Town Girl Blue / 浜田真理子 -2017-

新曲。
洋楽のカヴァー。
既発曲。
インストゥルメンタル。

これが「いまの私よ」という宣言に聴こえる冒頭の4曲。

  " 久保田麻琴が全編プロデュースしたDown to Earthな名盤誕生 "

この堂々としたコピーが眩しい『Town Girl Blue』は、
これまでのハマダマリコであり、
これまでにはないハマダマリコであり、
これからのハマダマリコである。

著者 :
ヴィヴィド・サウンド
発売日 : 2017-02-14

ライターの和田靜香さんが書いた素晴らしい解説があるが、
そこから真理子さんの発言を引用する。

  久保田さんのことはやられてきたお仕事含め、実はあまり良く知らなかったから、
  若いときの私なら自分のイメージが変わるかもって遠慮したかもしれないけど、
  もうこの年でしょう?自分がブレないって分かるから。
  それよりどんなことするのかな?という好奇心のがずっと勝ってるのよ。

久保田真琴がプロデュースした作品なのだけれど、
結果としてその久保田さんにプロデュースさせたとも言える作品なのだろう。

再び和田さんの解説から。

  今回はドロドロした感情を沈殿させ、その上澄みのところを歌った感じかな。
  決して真水じゃないのよ。元は泥水でそれをろ過したもの。

この発言は、真理子さんの音楽に出会った当初に、
僕が感じたロック的な格好良さをカタチにしてくれたように思えた。
例えば「爪紅のワルツ」を聴き、僕が直感で連想したのが、
ローリング・ストーンズの「ダンシング・ウィズ・ミスターD」だったり、
1980年のRCサクセションを「ミシン」という曲に昇華させる才能にふれたりしてきたが、
こうした曲の背景にロック的な何かを見て聴いてしまう自分の感性が肯定されたようだった。

それにしても、かっこいい音だ。
例えば映画のサウンドトラックで使われているかのような「Yakumo」。
無国籍だが、決して日本ではない国…街の景色が浮かぶ。
季節も不明だが、おそらく暑い頃だろうか。
青空を思い浮かべながらもカラッとした夕暮れも見えてくる。
何よりもスリリングなメロディとアレンジが素晴らしい。
しかし、この曲で浮かぶ映像は、続く「愛で殺したい」でガラッと変わる。
サウンドは引き継がれながらも一気に昭和の日本へ。
まさに面目躍如だが、いつものピアノの弾き語りではないから、
やはり新しいハマダマリコである。
「Yakumo」が終わり、一瞬の間があいて「愛を殺したい」が始まる瞬間。
身体に電気が走る。
まるでメドレーのようなこの2曲の流れを聴くたびに僕はゾクゾクしている。

リズム隊にのって生きいきと歌うカヴァー。
美しくも不適、かつ映像が浮かぶインストゥルメンタル。
現在のイメージを超えたこうした要素を含め、
久保田さんがこだわりのアナログ録音で盤に刻み込んだ2017年最新型の浜田真理子。
素晴らしい。
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Live. La solitude / 浜田真理子 -2014-

5月のツアー会場で、そして美音堂サイトでの通販でと先行発売はありましたが、
この6月末に、晴れて正式にリリースされました。

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Live. La solitude

ディスクをCDプレーヤーにセットしてスタート・ボタンを押すと、
聴こえてきたのはピアノでも拍手でもなく、
ステージに向かう真理子さんの足音でした。
まずはこのオープニングに興奮しますが、その後の拍手と、
少しもったいぶったイントロから歌いだされる冒頭の歌詞が、
" 早く抱いて うまく抱いて " です。
まさに浜田真理子、9年ぶりのライヴ盤として実に相応しい幕開けです。

1曲目の「早く抱いて」が終わると、聴こえてくるはずの拍手がありません。
おや?…と思いながら聴き続けると、曲間の拍手はすべて編集で消されていました。
拍手が収録されているのはオープニングとエンディングのみ。
しかし、ライヴ盤でありながらのこの編集には制作サイドの強い意志を感じます。
ここで思い出すのが、アルバムの先行発売ライヴ・ツアーのコンセプトです。
以下、抜粋。

 テーマは「ひとり」
 ピアノ弾き語りによるひとり演奏、ひとり歌、「個」、「孤」の歌物語
 聴く人もひとりで物語に浸り、ひとりを堪能し、会場全体で「ひとり」を共有して欲しい

