忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日比谷野外大音楽堂 Love&Peace FINAL 2019.5.4.

仲井戸麗市と三宅伸治、そして梅津和時での「多摩蘭坂」で締めくくられた、
4時間弱にわたるロックン・ロール・ショー。

  清志郎の戦友、梅津和時
  RCが止まったあとに清志郎を支えた、三宅伸治

本編から印象的なMCをしていたチャボは、二人をこう紹介した。
もちろん清志郎の友人として、片山広明を始め、石田長生、藤井裕、シーナと、
この場にいるはずの逝ってしまった友人達のことも忘れず紹介する。
さらに、今夜を清志郎ファミリーへ捧げると言っての優しい呼びかけ。

  清志郎が愛したファミリー タッペイ、モモちゃん、ケイコ!
  お父さん、凄いな!

そして…。

  この10年間、いろいろと紆余曲折あったけど、
  清志郎のために10年間、こいつが頑張って続けました
  紹介するよ 蔦岡晃! 蔦岡! 顔出せ!

乱暴な中に深い優しさが伺える、実にチャボらしいねぎらいの言葉。

  KING! GOD! 夢助!
  本当の神様! 忌野清志郎!

それに応えた蔦岡さんが清志郎の名を呼び、コンサートは終わった。

このラスト・シーンがこの夜の、
そして10年間の象徴のようで、感動的だった。

     **********

この日のチャボのMCは、間違いなく主役のひとつだった。
演奏と同じくらいか、それ以上に響いてくる瞬間が何度もあった。
本編でも本領が発揮されていた。
自身のパートに出演したゲストに対し、
初めて観る人でも、誰もがその人を理解できるであろう紹介をする。
しかもユーモアを交えながら、しかし実にロック的なフレーズで決めてくれる。
これはお客さんはもちろん、紹介される本人も盛りあがることは確実だ。

ただ、こうしたMCの随所に " そろそろ戻ってこいよ " とか、
" 早く起きろよ " といった清志郎への呼びかけがあったのが切なかった。
全編が楽しく進んだ中で、唯一、
悲しみとやり切れなさを感じられる瞬間だったかもしれない。

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清志郎の音楽史を辿るという今回のプログラム。
ハードフォーク期から80年代KING OF LIVE期。
そしてRC以降のソロ期をゲストの歌で追っていく。

ゲスト一人一曲という公平性はよかったと思う。
" 出演者一人一人が力いっぱい歌っていたよ " と、
矢野顕子が終演後にツイートしていたが、本当にその通りだった。
清志郎という唯一無二のヴォーカリストのトリビュートであるからして、
各々が自分のスタイルを出すことはとても難しいと思うが、
清志郎に対して、清志郎の曲に対して、このコンサートに対して、
ゲストそれぞれのスタンスが垣間見え、結果、個性は出ていた。

シークレット・ゲストの木村拓哉には驚かされたが、
彼の出演を含む、そのゲスト陣の顔ぶれと、
ハードフォーク期からロックン・ロール、R&B、
そしてタイマーズに至るまでの音楽性の広く大きな幅から、
あらためて忌野清志郎の音楽…その凄さと魅力が浮き彫りになっていた。

僕にとっての80年代RCサクセションのように、
ファンにもそれぞれにその人の清志郎が存在する。
しかもその幅がとても広い。
私の清志郎と誰かの清志郎が違うのは当たり前だが、
そこに共有点を見つけることは困難かもしれない。
いや、ハッキリと不可能なのかも…とさえ思う。
しかし、それが忌野清志郎なのである。

だから今回のプログラムは、
どんなファンも自身の思いをぶつけるところがあったであろう、
素晴らしい構成だったと思うのだ。

     **********

僕は80年代のRCで決まってしまった人間なので、
仲井戸麗市のパートがハイライトだった。
Charの「ロックン・ロール・ショー」。
夏木マリの「上を向いて歩こう」。
HARRYの「いい事ばかりはありゃしない」。
宮本浩次の「君が僕を知ってる」。
特にこの流れは変化球無しの直球勝負の選曲だからこそ泣けた。
だってここは日比谷野外大音楽堂である。
野音で聴くRCサクセションは最高だ。

それにしても「上を向いて歩こう」の歌詞にあわせ、
涙がこぼれないように上を向いたら、
それまで重たかった曇天に青空がのぞいてた。
あまりにも出来過ぎだったが、実は開演直前の天気をチェックしたとき、
激しい雨雲がかかっていたのはちょうど国立、国分寺あたりと僕には見え、
もしかしたら清志郎が食い止めてくれているのかも…なんて思っていた。
これに加えて、野音のRCが大きな意味を持ってしまう僕なので、
青空を見たときは本当に感動した。
結果として開演中に雨が降ることは無かった。
これは間違いなく奇跡だったと思う。

