「CHABO BAND 雨あがりの夜空に 2017」仲井戸CHABO麗市 67th Birthday LIVEまで、あと78日

僕が常々思っているのは、
チャボのライヴは演る場所によって出る色があるということだ。
たとえば、新宿はチャボ個人の色、
渋谷はRCサクセションの色、
そして南青山では古井戸の色…という風に。
その色はとても独特なのだけれど、
一緒の時代を生きていなくとも、チャボのファンとして共有できる色でもある。
これは長年チャボを聴き続けてきたことによる確信だ。

2017年7月に南青山MANDALAで3日間行われたシリーズ・ライヴ、Boys,be ambitious。
そのうちの初日の藤井一彦と、2日目のワタナベイビーとの共演を観たが、
2日間ともそんな色に染めあげられていたように思う。
チャボのソロ・パート中盤で披露された次のことからも顕著だ。

<セカンド・ソロアルバム "絵" ライナーノーツより>~「ティーンエイジャー」~「エピローグ」

これは初日。
新宿に纏わるMCの後に突然始まった。
『絵』のライナーノーツは実に仲井戸麗市らしい名文。
著書『だんだんわかった』にも収録されたし、
これまでもライヴで何度かリーディングされたこともある。
2017年のフィーリングなのだろう、
この日はそこにいくつかの新たなフレーズを挟み、進められていた。
そして途中で「ティーンエイジャー」の一節が歌われ、「エピローグ」に繋げられた。

「忙しすぎたから」~<一枚のレコードから>『カフーツ』ザ・バンド~「「僕らのBIG PINK」で…」

2日目はこれ。
説明不要。
94年の夏だ。
曲のあいだにエッセイの一節が読まれる構成で、清志郎と過ごしたひと夏がやって来た。
演奏後、チャボが " 夏、三部作 " と呟いていたのが印象的だった。
これに倣えば、初日は新宿、三部作であろう。

今回のMANDALA二日間で披露されたのは、
新宿、渋谷、古井戸、RCサクセション、忌野清志郎の色が混ざり合い、
そして、夏という季節の色で仕上げられたものだった。

チャボがこうしたモードになると、MCや演奏からサービス的なものが消える。
よってチャボ本来のリアルな姿を曲から感じられたことも嬉しかった。
ひとつの例を挙げると、歌われたのは一節だけだったけれど「ティーンエイジャー」。
今のライヴではアレンジが変わりオリジナルにはないコーラスも加えられ、
そのパートをお客さんに歌わせるというシーンが定番になっているが、
本来は、このMANDALAで披露されたように、ハードな文脈で歌われるべき曲である。
だって『THE 仲井戸麗市 BOOK』に収録されているのだ。

それにしてもこんな「ティーンエイジャー」を聴けたのはいつ以来だろう?
最近はなかなかお目にかかれないので、こんなチャボが引き出されたことでも、
僕自身はこのシリーズを観た価値があった。

今年のバースデイ・ライヴは久しぶりの日比谷野音。
日比谷の色も確かにチャボの中にはあるが、
最近はゲストやイヴェントへの出演が続いているので、
チャボ独自の色は何となく薄い印象だ。
しかし、80年代は中盤以降、夏の野音で僕はチャボを見続けてきた。
枕詞にGREATが冠され、KING OF LIVEと言われたバンドのメンバーとして。
野音に立つチャボからはそれをキャッチできるはず。
きっと素敵な色に違いない。

CHABO BAND
雨あがりの夜空に 2017
2017年10月9日(月・祝)
日比谷野外大音楽堂

開演まであと78日。
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Boys,be ambitious 仲井戸CHABO麗市×ワタナベイビー 南青山MANDALA 2017.7.13

つい一週間前に体験した藤井一彦との共演があったが、
それとは違った…かつ、同じような強い想いを感じさせてくれるセッションだった。
ただ、ワタナベイビーはライヴ中に何度となく " 狙った的 " なMCをしていたので、
多少はサービス的な選曲をしてくれたこともあったかもしれない。
しかし、たとえそうだとしても、じゅうぶんにRC愛が溢れたものだったし、
それに包み込まれたチャボも、かなりRCに近い部分で演奏していたように感じられた。