見事にこの内容が反映されたライヴ盤ではないでしょうか。
曲が終わるごとに訪れる静寂が、
まさに「個」と「孤」を表現しているのだな…と感じます。
『Live. La solitude』は、ライヴの再現や記録としてではなく、
当日の音源を使って、改めて " ひとり " というコンセプトを、
作品として提示してくれた素晴らしいライヴ・アルバムなのだと思います。

いきなりの「早く抱いて」と「りんごのひとりごと」の緊張感。
カヴァーが中心なのも、独特のこんな雰囲気を生んでいる要因です。
オリジナルの「Love You Long」でホッとしますが、そんな気分はここだけ。
あとはラストまで「個」と「孤」が繰り返され、
「ひとり」で「ひとり」を堪能し、「ひとり」に浸されます。

最後の " どうもありがとうございました " の挨拶と拍手。
ここにきてやっと「ひとり」から解放されますが、
アルバムを聴いているあいだにこれだけ自分の中に、
そして自分の内に気持ちよくおりていける作品には、
なかなか…そうそう…簡単には出会えないように思いました。

実際のライヴでは収録された以外にも歌われた曲があり、
特に「満月の夕」が未収録なのは残念に思っていましたが、
こうして聴くと、構成はこれしかないという流れになっています。
特に中盤の「Hallelujah」からインストの「予感」、
そして「夕凪のとき」と続くあたりの、
前半と後半をつなぐ流れもコントラストも見事です。
スピーカーの前で歌とピアノに酔うしかありません。
手垢にまみれたスタンダードであるはずの「愛の讃歌」の美しさも白眉です。

真理子さん自身によるライナー(必読!)でも書かれているように、
カヴァーは曲を分解して組み立て直すということですが、
曲を構成する様々な要素の核を取り出したうえで、それを行うのだと思います。
そうでなければあの純度の高いカヴァーは生まれないでしょう。
彼女のオリジナリティが存分に活かされた素晴らしいカヴァーを聴くと、
名曲は誰が歌っても名曲になるとは限らないのだな…という、
逆説的なことを思い知らされます。

アルバムを締めくくるのは、オープニングと対をなす、
ステージを後にする真理子さんの足音です。
その去っていき方の何という臨場感。
そしてカッコよさ!
足音をカッコイイと思ったのは、生まれて初めてかもしれません。

今年、僕にとってこのアルバムを超える作品がリリースされることはないでしょう。
これは浜田真理子が新譜を出す年に、毎回必ず思うことです。

But Beautiful / 浜田真理子 -2013-

浜田真理子、4年ぶりになる5枚目のオリジナル・アルバムが発売された。
タイトルは『But Beautiful』。
その名の通り、何もかもが美しいアルバムであり、どこまでも美しい音楽である。


CDとして作品化されたものよりも先に、新作発売記念ライヴで全曲を聴いた。
ライヴではアルバムの全曲を、しかもその収録順に歌ってくれたわけだが、
当然ライヴはピアノの弾き語りになる。
はたして…いつものハマダマリコ的な世界が展開されたわけだが、
何てったって新曲であるからして、受けた印象はこれまでとは同じようで違う。
いきなり冒頭から ♪ あなたには顔がない わたしには声がない…である。
ただし、この一節から僕自身が感じる強烈な違和感こそが浜田真理子の魅力だ。
直前の自分がどんな精神状態であっても、彼女の歌とピアノが空気を震わせた瞬間、
一気にハマダワールドへ引き込まれてしまう。
いつ、どんなライヴであってもそれは変わらない。
ライヴで歌われた新曲を聴いた結果、アルバムに触れる前から、
少なくとも僕にとってのそれは大傑作と確信することになった。

新作について事前にわかっていた情報は、弾き語りのソロ録音ではなくアンサンブル。
3rdアルバム『夜も昼も』での最小限アンサンブル・スタイルを踏襲しながらも、
新しい形に挑戦…ということだった。
彼女自身のブログではレコーディングの様子が綴られていた
これを読んだときは本当に驚いたが、その音がまったく想像できないながらも、
もちろん期待に胸とココロをを大きく膨らませていた。