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■初期~RCサクセション
竹中直人のおかげで開演前の緊張感がほぐれリラックスできた。
曽我部恵一の『シングル・マン』はいつも圧倒される。
浜崎貴司&高野寛、真心ブラザーズのシングルAB面も嬉しかった。
清水ミチコが笑いを取りながら受け入れられていることに感動する。
これを2010年にやられたら、僕はとても受け入れることはできなかっただろう。
ここに10年という決して短くは無い時間を感じた。
矢野顕子&のんは清志郎を歌ったオリジナル曲「わたしはベイベー」。
この曲は「ひとつだけ」のフレーズが挟まれるアレンジなので、
二人にとってあの場には相応しい選曲だったと思う。

■タイマーズ
宮藤官九郎、増子直純、Leyona、TOSHI-LOWがゼリーを担当した。
メッセージ性ばかりが強調される傾向のバンドだが、
音楽としてのタイマーズの普遍性と楽しさをあらためて。

■80年代RCサクセション
カースケによるあのドラムのイントロから、チャボがリフを鳴らす。
あぁ、もうここはRCサクセションの野音だ。
" 日本の有名なロックン・ロール! " の不滅のフレーズは青空にとけてった。
チャボいわく " この歌は絶対こいつに歌ってほしかった " 。
RCと同じ三多摩、中央線のヴォーカリストが歌う新宿、吉祥寺、この町。
" 片山広明! " というSAXソロ前のチャボの叫びが今も耳から離れない。
梅津さんはここで片山さんのテナーを吹いたという。
" バンドが大きくなっても赤羽のにおいが消えない "
" 俺はそのバンドのにおいが好きなんだ "
" 紹介するぜ エビバデ! "
1988年、PITでの出来事からもう30年が経ったんだ。

■ソロ
鮎川さんがロックでぶっ飛ばし、マリさんのクイーン・オブ・ソウル。
BEGINと三宅伸治の歌からは清志郎の不在を感じるも、
悲しい気分なんかぶっ飛ばす「JUMP」のロック的な高揚感。
眠れない夜ならば、夜通し踊ろう。

     **********

忌野清志郎 ロックン・ロール・ショーは今回で一段落。
しかし「毎日がブランニューデイ」。

そうだ。
毎日はブランニューデイなのだ。
" 365%、完全に幸福 " に向かって、
また今日から僕はイキがったりビビッたりしながら生きていく。

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忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー
2019年5月4日 日比谷野外大音楽堂 セットリスト

オープニング映像:忌野清志郎が野音にやって来る!
01. ぼくの好きな先生 / 竹中直人、木暮晋也、高木完
02. 甲州街道はもう秋なのさ / 曽我部恵一
03. わかってもらえるさ / 浜崎貴司(FLYING KIDS)、高野寛
04. 帰れない二人 / 清水ミチコ
05. よごれた顔でこんにちは / 真心ブラザーズ
06. わたしはベイべー / 矢野顕子、のん

07. タイマーズのテーマ~偽善者 / 宮藤官九郎
08. 原発賛成音頭 / 増子直純(怒髪天)
09. デイ・ドリーム・ビリーバー / Leyona
10. あこがれの北朝鮮~ Long Time Ago / TOSHI-LOW(BRAHMAN、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)
11. タイマーズのテーマ / TOSHI-LOW、宮藤官九郎、増子直純、Leyona

12. よォーこそ~お墓 / 仲井戸麗市
13. ロックン・ロール・ショー / Char
14. 上を向いて歩こう / 夏木マリ
15. いい事ばかりはありゃしない / 村越弘明
16. 君が僕を知ってる / 宮本浩次
17. スローバラード / 佐藤タイジ(シアターブルック)
18. ドカドカうるさいR&Rバンド / 斉藤和義

19. ROCK ME BABY / 鮎川誠(SHEENA & THE ROKKETS)
20. 愛と平和 / 山崎まさよし
21. 恩赦 / 金子マリ
22. 雑踏 / BEGIN
23. ボスのSOUL / 三宅伸治
24. 毎日がブランニューデイ / 仲井戸麗市
25. JUMP / 金子マリ、斉藤和義、TOSHI-LOW、BEGIN、山崎まさよし、三宅伸治、仲井戸麗市、木村拓哉

