仲井戸CHABO麗市 with 細海魚・Leyona Leyonaとデート♡ 横浜THUMBS UP 2018.6.11

Leyonaとデート♡。
この倒れそうな(笑)タイトル通り、ライヴは和やかなムードだった。
チャボは終始ご機嫌の様子だったし、Leyonaは緊張しつつも嬉しそうで、
そんな雰囲気にあてられて、細かな僕のこだわりも砕け散ってしまった感がある。

しかし、自分の身のまわりをうたうというチャボの姿勢はそのままで、いつも通り。
6月はひさこさんのお父さんが亡くなられた月ということで、
楽しい雰囲気の中にも、例えば「慕情」のように演奏の端々から6月を感じさせてくれた。
C.C.R.の「フール・ストップ・ザ・レイン」も、一部の歌詞を、
いわゆる悲しみや重たい気分を吹き飛ばそう的なものに変え、
やはり6月ヴァージョンになっていたと思う。
こうした点は、僕がチャボに惹かれることのひとつである。

さて、何よりも今回の楽しみだったのは細海魚とのセッションだ。
過去に体験したチャボ×山口洋 with 細海魚の演奏は本当に聴きごたえがあった。
例えば二本のギターによる耳たこ気味の演奏であっても、
魚のキーボードにより色付けされ、曲の印象を変えてしまっていた。
左右で鳴らされるギターに挟まれながらも、中央の鍵盤が主張していた。

チャボと組んだキーボーディストをあげると、まずは、たつのすけ。
そしてDr.kyOn。
たつのすけの功績は、仲井戸麗市の音楽に色をつけたことだと思う
CHABO BANDのサウンドを決定づけたのは彼の様々な表情を見せるキーボードだ。
彼はダークな色あいだったチャボの音に色がつくことの魅力を僕に知らせてくれた。
もう1人、kyOnの場合は、仲井戸麗市の音楽の素材をそのままに、
支え、包み込み、重ね、引き立てる…と言えばいいのだろうか。
明らかにチャボの音なのに、分厚く、力強く、切なく、明るく…といった印象が増す。
ベーシスト的な感覚を僕はkyOnに感じているのかもしれない。

細海魚はたつのすけに近い。
特別な音でもフレーズでもないのだろうけれど、
これまでチャボのライヴで聴く機会が少なかった音が、
良い意味でぶつかることによる違和感から、初めての音のような響きになるのである。
これは、逆説的に選ばれる音色がバッチリと合っているとも言えるだろう。

Leyonaと3人で演った「ブルー・ライト・ヨコハマ」なんてベタなカヴァーも、
鳴っているキーボードの渋い音色のおかげで、
結果としていちばんの聴きごたえだったと思ったほどだ。

仲井戸麗市 × 細海魚。
二人のもっと突き詰めた演奏を聴いてみたい。

「オレンジ」「サイフ」といったLeyonaへの提供曲。
チャボのソロからは「ティーンエイジャー」「魔法を信じるかい?」。
そしてRCサクセション「君が僕を知ってる」「夜の散歩をしないかね」。
これらまったくひねりの無い選曲がこの夜のセッションに似合っていた。
終わってみれば3時間の長丁場。
いいライヴだった。

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CHABOのKing Biscuit Time #2 南青山MANDALA 2018.6.8

先月に続いてのDJ TIME。
前回は、同じ企画とはいえプライヴェートなテーマのおかげで、
よい意味でチャボの個人的な思いに僕自身のそれをも重ねて過ごす時間だったが、
今回は本来の、その場でチャボの話を聴きながら、
一緒に音楽をじっくり聴くことの楽しさと贅沢さを感じる夜になった。
過去にもたくさんこうした場を体験しているけれど、
あらためて思うと、とてもいい時間だということに気づかされる。

何てったって " その場で一緒に " がポイントだ。
お互いの表情や息遣いがわかることが、
これほど音楽を聴くということに対し意味を持つものなのか…がわかる。
チャボ対大勢に加え、チャボ対自分の目に見えないココロの交換ができるわけだ。
最大公約数的な笑いや感動と、その場にいる人だけの個人的な思い(想い)。
これらが同じ場所で同じ時間に満たされることが素敵だと思うのだ。

