのが凌の自作曲と言うのは引き継がれていたが、
それでも増子直純の「空を突き破れ!」、
花田+池畑+井上ルースターズの「BOYS & GIRLS」、
中村獅童の「魂こがして(シングル・ヴァージョン!)」、
土屋公平の「ワイルド・ローティーン・ガール」など、
ARBの1stから3rdアルバム収録の、比較的初期、
かつ代表的なナンバーが多かったことと、
それをゲストと凌がセッションするわけで、
おかげで普段のソロ・ライヴ以上に " ARBが解禁された感 " が強く感じられた内容だった。

中でも「魂こがして」がシングル・ヴァージョンで歌われたのは特筆すべきだ。
アカペラ的なバラードで歌われるようになって久しいが、
オリジナル・アレンジで聴きたいと思っていたファンは少なくないと思う。
しかもバックは花田+池畑+井上であったからして、視覚的にも最高の場面になっていた。

終盤、楽しみにしていた仲井戸麗市の出演から、前半とは雰囲気が変わる。
凌の " チャボさんが登場すると、それだけで場の空気が豊かになる " という発言がある。
言葉にすれば和やかとか柔らかなどになるのだろうか。
この日もチャボがステージに現れ、全メンバーをもれなく笑顔でいつもの指さし挨拶。
そして " 凌、おめでとう。やっと大人になったなぁ " と声を発すると会場全体に色がつく。
まさに場の空気が豊かになる…を体感できる瞬間だった。

ゲスト出演のチャボのギターとしては最高の部類だったことも挙げておきたい。
その場任せのアドリヴではなく、
" このギターを弾くぜ " という確かな意思を感じるプレイだった。
凌とセッションしたのは「Dear my soulmate」。
タイトルからも今や二人のテーマソングと言えるだろう。
持ち歌としてはRCサクセションの「いい事ばかりはありゃしない」を演奏したのだが、
藤井一彦と伊東ミキオにもヴォーカルをとらせる。
こうした凌のバンドにもスポットをあてるのが実にチャボらしいところである。

この後の鮎川誠、柴山俊之はライヴのクライマックス的なパートであり、
凌が二人と演った「ロックンロールの真っ最中」は集大成的なシーンだったと思う。

それにしても、チャボがどちらかと言うと目に見えないもので色をつける代表的な人だとしたら、
柴山さんは衣装と髪の色、化粧など、存在そのもので色をつける代表だ。
豊かさや柔らかさ、そしてやばさと危なさ。
好対照な二人がこうしたロックの素晴らしい両面をあらためて知らしめてくれたと思う。
柴山俊之と仲井戸麗市。
いつか、ガチな二人のセッションも体験してみたいなぁ。

     **********

   70~80年代はシーナ&ロケッツとARBでお互いぶっ飛ばし
   90年代、21世紀と生き延びて、俺も凌も60になってもロックしてるのが最高

こうMCした直後に鮎川誠は「ホラ吹きイナズマ」のイントロを弾いた。
あの夜は、このシーンに尽きる気がしている。
4時間のあいだ、心に残り、目に焼きついたシーンは数多くあったけれど、
この鮎川さんのMCからの「ホラ吹きイナズマ」の場面は、
音楽…ロックの素晴らしさを象徴していた気がする。

音楽を楽しむ…という凌の想いが出演者にも引き継がれ、
もちろん客席にもそれが伝わった夜だったはずだ。
そして僕は、ロックン・ロールしてきた人たちから再び、あらためて、
そして新しき素晴らしき音楽を教えてもらった夜でもあった。

     **********

最高級のロック…音楽でお腹がいっぱいになった。
名場面の連続に感動、感激、興奮の4時間。
凌の音楽を好きで本当に良かった。
60歳の誕生日おめでとう!
素敵なバースデー・ライヴをありがとう!