<アンコール>
26. 雨あがりの夜空に / 全員
27. 多摩蘭坂 / 梅津和時、仲井戸麗市、三宅伸治

<Dinamic Live>
28. ヒッピーに捧ぐ / 忌野清志郎
29. 毎日がブランニューデイ / 忌野清志郎

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サニーデイ・サービス presents 忌野清志郎ロックン・ロール・ショー 中野サンプラザ Love&Peace 2017.5.9

今年の忌野清志郎ロックン・ロール・ショーは、
サニーデイ・サービスpresentsの冠が付いていた。
更に発表時のプログラム。

  第一部:サニーデイ・サービスによる歌と演奏
  第二部:ゲストアーティストの皆様によるライブ

特に一部を見て、これまでとは違う構成に戸惑ったけれど、
後になって一部はRCサクセション『HEART ACE』全曲ライヴと知り、
気持ちは少し落ち着いた。
おかげでライヴが近づくにつれ『HEART ACE』を何度か聴きなおしたこともあり、
当日はそれなりの楽しみを持って臨むことができた。

開演。
当たり前だが、ステージにいるのはRCサクセションではない。
しかし、カウントと共に「スカイ・パイロット」のイントロが鳴った瞬間、
おおっ!と思える自分がいた。
当然だ。演奏される曲はRCサクセションなのである。

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2009年から8年が経過した。
この間、様々な清志郎に纏わるライヴが行われ、僕もいくつか体験してきた。
もちろん時間は何もかもを解決してくれるわけではないし、
自分の気持ちを変えてもくれない。
しかし、確実に経過した時間は変えられないものを動かしてくれる…とは思う。
そこに音楽があればなおさら。

今の僕にとっての音楽は、その場で鳴っているだけのものではなく、
その時に聴いているだけのものでもない。
今日までの人生のうち80%を音楽ファンとして生きてきた。
音楽は自分の物語であり、自分のすべてに近い一部でもある。
嬉しさや苦しみ。
興味や疑問。
喜怒哀楽。
これらは音楽によってある時は増幅されるが、別のある時は癒される。
足りない時は補われ、余分なものは削られる。

僕が音楽に触れるということは、もちろん聴いて楽しむのであるが、
音楽によって過去から現在、そして未来までを意識や心が一瞬のうちに移動し、
その時々の感情が混ざり合い、最終的には今の自分を確かめられるということである。

RCサクセション、忌野清志郎の音楽と40年近く僕は一緒にいるのだ。
もはや僕とRC、ぼくと清志郎の物語は揺るぎない。
誰が歌おうが清志郎は素晴らしい。

2017年5月。
曽我部恵一が言っていた。
この日はみんなで清志郎の曲を歌い、聴いて、感じるということ。
そして僕は自分を確かめる。

すべてはALRIGHT。

忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日比谷野外大音楽堂 Love&Peace 2016.5.7

忌野清志郎ロックン・ロール・ショー。
今年の開催は5月2日ではありませんでしたが、既に6年目になりました。

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僕がこうした清志郎トリビュート的企画に参加したのは、
2010年のARABAKI ROCK FESTが最初でした。
1年目の命日をどう過ごそうかと思っていたときに、
ARABAKIのこの企画にチャボの出演が発表されたのがその理由です。
今となっては出演者ごとの細かい内容の記憶は薄くなりましたが、
演奏される数々の曲の名曲度の高さに感動しながらも、
それらが清志郎のヴォーカルで歌われてはいない違和感と、
何よりもこうしたライヴが開催されていることが理解できない違和感で、
当たり前ですが心から楽しめるものではありませんでした。
しかし、チャボのパートだけは、その登場シーンを見て心がふるえた感覚から、
「雨あがりの夜空に」セッションラストの " キヨシローッ! " の叫びまで、
ハッキリと思い出すことができます。

そして2011年から始まった忌野清志郎ロックン・ロール・ショー。
これには毎年欠かさずに参加しています。
5月2日に清志郎の曲たちとこうして過ごせるならば、
ましてそこに仲井戸麗市がいるのであれば(2013年のみ不参加)、
やはり自分がいるべき場所であろうという想いです。

ARABAKI当初は複雑だった自分の想いは、
毎年の忌野清志郎ロックン・ロール・ショーによって少しずつ、
しかし確実に変わりました。
自分の想いに重なる寂しさや切なさの高い比重が徐々に減り、
反対に楽しさや嬉しさが増えてきて、今は素直に楽しめるようになっています。
2010年5月2日にARABAKIでチャボを観たことが、
その後のロックン・ロール・ショーへの参加に引き継がれたことを考えると、
あの日にあの場を選んだことは、自分にとっては間違いではなかったと思っています。

