RCサクセションのクリスマス・ソング

2011年のクリスマス・イヴ。
今、僕の部屋の中に流れているのは麗蘭の「SOUL X'mas」。
ここ数年は、クリスマスには必ずこの曲をリピートしている。
チャボのクリスマス・ソングはお気に入りだが、中でもこれは格別だ。
毎日が X'masだった…という不滅のリフレインは、いつ聴いても素晴らしい。
やったことはあまりないけれど、春に聴いても夏に聴いても、きっと素晴らしいだろう。
まさに 毎日がX'mas である。

さて、夏の野音とクリスマスの武道館という二大季語を持っていたRCサクセション。
その割には、クリスマスというイメージはそんなに強くはない。
80年代は毎年クリスマスに武道館で演っていたにもかかわらず…だ。

おそらくクリスマス・ソングが無いというのも理由のひとつだろう。
あらためて考えてみれば意外だ。
クリスマスをイメージさせる曲はあると思うけれど、
所謂クリスマス・ソングは作品として残されていない。

しかし、武道館に行ったことがあるファンならば知っている。
あるのだ、クリスマス・ソングが。

ファンクラブ会報『BAD』の32号。
ここに1990 WINTER NIGHTS TOUR 武道館ライヴのセット・リストが残されている。
4曲目…「ダーリン・ミシン」に続いてその曲は演奏されていた。
タイトルは「白いX'mas Baby」。
清志郎が歌う ♪ メリー・クリスマス Baby ♪ のフレーズが今も耳にこびりついている。
それほど印象に残る曲だった。
これを書いている今は確かめようが無いが、
僕の記憶では90年より前にも聴いたことがある。

この曲が演奏される前の武道館では、
所謂定番クリスマス・ソングのカヴァーは何度か演奏された。
「White Christmas」とか「Happy Xmas」とか。
でも、まともな…という表現はアレだけど、
80年代RCサクセションのまともなオリジナル・クリスマス・ソングは、
クリスマスの武道館ライヴでしか聴けなかったのだ。

80年代のRCが残したスタジオ録音のオリジナル・アルバムは10枚(『RHAPSODY』を含める)。
『EPLP』を入れたら11枚だ。
もちろん未発表曲はたくさん眠っているだろう。
その中にクリスマス・ソングがある可能性はゼロでは無い。
でも、ゼロでは無いけれど、ゼロに近いのではないか…とも思う。

RCサクセションにはクリスマス・ソングがある。
存在する。
でも、残念ながら聴くことはできないのである。

ただし、聴くことができるだろう…できるかもしれない…という道もあるぜ。

僕たちは武道館ライヴの映像が残っていることを知ってしまった。
5/2の武道館で流れた映像と、同じく5月に発売されたDVDの特典映像によって。
そう、80年代のRCを軸とした『武道館の清志郎』という作品を出せばいいのである。
『クリスマスの清志郎』でもいい。
その質にはバラツキがあるだろうが、毎年の武道館の映像が残されている可能性は高い。
ぜひ、お願いしたいものである。
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日本の有名なロックン・ロール!

80年代のRCサクセションのライヴにおいて曲を演奏する前に、
清志郎が紹介に使っていた枕詞がいくつかあるけれど、
この " 日本の有名なロックン・ロール! " は最もカッコイイものではないか。
渋谷の屋根裏のライヴを体験していなくとも、
新生RCの1stアルバム 『RHAPSODY』 でこのフレーズが聴けるので、
これがファンへ浸透するスピードは、" ワン・ツー・サン・シッ! " と共に、
あっという間だったはずだ。

Yahoo! JAPANのMUSIC IMIDASという特集ページで、
この「上を向いて歩こう」が取り上げられているが、
ここにチャボのインタヴューが掲載されており、
RCサクセションがカヴァーしたことについて語られている。

清志郎がいない今、残念ながら " RCは何故この曲を? " ということはわからない。
もう、永遠にわからない。
ただ、チャボによる想像の世界でしかなくとも、
インタヴューで語られているそれは、あぁ、そうなのかもしれないなぁ…なんて、
僕は思うし、思えるし、思いたい。