DJ TIMEの魅力は、単にいい曲を教えてもらったり、
自分のお気に入りの曲がチャボの解説付きで聴けたりということだけではない。
何てったって生放送(笑)なので、
たとえば、普段ならもしかしたらオフレコかもしれないような話題・エピソードだとしても、
直接、チャボ自身の口から聞けることだ。
それがあったのかはわからないけれど、楽しく興味深い話をこの夜も聞けた。

例をあげると、たとえばチャボとひさこさんが初めて観に行った映画の話。
『スティング』。
これをファンとして知れたことの喜びとともに、
自分に当てはめてみると、それは何だったのか…と考えてみる機会を与えられるし、
ほんの小さなことであっても、こうして自分の中で広がっていくこと自体が、
大げさに言えば人生の楽しみが増えることにもなるのだ。

   音楽がめざすものは音楽ではない

チャボと過ごした時間を終えた後、アタマに浮かんだ、
僕が好きな早川義夫の言葉である。

   音楽でおぼえたのは、自分を知ろうとすることだ

チャボが「My R&R」でこう歌ったように、
僕は僕の知らない僕自身を知っていくことの連続だったように思う。
これからもこれは変わらないだろう。
僕は仲井戸麗市の音楽とずっと一緒に生きていく。

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CHABOのKing Biscuit Time #1 南青山MANDALA 2018.5.14

MANDALAでのDJということで、軽い気持ちで臨んだが…。

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最近亡くなったチャボにとっての生涯の友人にまつわる曲を、
二人の思い出に沿いながら言葉を選びつつ振り返るという、なかなか重いテーマだった。
しかも、ちょっと詳しいファンならばその友人が誰なのかも特定できるのだ。

しかし、僕が素晴らしいと思ったのは、
こうしたヘヴィなテーマであっても、
そしてチャボいわく " うんと個人的な " テーマであっても、
曲と話を聞いた僕の中にはリアルな情景が浮かび、
かつ音楽を通して結ばれた友達同士の普遍的な物語として刻まれたことだ。

過去には、このようなテーマで感情を抑えきれなくなったチャボも知っている。
この日も、いつ感情が爆発してしまうのだろうとハラハラしていた自分もいた。
しかし、時に笑いを取りながら冷静に進行させたチャボ。
ホッとしたと同時に、そうしたチャボの心情を想像し、かえって切なかったりもした。
でも、いい時間だった。
とても、素敵な時間だった。

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最後に話してくれたが、
チャボ自身、この個人的なテーマでやることを迷ったそうだ。
ただ、これまで身の回りのことを描いて歌ってきたという自分だからこそ、
こんなことがあったんだよ、
音楽で結びついたこんな友達がいたんだよ…ということを、
こうした場で音楽を通じてみんなにきいてもらうのもいいかなとおもって…と言ってくれた。
嬉しいじゃないか。
最高じゃないか。
チャボのファンで良かったと思った。

DJ TIMEの時間自体を " 歌じゃないんだけど " と、ことわってもいたと思うが、
その通り、僕には単なる曲をかけておしゃべりを合間に楽しむといった時間ではなかった。
チャボのライヴだったと思う。
歌でなかったとしても。
さらに言えば、チャボの音楽でもあったと思う。
だって、チャボが " みんなにきいてもらうのもいいかな " と言ってくれたのだ。
やはりチャボの音楽であったと思う。
凄くそう思う。

実際、この夜の終了後に感じたのはチャボのいいライヴを見終えた後の満足感。
音楽を聴くことだけがライヴではない…というのをここで言いたいのではない。
僕はギターや歌を聴いているのではなく、仲井戸麗市というその人を聴いているんだよ。
そう思っているし、そう言いたいし、そう伝えたい。