こうしたライヴに集まる清志郎ファンだけでなく、
演奏する側も、それぞれが清志郎への様々な思いを抱いているはずです。
しかし7年と言う時間の経過により、少しずつであっても、しかし確実に双方が、
忌野清志郎の音楽という中心に向かってひとつにまとまってきているように感じます。

野音でチャボは " 曲を作った奴はそれを聴いてもらえるのが一番嬉しい " と、
" だから清志郎も喜んでいると思う " と言っていました。
これも7年の経過があっての言葉だと思いますが、尽きる一言でもあると思います。

清志郎が残した素晴らしい音楽を後世に伝えていくためには、
演奏し、聴くこと。
演奏し続け、聴き続けることです。
忌野清志郎ロックン・ロール・ショーは、
そのための最良のもののひとつであることは確実に言えると思います。

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忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー渋谷公会堂 Love&Peace 2015.5.2

ARABAKI ROCK FES.や武道館、渋谷公会堂と場所はそれぞれでしたが、
5月2日をこうして過ごすのも6年目になります。
当初は複雑だった自分の想いは時間の経過によって…と言っても、
徐々にというのが正直なところですが、
間違いなく言えるのは、2015年の今は確実に変わったことでしょうか。

毎年感じることですが、この日の自分の想いに重なるモノがどんな形で出るのか。
それは悲しみや寂しさか。
それとも楽しさや嬉しさか。
この日は、ひとことで言えばハッピー、幸せでした。

正直、切なくなる瞬間もありました。でも、楽しさが上をいきました。
本編で細野さんが歌った「幸せハッピー」
どうだ、どうよ、幸せだ、ハッピーだ…と。
やっぱりこれだろう…と。
この清志郎の歌詞が響きました。
そうだ、そうよ、やっぱりこれだよ…と。

清志郎の音楽、そして音楽仲間と一緒に過ごした時間の、何と幸せだったことか。
清志郎の音楽は素晴らしいという表現を心から発せられることの素晴らしさ。
しかも笑顔で。
6年の時間は、僕だけでなく出演者達にも変化を与えているはずです。
悲しく寂しく演奏し、歌った人はいないと感じました。
笑顔で清志郎の音楽を楽しみ、演奏し、歌っていたのではないでしょうか。

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いきなり「よォーこそ」をフルサイズで、しかもシブコーで聴くこと。
トータスのリード・ヴォーカルも、そしてメンバー紹介も自然で違和感がなかったし、
何より " ギター弾くしかのうのないヤツ " と紹介されるのが仲井戸麗市であること。
盛り上がります。

ハウス・バンドは仲井戸麗市の他、Dr.kyOn、湯川トーベン、古田たかしの強力なメンバー
中でも目立つことなくリズム隊に徹していたトーベンとしーたかには大きな拍手。
※風小僧通信 2015.5.2
やはりいなくちゃ…のBULU DAY HORNS、梅津和時と片山広明の参加も嬉しいことです。

ゲストで印象に残ったのは、まずは曽我部恵一。
今年のARABAKIでのステージを引き継いだかのようで、
特に「山のふもとで犬と暮らしている」は聴きものでした。
僕は清志郎本人の歌唱でも聴くことは少ない曲だったので、
それだけで嬉しいことでもありました。

チャボは「エネルギー oh エネルギー」をロックン・ロールしてくれましたが、
その前に梅津さんと二人で「ベルおいで」を歌いました。
渋谷です。
チャボが清志郎と出会った街です。
毎回あることですが、ここでチャボが演るFor清志郎のライヴらしいシーンでした。

おそらく、今回の出演者の中でいちばんの期待を持たれていたと思われる井上陽水。
「帰れない二人」と「忙しすぎたから」を弾き語ります。
聴き惚れました。
特に後者を紹介するときの、このMCです。

 リンコワッショイが作詞し、肝沢幅一が曲を書き、破廉ケンチが歌っている

あぁ、RCサクセションだ…と感じ、グッときた瞬間でした。

最後に全員で演奏した「雨あがりの夜空に」では、
何と細野さんと陽水までが出て来たのには驚きましたし、
その「雨あがり〜」を〆たのが陽水のジャンプというのが、
おそらく二度と観られないであろう楽しいサプライズでした。

渋谷の街。
RCサクセションの街。
青い森、ジァンジァン~屋根裏、渋谷公会堂を想像できる2時間でもありました。

※RO69 6回目の「5月2日」CHABO、陽水、民生らが歌った忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー!