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ワタナベイビーのパートでは「い・け・な・いルージュマジック」。
チャボのパートでは「モーニング・コールをよろしく」。
第三部では「Sweet Soul Music」「サマーツアー」。
これらRCサクセションに関わる曲以外にも、
「魔法を信じるかい?」のように清志郎が見える曲がチョイスされていた。
特に「Sweet Soul Music」のRCサクセション感は強烈!
藤井一彦が、その個人的な想いからのRCやチャボに対する愛を感じさせてくれたのに対し、
ワタナベイビーは当時のRCサクセションの魅力をあの場に持ってきてくれたような印象で、
少ない曲ながらもたっぷりとRCを聴いた気にさせてくれた。

さらに凄かったのは、88年の武道館ライヴを隠し録りしたというテープから、
記憶で歌詞とメロディと演奏を起こしたというチャボの未発表曲「吉報」。
古くからのファンはもちろん、RCファンには嬉しいプレゼントだったと思う。
ただし、取り上げられた曲の貴重さを横に置いて考えると、
93年のパンフレットに記された仲井戸麗市自身の言葉を思い出して複雑になるが、
チャボ自身にも発見はあっただろうし、
清志郎に対してお祝いの気持ちを歌った曲という事でも、嬉しかったとは思う。

他のセッション曲では「育児研究中」も印象に残るいい曲だったし、
僕にとっては…もう何年前になるのだろう…?
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』がアニメになった時のエンディング曲だった、
ホフディランのデビュー曲「スマイル」にもグッときた。
全編を通して幸福感に溢れた、いいセッションだった。

さて、今回のシリーズは、偶然なのかここまでかなりのRC的な色合いが強い内容だ。
チャボも自然にそれを楽しんでいるように見えるし、
僕個人の、今年の初めから感じている想いがそこに加わると、
俄然、2017年の今後の展開が楽しみになってきた。

" THE GREAT RC SUCCESSION "

頼むぜ、チャボ。

Boys,be ambitious 仲井戸CHABO麗市×藤井一彦 南青山MANDALA 2017.7.6

想いは作るものではなく作られるもの。
そして出てしまうもの、
更に伝わるものだと思う。
この日、藤井一彦がチャボへの思い入れを口にしたのは、
ほんの二言三言程度。
でもそれだけでじゅうぶんだった。

" RCを聴いていたのは? " とのチャボの問いには、
" 中学、高校のときに直撃 " と即答。

この発言と、二人で出した音だけで、その想いは出て、伝わった。
これまで何度とチャボのファンを公言する人たちとのセッションを観てきたが、
自分と近い部分でその想いを共有できたのはほとんどない。
僕の中ではエレファントカシマシと藤井一彦だけだ。

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2014年に体験した下北沢440での共演と、ちょうど逆のパターン。
前回は一彦がチャボを迎え、今回はチャボが一彦を呼ぶ。
実は、構成もRCナンバーを含むセッションに選ばれた曲も2014年とほぼ変わらなかった。
しかし、そんなことは関係ない。
何を演って、その出来がどうで、どんな音だったか…よりも、
今の僕にはそこから感じられる必然のほうが上である。
ここ最近でも心から観たいと思えたライヴであり、実際にその通りになった。
このことが何よりも嬉しかった。

藤井一彦のパートで歌われた「ハイウェイのお月様」にグッときた。
独自のアレンジと節回しでも、バッチリとRCサクセションしていた。
セッション・パートでは「君が僕を知ってる」かな、やっぱり。
下北沢440ではユニゾンでかまされた間奏のソロが、
この日は一彦→チャボの順で弾きあうスペシャル・ヴァージョン。
ファンがこの代表曲に感じるであろうRCサクセションや清志郎に対してのものだけでなく、
ロック・ギタリストとしての思い入れまでが見事に表れた感動的なセッションだった。
オリジナル・キーで演奏されたのは言うまでもない。