誰にって?
もちろん仲井戸麗市、チャボに。

祝!サムズアップの百花繚乱20年 SoulMates(仲井戸麗市+梅津和時+早川岳晴) 横浜THUMBS UP 2018.5.4

GW中の5月でサムズアップと言えば、2009年5月1日を忘れられない。

あの日の僕らは浮かれていた。
もちろんGW…連休だということもあったが、
何よりも仲井戸麗市と早川岳晴による素晴らしいライヴを観たことによるそれだ。
ライヴ終了後、各々が笑顔で感想や連休の予定なんかを話していたはずだ。
僕もそうだった。
すぐに出口には向かわずに客席に残り、
しばらくは余韻を楽しみながら、友達と話をしていた。
楽屋での出来事などはまったく知らずに、呑気なものだった…と、
以前ここに書いたことと同じように始めてみたが、
もはやこうしたことをこの場に持参したとしても、経過した時間は短くはない。
9年前とは受け止め方は変わった。
それはチャボも同じだろう。
ずいぶん自然に…しかも笑顔で清志郎を語れるようになったと思う。

     **********

今年の3月にPIT INN行なわれた " 新宿の男 " というテーマのライヴ
その時のメニューをサムズアップ20周年のお祝い用にスライドさせた構成。
それでもこの夜だけの曲もあったし、直前のARABAKIを含めて今回でライヴは3回目。
時事ネタで笑わせるなどチャボらしいMCも連発。
終始リラックスした雰囲気でライヴは進行していた。

PIT INNでも感じたが、自分自身が慣れているチャボと早川さんの音に、
梅津さんが加わるだけで鮮やかな色が着く。
曲はチャボのソロ、RC、カヴァーの定番で固められていて安定の演奏。
イントロやMCだけで何の曲か理解できるというのもいいけれど、
せっかくこのトリオでの音なので、意外な選曲も聴いてみたい。
特にRCナンバーは、梅津さんがいるのだからなおさらだ。

そんな中、横浜ということでゴールデン・カップスの「愛する君に」をカヴァー。
「長い髪の少女」のほうがウケはよかったと思うんだけどなぁ。
そうそう、さわりだけの「よこはまたそがれ」もあったんだけど、
これこそフルで本気のSou lMatesヴァージョンで聴きたかった。
演歌でもいいじゃん。歌詞にブルースも出てくるしさ(笑)。

     **********

演奏云々よりも、チャボのMCに気になることが少なくなかったのも、
僕としてはこの夜から感じたことだ。

すべてはうまくいく

このフレーズへの逡巡。
しかもRCサクセション「すべてはALRIGHT」までをも引き合いに出し、
チャボはこんな風に話していた。
 
  清志郎は「すべてはALRIGHT」はあり得ないってわかって歌ったんだと思う
  だってRCがいちばんたいへんな時期の曲だよ

たいへんな時期にしてしまった要因に自分もあるという事も匂わせ、
" 今だからわかる " という言い方をしていた。

" 歌では大きなことを言えるけど(自分が作った)歌(の内容)ほど(自分は)生きてるのか "

こんなニュアンスのMCもあった。
本心なのだろう。
でも、その歌を聴いてきた僕がどれだけ生きる糧にしてきたか。
どれだけ素晴らしい歌を受け取ってきたかをチャボに知らせたい。

     **********

いいライヴだった。
しかし、まだまだ内容がチャボのソロ的になっていることは否めない。
梅津和時と仲井戸麗市の共作である「祈り」が演奏されなかったり、
梅津さんと早川さんの色が濃い楽曲も無かった。
この辺のバランスが整理された三人でしか出せない音と曲をもっと聴いてみたい。
Soul Matesとしての活動からは、僕はそれを望みたい。

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仲井戸麗市×新谷祥子 2018春に奏でるDuet. 南青山MANDALA 2018.4.12~4.13

二人の共演は春の恒例である。
その始まりは実に13年前に遡る。

  それにしても新谷さんは素晴らしかった。
  巧みにマリンバを叩き、パーカッションを操る。
  優しさと強さ、その表現力、数曲で披露したヴォイス…。完全に目と耳を奪われる。
  演奏中の彼女はワイルドであるが、美しい。
  視覚的にもとても素敵なミュージシャンである。カッコよかった。
  しかも、曲が終わるたびに見せてくれた笑顔がとてもチャーミングで、
  そのギャップがまた良かった。