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忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー The FILM ~#1 入門編~

既発の映像が多いとか、未発表映像が少ないとかを思った瞬間はあります。
ただ、スクリーンの中で歌う忌野清志郎の姿を見て声を聴けば、
そんなことは関係なくなってしまいました。

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2008年の完全復活祭、そして83年の箱根での映像で構成された「よォーこそ」。
ライヴのオープニングを飾る世界一のこの曲だけで一気に盛り上がります。
続く84年のRCサクセションによる「ベイビー!逃げるんだ。」。
この1曲の映像だけで、既に満足感でいっぱいになる自分がいました。
数あるRCのシングル中、その知名度の割には好きの度合いが低い曲ですが、
ここでの演奏は何といったらよいか、圧倒的なパフォーマンスでした。
数分間、スクリーンを見つめただけで、何かから解放されたように感じました。

RCサクセションの凄さは実際に生で体験してきましたし、
活動休止後も、機会があるごとに感じてきましたが、
何だかここで初めて知って触れたような印象を持ったのは、
もしかしたら僕自身が清志郎やRCに対して、
無意識におさえていたものがあったのかもしれません。

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僕には自分にとっての清志郎がハッキリとあります。
ひとことで言えば、ロックン・ロールとラヴ・ソング。
僕にとっての忌野清志郎は、これに尽きます。
これは自分で見つけ、自分で選び、自分で手に入れたものです。
誰かから与えられたものではありません。
でも、それは世間に発信されている像やイメージと違うことも少なくなく、
そのギャップは大きく…いや、それはギャップというよりも、
まったく違う人のことが語られている気さえすることもあります。
こういったことで感じていた違和感や不満などといったものを、
2015年に見る1984年のRCサクセションで歌う清志郎が、
すべて吹き飛ばしてくれたのだと思います。
そう、思い出させてくれたということではなく、吹き飛ばしてくれたのです。
冒頭で僕に確信をくれた清志郎は、そのまま最後まで歌い続けてくれました。

365%、完全に幸福…というフレーズで、この素敵な映画は終わります。
「毎日がブランニューデイ」。
忌野清志郎と仲井戸麗市、二人の共作としては最後になったという曲。
チャボの " 嬉しい結末にしたいね " という依頼に清志郎が用意したフレーズ。
清志郎が書くこうした類の曲の、たとえば歌詞の「僕」を清志郎に、
「君」をチャボに置き換えて聴くということを何度したことか。
言うまでもなく、僕にとっては不滅のロックン・ロールであり、
不滅のラヴ・ソングなのです、365%の。

忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 渋谷公会堂 Love&Peace 2014.5.2

先日のARABAKIもそうでしたが、こうしたライヴを素直に楽しめるようになったことは、
自分の中の、決して小さくない気持ちの変化です。
その、楽しめるようになった理由は、まずは5年という時間と仲井戸麗市です。
さらに、おそらく最大の理由として挙げられるは、
今夜のライヴで僕が感じたものになるでしょう。
それは清志郎の、そしてRCサクセションの音楽を、
色々なミュージシャンが言葉や文章ではなく、
音楽として僕に提示してくれているから…ということです。

もう清志郎は何も言いません。
今、清志郎がいたら…を想像することは容易いですが、
そのことに大きな意味を僕は見つけられることができません。

でも、しかし、ただし…。

忌野清志郎の音楽は饒舌です。
RCサクセションを必死で聴いていた1980年代ティーンエイジャーだった頃はもちろん、
そこからずいぶん遠くに来てしまった2014年の今に至るまで、
僕は清志郎の音楽で喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、
僕は清志郎の音楽で笑い、感動し、勇気をもらい、癒しを与えられ、
僕は清志郎の音楽で悩みから立ち直り、あの娘を愛し、育ち成長してきました。
音楽にしかない音楽のマジックがあることを知り、
音楽が人を変える力があることを知りました。

清志郎の、RCサクセションの曲は素晴らしいです。
この想いが今夜のライヴを観てのすべてです。

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会場は前回までの武道館ではなく、渋谷公会堂。
RCや清志郎への思い入れを考えれば、僕にとっては武道館と日比谷野音に並ぶ会場です。
もうCCレモンホールというふざけた名称ではありません。
堂々と渋谷公会堂の文字が輝いていました。