オープニングの「森へ行きましょう」がいきなり凄い。
これからこの曲を聴くたびに何が歌われているのかを考えることになるだろう。

続く「ミシン」がこれまた凄い。
事前情報から想像していたピアノの弾き語りにストリングスの味付け…とはまったく違う、
曲の本質を浮かび上がらせる素晴らしいアレンジだ。

「遠い場所から」には無駄な音がひとつもない。
一音も付け足す必要ははなく、一音でも欠かすことはできない。

ハマダマリコ節が炸裂した「ためいき小唄」。
こういったメロディを歌わせたら右に出るものはいないだろう。
♪ ためいきためいきためいきためいき…のリフレインが美しい。

ライヴでは個人的白眉だった「花散らしの雨」。
語って歌い、歌って語るというシャンソンを意識したスタイルとのことだ。
あまりにもライヴがカッコ良かったので、
スタジオ・ヴァージョンはライヴに比べて物足りなさを感じてしまったが、
聴いていくうちにそんな気持ちは解消していった。
それでも、やはりライヴでこそ聴きたい曲だ。

たき火をしているように…なレコーディングだったという「ちょっとひとこと」は、
参加した各メンバーの出す音が主張することなく目立ちながら浜田真理子している。

ライヴで聴く透き通った美しさがそのままパックされた「はためいて」。

ファンにはお馴染みの名曲でやっとCD化された「骨董屋」。
こうして冷静に聴くと、そのストーリーを知っていてもあらためて引き込まれる。

「Good Bye, Love」は、
ライヴのMCで知ることになった愉快なレコーディングのエピソードのおかげで、
あるシーンが目に浮かび笑ってしまうのだが、もちろんそんな風に聴く曲ではない。
歌詞を読めばわかってもらえるだろうと思う。

メロトロンがあまりにも美しい「啓示」。
こうしたある種の宗教的にも取れるテーマは珍しいというか、
これまではなかったのではないか。短いながらも大きな作品だ。

「あなたなしで」は、
収録曲の中ではいちばんのハマダマリコ的王道のラヴ・ソング。

アルバムを締めくくるのは「四十雀」の続編であろうか…という「五十雀」。
とても短い曲だが、残る余韻の深さは底なしだ。
そして、何よりもポジティヴに終わるのが素晴らしい。

あぁ、結局は全曲に触れてしまった…。

発売記念ライヴを渋谷のクアトロで観たその夜、
真夜中にそっとこのCDを聴いた。
想像していた以上に驚きの音だったけれど、間違いなくハマダマリコの世界。
収録曲すべてが素晴らしかった。
ふるえて、わらえて、なけてくる。
But Beautiful。
僕にとって美しいと呼べるのはこういう音楽を指す。

あなたの心に / 浜田真理子 -2012-

オフィシャル・サイトから引用。

 浜田真理子 初のカバーアルバム。
 「青葉城恋唄」「夜明けのうた」をはじめ珠玉の名曲をカバー。
 ライブではすでにお馴染みの曲もありますが、本作では10曲中8曲をピアノ弾き語りではなく、
 ギター、ベース、パーカッション、ストリングスなどを取り入れ、流麗なアレンジで仕上げた、
 歌手・浜田真理子の魅力を伝える『The other side of mariko』とも呼べる作品になりました。
 ジャケット・イラストレーションはsakanaの西脇一弘氏。

制作過程については、真理子さんのブログで簡単にふれられているので、
そちらを参考に。→ 春待ち

オリジナルではなくカヴァー・アルバム。
カヴァー自体はライヴでも定番なので何の問題も無いけれど、
最大のポイントはピアノの弾き語りではない作品ということだろう。
それをどう捉えるか…だが、僕は期待のほうが大きかった。
最初に接した彼女のアルバムが 『夜も昼も』 だったこともあるのかもしれない。
ピアノ以外の楽器が入ることに何の違和感もない。

早速、通販で手に入れて聴いた。

オリジナルは1曲も無いけれど、ライヴでお馴染みの曲、
そして 『おみあいCD』 に収録されていた曲もあるので普通に入っていける。
肝心のバンド・サウンドは…これがとても心地よい。
各々が決して主張するような音ではないが、
彼女のうたをうまく活かしたアレンジであり、
切ない曲も、明るい曲も、実に聴かせてくれる。