清志郎は「上を向いて歩こう」を " 日本の有名なロックン・ロール " と紹介した。
でも、この曲を日本の有名なロックン・ロールにしたのは、
その忌野清志郎であり、RCサクセションだろう。
これは間違いないと思う。

もし、タイムマシンがあるならば、1963年の夏のアメリカへ行く。
そしてラジオ局に1枚のシングル盤を持ち込み、B面をかけて聴いてもらう。
曲が終わったら、こう伝える。

  日本の有名なロックン・ロールです

反応を想像するだけでも楽しい。

RCサクセション名義の仲井戸麗市

チャボがRCサクセション在籍時に発表し、
自らリード・ヴォーカルまで取っている曲は次の9曲。
清志郎との共作は含めるが、カヴァーは外してある。

・チャンスは今夜 -81-
・ノイローゼ・ダンシング(CHABOは不眠症) -82-
・ハイウェイのお月様 -82-
・ブルドッグ -83-
・セルフポートレート -84-
・GLORY DAY -85-
・遠い叫び -88-
・GIBSON(Chabo's Blues) -88-
・うぐいす -90-

発表された順にこう並べてみただけだが、何という名曲たちだろう!
RCサクセション名義の仲井戸麗市作品は、横に忌野清志郎がいるからか、
チャボのパーソナリティがダイレクトに出ているのではなく、
ヘヴィさとポップさが絶妙にブレンドされており、
そこに切なさとユーモアも加えられているのが素晴らしい。
もちろん怒れるチャボも、泣けるチャボもそこにいる。
ビートルズ名義のジョン・レノン作品のように。

さて、僕がこの中で一曲だけを選ぶとなると、「チャンスは今夜」と「ブルドッグ」と迷いながら、
結局は「ハイウェイのお月様」を挙げるだろう。

言わずと知れた 『BEAT POPS』 のB面ラストを飾っていた名曲。
清志郎との共作だ。


RCサクセション(2008-07-02)
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ただ、この 『BEAT POPS』 収録のスタジオ・ヴァージョンは、
ライヴで演奏されたこの曲を聴いて以来ショート・ヴァージョン化してしまった。
僕にとっての「ハイウェイのお月様」は、
RCサクセションのライヴ・ヴァージョンが、フル・ヴァージョンなのである。

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トランジスタ・ラジオ/山崎まさよし from『COVER ALL HO!』 -2007-

山崎まさよしがデヴュー前に発表したシングルが「トランジスタ・ラジオ」のカヴァーということは、
おそらく多くのRCサクセション・ファンにも知られているだろう。
そのオリジナル・ヴァージョンを僕は聴いたことが無いが、
今回、洋楽と邦楽のカヴァー・アルバムを彼が二枚同時にリリースし、
そこにこの曲の再録ヴァージョンが収録されている。


山崎まさよし(2007-10-31)
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僕自身、カヴァーしていることは知っていてもそれ以外は無知であったため、
勝手にバンド形式で演奏されているのかと思っていたら、何とギターとハープのみの弾き語りだった。
聴いた印象は、山崎まさよし独自の解釈で…というよりも、
曲の原型は、当初はもしかしたらこんな感じだったのかも…なんてことを思ってしまう実に渋いカヴァーだ。

RCサクセションのファン側から言えば、
これだけ姿を変えてしまった「トランジスタ・ラジオ」に違和感を持つ人も多いだろうと思う。
でも、そりゃしょうがない。この曲は、チャボによるあの歪んだギターのイントロや、
ホーンによる例の印象的なフレーズがすべてだしね。
ただ、それをわかったうえで、僕はこれを好カヴァーだと思う。
その独自のアレンジはもちろん、演奏も歌も山崎まさよしらしさが溢れているのだろうが、
僕が好カヴァーだと思う最大の理由は、RCサクセションに対するリスペクトを強く感じるからだ。

だって、曲はセミの鳴き声で始まるのだ。
もちろんこのSEを入れた本当の意味はわからないけれど、
RCファンなら誰でも夏の日比谷野外大音楽堂を思い出すではないか!