  ステージでは「静の仲井戸麗市、動の新谷祥子」であり、
  曲によってはチャボ、完全に食われていたよ。

  僕は、今回のDuetがいちばん良かったと思う。
  音楽的にも楽器的にも、そしてミュージシャン同士の相性としても、
  おそらくベスト・マッチだったのだろう。
  チャボも新谷さんも、お互いが主張するところはもちろんあるのだが、
  それのバランスが良かった。
  チャボが押すと新谷さんが引き、新谷さんが走るとチャボが止まるのである。
  しかも、それが自然な感じであった。

2005年に初めてこの二人の共演を観たとき、僕はブログにこう記した。
ここから13年。
当時の印象は今も変わらない。
それどころか、チャボと新谷さん双方にこの同じ時間が流れているので、
その時間分の音楽がそれぞれに積み重なっているわけである。
ここで言う音楽はそのものだけを指すのではなく、
あたりまえだが生活や環境、体験など、人生と言っていいものだ。
それが各々の音楽…音と言葉だ…となり、2018年の春に交わった。
初めから凄かったセッションにこうしたことが加わるのだから無敵である。

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特にラストに演奏された「長い旅」が白眉。
新谷さんの3rdアルバムに収録されているこの曲に、
今回は何とチャボの「MY WAY」「明日の為に、今日もある。」、
そして「風樹」の歌詞を加えて構成した実験的な曲として披露してくれた。

元々は新谷さんらしいPOPなメロディを持つ曲なのだが、
チャボが「風樹」のリーディングを被せ、新谷さんはチャボの詩をラップ調に乗せる。
実験的と書いたが、こう言葉で振り返ってみても、やはり実験的だったと思う。
しかし、この曲は僕の耳にはまったくPOPで聴きやすい曲として届いた。
まるで初めからそうであったかのような曲であった。

これこそが、新谷祥子が仲井戸麗市と演り続けてきたことの成果というか、
演りたかったことのひとつの形なのだろう…と思った。
これまで通りに、単に自分の曲をチャボとセッションするだけでは、
アレンジをセッション用に変えたとしても、おそらくこの「長い旅」の感動は無かったと思う。
新谷さんの中の " 仲井戸麗市と演奏することの意味 " が、
きっと今回の「長い旅」になったのだろう。

繰り返すが、「長い旅」は実験的だけどPOP。
ここの " POP " というのは僕の中で " 新谷祥子と仲井戸麗市 " とイコールである。
こうして具体的な形で二人の音楽として結実していたのが素晴らしい。
そして、その曲でライヴが締めくくられたことはとても素敵である。

     **********

新谷祥子パート。
相変わらずの新曲とカヴァー中心で、
今回も既発のオリジナル曲を披露することは少なかったが、
音楽プロデューサーの大森昭男さんに纏わるエピソードからの「それだけのこと」は、
重みと深みがあった。
取り上げられるカヴァーもチック・コリアからベートーヴェンという風に実にらしい選曲。
春と言いながらもじっくりと聴かせるメニューだった。
恒例のチャボのカヴァーは「荒野で」。
バンド・アレンジをマリンバ弾き歌いで演奏するという荒業であるが、
そのおかげで視覚的にも音的にも素晴らしい彼女の特徴が出ていたと思う。

仲井戸麗市パート。
いきなりチャック・ベリー風味の「春が来た」である。
「花」とか「今日の日はさようなら」とか、最近のチャボは唱歌的な曲を歌うが、
このモードに慣れるのはなかなか難しい(笑)。
純粋なオリジナルはほとんど披露せず、
ビートルズ、ディラン、トム・ウェイツなどのカヴァーと共作曲が中心だった。
新谷祥子の「鐘は鳴る」をリーディングではなく歌ってのカヴァー。
チャボ的にはこうした曲は試練なのだろうが、その良い意味での拙さも吉と出ていた。
リーディングよりも絶対に歌である。そう思う。
最後に歌われた梅津和時との共作「祈り」は、Soul Matesとしての活動と関係がありそうだ。

セッション・パート。
仲井戸麗市の「ホームタウン」「BLUE MOON」「ま、いずれにせよ」や、
ベット・ミドラーの「The Rose」、前述した「長い旅」など、
すべてが聴きごたえのあるものだった。
平成の橋幸夫、吉永小百合による「いつでも夢を」は評価が難しいが(笑)。