こうした音をバックにした浜田真理子のヴォーカルは、
当然いつものようでいつものようでは無い。
でも、それは聴く側の耳が慣れていないだけであり、何度か聴くにつれ、
まったく違和感なく馴染むようになった。
それどころか、彼女にとっては新機軸なのだろうけれど、
これまでもこうしたサウンドで作品が発表されていたかのように聴こえたりする。

「青葉城恋唄」は、この曲を好きか嫌いかは別にして、
知らない人はいないであろう有名な曲だけれど、これが絶品だ。
僕が常々思うのが、こうした誰もが知っている曲のハマダ的解釈だ。
有名曲であればあるほど、彼女の個性がそこに出る。
洋楽、邦楽問わず、オリジナル曲に近いカヴァーになることが素晴らしい。
松山千春の「これ以上」はライヴで聴いた時もいいなと思ったが、
こうしてスタジオ録音の作品として聴くのもいい。
ギターとピアノだけで歌われるが、いつもの浜田真理子とは違う。そこがいい。
ファンにはお馴染みの名曲「水の都に雨が降る」。
これは問題作かも…というのは大袈裟だろうけれど、
思い入れが強いファンを多く持つ曲だと思うので、そんな風に感じた。
僕は…良かった。いいヴァージョンだ。
まぁ曲自体が素晴らしいので、どんなアレンジでも受け止められるからだろう。
タイトル曲である「あなたの心に」。
こういった軽快なのに切ないという曲は大好きだ。泣きたくなってくる。
友川かずきの「祭りの花を買いに行く」は、イントロから渋いフレーズがカッコイイが、
ヴォーカルが入った途端、ハマダ・ワールドになるのが快感だ。
以上がアルバムのA面(笑)になる。

B面1曲目の「赤い花白い花」と3曲目の「聞かせてよ愛の言葉を」は、
いつものピアノ弾き語りの浜田真理子スタイルなので、安心して聴ける。
ただ、このアルバムでは良い意味で浮いているので、
だからこそ、彼女の弾き語りの魅力をあらためて感じることができる。
4枚目のオリジナル・アルバム 『うたかた』 に収録されている「哀しみのソレアード」。
どうしてここでも取り上げたのだろうか。
ある時期の中島みゆき的なアレンジで、僕はお気に入りだけれど。
「街の灯り」にまつわるエピソードは熱心なファンには知られているだろう。
こんな想いのやりとりがあるから、僕は音楽を聴くのだと思う。
アルバムを締めくくるのは「夜明けのうた」。
希望のうた、だ。素晴らしい。

これは単なる企画アルバムではない。
いきなり傑作が届けられた。
今の浜田真理子がここにいる。

浜田真理子を知っていますか?

今年、2010年の初夏に行なわれた浜田真理子の東北ツアーに伴い、
ミュージックギルドの担当者が、プロモーションとして 『おみあいCD』 という、
何と未発表ライヴ音源のCDを東北限定、しかも Take Free! で配布した。

 " 彼女は世の中にもっと知られるべきアーティストである "
 " 彼女の音楽を沢山のみなさんに知ってもらいたい "

このような担当者の強い想いで、
おみあい写真ならぬ 、おみあいCDを制作したということだった。

僕自身、東北ツアー初日の盛岡公演を観たのだが、
もちろんこのCDの存在もツアー前にキャッチしていた。
※参考までに、こんなブログ記事がある

ただ、入手経路が無い。
まさかCDをもらいにだけ東北まで行くわけにもいかず、
どうしたものか…と思っていたが、
盛岡に関する情報を集めていたときに、
某所でこのCDをプレゼントするという企画を発見!
ダメもとで申し込んでみたら見事に当選…というか、送って頂けた。

 この企画は会員向けとしてのものであり、会員以外はもちろん、
 まさか県外からの応募があることは想定していませんでした…

という内容のご丁寧な手紙が同封されていた。
どうやら、何も考えずに応募してしまった僕であるが、
担当の方には感謝の気持ちでいっぱいで、とにかく感激だった。

CIMG8037.jpg CIMG8038.jpg CIMG8040.jpg

ご覧のように、ジャケット(?)も良い。
ジャケ裏には彼女のアルバムのディスコグラフィ。
東北ツアーのスケジュールも入っていた。
僕のはもちろん盛岡ヴァージョン。
おそらくライヴを開催した場所の数だけのヴァージョンがあるのだろう。