そしてもうひとつ。
「トランジスタ・ラジオ」は『PLEASE』(80)というアルバムに収録されているのだが、
その『PLEASE』のラストに「体操しようよ」という曲が入っている。
山崎まさよしの「トランジスタ・ラジオ」は、この「体操しようよ」を参考にしていると思うのだ。
その共通点を挙げてみる。

イントロは、山崎まさよし「トランジスタ・ラジオ」はセミの鳴く声で、
RCサクセション「体操しようよ」は早朝をイメージした鳥の鳴く声で始まっている。
この共通点だけで僕はニヤッとしてしまったのだが、まだある。
曲のハープのフレーズだ。
もちろんまったく同じでは無いけれど、
山崎まさよしが吹くフレーズは「体操しようよ」のそれととても似ているのだ。

試しにこの二曲を続けて聴いてみてもらいたい。質感が同じだということがわかると思う。

デヴュー前のシングルに「トランジスタ・ラジオ」を選んだことと、
それをこういった形でカヴァーすることでも、そのマニアックさがわかる。
彼にとってのRCサクセションというバンドの存在は決して小さくは無いんだろうと思うな。
山崎まさよしをRCチルドレンと呼べるかどうかはわからないけれど、
僕自身がそうなのと同じように、
現在の日本のロック・ミュージシャンの中にいるRCチルドレンは想像以上に多いのかもしれない。

P.S.
今回、さらみさんのおかげで、初めて山崎まさよしをまともに聴くことができました。
ありがとうございます。

指輪をはめたい/RCサクセション from『OK』 -1983-

8月の野音のニュース以降、RCサクセション三昧な日々を送っている。
現在の僕のwalkmanは朝、昼、夜と万遍なくRCである。サクセションである。
ただし『シングル・マン』から『Baby a Go Go』までに限定されており、
特にキティ時代を集中して聴いている。
ただ、特別に『RHAPSODY NAKED』はこの中に入っている。

今回気付いたのは『MARVY』の実にギター・バンドな音だ。
こんなにキーボードが入っていないとは驚いた。
この当時からG2脱退の気配があったのだな。
でも、当時はまったくそんなことは思わなかったんだけどなぁ。
ほとんど聴くことが無い『HEART ACE』も、じっくり聴いてみると意外とカッコイイ。
『FEEL SO BAD』はA面は言うことなしなんだけど、当時からB面が好きじゃなかった。
今回聴きなおしても、それが変わることは無かったな…、
とか何とかいろいろと新たな発見とか感想を持つ。

ただ、やはり『RHAPSODY』『PLEASE』『BLUE』。そしてシングルの編集盤『EPLP』。
このキティ期の4枚は凄いや。
バンドが一丸となって音を作り突き進んでいる。一切の迷いも感じられない。
この状態は、BARCAレーベル第一弾の『BEAT POPS』まで続く。
とんでもないバンドである、この時期のRCは。

しかし、冷静に聴き返しているそんな各アルバムの中、
『RHAPSODY NAKED』だけは別だ。
これだけはいつ聴いても1980年に身体が吹っ飛んでしまう。
特に「ステップ!」以降の怒涛の展開は何も言うことは無い。
ただ聴いているだけで幸せである。

さて、昼休みが終り会社へ戻る途中というシチュエーション。
蒸し暑く不快指数天井知らずといった中で聴く『RHAPSODY NAKED』の 「指輪をはめたい」。
感動してしまった。
ジーンとしてしまい、つい涙が…。
昼休みの暑い中、僕は歩きながら泣いているのだ(笑)。

「指輪をはめたい」は何と言ってもライヴ・ヴァージョンである。
レコードとして発表されたのは『OK』(ライヴ・ヴァージョンは『THE KING OF LIVE』)が初だが、
その前からライヴのハイライト・ナンバーとして演奏されていた。
80年4月の久保講堂でも演奏されていたが、
陽の目を見たのは『RHAPSODY NAKED』が出てからである。
他に知られている有名な音源としては、NHKで放送された箱根でのイヴェントだろうか。