毎回思うことだが、2時間のステージでいいので、オール・セッションのライヴを観たい。

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第9回『感謝の日』Song for Kiyoshiro 三宅伸治と仲井戸CHABO麗市 下北沢GARDEN 2018.4.2

三宅伸治presents
『第九回感謝の日』Songs for Kiyoshiro
三宅伸治と仲井戸麗市

このニュースだけである種の満足感が生まれてしまうファンも少なくないだろうが、
実際に二人がそのライヴを演るのである。
しかも4月2日に。

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たとえば、このライヴが行われたのが2010年だったら…。
おそらく受け取られ方はまったく異なっていたように思う。
2009年から1年後というのが極端なたとえだとわかっているが、
二人がこのタイトルで演るのは、そういう類のライヴになるだろうことが容易に想像つく。
要するに三宅伸治と仲井戸麗市が Songs for Kiyoshiro のライヴを演っただろう。
しかし、2018年の夜に僕が感じたのは Songs for Kiyoshiro のタイトルを冠した、
三宅伸治と仲井戸麗市、二人のライヴだった。

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三宅伸治の、仲井戸麗市の、そして忌野清志郎のファンそれぞれの思いが、
様々な想いが、この夜の下北沢GARDENに溢れていたはずだ。
しかし、こうした目に見えないものが交錯していたであろう客席にも、
平等に流れていたものがある。
それは9年という時間だ。
この時間は、ステージの二人にも、客席の僕たちにも、
立ち位置が違えども、間違いなく平等に流れた。
この、短くは無い時間のおかげなのかは断言できないが、
最近のチャボがよく発する “ 年月の収穫 “ なのだと思う。
三宅伸治と仲井戸麗市のライヴになっていたことを、僕はそう呼びたい。

     **********

そうはいっても Songs for Kiyoshiro が無かったわけではない。

ライヴは「ヒッピーに捧ぐ」で始まった。
二人のギターがメロディを奏でていくインスト…と思いきや、

  空を引き裂いて 君がやって来て ぼくらを救ってくれると言った
  明日また楽屋で会おう 新しいギターを見せてあげる

二人は声を重ねてこのパートを歌ったのである。
この日に、この二人で清志郎を演るというテーマに相応しいアレンジだった。
そして二人と僕の思いも、きっと同じはずだと信じてる。

     **********

「約束」と「夜の散歩をしないかね」でライヴは終わった。
三宅伸治の「約束」は、たぶん…いや、きっとチャボの「夜の散歩をしないかね」である。
その逆もまたしかり。
最初と最後だけは三宅伸治と仲井戸麗市、そして忌野清志郎だった。

     **********

清志郎の曲は素晴らしい。
二人によるRCナンバーを聴きながら、日本武道館で、日比谷野音で、渋谷公会堂で、
清志郎と一緒に歌っていた10代の自分を思い出していた。
RCサクセションのライヴは楽しかったなぁということをあらためて思う。

「激しい雨」が終わり、チャボが “ RCサクセション! “ と叫ぶ。
そして「ドカドカうるさいR&Rバンド」のイントロである。
高揚と興奮。
喜びと楽しさ。

  RCサクセションのライヴをまた観たいなぁ

ふだんの僕はあまり思わないほうなのだが、
この時ばかりはココロからこの思いが湧き出てきた。

     **********

いいライヴだった。
三宅伸治と仲井戸麗市に感謝。
清志郎に感謝。
ありがとう。

2018春 梅津和時・プチ大仕事 新宿の男 新宿ピットイン 2018.3.5

仲井戸麗市と早川岳晴に梅津和時。
この3人が出す音は、僕にとってはこれまでに聴きなれた音でもあるはずだ。
実際にこの日もそんな音が目の前で鳴らされていた。
しかし…。

曲のリフやテーマが、チャボのギターと梅津さんの管楽器でユニゾンで奏でられる。
たったこれだけのことなのだが、その音は分厚く、広がりがあった。
立体的な音像。
僕の耳に届いただけでなく、音が見えた気がした。
凄い音がそこにあった。

おそらくギターとギター、キーボードとギターでも似たような効果はあるだろう。
では、僕が感じた音は管楽器とギターという組み合わせならではのことなのか。
いやいや、それでもないだろう。