そして、肝心のCDを実際に聴いたのだが、
これがまた、とんでもなく素晴らしいものだったのである。

続きを読む

デコレの子守唄

" blueさんはこの本はご存じでしょうか? 付属のCDがとてもいいですよ " と、
昨年末に、浜田真理子ファンの方からメールで、ある絵本をご紹介頂いた。

デコレ村は、その盛り上がり当時に一応チェックは済ませていたつもりだったが、これは迂闊!
まったくのスルーだった。
2008年の5月に発売されていたらしい。

帯のコピーにはこうある。

  『デコレ村』 からちょっぴり泣ける物語と音楽(CD)をお届けします。

問題の付属CDは全5曲。 唄と演奏はデコレ村のブゥ博士。そう、浜田真理子である。
タイトル通り、子守唄というテーマで統一されているのだろうが、この収録曲が凄い。

「ブラームスの子守唄」
「竹田の子守唄」
「Summer Time」
「Hush A Bye」
「アザミ嬢のララバイ」

ご覧の通り、ブゥ博士の弾き語りを想像しただけで…という名曲が並んでいる。
確かこのうち2~3曲がMySpaceで試聴できたと記憶しているが、
それでも、ファンならばそれぞれをフルで聴いてみたいと思うだろう。

CIMG7743.jpg

もちろん僕も早速入手した。

「竹田の子守唄」は 『太陽に歌って』 に収録されていたライヴ・ヴァージョンかなぁ?
「アザミ嬢のララバイ」は、 『元気ですか』 に収録された「世情」とのメドレーとは違うのかなぁ?

オムニバス,奈歩,岩崎宏美,Bank Band,小谷美紗子Trio+100s,徳永英明,坂本冬美,槇原敬之,小泉今日子 with GOTH-TRAD,浜田真理子,福山雅治 FUKUYAMA ENGINEERING GOLDEN OLDIES CLUB BAND
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
発売日:2006-06-14

CDを手に取り、こんなことを思いながらプレーヤーにセット。
流れてきたのは、本当に浜田真理子の声とピアノだった。

結論としては、僕の知る限り、この5曲はここでしか聴けないはずだ。
「ブラームスの子守唄」は1分間の美しすぎる ラララ~♪ だし、
「竹田の子守唄」はスタジオ録音で、既発とはまったくの別ヴァージョンだったし、
「Summer Time」と「Hush A Bye」は実に彼女らしい仕上がりで、これぞハマダ・カヴァーの真骨頂だし、
「アザミ嬢のララバイ」は「世情」とのメドレーではなく、単独曲としてのカヴァーだった。

当然、歌とピアノは素晴らしい。
言うことは、無い。
それにしても、ブラームスと中島みゆきを一緒にしてもまったく違和感を感じない。
浜田真理子…いや、ブゥ博士、恐るべし!

しかし、こんな作品がシークレットなんて、もったいないなぁ。

うたかた / 浜田真理子 -2009-

本当ならばレコ発ライヴ前に取り上げたかったのだが、順番が逆になってしまった。

浜田真理子、三年ぶりのオリジナル4thアルバム 『うたかた』 。
僕は一足早く大阪のライヴ会場で手に入れた
その日から聴かない日は一日たりとも無い。

浜田真理子
美音堂
発売日:2009-12-21

彼女がこれまで書き溜めていた曲を一気にレコーディングしたこのアルバムは、
僕が聴いた、今年発表になった洋邦の新作オリジナル・アルバムの中でもダントツのBEST1だ。
収録曲のほとんどがライヴで既に歌われていたが、まったく新しい気持ちで聴くことができるし、
実際に飛び出してくる音も最新の浜田真理子の音楽であり、待っただけある傑作だ。

ひらがなが似合うその歌詞も、これ以上シンプルになりようの無い言葉で綴られている。
まさにシンプル・ラヴ・ソング。

ノグチアツシのアコースティック・ギターをバックに歌われる「みちくさ」が素晴らしい。
レコ発ライヴではピアノで弾き語られていたが、
作品化にあたってはギターにして大正解だったと思う。
物悲しい響きはアコギならではだし、
ここにあのヴォーカルが乗ればオンリー・ワンとなる。
これこそがハマダ・ミュージックの魅力!