ラストへ向けての盛り上がりは、
それこそオーティス・レディングなんかのライヴを手本にしているのだろうが、
そういうことを知らなくて聴いてもまったく問題は無い感動的なアレンジである。
特に『THE KING OF LIVE』のヴァージョンは、
RC活動休止以降に僕は涙なくしては聴くことができなかった。
切々とこの名バラードを歌い上げ、
演奏が盛り上がったところで80年代黄金のメンバーを紹介していく清志郎。
その後演奏が一度ブレイクし、
曲のキーが変わって再度繰り返されるという絶妙なアレンジも加わり、
本当に哀愁と切なさが感じられるヴァージョンとなっている。

『RHAPSODY NAKED』ヴァージョンもいい。
ラフでハードだが、かえってそれが新生RCのスタートを感じさせる。
こちらは「俺たちは行くぜ!」のような、前向きな感動だ。

2003年から2004年にかけて行われたアルバム『KING』に伴う "TOUR 2003-2004 WANTED" 。
「俺はビートルズだったんだ」と悟ったかのように名曲群を披露した90年のポール・マッカートニー。
まさにこのときのポールを彷彿させるようだった。
「俺がRCサクセションだ」と吠えるかのように、
やはり名曲群を披露しまくった清志郎のTOURであった。

そのクライマックス。
古くからのファンはあの懐かしくも聴きなれた清志郎のMCを耳にする。

  ドシドシあつい、ラヴ・ソング
  バリバリあつい、ラヴ・ソング
  いちばんぶあつい、ラヴ・ソング 

RCサクセションという香りが漂いまくったライヴのクライマックスで、
このMCである。
もう演る…、いや、演ってくれる曲はあれしかないではないか!
僕も文京シビックホールで、あの曲を待っていた。
そして清志郎が曲を紹介する。

  「Baby何もかも」

正直に言う。ズッコけた。勘弁してくれよ…と思った。マジで。

そりゃ『KING』の中でも重要な曲かもしれないが、
あの流れであのMCの後で演るかぁ、この曲を。
確かに「指輪をはめたい」と同じく王道R&Bである。
兄弟といってもおかしくない曲でもあるだろう。
しかしマニアックな曲だと思うし、POPなメロディでもアレンジでも無いのだ。
ライヴのラスト・ナンバーとしてはまったくもって相応しくない曲だと思う。
でも、最近のライヴでも良く演奏されているようだし、
今のバンドの重要なレパートリーなんだろうな。

全国の清志郎ファンから反感を持たれてもいいや。
古くからのオヤジファンのたわごとと思われても構わない。
それでも言うぜ。

なぁ、清志郎。ドシドシぶあついラヴ・ソングは「指輪をはめたい」だよ。
「Baby何もかも」じゃないよ。

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あふれる熱い涙/RCサクセション from『Baby a Go Go』 -1990-

あの時はやはり特別だったので、実は驚きや嬉しさは今回よりも大きかったのは事実だ。
しかし、それでも僕や僕達にとっては、今回は大事件である。

あの時というのは94年の「GLAD ALL OVER」であり、
今回というのは今年8月20日の日比谷野音のことだ。

忌野清志郎、仲井戸麗市。そして新井田耕造。
KING OF LIVEとして駆け抜けた80年代の5人のRCサクセションのうち、3人が集まるわけだ。
これが僕や僕達にとってどのくらい凄いことなのかちょっとまだ良くわかっていないのだが、
凄いことなのである。
リンコさんはどうなんだ…とか、G-2はどうした…とかはここでは考えないようにする。
考えたらキリが無いもの。

2005年の忌野清志郎35th Anniversary。
これはそのままRCサクセションの35th Anniversaryでもあった。
清志郎の一連のイヴェントや『RHAPSODY NAKED』があった。
これらは新ナニワ・サリバン・ショーでエンディングを迎えたと思っていたが、
まさかこんなものが控えているとは想像すらしていなかったし、夢にも思わなかった。