これはボトムを支える早川岳晴のベースに乗った、
2018年の仲井戸麗市と梅津和時だからこその音だ。
3人が出会ってから今日までの長い時間だけの体験と、
それに相応しい経験…いわゆる年月の収穫が加わった今の音だ。
だから僕が知るあの音なのに、初めて聴く " あの音 " なのは当たり前である。
3人のあいだに各々の、そして僕自身の物語が見えた。
何よりそれが素晴らしいと思った。

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ライヴのタイトルが " 新宿の男 " 。
さらに梅津さんによるこの日のキャッチコピーがこれ。

 『チャボを古里、新宿に呼び戻す。正真正銘、新宿の男。』

もうこれは " 梅津和時・プチ大仕事 " の冠をさしおいて、
堂々と仲井戸麗市のライヴと言っていいし、実際にそんなライヴだった。

何たってオープニングが「ホームタウン」である。
ソロ・ライヴで何度も披露されているが、新宿で聴くこの曲は格別。
演奏された曲自体、新宿にまつわるものはほとんどなかったにも関わらず、
強烈な新宿感が発射されていたのは、やはりチャボ自身のモードによるものだろう。
たとえ無意識であっても、自然と醸し出されるものがこの街にはあるのだろう。
そのためか、披露された「新宿の男」という新曲が光っていた。
チャボお得意のC調的にササッと作られた感がある曲だが、
実はこうした曲に名曲と呼びたいものが少なくないというのがチャボの魅力でもある。
久しぶりにそんな曲を聴くことができて嬉しかった。
単に新宿と連呼する曲(笑)だが、それを新宿PIT INNでチャボが歌うわけで、
独特の深みや特別な味わいを感じてしまった。

演ってくれるだろうと思っていたRCサクセションは「君が僕を知ってる」。
「ボスしけてるぜ」「多摩蘭坂」「いい事ばかりはありゃしない」「雨あがりの夜空に」。
チャボが今夜のハイライトと言っていた「多摩蘭坂」は、
梅津さんが歌うヴァージョン、しかもRCのオリジナルに沿ったアレンジだったので、
チャボのギターからあのフレーズを聴けて感動的だった。

「雨あがりの夜空に」は間奏を引っ張り、梅津さんと早川さんのソロも回す。

" RC始まって以来のベースソロ付き "
" すいませんリンコワッショ "

こうチャボが言ったのが楽しかったが、
チャボの口からRCのメンバーの名前が出ると、
僕なんかは喜びと共に独特な切なさを感じてしまう。

チャボは余裕があり遊びながらも、気が散っていないのも良かった。
MC中のお客さんとのやり取りを引きずってプレイ中にも気を取られ、
演奏に集中できないという場面を何度も見てきたが、この日はそれが無かった。
それはやはり梅津さんと早川さんとのライヴだからだろう。
ライヴに必要な大事なものを委ねられる安心感があったのだろう。
決まった演奏フォーマットの中で自由にプレイするときに出るチャボの良さ。
それがあった。

ジェファーソン・エアプレーンに飛び乗って、着陸したのは太陽のあたる場所。
いいライヴだった。

今年このトリオはSOUL MATESとして活動するらしい。
期待したい。

麗蘭 Come on! Let’s go! Billboard LIVE 東京 2018.2.17

1月に行われる予定だったが、蘭丸のインフルエンザにより延期。
待望の振替公演の2ndステージを観た。

年末の磔磔を90分に短縮したメニュー。
そのぶんハイライト的な部分が結果的にフィーチャーされて、
聴きごたえのあるライヴになっていた。
前半に「GET BACK」が持ってこられ、中盤で「GIBSON」。
「歩く」で本編をしめ、アンコールの「ミュージック」がクライマックス。
この4曲を思い出すだけでじゅうぶんに満足できるものだった。

   " ロックンロールに引退はない "

実にチャボらしい宣言だが、ここ最近はこの類のフレーズが多い。
力強さもあるし、実際に勇気づけられたりもするけれど、
発せられる理由…その裏側も想像すると複雑な思いも湧く。
しかし「歩く」で歌われるように、僕らは今日を歩くし、明日以降も歩いていくのである。