二人の「Johnny Blue」を聴きながら、
" しこたまという言葉をこの曲で初めて覚えたリスナーがしこたまいたはず " という、
藤井一彦の言葉を思い出していた僕は、おそらく16歳に戻っていた。

" My First Guitar Hero! 仲井戸麗市、チャボさん! "

ライヴ終了後のサッチモが流れるステージ上での、
一彦によるこのセリフに集約された3時間だった。

MY LIFE IS MY MESSAGE LIVE 2017 仲井戸CHABO麗市×山口洋 with 細海魚 南青山MANDALA 2017.6.15

チャボと洋の共演は何度も体験してきたので、
ここにキーボードが加わったとしても、
そんなに大きな音の変化はないだろうと、たかをくくっていた。
HEATWAVEの曲を山口洋と細海魚の二人で演奏した一部でも、
心地よいサウンドだなと感じてはいたけれど、
それは自身のバンドの曲であるが故、当たり前なのだろうと思っていたし。

はたして、これまで体験したチャボ参加のMLIMMセッション史上最高だった。

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第三部、チャボ×洋 with 魚によるセッションは本当に聴きごたえがあった。
二本のギターによる「アメリカンフットボール」は耳たこ気味だが、
魚のキーボードにより色付けは何と言うか、曲の印象を変えてしまっていた。
左右でかき鳴らされるギターに挟まれながらも、間違いなく中央の鍵盤が主役だった。
これはアンコールでの「やせっぽちのブルース」でも同じで、
三人なのに実に分厚い音となっていたのは、やはり魚効果だ。
特別なフレーズではなかったし、変化球的な演奏ではないのだけれど、
選ばれる音色がバッチリと合っていたのだろう。

更に凄いのは、ミディアムでスローな曲でも前述した2曲と同じだったことだ。
「SEASON」と「川」。
一聴した限りでは過去に聴いた弾き語りやCHABO BANDと似てはいるが、
完全なるヴァージョン違いである。
歌を邪魔せず、ギターとぶつからず、寄り添い、支えながら主張する。
曲と歌、歌詞が残る演奏だが、それがキーボードによるものだと余韻の中で気付かされる。
本当に素晴らしいと思ったし、実際に素晴らしかった。

こんな演奏を目の当たりにし、前日に池畑潤二 with 山口洋を観ていたこともあり、
ここにリズム隊がいたら…とライヴ中に何度か思ってしまった。
いやマジでHEATWAVEをバックにしたチャボのソロライヴも体験してみたくなっちゃったな。
リズム隊があったら凄いだろうと思う。

     **********

チャボのパートは「会いたかった人」でスタート。
忘れた頃に歌われることの多い曲だが、
僕が最初に聴いたのは麗蘭1stツアーだから、かなり古い。
アルバムには収録されず、ライヴのみで披露されるレア曲である。

中盤での細海魚の曲をバックにしたポエトリーがハイライトだったか。
読まれたのは『絵日記』と『だんだんわかった』からピックアップされたもの。
既発だったとはいえ、久しぶりにチャボらしい朗読で感動的だった。
今では聴くことのできない90年代初頭のチャボ独特の文体を、
これしかないだろう的な曲をバックにし、あの声で放つ。
これが仲井戸麗市なんだよ…と僕はココロで叫んでいた。

他には「LULLABY」や「夏に続く午後」など、
オープニングからこの季節…夏のMANDALAらしい選曲だったように思う。

夏のMANDALAのチャボは本当にいい。

ARABAKI ROCK FEST.17 CHABO BAND HANAGASA 2017.4.29

2015年のARABAKIにもCHABO BANDは出演。
ビートルズの「ア・ハード・デイズ・ナイト」を披露してくれた。
ちょうどポール・マッカートニーの来日と重なった今年。
そのポールは一曲目に「ア・ハード・デイズ・ナイト」を演っている。
CHABO BANDはコンスタントに活動できているわけではないので、
過去のレパートリーであることですぐにでも演奏できるだろうし、
ポール来日とタイミングも合うし、チャボらしさも出るし…。
こうしたことから同じ曲で始めてくれたら嬉しいなぁと思っていたが、
「Fox-trot」で始まった瞬間、そんなことは一瞬でアタマから飛んだ。