まだ冷静でいられる。まだ6月だ。あと1ヶ月以上もある。
あの時と同じように、今回も当日まではこのままでいようと思う。

     **********

さて、もしこのブログを、そしてこの記事を関係者の方が偶然でもいいから見たとしたら、
是非、清志郎とチャボ、そしてコーちゃんに伝えて欲しい。
絶対に伝えて欲しい。
伝えてくれよ。

90年発表の現時点でRCサクセション名義としては最後のアルバム『Baby a Go Go』。
コーちゃんもレコーディングには参加しているが、数曲でしかドラムを叩いていない。
そんなアルバムの中で三人揃ってレコーディングされた1曲であり、
更には当時のRCサクセション20周年テーマ・ソングとなっていた「あふれる熱い涙」。
この名曲を絶対に野音で披露して欲しい。何なら三人だけのセッションでも構わない。

というか、三人での演奏だったとしたら、
僕はきっとタイトルのように涙があふれて大変なことになるけれど…。

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「雨あがりの夜空に」全ヴァージョン個人的レヴュー

僕にとっての最高のブリティッシュ・ロック・チューンは、
ローリング・ストーンズの「Jumpin’Jack Flash」である。
そしてジャパニーズ・ロックのそれは、
間違いなくRCサクセションの「雨あがりの夜空に」だ。
作詞・作曲は忌野清志郎と仲井戸麗市の共作。

この日本ロック界が誇る名曲の残されている全ヴァージョンを個人的にレヴューしてみます。

ただし、RCサクセションのレコードで発表されたもののみ。
清志郎のソロや映像作品は除く。

●シングル・ヴァージョン(80)
80年代のスタートに相応しくも似つかわしいポップなジャケットが物語るように、
後のRCを考えればそのサウンドはまったく彼ららしくは無い。
それもそのはずで、編曲にはバンドと共に椎名和夫がクレジットされている。
彼はムーンライダーズのギタリストを経てアレンジャーとしての仕事を始めたのだが、
一時期の中島みゆき、
しかもデジタル・ロックなサウンドで彼女の作品をアレンジしたものが代表作に挙げられるという人だ。
今の耳だとイントロやBメロで聴かれるシンセのフレーズなんかが思い切り80年代だが、
それ以外は特に違和感を感じない。椎名和夫色は許容範囲ギリギリといった感じである。

この他に目立つ特徴としては、サビをしっかりとハモッているところだろうか。

レコーディングのクレジットにはメンバー全員の名前があるが、
実は僕自身、実際にはあやしいような気も昔からしている。
イントロの強烈なギター。
小川銀次ならまだしも、どうしたってチャボが弾いているようには思えないんだよねぇ。

しかし、そんなことはどうでもいいんだ。
このシングルの発売記念として例の伝説となる渋谷・屋根裏四日間ライヴが行われたわけで、
RCにとっても日本のロック・シーンにとってもエポックなナンバーであることには間違いない。
そして何よりもとにかく忌野清志郎のヴォーカルが惚れ惚れするほどに素晴らしい。

●RHAPSODYヴァージョン(80)
久保講堂でのライヴ・ヴァージョン。
発表当時から既にライヴのラスト・ナンバーとして演奏されており、
ここでもラフながらも強烈な演奏を聴かせてくれる。
公式なレコード作品として残されたものの中では唯一納得できるのがこのヴァージョンである。

テンポとしてはやや遅めなのだが、
かえってそれがルーズでダルな感じを出していてカッコイイ。
ナチュラルに歪んだチャボのギターの音も最高。
まさにリズム・ギタリストとしての仲井戸麗市が全開である。

RC時代のチャボの代名詞ともなった、
清志郎による「オーケー、チャボ!」に導かれてプレイされるイントロは不滅だ。

●THE KING OF LIVEヴァージョン(83)
アルバム「OK」発表前、渋谷公会堂でのライヴを収録。
この時は何と2曲目に演奏された。
演奏としては特筆すべきものは皆無。
チャボのギターもこの時期から歪みが後退して変にクリアになり、
僕が嫌いな音を出すようになってきた。
プレイもラフ。イントロも全然シャープじゃない。
特に間奏の適当なプレイは、ここから活動休止時まで変化することは無かった…。
そんな中でも唯一聴くべきところを挙げるとしたら、コーちゃんのタイコかな。
その個性が出始めた時期なので、アクセントの付け方やオカズなど、独特だ。