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ARABAKI ROCK FEST.16(その2) 2016.4.29~4.30

2010年に足を運んだARABAKI ROCK FEST。
以降はほとんど毎年の参加なので、今では年中行事になった感があります。
その年によって感じることは様々でしたが、
僕が今回のARABAKI2日間を過ごして思ったのは、
あの場には「今」があって「過去」があり、
そして「これまで」を感じ「これから」に思いをはせたということです。

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「これまで」の事実と重さからの「これから」への期待感。
言葉通り「これから」の人はもちろんですが、
音楽をやり続けてきた人たちの「これから」は、
「これまで」があったうえでの「これから」です。
さらに、その人自身の「これまで」と「これから」があり、
音楽シーンとしての「これまで」と「これから」があり、
それを聴く僕自身の「これまで」と「これから」があります。

これらの「これから」がどんなものになるのか…。
僕のアタマに浮かんだのはポジティヴなものでしかなく、
天候に反して、ある種の清々しさを感じることになった2日間でした。

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ARABAKI後に、HEATWAVE、山口洋のROCK 'N' ROLL DIARYを読みました。

  普段後ろを振り返らない連中の、年に一度の元気を確かめる場所でもあるのかも

記されていたこの文章が、自分が感じたことを別の言葉で肯定してくれたように感じました。
ARABAKI ROCK FEST。
「これから」も、足を運びたいと思っています。

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★4/29(金)
・怒髪天アコースティックサービス
・LAUGHIN'NOSE
・Nothing's Carved In Stone
・THE King ALL STARS
・麗蘭

★4/30(土)
・清水ミチコ
・HEATWAVE × Rei
・真心ブラザーズ
・大宮エリー × 塚本功
・大森靖子
・ソウル・フラワー・ユニオン
・SION & The Cat Scratch Combo
・BRAHMAN「THE COVER」

風街レジェンド2015 国際フォーラム 2015.8.21~8.22

松本隆の作詞家活動45周年を記念しての公演は、
2日間、それぞれ3時間半超えの長丁場となりました。
松本隆だからこそ実現したものでしょうが、実際に体験してみて、
そのあまりにものテーマの大きさに気づくことになります。
観に行ったお客さんがどこにポイントを置くか。
これが肝であったと思います。

演目についてはお客さんの数だけの素敵な感想があると思いますが、
ひとつのコンサートとしてとらえたら、逆にマイナスな点にこそ、
目や意識が向いてしまうのではないかとも同時に思います。

僕は演奏のクオリティよりも、個人的な思いや想いに重点を置いていました。
そもそも、この企画はそういうものだという気持ちで初めから臨んでいますから、
あの曲が聴ける…といった、無邪気な楽しみや期待を持っていました。
クオリティ云々は横に…と言っても、風街バンドのメンバーを見れば保障されていますから、
そこはよい意味で考えていなかったというのが正しいです。

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はっぴいえんど、大瀧詠一追悼、出演者の誰か、思い入れのある曲…。
これらのどこにポイントを置いても、コンサートは楽しめたと思います。
僕は、はっぴいえんどの、所謂 " 伝説 " 的なものには思い入れがありません。
これまで単にひとつの音楽として接してきたので、
ステージ上の3人の立ち姿や、佐野元春が加わっての「はいからはくち」は楽しめました。
歌うと思っていなかった原田真二の「タイム・トラベル」は、大好きな曲だけに感激。
石川ひとみの「三枚の写真」は、終盤の太田裕美「さらばシベリア鉄道」と共に、
切なさ全開の名曲度に唸らされました。
イモ欽トリオの「ハイスクール・ララバイ」は懐かしくて笑顔になったし、
「赤道小町ドキッ」1曲だけでしたが、山下久美子を観られたのは、
ドラムに山木秀夫がいるからグッと度がアップしましたし…と、前半だけでも満腹感。

中盤は何と言ってもナイアガラトライアングルvol.2の「A面で恋をして」です。
この曲を聴いている間、僕のアタマの中には1982年が駆け巡っていました。
素晴らしい年だったな…と思い出に浸っていましたが、これが音楽が持つ素敵な面のひとつです。

鈴木茂の「砂の女」では終盤のギター・ソロを今剛、松原正樹、鈴木茂の3人で廻し、
ここはギターを弾いていた身としては惹きこまれます。実にカッコよかった。

松田聖子が出るならば、絶対に「ガラスの林檎」と思っていたので、
吉田美奈子がこの曲を歌うと紹介したときは興奮しました…が、
そこで展開されたのは、オリジナルとはまったく違ったアレンジでした。
凄かったです。純粋にカッコイイと思いました。
しかし、この場で、このコンサートで歌う松田聖子曲としては疑問です。
本当にあれでよかったのだろうか…の思いは今もアタマの中にあります。