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HANAGASAステージは唯一の屋内ステージで、
せっかくの野外フェスの魅力…しかもい天気でのそれを感じられないのが残念だが、
あの演奏の前ではそんなことさえ吹っ飛んでしまう。
実際、2年ぶりの再会だったようだが、
久しぶりという事を完全に忘れさせてくれる最高のパフォーマンスだった。

ところで、アタマに書いた僕の希望は、中盤で別の最高の形で実現した。
チャック・ベリーをやらないわけにはいかないだろう…と演奏されたのは、
「ロックン・ロール・ミュージック」だった。
もちろんチャック・ベリー・ソングなのだが、
チャボの頭には当然ビートルズのそれもあったろう。

♪ さぁさみんなでロックンロールミュージック
  アラバキ ロック ジャンボリー
  踊ろよダンスウィズミー

このようにチャボらしい日本語詞が全開だったが、
チャック・ベリーへだけでなくビートルズ、ポール・マッカートニー、
更に当時の自分自身への想いまでを短い時間の中に詰め込み、
誰にでもわかる形で出してくれた感動的なヴァージョン。
ここだけで100%の仲井戸麗市を感じさせてくれた。

特筆すべきは「君が僕を知ってる」。
この日はRCサクセションと同じオリジナル・キーで演奏された。
どうしてもあの間奏をあのまま弾きたかったのだろう。
その後に演奏されたのが「リトル・ウィング」だったことから、
ARABAKIならでは…がその理由だったと思う。

一昨年と同じ感想でしめくくりたい。
CHABO BAND。最高だった。
ビートルズで清志郎でRCサクセションだった。
ということは、仲井戸麗市だったわけだ。
本当に最高だった。

ARABAKI ROCK FEST.17 THE GREAT PEACE SESSION COVERS 2017 MICHINOKU 2017.4.30

オフィシャルのインフォから引用。

  RCサクセションの名盤、「COVERS」が発売されて間もなく30年。
  ARABAKI ROCK FEST.は30年を迎える2018年が来る前に、「COVERS」に込められた
  ロックと平和のメッセージを、東北で開催しているロックフェスティバルとして
  伝えていきたいと思い、賛同してくださるミュージシャンのみなさんと
  アルバム「COVERS」のトリビュートセッションを企画し開催します。

  〈THE GREAT PEACE SESSION BAND〉
  Gt&Vo 仲井戸麗市
  Gt 三宅伸治
  Ba 湯川トーベン
  Dr 河村吉宏
  Key Dr.kyOn

  〈GUEST〉
  奥田民生
  吉川晃司
  甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)
  斉藤和義
  TOSHI-LOW(BRAHMAN)
  中納良恵(EGO-WRAPPIN')
  Leyona

  映像:箭内道彦

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野外ロック・フェスのトリなのだから、まずは音楽。
集まったお客さんを大いに盛り上げ、楽しませ、満足させることが仕事だ。
しかし『COVERS』である。
チャボはよく引き受けたなぁと思った。

  ARABAKI ROCK FEST.17プロデューサー/菅真良インタビュー Vol.3
  RC『カバーズ』はARABAKIを立ち上げた時から考えていた

事前に読んだこの記事からは、その理由はわからなかったけれど、
活字になっていない向こう側から感じるものはある。
それを見届けたかった。

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メンバー紹介で話してくれたように、
今回の難しいオファーを受けたチャボは、三宅伸治に声をかけた。
RCサクセションの『COVERS』を演るための柱を立てたわけである。
この柱があれば、まず間違いなく音楽的に、そして精神的にぶれることは無い。
そしてDr.kyOn(Key)、湯川トーベン(B)、川村吉宏(Dr)。
信頼できるミュージシャンを人選し、仕事を任せる。
これならば主催サイドに決められたというヴォーカリストが誰であっても、
それを受け入れられ、活かすことができ、高いクオリティで提示するに、
おそらくじゅうぶんであっただろうと思う。