タイトル曲の「うたかた」ではウーリッツァーのエレピが使われており、
歌詞に出てくる " 深い海の底 " という雰囲気にバッチリとはまっている。
「アンダンテ」では、そのウーリッツァーとアコギのアンサンブルが心地よく響く。
この楽器は彼女の歌にピッタリだと思う。今後も効果的に使用して欲しい。

個人的に印象に残るのは、曲のイントロの素晴らしさ、美しさだ。
「ひそやかなうた」のイマジン風には思わずニヤリだし、
「愛の風」「みちくさ」「めぐりあい」「アンダンテ」「Treasure」など、
一度聴いたら耳に残る美しいフレーズが本当に素晴らしい。

ところで、彼女自身はこのアルバムについてこんな風なことを語っている。

  書きためていた曲が形になって、やっとこれで前に進めるなと思った。
  曲のストックがゼロになってしまうことの不安もあって、ミニアルバムにしようかと思っていたが、
  からっぽになった自分や、そこから生まれる歌にも興味を持ち、結局は全部出した。

僕はこれを読んで、過去に良く似たことがあったのを思い出した。
それはRCサクセションが休止した後に、麗蘭に向かった仲井戸麗市だ。
あのときのチャボも、書き溜めていた曲を一気に麗蘭を通して発表した。
その結果はここに書くまでも無いだろう。

自分の中にあるものを一気に吐き出すと言うのは、
きっと物凄い快感であり喜びであり充実感なんだろう。
発表される作品にそんな作者の思いや気持ちが込められるわけだから、
傑作が生まれることは、もう必然なのではないかと思う。

新作が出たばかりだが、からっぽになった彼女が次に歌うのはいったいどんな歌なのか。
早くも楽しみで仕方が無い。

新作 『うたかた』 遂に発売!

今年の4月。
名古屋のライヴで、彼女から " ミニ・アルバムの制作予定がある " というMCがあった。
この、突然の新作についての知らせは本当に嬉しかったのだが、
実際にそのレコーディングの様子が本人のブログにアップされた際、
何とミニからフル・アルバムに変更ということが書いてあり、僕の期待は倍増した。

  3年ぶりとなるスタジオ盤。
  本作は弾き語り中心のセルフ・プロデュース。
  ノンコンセプトでこの3年間、ライブで発表してきた新曲を一気に録音。
  録音エンジニアは前作同様にZAK。

これは、オフィシャル・サイトで発表された内容の抜粋である。

発表される新作をココロから待望するということは、
悲しいかな昔に比べればその数は少なくなっている。
これがオリジナル・アルバムを聴き続けているバンドやアーティスト以外のものとなると、
その数は更に激減する。

しかし、遂に浜田真理子の新作 『うたかた』 が出るのだ!
ちなみに、この " ! " は、本当に心からの本心でつけている。
こんな気持ちで待つ新作は、最近では記憶に無い。

僕はファン歴がまだ浅いので、彼女の作品はすべて後追いで聴いたのだが、
発表されている作品すべてにぶっ飛んだ。
個人的にも、彼女はRCサクセションとの出会いに匹敵するくらいのインパクトであり、
その音楽は、今の生活には欠かすことが出来ないものとなっている。

新作は、ノンコンセプトというコンセプトでレコーディングされた全13曲。
ということは、まさに純粋に " 彼女の今 " の音楽を聴くことができるだろう。

12月21日の発売に向け、オフィシャル・ブログにて、何とフル試聴が開始された。
本日、12月1日より、毎週5曲ずつ試聴できるそうだ。

もし、彼女の音楽に少しでも興味を持ったならば、是非、耳を傾けてみて欲しいと思います。

NHKドラマスペシャル「白洲次郎」オリジナル・サウンドトラック -2009-

かつて渋谷陽一がBLANKEY JET CITYのアルバム・レヴューでこう書いていた。

  ライヴで歌われていた「ディズニーランドへ」が収められている
  これ一曲のために金を払ってもいい名曲である

ただ、僕にとってこの92年に発表された2ndアルバム 『BANG!』 は、
他の収録曲もすべて金を払ってもいい名曲であったけれど。

さて、いきなりBJCについて触れたが、本題はまったく違う。
最近、実際に " これ一曲のために金を払ってもいい " と思って買ったCDがある。
それが 『NHKドラマスペシャル「白洲次郎」オリジナル・サウンドトラック』 だ。