●the TEARS OF a CLOWNヴァージョン(86)
86年からスタートした夏の野音「4 SUMMER NIGHTS」。そのライヴ・ヴァージョンだ。
チャボのギターにエフェクトがかかっていない以外は、
基本的に「THE KING OF LIVE」と変わっていない。
そのイントロのギターも強烈っぽく聴こえるが、実は軽い。
D.U.B.のドラマーである菊池隆のパーカッションが加わっているが、
そんなに良い効果はあがっていないと思う。
それどころか、RHAPSODYヴァージョンと比べてリズムがずいぶん軽い。
正直に言えば、この時期は既に曲の良さだけで持っているという状態である。
誤解しないで欲しいが、ライヴでは盛り上がるのだよ。もちろん僕も。
ただ、演奏としての魅力は感じなくなっていたということです。

●RHAPSODY NAKEDヴァージョン(05)
これは多少バランスや定位が違うかもしれないが、
RHAPSODYヴァージョンとまったく同じだろう。

以上がRCサクセション名義で発表された「雨あがりの夜空に」である。
ライヴ映像を入れれば81年の武道館や、90年の日比谷野音などもある。
更に清志郎のソロや「GLAD ALL OVER」などのイヴェントを加えれば、
CD、映像共にもっとたくさんある。
81年の武道館はまだ良いが、
その他のほとんどがTHE KING OF LIVEのヴァージョンが基になっており、
決してシングル・ヴァージョンやRHAPSODYヴァージョンにまで立ち返るに至っていない。

先日の新ナニワ・サリバン・ショーで聴いたのも同じだった。
企画物としてライムスターとのコラボはあるけど。

「雨あがりの夜空に」。
清志郎35周年記念で再レコーディングしても面白かったと思うんだけどね。
ただしレコーディングのメンツは問題なんだけどさ。

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ぼくの好きな先生/RC・サクセション from single -1972-

実際にこの曲のモデルになった先生がいるという話は有名だろう。
清志郎が高校三年の時の担任であり、美術の先生だったそうだ。

さて、僕にはこのような先生がいるだろうか、いただろうかと、ふと考えた。
好きな先生はいなかった。ただ、印象に残っている先生は何人かいる。

僕は小学校三年の時に転校を経験した。
その転校先の最初の担任のI先生は、さすがに印象に残っている。
野球が好きな先生だった。
小学校には野球部というものが無かったが、
この先生がソフトボール部(のようなもの)を作ったのだ。
それは僕よりもひとつ上の学年から始まる。これがきっかけだった。
そのひとつ上の学年から地区大会に出たが、
僕らの学年からは、もう都大会に出るような強豪になる。
今では、この母校は全国大会出場レベルにまでなっている。

同じく小学校の音楽のH先生。
何故かこの先生が好きで、家にも遊びに行った。
「サウンド・オブ・ミュージック」のビデオを観せてくれたのがすごく印象に残っている。
僕にビートルズを教えてくれたのもこの先生だ。

中学校の美術のK先生には何故だか気に入られていた。
気に入られていたと言っても、贔屓されていたとか特別扱いされていたとかでは無い。
今思えば、僕は変わった絵を描いていたからかもしれない。もちろん上手なんかでは無いよ。
他の生徒が課題や宿題で人物や風景を描いてくる中、
当時の僕はプログレッシヴ・ロックのバンドのレコード・ジャケットにインスパイアされた、
わけがわからない絵を提出した覚えがある。
こんなことがあって「変な子だ」と思われたのかもしれない(笑)。

以上、印象に残っているといってもこのくらいだ。みんな今でも元気なのだろうか。

*****

初期のRCのヒット曲である。頻繁では無いが、80年代も何度か演奏されていた。
ヒットした当時は古井戸も「さなえちゃん」があり、良く比べられたりしたようだが、
どう考えても「ぼくの好きな先生」のほうが何百倍も曲として優れている。
比べものにならないだろう。