実際、仲井戸麗市と三宅伸治の共演を楽しんだファンは多いだろうし、
様々なヴォーカリスト達のファンはそのパフォーマンスを楽しめただろうし、
噂に聞いていた『COVERS』の一端を初めて知る人もいただろうし、
フェスとして音楽的には大成功だったように思う。
しかし、僕自身は複雑な気持ちで臨んでいたし、
チャボが前日に “ 来てくれよ “ と言っていたとしても、
期待できるだろうことは理解できても、
どこにその気持ちを置けばよいのかは浮いたままだった。

オープニングの箭内さんによる映像は、核爆発?のシーンから始まった。
それを受けての1曲目はTOSHI-LOWの「明日なき世界」だったが、
歌われる前には例の “ 清志郎の手紙 “ が朗読される。
僕個人、今回の企画に対し、思考を邪魔する一切を排除して、
純粋な音楽として捉えられ楽しめるだろうかと構えていても、
そう捉えたいと思っていても、そう捉えようともがいても、
正直、スタートがこれでは難しかった。
目の前でアルバム収録曲順に展開する『COVERS』を観て、聴きながら、
音楽的には楽しめていても、『COVERS』に対する僕の思いは何も変わらず…だった。
チャボのあの告白(あれはMCなんかではない)を聞くまでは。

チャボは中盤でバンドのメンバー紹介をした。
何のことは無い、普段通りの紹介ではあったのだが、
残りは三宅伸治を紹介するだけ…の前に、唐突にチャボは話し始めたのである。

  こんなことを言わなくてもいいのかもしれない

そう断ってはいたが、言わないとこのまま進められなかったのだと察する。

  2017年に『COVERS』を演ることの意味は感じている
  しかしレコーディング当時、RCの状態は最悪だった
  ヘヴィな日々だった
  だから俺はこの企画を演ることに悩んだ
  しかし混沌としたバンドの状態とは別に、いい作品は生まれる

混沌。
こう表現した中には当時のRCサクセション、そして仲井戸麗市自身、
更にそこから現在に至るまでの社会的な『COVERS』の評価とイメージ、
更にさらにそれを感じ続けていたチャボの30年間があったはずだ。
しかし、2017年の今、このセッションを通して悩み、葛藤し、逡巡しながらも、
チャボが感じ、確信したのが “ 音楽のマジック “ だったという。

赤裸々で重い告白の後の希望。
それを信じてチャボはこの場に立ったのである。
それを信じることが出来たから『COVERS』に向き合えたのである。

もちろんチャボの心情云々はすべてが僕の想像だ。
しかし、チャボの言葉は刺さった。
聞いていて悲しみではない涙が出た。
そして…。

僕自身、完全に避けていた『COVERS』を帰ったら聴こうと思った。
聴かなければならないと思った。
あの場で生まれたこの僕の気持ちと心の動きは、想像ではなく本物である。

ここから、バンドのメンバーでヴォーカルを回すアレンジで展開させた、
実にチャボらしい「マネー」になだれ込んだ瞬間がハイライトだった。
金ねーか 金くんねーかと歌うチャボがTHE仲井戸麗市BOOKしていた。

音楽のマジックがこの日の演奏にどれだけ反映されていたのかはチャボしか知る由は無い。
しかし、甲本ヒロトが歌う「バラバラ」はロックン・ロールの楽しさが溢れていた。
「シークレット・エージェント・マン」のイントロが1988年していた。
ブルースと言ったらこいつだ!と紹介された三宅伸治の「悪い星の下に」もよかった。
ほんの少しであったとしても、僕はそのマジックをキャッチすることができていたハズだ。
間違いなくあの場に存在していたのだと思う。