TVサントラ,カヒミ・カリィ,フレッド・フリス,ローレン・ニュートン
EMIミュージックジャパン
発売日:2009-05-20

白洲次郎がどのような人物だったのかはそこそこ知っているが、
特に興味を持っているということでも無かったので、肝心のドラマを僕は観ていない。
ただ、ドラマに使用される音楽はそうでは無かった。
その理由は、浜田真理子が歌う「しゃれこうべと大砲」が挿入歌として使われていたからだ。

マイ・ラスト・ソングというライヴで「海ゆかば」を歌うことになった浜田真理子が、
その曲の音源をチェックしていたところ森繁久彌が軍歌を歌っているアルバムに出会い、
そこに収録されていた「しゃれこうべと大砲」を気に入った…という経緯があったようだ。

この曲、僕は既にライヴで何度か体験済みだが、聴けば聴くほど感動的なものになっている。
彼女の歌は、歌い込むほどに透明度が増していく…が僕の感じていることなのだが、
この透明度というところは、美しさに置き換えてもオッケーだ。
いや、透明度よりも美しさと言ったほうがわかりやすいかもしれないな。
だから、最初にこの「しゃれこうべと大砲」を横浜のライヴで聴いたときに比べ、
約1年後の世田谷文学館のミニ・ライヴで聴いたときのとんでもなさは、本当にとんでもなかった。

このサントラに収録されたヴァージョンもまったく期待を裏切らない。
いや、それどころか、期待以上に心に沁み入る出来となっている。
これ一曲のために金を払っても…いや、実際にこれ一曲のために、僕は金を払った。

ライナーによれば、NHKサイドは当初、
浜田真理子には1stアルバムに収録されている「アメリカ」を打診していたそうだ。
しかし彼女はある理由でそれを断り、この曲に変えたという。
詳細は省くが、この話を知って聴くと、また味わいが違ってくる、感動的なエピソードである。

浜田ヴァージョンの「しゃれこうべと大砲」は、
間奏で「結婚行進曲(ワグナー)」のフレーズが弾かれ、
エンディングでは「ハレルヤ」の一節が歌われている。
これは彼女の意思なのか、それとも、もとになるヴァージョンがあるのかは不明。
ただ、これにより深みが感じられ、素晴らしい効果をあげていることは間違いない。

mariko / 浜田真理子 -1998-

浜田真理子の1stアルバムである『mariko』は、
1998年に島根の地元レーベルであるPLANKTONEからリリースされていたらしい。

  当時はわずか500枚のプレス
  これが東京の一部のマスコミに取り上げられて完売
  再プレスされるまで音楽ファンのあいだで伝説化されていた…

これが『mariko』について公式バイオに記された内容だ。
現在入手できるのは、2002年に再発されたCDのようであるが、
例えばオリジナル盤はプレミアがついていたりするのだろうか?


浜田真理子(2002-06-30)
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この『mariko』だが、『あなたへ』『夜も昼も』に比べると、
ほとんどが英語で歌われているため、かなり渋い作品となっている。
それでも収録曲すべてが僕にとっては名曲である。
当時に出会うことが無かった作品だが、
伝説と呼ばれたというのは決して大袈裟ではないと思う。

ピアノもヴォーカルも当時から素晴らしいのだけれど、とにかく詞が素敵。
英語の歌詞にはすべて訳詞がついているので、その魅力がすべてわかる。

オープニングの「THE CROW」。

  からすは私のギターと歌が好きだと言った
  からすは黒いものが好きだから
  私とからすは黒い音で一緒に歌う    ※「THE CROW」から引用

初めて聴く前に、この訳詞を読んだだけで傑作だと思ったし、
音として聴いた結果、それはまったく間違いでは無かった。
名曲。

「Song never sung」も凄い。
アカペラで歌われた後に聴こえてくる感動的なピアノ。
アメリカのシンガーソング・ライターの代表作品にこの曲が混じったとしても、
おそらく名曲として挙げられるであろうと確信する。

収録曲中で日本語で歌われるのは二曲。
そのうちの「のこされし者のうた」は現在の作品にも通じるようなバラードで、
特に強く印象に残る。

さて、この『mariko』がリリースされた98年から今年で10周年となる。
それを記念したツアーがこの春から行われる。
タイトルはズバリ “ mariko plays 『mariko』 TOUR 2008 ” 。
1stに収録された全曲の演奏に、新曲やカヴァーを加えたメニューになるそうだ。
想像しただけで聴き応え抜群なライヴになることが目に見えている。
楽しみだ。
Profile

Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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