僕がチャボを聴くことにも引退…というか、同じ種類の言葉は存在しない。
永久に続くことである。

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最後に、麗蘭をBillboard LIVEで観るたびに思い続け、感じ続けていることを今回も書く。

絶対にここでしか体験できない麗蘭である。
2ステージ構成の公演は90分の持ち時間なのだが、この90分は、何という90分でもある。
そして何と言っても " みえて、きこえて、わかる " ことだ。
一部の人しか " みえて、きこえて、わかる " ことができない磔磔と違い、
その座席の位置での差があるとはいえ、
お客さんの立場からのライヴを楽しめる、この当たり前の3つの要素を、
Billboard LIVEという会場はすべて満たしてくれるのである。
4人のメンバーがみえ、音がきこえ、その音をメンバーがどうやって出していて、
どんな表情でプレイしているのかがわかる。これで楽しめないはずがない。
ライヴでの音楽を、音楽として、どれだけ感じて楽しめるか。
これを満たしてくれることが、やはりいちばんだと思う。

Billboard LIVEは麗蘭のライヴの魅力を100%に近く体験できる唯一の会場なのかもしれない。
昨年のここでこう書いたが、この思いは変わることなく、それどころか確信するに近い感情である。

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麗蘭 磔磔 Vol.25 「Come on! Let's go!」 2017.12.30

会場の環境からして仕方がないことだし、
じゅうぶんにそれを理解していることでもあるが、
ステージ上の麗蘭を満足に確認することはできない。
それどころか、顔を見られることさえも難しい。
特にドラマーのJAH-RAHを演奏中に見ることは不可能である。
それでも、麗蘭の" 磔磔の音 " を年末に浴びることの幸福感。
今年もこの場にいられてよかったと思わせてくれる、
決して言葉にできない不思議な魅力があるのが、年末の磔磔での麗蘭である。
これは今年も同じだった。

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ライヴのタイトル曲で始まるのはお馴染みだが、
その1曲だけでココロが持って行かれるのもお馴染みである。
さらに言えば、オープニングSEの「波路はるかに」が流れただけで、
既に満足感が生まれてしまうのもお馴染みである。
年末・磔磔・麗蘭、恐るべし!

麗蘭の「ミュージック」は、たとえかすかな呟きだとしても、
音楽は素晴らしいということを音楽で表している曲である。

" 俺たちには音楽がある "
これは2016年の磔磔で聞いたチャボによる確信を持った宣言。

" 誰も奪えないもの、汚せないもの、いちばん綺麗なもの…ロックンロール! "
2017年のチャボはこう歌った。

そしてチャボは、
" 今夜、いかれてる音楽へ、俺たちと一緒にGet Back!" と呼びかける。

磔磔の麗蘭は最高だ。

     **********

最新作『25』からは「夜風」「何はなくてもR&R」「今 Yes We Can」のみ。
カヴァーや新曲が多かったことで、麗蘭色は良い意味で薄かった気がする。
披露された新曲も、今のチャボは麗蘭とソロとでは分けていないと思われるし、
新曲のひとつは過去発表曲の改作だったので、実際はセルフ・カヴァーだ。
こうしたことも、僕がそう感じた理由のひとつだ。

もちろん年末の磔磔「Hello Good-bye」に、最終日なので「年の瀬」、
クライマックス的な「ミュージック」もあるので、麗蘭のライヴとしてじゅうぶん堪能した。
前半には「Get Back」が持ってこられていたことで、
いきなり盛り上がるような構成にもなっていた。
しかし、実際には中盤がカヴァーと新曲中心になっていたので、
これは麗蘭の既発曲の魅力によることが大きいだろう。
その場ではカヴァーと新曲を楽しみながらも、
いかに過去に麗蘭が凄い曲を作ってきたかを実感したのも事実。
贅沢な悩みかもしれないが、もっと1st、2ndからのオリジナル曲を聴きたいと思う。

そんな薄い(?)麗蘭色の中でも白眉だったのは公平…いや、
麗蘭だから蘭丸だな…が歌った「GIBSON」。
このCHABO'S BLUESは蘭丸自身でカヴァーしているようだが、
80年代のチャボのソロ・ライヴやRCサクセションでのアレンジを踏襲し、
今の麗蘭でぶちかましてくれた。
発表された曲のオリジナル・ヴァージョンには不滅の魅力があると思っているが、
そのことを心の底から感じさせてくれて、肯定してくれた演奏だった。
純粋な麗蘭の演奏だったとは言えないが、
僕には他の新曲やカヴァーよりも麗蘭らしさを感じさせてくれた。