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P.S.
曲を演奏する前には、その作者と簡単な解説をチャボは入れていた。
しかし、歌詞の内容については、
“ その曲に清志郎はこんな詞をつけました “ と付け加えていただけである。
あとはこれまで聴いてきた側に、
そしてこれから聴く側、聴いていく側に委ねるということだろう。


P.S.2
翌日。
仙台駅で三宅さんを見かけた。
これまでの僕であれば素通りだ。
しかし、声をかけねば、声をかけようと思った。
おそらく他人が聞けば単なる社交辞令的で短い言葉だったろうが、
僕は最大級の感謝の意味を込めて伝えた。
この日の握手の感覚は忘れられないと思う。

仲井戸CHABO麗市×新谷祥子 春に奏でるDuet。 南青山MANDALA 2017.4.1~4.2

新谷さんとは1年に1回は再会したいね…とチャボは決めているそうである。
麗蘭やCHABO BANDのメンバーは別にして、
チャボにとって他にそんなミュージシャンはいるだろうか?
さらに言えば、出会いのきっかけは林英哲さんのコンサートだったとはいえ、
チャボが自ら声をかけたミュージシャンである。
僕が知る限りのことで他に似たようなケースを含めて考えてみたが、
おそらくそれは、古井戸結成に至った加奈崎芳太郎以来のことではないだろうか。
チャボにとっての新谷祥子とは、そんな存在なのである。

これまで積みあげてきたものと、その場で交わされるもの。
二人の音楽家としての力量と経験。
お互いの持つバックグラウンド。
これらがぶつかってもすべてが良い方向に出る。
そんな風に思わされてしまうのが、僕にとってのこの二人の共演だ。

例えば仲井戸麗市、共演の定番曲である「BLUE MOON」。
これまでも様々なミュージシャンとセッションしてきた曲だが、
僕のファンとしての思いと好みという気持ちを差し引いても、
新谷祥子との演奏がダントツである。
どんなに好きな人の好きな曲であっても、ライヴの度に演奏されると、
さすがに " またかよ " と感じてしまうケースは少なくない。
しかも同じ人との共演なら尚更である。
しかし、二人の「BLUE MOON」だけは違う。
毎回の演奏が違う、演るたびに音が固まってくるなどテクニック的な理由ではない。
これならば他のミュージシャンでも当てはまる。

いったい何だろう?

いちばんの理由を一言で表すと " よろこび " であろうか。
ステージ上で演奏することのよろこびと、それを受けて返すよろこび。
感情を音として放って表すよろこびと、交わるよろこび。
そんなステージ上をリアルにその場で感じることができるよろこび。
こうしたことによる音楽の素晴らしさと、素晴らしい音楽を共有できるよろこびだ。
二人の音楽は聴いて、見て、観て、感じるだけでなく、わかるのである。
音楽による様々なプラス要因…イコールよろこび…が、わかるのだ。
僕には、わかる。
だから魅力的であり、何度も体験したくなる。

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新谷祥子のソロ・パートは、相変わらず新曲ばかりという展開。
どんな場であっても、今の自分を聴いてもらいたいという姿勢は一貫している。
今回はどちらかというとじっくりと聴かせるタイプの曲を並べていた。
彼女にはリズミカルな力強さを兼ね備えた曲という面の魅力もあるが、
この日はそれを見られることは無かった。
しかし、そこは仲井戸麗市との共演である。
しっかりとチャボのパート内でその面を存分に披露してくれたので大満足だった。

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チャボのパート。
新谷さんとのセッションは「祝祭」「うぐいす」「春たけなわ」「ま、いずれにせよ」。
あらためて昨年も演った「ま、いずれにせよ」はギターとマリンバに似合う曲だと再認識。
思えば2005年の共演では、こんな二人のセッションを3時間通していたわけだ。
今は完全にパートがわかれてしまっていて、セッションが少なくなっているのは残念。
何とかリハに時間を取って、再びライヴを通してのセッションを体験したい。