『BLUE』が好きだ…というトータス松本は、
「あの娘のレター」や「よそ者」、そして「Oh!Baby」などを歌います。
以前もやっていた「あの娘~」での " ポリ公 " をノイズで消すネタも披露。
トップバッターとして最適の人選と選曲で、会場は一気にあたたまりました。

二番目に、いきなりチャボが紹介されます。
早いんじゃないの…と思いましたが、本当にチャボが出てきました。
「ボスしけてるぜ」「ぼくとあの娘」「まぼろし」
「けむり(short ver)」「夜の散歩をしないかね」。
以上5曲。

終わってみれば、出演した中ではこのチャボのパートだけは異質でした。
曲のタイトルからの想像では、あの場の雰囲気は伝わらないと思います。
まるでポエトリーのようなMCで発せられるいくつかのフレーズと固有名詞。
宮益坂、屋根裏…といったお馴染みのものから、
清志郎というポエムと出会った街…といったこれまでにないものなど、
チャボのポエトリーに慣れている僕にも、かなり独特な印象でした。

ギターもヴォーカルもラフで、決して丁寧なプレイではありませんでしたが、
演奏と歌の全編に流れ、溢れる切なさが凄かったな。
渋谷で清志郎を、RCを歌うチャボは、明らかにモードが変わります。
中盤で、RCを応援してくれたチャーへの感謝、
そして清志郎を発掘した奥田氏への感謝の気持ちを表した(いきなりで驚いた)こともあり、
自身では感情をおさえていたのですが、
「夜の散歩~」のイントロを聴いた途端、その感情が全開になりました。

5月2日にチャボが清志郎の名のもとに演るライヴです。
この日だけはこんな風になる自分でいいと思います。

真心ブラザーズの「わかってもらえるさ」「よごれた顔でこんにちは」のシングル両面。
奥田民生とCharの「S.F.」も聴きごたえがありました。

最後は全員で「つ・き・あ・い・た・い」のセッション。
よい意味での適当さがあって、Charがミスするなど演奏もヨレた部分がありましたが、
観ていて楽しかったです。最初に書いたように、こうして楽しめることが大きく、
そして嬉しいことでもあります。

アンコール的にダイナミック・ライヴとタイトルされた、
清志郎の過去ライヴからチョイスした映像が流れて終了。
全体では短く感じられましたが、2時間半ほどでしたでしょうか。

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忌野清志郎の音楽は素晴らしい。
5月2日をここ渋谷で過ごせたことは本当に良かった。
ありがとう。

忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace 2013.5.2

ステージには仲井戸麗市も新井田耕造もいない。
そこに個人的な想いをぶつければ、
そして前回、更に前々回と比べれば、正直、とても残念に感じる。
しかし、あれから既に4年が経つ。
この間、かわらない想いとかわった想いとが僕の中にはある。
4年という年月は、決して短くはない。
だから残念に思う一方で、明らかに楽しめていた自分もいる。

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個人的な思い入れを排除し、客観的にみれば素敵なライヴだろう。
だってこれは、5月2日という日に、
清志郎サイドがオフィシャルに関わり、
日本武道館で行われるロックン・ロール・ショーなのだ。
清志郎の曲をこうして楽しみ、
清志郎の曲にあらためてふれて、
その素晴らしさに圧倒され、堪能できるのである。
5月2日に武道館で出演者とお客さんで共有する時間は、
やはり悪いものではない。

個人的なベスト・アクトは及川光博だった。
あの場で自然体で自分を表現し、清志郎への想いも出し、
お客さんを楽しませるという点ではダントツだったと思う。

奥田民生は選曲が光るなぁ。
変化球を投げているわけではないのだ。
誰もが知っている曲を演るのだが、おおっ!と感じる曲を選ぶのである。
今回は「サラリーマン」と「あきれて物も言えない」だった。

楽しみにしていた佐野元春は、いきなり二番目に出てきて驚いた。
しかも「デトロイト・メドレー」を始めたのでどうなることかとヒヤヒヤしたが、
元春らしく歌われた「トランジスタ・ラジオ」はなかなかの出来だと思った。
アレンジはほぼRCそのままだったが、ヴォーカルが佐野元春していて新鮮。

昨年のスティーヴ・クロッパー、そして今年のサム・ムーアの出演は、
清志郎が知ったら嬉しいと思うに違いないだろう。

ラストの「雨あがりの夜空に」。
この曲の大きさをあらためて感じ、なおかつ切なさも感じた。
この曲に切なさを感じるようになったのは、いつからだったか。
今後もこの想いは変わることがないように思う。