     **********

オリジナルであったりカヴァーであったりするが、
誰かに捧げるナンバーというのは、もういいのではないか…と思う。
今回チャック・ベリー、ファッツ・ドミノ、トム・ペティのカヴァーが、
こうした曲として演奏された。
やらざるを得ないということもあるだろうが、
磔磔だからここで演りたいということだと想像する。
チャボらしいとは感じる。

でも、それならば僕は「今夜R&Bを…」を僕は聴きたい。
以前、この曲が演奏されなくなったことにふれ、
その理由を " 追悼曲として演奏するのがチャボは嫌になったのでは " と書いた。
当たらずとも遠からずだと思っているが、前述したように、
その年に亡くなったミュージシャンに対しての曲は演奏され続けている。

かつて麗蘭は「時代は変わる」のカヴァーをその年をふり返る曲として演っていた。
しかし、色々な事があり過ぎて、歌も比例してキリが無くなる云々という理由で、
ある年からチャボは歌うことを止めた。
これと同じ理由であれば、亡くなったミュージシャンに捧げる曲も同様だろう。
「今夜R&Bを…」が追悼曲であってもいいではないか。
だって偉大なブルース・マンやソウル・マンに捧げたナンバーなんだから。

『25』で発表された曲を含め、磔磔で演奏されなくなった既発曲は多い。
年末の磔磔だ。
繰り返すが、麗蘭のオリジナルをたっぷりと聴きたいというのが本音だ。

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仲井戸麗市ソロステージ「唄う・奏でる・読む」 EX THEATER ROPPONGI 2017.12.25

僕にとっての仲井戸麗市…チャボは、もちろん音楽人であるが、言葉の人でもある。
これまでも本人の著書や雑誌などでのインタヴュー、ライナーノーツなど、
言葉になり、言葉にされたチャボの思いや想いにふれたことで、
対になる音楽の豊かさが増すという体験を幾度もしてきた。

楽曲(作品)やライヴ…いわゆる音楽から僕が感じて受け取るものがある。
そこへ言葉が加わると、感じたことと受け取ったものが動く。
変わるのではなく、動く。
感じ方と受け取ったものが、作品にふれる前と後と、
ライヴを観る前と後で別のものが現れるので、もともとの音楽からのそれが一気に広がる。
豊かさが増すと言ったのをあらためて記すとこういうことになるだろうか。

チャボの音楽に言葉…それは歌詞を超えたもの…は欠かすことのできないもののはずだ。
僕のようなファンだけでなく、本人にとっても。
しかし、最近は雑誌でインタヴューを読む機会が以前…80~90年代…より減ったこともあり、
こうしたことを感じることも比例していることを残念に思う。

“ ギターと歌と言葉でひとつの力に “

ある時から自身のスタイルをこう表してきた仲井戸麗市の「唄う・奏でる・読む」を観た。

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曲の歌詞がポエトリーとしてリーディングされるが、
チャボ独特のリズム感が新たな意味を付け加えるので、
楽曲として聴くのとは違った印象を受ける。
現在の思いや想いと重ねられることで過去の言葉もアップデート。
普遍性を持つものとして提示される。

ライヴは所々のMCで笑いを取りつつ、楽しい雰囲気で進んだ。
しかし、いったんポエトリーとなると色あいはガラッと変わり、
チャボの口から発せられる言葉はなかなかにヘヴィ。
昼から夜に一瞬で変わるかの如く、僕のココロとアタマは翻弄されるが、
決して苦痛ではなく、逆に心地よいものだ。
だって、これこそが仲井戸麗市の音楽に感じる魅力だからだ。

言葉があって、音楽…歌とギターがあってこそのチャボのライヴ。
まさにそんなザ・仲井戸麗市なステージだった。

今からでも遅くはない。
音だけでなく、チャボの言葉も残していくべきである。
音を、音楽を語る言葉であればなおさらそう思う。

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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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