さて、今回は「花」と「今日の日はさようなら」が歌われている。
いつからかこの手の曲をライヴでチャボは歌うようになった。
昔は無視していた曲だが今になって出会いその良さを思って…が理由のようだ。
でも、思うことはいいけれど、それをライヴで歌われることとは別だ。
それに、実際ファンがチャボに求めているものなのだろうか僕自身は疑問。
代わりにオリジナルを演ってくれというのが本音。
特に今回は久しぶりの「プリテンダー」が演奏されたので、
僕にとっての名曲度の差があまりにもハッキリくっきりしたため、特にそう感じた次第だ。
もっともっと自身のオリジナル曲を披露してほしい。

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MCで2005年に行われたDuetの集大成的ライヴ、
CHABO GO! GO! [THE Duet]の話が出た際に、
さりげなく " また演りましょう " といった会話が出ていた。
実現を心から祈りたい。

麗蘭 Lay-Run 25th Anniversary LIVE「愛があれば歳の差なんて」Billboard LIVE 東京 2017.1.14

絶対にここでしか体験できない麗蘭である。
2ステージ構成のBillboard LIVE公演は90分の持ち時間なのだが、
このたった90分は、何という90分でもある。
今回も大満足だった。

今夜の白眉はチャボの「しり切れトンボのブルース」でのギター。
特に公平のギター・ソロの裏でのバッキング・プレイは視覚的にも最高だった。
チャボはRC時代からキースを彷彿させる云々と評されることがあったが、
当時のプレイに限っては決してそんなことは無かったというのが僕の認識だ。
しかしプレイやアクションに限れば、今の麗蘭での姿がそれはいちばんだと思う。
特に二本のエレキを中心に据えたサウンドになってからはハッキリしている。

この夜の「しり切れトンボのブルース」が、まさにそれだった。
ラフでいながら絶妙のタイミングでリズムが刻まれる。
結果としてそれは抜群の味付けになる。
音だけでなく、視覚的にも。
短い時間ながらも、リズム・ギタリスト仲井戸麗市のかっこよさを堪能できるのが嬉しい。

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何度かの全国ツアーと単発のライヴやイヴェント出演はあったけれど、
いわゆる麗蘭の活動というのは年末の磔磔だ。
開始当初はクリスマス時期だったが、
とにかく暮れに磔磔で演るようになったのは94年から。
そこから毎年のことではないが、既に15~16年になるだろうから、
やはり年末・磔磔・麗蘭のイメージは強い。
よって磔磔は特別なライヴになっているのだが、
特別なものだからこそ、僕にとっては許し許されている面がある。
その代表的なことは、ステージのメンバーが観えなくてもOKということだ。
本来なら文句のひとつも言いたくなる当たり前のこのことが、
あの場…年末の磔磔にいられるだけで…と許してしまうのだ。
そして僕にとって本当に満足できるライヴになってしまうのである。

Billboard LIVE 東京は今回で8回目とチャボは言っていた。
もうそんなに回数を重ねているのかと驚くが、
今では磔磔と共に重要なライヴになっているように思う。
その時々で演奏される曲や出てくる音は好みだったりそうでなかったりしているが、
しかし、それでも毎回ここで観るライヴに満足できなかったことが一度もない。
その理由を数年前に考えてみたことがあるが、結論は環境ということになった。
あらためてそれをまとめると " みえて、きこえて、わかる " である。
一部の人しか " みえて、きこえて、わかる " ことができない磔磔と違い、
その座席の位置での差があるとはいえ、
お客さんの立場からのライヴを楽しめる、この当たり前の3つの要素を、
Billboard LIVEという会場はすべて満たしてくれるのである。
4人のメンバーがみえ、音がきこえ、その音をメンバーがどうやって出していて、
どんな表情でプレイしているのかがわかる。
これで楽しめないはずがない。