実に清志郎らしい曲だと思うが、
同時期のシングルは「キミかわいいね」や「三番目に大事なもの」。
この両面があるから清志郎は偉大なのだ。

ちなみに仲井戸麗市は絶対に歌わないテーマだろう。
何せ自身の1stソロ・アルバムに「俺は学校と教師には憎悪でいっぱいだ!」
とクレジットした人である。
チャボには「ぼくの好きな先生」なんて、どうしてもいたとは思えない。

さて、このシングル盤のメンバー・クレジットを見ると、
忌野清志郎(ひまわの きよしろう)となっている。
これはミスなのか、それとも当時は”ひまわの”だったのか…。
Rainbowさん、知りませんか?

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ステップ!/RCサクセション from『RHAPSODY NAKED』 -2005-

清志郎以外はスタジオ・ミュージシャンで録音された事で有名な「ステップ!」であるが、
ライヴでは、おそらくRCの全ナンバーで最もヘヴィな演奏の曲だったと思う。
その要因は、およそRCサクセションらしくないと思われるこの16ビートのリズムであろう。

悪いけれどコーちゃんとリンコのリズム隊では、
どうしたって跳ねるようなビートやグルーヴを出すことは困難。
しかも銀次とチャボのギター・スタイルも、このリズムとは相性が合わないタイプだ。
曲もマイナーだし、メロディーも泣きのフレーズが満載である。
そんな曲をこのメンバーのRCが料理するわけだから、どうしたってヘヴィな演奏になるのだ。
その結果、こうしたRC流16ビートのヘヴィなライヴ・ヴァージョンが出来上がる。

この「RHAPSODY NAKED」で聴くことができる演奏は凄い。素晴らしい。
RCでは無いが、後の「GLAD ALL OVER」のヴァージョンと聴き比べれば、
その違いは明らかだ。
「GLAD ALL OVER」では、特にそのリズム隊はスタジオ・ヴァージョンに近い演奏であった。
ただ、ベースもドラムも派手だけど、軽いのだ。
これはテクニックがあれば演奏が良くなるとは限らないと言う好例である。

更に言えば、「ステップ!」のライヴ・ヴァージョン自体が貴重だ。
79年のスタジオ・ライヴがNHK-FMサウンドストリートで、
そして81年の武道館での演奏がフジテレビでオン・エアされた以外、
RCサクセションとしてのライヴ音源は、公式にはほとんどお目見えしていないはずだから。

曲は、僕が大好きだった清志郎のMCのひとつ、
「去年、ビンビンに売り出した曲で…」で始まる。
ちなみにこのMCの応用編では、
「バリバリに売り出し中のシングルで…」等がある。

さてここで、この久保講堂ライヴの目撃者らしい話をひとつしたい。
当日のライヴも既に後半であった。メンバーのノリも上がっており、
観客も爆発寸前であったはずだ。
ただ、この「ステップ!」が始まる前までは、
まだまだ観客は自分の席で騒いでいたのである。
しかし「ステップ!」が始まると同時に、
一部の客が我慢できずにステージに向かって走り出したのだ。
これが合図となり、一階の観客がステージへ突進したのである。
あの久保講堂の熱狂のきっかけである。

この一部の客というのが、僕らであった。
もしかしたら、この「僕ら」は他にも出てくるかもしれない。
しかし、これだけは絶対に絶対に、絶対に譲れない。
決して記憶違いでも無い。自信を持って「僕らだ」と言うことができる。
久保講堂の熱狂の引き金を引いたのは、僕らである。

「RHAPSODY NAKED」を聴くと、
「ステップ!」の前後で会場のノリがまったく変化しているのがわかるだろう。

この曲での聴きものは、あえて僕は小川銀次によるギターを挙げたい。
梅津和時のサキソフォンがあるため、あまり前面に出ていないが、
曲を通してそのバッキング・プレイからギター・ソロまで銀次のギターをじっくり聴いてみて欲しい。
気が利いた本当にカッコイイギターを弾いている。
そして、間奏のギター・ソロ。スリリングな最初の一小節!
音を外しているのも、
ミスというより興奮し気分が高揚していた故のプレイであると信じているため、
まったく違和感は感じない。