こういった、あれはよかったが、これはダメだった的な感想は、
きっとお客さんの数だけ存在するでしょう。
しかし、そうなることは、素晴らしい仕事をしてきた作詞家松本隆だから当たり前。
そうならないほうがおかしいとさえ感じます。
僕自身も?があったとはいえ、この視点から楽しめることができたのはよかったと思います。
ただし、進行や演出効果については、ミスや間の悪さを感じることが多くて残念。
初日よりも2日目は改善されていましたが、時間を忘れさせてくれるまではいきませんでした。

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パンフを読み、松本作品の曲をチェックして聴き返すなど、
コンサート後も楽しみが増えたことは嬉しいです。
音楽を好きでよかった、音楽があってよかった。
このことをあらためて感じさせてくれたのが、2日間のいちばんの収穫だったかもしれません。

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石橋凌 Neo Retro Music 2015 Zepp Divercity TOKYO 2015.3.20

伊東ミキオのピアノだけで「最果て」を歌い、
そこに藤井一彦が加わった「待合室にて」と続き、
更に渡辺圭一と池畑潤二が登場しての「縁のブルース」から、
最後に梅津和時のフルメンバーによる「乾いた花」。
このウォーミングアップ的、かつ既にハイライト的オープニング。
たった4曲だけで現在の石橋凌バンドの魅力がすべて表現されていたように感じます。

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1月にリリースされたミニ・アルバムに伴うツアー最終日。
MCでは凌なりの強いメッセージもありましたが、
全編を通してPOPでポジティヴな面が中心になった内容で、
その音楽をあのバンドが演奏するわけで、もう何と言ったらよいか…。
余裕をかまし、緩急をつけ、激しく、優しく…という音に惹きこまれ、
感動し、気持ちが高ぶり、心を揺さぶられました。
この、まさにロックをロックとして鳴らすバンドをバックに、
凌は終始気持ちよく歌っていました。
ステージも客席も笑顔に溢れたライヴでした。

新作と前作の曲はまったく違和感なく混ざりあい、
そこにカヴァーとARBの曲がスパイス的にちりばめられたメニュー。
音楽活動再開後の曲がARB時代の代表曲よりも力強いのが印象的で、
それは今のバンドとのタッグが完璧な証拠です。
ARBナンバーも生まれ変わって提示されるわけで、
懐かしいというよりも、新しい曲として聴ける喜びが勝ります。

僕自身、笑顔で楽しくよい気分で聴いていたのですが、
中盤に差し掛かるという頃でしょうか、「Heavy Days」が演奏されました。
歌っていた凌が、ふいに客席にマイクを向けました。
昔からお馴染みの光景ですし、僕も慣れていたはずですし、
この曲の、あの箇所だったのも珍しいものではなかったはずです。
しかし、そのフレーズ…♪ Oh Heavy Days を声に出した瞬間、
心が反応し、目と鼻の奥が反応しました。
涙…。
これを人に伝えるために言葉や文章で説明することはできないのですが、
自分の中ではハッキリと認識できる感情です。
そして、音楽でしか体験できない素敵なものでもあります。
この瞬間だけで、このライヴに来てよかったと心から思いました。

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アンコール。
最初は目に入りませんでしたが、
途中でふと、凌の後ろのマーシャルのアンプに気づきました。
すぐにピンときました。
その後に展開された鮎川誠とのロックン・ロール3連発。
「Johnny B.Goode」「Stand By Me」「Got My Mojo Working」。
ここは泣けました。
凌が亡くなったシーナにふれた後に紹介されて登場した鮎川さん。
その鮎川さん自身のMCも切なくなりましたが、
" 凌がロックン・ロールで元気にやろうと呼んでくれた " と聴いた瞬間、
再び心が大きく反応しました。
涙が出てきたのはシーナのことでの悲しみではありません。
音楽とロックの素晴らしさに泣けたのだと思います。
ステージの上では7人のミュージシャンがロックン・ロールしているだけですが、
その姿がとてもきれいに…美しく感じられました。
音楽は素晴らしい、ロックは素晴らしいということをあらためて確信できました。

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あぁ、音楽を好きでよかったなぁ。
音楽があって本当によかったなぁ。
凌、ありがとう。
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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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