ライヴでの音楽を、音楽として、どれだけ感じて楽しめるか。
これを満たしてくれることが、やはりいちばんだと思う。

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もしかしたらBillboard LIVEは、
麗蘭のライヴの魅力を100%に近く体験できる唯一の会場なのかもしれない。
以前にも書いたことと同じこんな文章で今回も終わりたい。

Lay-Run 25th「WelcomeHome磔磔」麗蘭Vol.24 2016.12.29

オープニングSEの「浪路はるかに」が流れた瞬間に "今年も来て良かった " と思える。
楽屋へ通じる階段の上にチャボの姿を確認しただけで満足感が生まれる。

ライヴのために用意された新曲が1曲目を飾り、
「今夜R&Bを…」と「ミュージック」がハイライトとして演奏され、
「Hello Good-bye」で年を送り迎え、
「ミステリー」の余韻で幕を閉じる。

何度も体験してきたこうしたライヴだが、麗蘭、磔磔、
そして集まったひとり一人のファンのトライアングルが作り上げるものは、
いつだってその年、その場限りの特別な時間である。

 " 俺たちには音楽がある "

この仲井戸麗市の力強く確信を持った宣言がすべてだ。
他には何も書くことは無い。

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仲井戸CHABO麗市ソロライブ「月曜の夜」今日歌いたい唄。 南青山MANDALA 2016.11.28

 あぁ、こうした長時間ライヴをチャボはAXでのバースデーで演っていたなぁ

ライヴが終わった後に僕が思ったことだ。
もちろん会場はMANDALAなのでMCもフランクだし、
ステージの構成も照明も練り上げられてのものではない。
でも、過去にAXや他の会場で、
何度か体験した感動的なシーンを彷彿させる瞬間を感じられた。

「魔法を信じるかい?」でのタッペイとモモちゃんのコーラス。
ポエトリーからの「9月の素描」。
『だんだんわかった』収録の「ビートル一人一人達の再来日」の朗読。
こうした過去に観てきた感動的なハイライト・シーンを、
この夜はダイジェストで見せてくれているようにさえ感じる3時間半だった。

ただ、それは僕がそういったライヴを実際に体験してきたからこそ、だ。
その意味では、自分だけの体験が出来るという事の幸せを感じるし、
それだけの時間が経過しているという証しでもある。
前回から " 時間 " というキーワードが漂うライヴとなっていたが、
この単語は決して小さくは無いテーマとして存在していたと思う。

時期的には少し早いが、クリスマス・ソングとして、
ザ・バンドの「今宵はクリスマス」のカヴァーが歌われた。
この曲についても、演奏されることに僕なりの感情が湧き上がる。
たとえば、単にチャボが好きなザ・バンドにクリスマスの曲がある。
だから季節的にカヴァーしてみた…ということではない。

 ♪ なくしたものたち かえってくるぞって
   さらばかなしみ いいことあるぞって
   だって こんやはクリスマス ♪

サビはこう歌われる。
初めてこの曲を歌ってくれたときは、チャボはこんな話をしてくれた。

  盗難にあった(チャボの)ギターはクリスマスに出てくるよ
  こう清志郎が言ってくれたんだ

ちょうどチャボの機材が盗難にあった直後の話だったが、
このエピソードをさりげなく、しかし柱として歌詞に盛り込み、
普遍的であり、それでいてチャボや清志郎ファンにばっちりと響き、
なおかつ当初のクリスマス・ソングとしての良さをそのまま残して披露する。
こういった曲はいくつもあるが、僕が好きなチャボの魅力のひとつである。

これも僕がそういった話を実際に聞いているからこそ、
この夜に自分だけの体験をする事ができたケースだ。
もちろん幸せと、そしてやはり時間の経過を感じることでもある。

過ぎた時間。
止まった時間。
動き出す時間。
続いている時間

様々な時間がこの夜には流れていた。
チャボにとってのそれだけでなく、
僕にとってのそれを含めて。
すべてが掛け替えのないものだ。
これからのチャボと僕に流れる時間も楽しみだ。
11月の4日間を観て、あらためてこう思っている。
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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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