「RHAPSODY NAKED」。
中盤のハイライトである金子マリとのセッションや、
あまりにも感動的なラスト・ナンバー「指輪をはめたい」でのエンディングが素晴らしすぎるが、
ある意味でこのアルバムを代表する曲に「ステップ!」を強く押したい。

最後に「ステップ!」以降に演奏された曲のタイトルを並べてみよう。

 ステップ!
 スローバラード
 雨あがりの夜空に
 上を向いて歩こう
 キモちE
 指輪をはめたい

これがRCサクセションである。
何も言うことは無い。

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わかってもらえるさ/R.C.サクセション from『single』 -1976-

RCサクセションの全ての曲中、僕がダントツに切なさを感じるナンバー。
名曲である。

所謂、暗黒の”福生の時代”に作られ発表されたシングル。
詞は忌野清志郎、曲は肝沢幅一の名義で、
A面とB面ではなく、D面とS面となっている。
また、RCのRとCの間に「.」が記載されている。

もちろん”わかってもらえなかった”らしい。

シングルにはミュージシャンのクレジットは無いが、
アルバム「EPLP」のライナーを見ると、
清志郎はヴォーカルとギター、リンコさんはベースでクレジットされている。
RC名義だがメンバーはこの二人だけで、破廉ケンチは参加していない。
ちなみにB面の「よごれた顔でこんにちは」のキーボードはG2が弾いているようだ。

  この歌の良さが いつかきっと君にも わかってもらえるさ
  いつかそんな日になる ぼくら何もまちがってない

76年の初めに「シングル・マン」が発売されたが、
結局はレコーディングから一年後の発売である。
そして発売から1年で廃盤となるわけだ…。
こんな時期であるから、
「わかってもらえるさ」で歌われている心境は偽りが無い正直なものだと思う。

72年の「楽しい夕に」と80年の「RHAPSODY」の間には、
76年の「シングル・マン」が発表されただけ。
今考えてみると、「シングル・マン」は相当に異質な作品である。
おそらく音楽的にはRCサクセション、
いや忌野清志郎の全作品中で最も高度だろう。
メロディ、歌詞、アレンジ、演奏、サウンド、ジャケット等、
どれをとってもまさにあんな時代のあのメンバーだからこそ作れたのだろうし、
もう二度と本人達でさえ再現できない作品だとも思う。
僕は、RCというか忌野清志郎の最高傑作は「シングル・マン」だと思っている。

「わかってもらえるさ」には、そんな「シングル・マン」の音楽性がまだ残っている。
やたらとうるさく変化するバッキングの演奏や変拍子。
意外とリズムはヘヴィだし、ピアノも好演である。

そして何といっても清志郎の弾くギターだ。
イントロから間奏だけでなく、
全編で聴くことができるそのリード・ギターは素晴らしい。
ツイン・ハーモニーのフレーズが、何だか物凄く切なく響くのだ。
だから歌われる歌詞と相まって、いつどんな時に聴いても涙を誘う。
僕にとって、マジで泣ける曲である。

  気の合う友達ってたくさんいるのさ
  今は気付かないだけ
  街で すれちがっただけで わかるようになるよ

80年以降のRCのステージで、この曲が歌われたことはあるのだろうか。
僕が知る限りでは、無い。
RC活動休止の90年以降でも、知らないだけかもしれないが、
僕が把握している範囲では、やはり無い。

「よごれた顔でこんにちは」は94年のステージで演奏された。
当然、この時には「わかってもらえるさ」も頭をよぎったはずである。
しかし、取り上げなかったのだ。
僕が想像しているよりも、清志郎の中ではかなりヘヴィな曲なのかもしれない。

  いつか君にも会えるね
  うれしい報せをもっていってあげたいんだ

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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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