「2時間35分」で1日をスタートさせ、
そのまま昼間はRCサクセションを聴き続け、
夜は武道館でロックン・ロール・ショーを観て過ごす。
毎年、5月2日をこうして過ごすのも悪くない。

忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace 2012.5.2

ライヴの構成や時系列での様子はこちらにまとめられていますね。

・忌野清志郎ロックン・ロール・ショー日本武道館Love&Peace(RO69)
・恒例忌野清志郎R&Rショー、今年は33曲4時間半に(ナタリー)

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こういう類のライヴに対しての僕には、
出演者の清志郎に対する想いよりも、自分のそれが最大限に優先される。
ただ、他のファンの声は興味があるから、
ライヴ後はかなり細かくネットやツイッターで追いかけるけれど、
単にそれだけであり、自分の想いや気持ちが変わることはない。

昨年に続いて開催された5/2武道館ライヴを観て感じたのは、
来ていたファン、来なかったファンひとりひとりに、
そして出演者ひとりひとりに清志郎への想いがあるのだ…という、
そんな当たり前のことだった。

そしてもうひとつ、僕の中でのRCサクセションの曲のとんでもなさだ。
昨年も感じたことだけれど、
ハウス・バンドのメンバー構成からも選ばれる曲がRC色が強くなるし、
しかもアレンジもオリジナルに近いし、
しかもしかもそれを演奏するのがチャボにコーちゃんに梅津さんに片山さんなわけで…。

誰が何を歌っても揺るぐことが無い不滅を感じた次第だ。
特にcharaが歌った「指輪をはめたい」は、
そのヴォーカルだけがRCサクセションとかけ離れていたからこそ、
浮かび上がるものも僕にとっては大きかったのだろう。
あのイントロをチャボが弾いた瞬間から感動してしまった。

     **********

仲井戸麗市は「いい事ばかりはありゃしない」を歌った。
昨年のスペシャルな「激しい雨」に比べればこの曲は、
清志郎が亡くなる前から二人の共演や関連ライヴで歌われる定番だったから、
もしかしたら、もっと他の曲を…と思ったファンもいたかもしれない。
でも、僕にはこの曲でオッケーだった。
いや、この日はこの曲でしかあり得なかった。
この曲をこの日、チャボにはキメて欲しかった。

2008年2月10日の日本武道館での感動的な演出。
2009年6月の南青山MANDALAでの、あまりにも痛々しいワン・マイク。
2009年7月25日の苗場での、魂の歌とギター。

これを実際に観て聴いたし、話に聞いたし、TVで確認して知っているから、
少なくとも僕にとっては「君ぼく」とは別の意味で特別な曲になっている。
特別な…というよりも大切な…が近い。
そんな大切な曲をこの日に聴けて本当に良かったよ。

2011年7月9日

2011年7月9日の土曜日。
本当ならば、この日は日比谷野外大音楽堂に、
忌野清志郎の声が響くはずだった。

     **********

2006年8月20日に野音で行われるはずだった清志郎のライヴが中止になった。
このときは、ファンだけでなく野音も一緒に願っていたことが叶い、
2008年9月6日に、野音のステージに清志郎の歌声が戻ってくるはずだった。
しかし、2008年の7月14日が来てしまう。
そして再び中止…。

" 二度ある事は三度ある " なんてことを昔から聞いているけれど、
僕自身、これまでの人生で実際にそれを体験したことなんて一度も無い。
それが、まさかこのようなことで、清志郎のことで体験するなんて…。

     **********

関東地方でも梅雨が明けたこの日。
東京の真ん中を散歩することにしていた僕は、予定に無かった行動をとることにした。
日比谷公園に足を運んでみることにしたのだ。

CIMG9624.jpg CIMG9628.jpg CIMG9627.jpg

土曜の昼間だけど、この暑さだからか、そんなに人は多くない。
おかげで散歩するには最適だった。

日比谷公園に来たいうことは、もちろん単なる散歩ではない。
向かう場所はひとつだ。

入口周辺には、誰もいなかった。
人の気配も、まったく無かった。

凄くいい天気。
これ以上無いという程の、夏の日差し。
かえってそれが寂しさと切なさと悲しさを呼ぶ。
まだ夏が始まったばかりだというのに。

CIMG9630.jpg

入口は開放されているが、もちろん会場の中には入れない。
でも、閉まった門の前に行けば中を見られるので、様子を伺うことはできる。

入口を通って、まずは右側へ行く。
ここはステージ正面になる。
目に入るのは座席表だ。

CIMG9632.jpg

野音で観るライヴはCブロックが多かったなぁ…なんてことを、
座席表を見ながらぼんやりと思っていた。

そして入口前に戻り、左側へ行く。
こちらからは、門の前の柵に上れば、ステージを見ることができる。

当たり前だが、誰もいなかった。
ステージにも、客席にも。
今日、ここで予定されていたことの気配すらも、
まったく感じられなかった。
だいいち、僕がこの場にいた時間、
周りで人を見ることがなかった。
歩いている人さえ、いなかった。

静かだ。
とても静かだった。
セミの声も聞こえない。
期待で膨らんだ開場前の空気もない。
ヤキソバとビールの屋台もない。
リハーサルの音も漏れてこない。

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忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace 2011.5.2

客電が消えると、RCサクセションの「ロックン・ロール・ショー」のイントロに乗って、
ステージ正面上部の3面スクリーンに清志郎の映像が映る。
その映像は、清志郎が自転車で武道館へ到着し楽屋へ向かうシーン。
そして準備からバンドのメンバーとステージへ…という編集がされていたのだが、
楽屋以降のシーンが凄かった。
その理由は、映されていたのが80年代のRCサクセションだったからだ。
要するに、RCの武道館ライヴのオープニングという演出だったのである。
もう、この時点で僕は興奮していた。
メンバーがステージへ。
続いて清志郎もステージへ向かう。
このまま本当にRCの武道館が始まればいいのに…と思った。

さて、映像からは清志郎のいつもの定番MCがいくつか流れたのだが、
一際大きく " オッケー、チャボ! " が聞こえた瞬間、
3面スクリーンの中央にチャボが映し出された。
カメラはチャボの手元…ストロークする右手を映す…と同時に右手が振り下ろされ、
「雨あがりの夜空に」が始まった。
何という劇的で痺れるオープニングだ!
あまりのカッコ良さでハッキリと記憶していないけれど、
ヴォーカリストとして斉藤和義、浜崎貴司、宮沢和史、ゆず、奥田民生らがいたと思う。

いきなりの「雨あがり~」も驚いたが、次がまた凄かった。
コーちゃんのドラムに乗って、あのイントロが始まった。
正直、イントロだけでまた終わるんだろうな…と思ったのだが…。

あれだけ聴きたかった歌詞。
今度こそ歌ってくれるのかと期待していた歌詞。
そのたびにはぐらかされてきたのだが、この日チャボはそのまま歌いだした。

  季節はずれの 激しい雨が降ってる♪

「激しい雨」が、遂にチャボによりフルで演奏されたのである。
この日のライヴは、このアタマの2曲で決まってしまった。

  RCサクセションがきこえる、RCサクセションが流れてる

" 忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace " は、
まさにこの歌詞どおりのライヴとなった。

CIMG9311.jpg

以下、パンフに掲載されている順番で、出演者について個人的感想を短く記しておきます。

・泉谷しげる
今回はアリーナ席中央にサブ・ステージが作られており、
ハウスバンドとセッションしないゲストはここで歌った。
泉谷はサブ・ステージのトップ・バッターだった。
「雨あがり~」を途中まで演った後、「サマータイム・ブルース」を。
アドリヴでお台場に原発を作れという歌詞を加えて受けていた。
その後、泉谷らしいアカペラ(?)で「ラヴ・ミー・テンダー」を歌った。

・奥田民生
昨年のこの日にもARABAKIで歌った「スローバラード」を熱唱。
去年と違うのは、バックで聴こえるギターが、あの音だということである。
もう1曲は、チャボのトリビュート・ライヴで歌った「チャンスは今夜」。
二曲とも盛り上がっていたが、個人的にはこの日だけの新しい曲を聴いてみたかった。
ちなみに「チャンスは今夜」の間奏前のブレイクで、チャボが " コーちゃん! " と叫ぶ。
僕にとっては重要なシーンであった。

・金子マリ
RCのライヴでも持ち歌だった「ラッキー・ボーイ」。
これは予想の範囲内だったが、もう1曲が凄かった。
まずは、何とチャボが紹介して金子ノブアキとkenkenが登場する。
この二人をリズム隊とし、金子ファミリーで何を演るのかと思ったら…。
チャボがいきなりあのイントロを弾いた。
「よォーこそ」を除けば、ライヴのオープニング・ナンバーとしては、
ベストだと個人的に思っている曲、「MIDNIGHT BLUE」が演奏されたのである。
この日のハイライトのひとつだった。感動で震えたよ。

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1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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