ジャスト・キッズ / パティ・スミス

まずはオフィシャルからコピー文を引用。

 ニューヨークを舞台に
 写真家ロバート・メイプルソープとの出会いから別れまでの20年を綴った、
 パティ・スミスによる青春回想録

 アーティストを目指し
 20歳の頃単身ニューヨークへやってきた痩せっぽちの女の子は、
 死の間際までかけがえのないパートナーであり続けた写真家
 ロバート・メイプルソープと運命的な出会いを果たす。

 その後、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグら
 60~70年代カウンター・カルチャーの重要人物たちとの交流を育んでいく。
 2010年度全米図書賞ノンフィクション部門受賞。映画化も予定されている。

 ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグ、ジャニス・ジョップリン、
 ジミ・ヘンドリックス、アンディ・ウォーホル、サルバドール・ダリ、サム・シェパード、
 ジム・キャロル、トッド・ラングレンらとの出会いを瑞々しい筆致で描く。

という本である。
ここに挙げられた人たちとの出会いはもちろん興味を惹かれるし、
他にもテレヴィジョンとトム・ヴァーレインが出てくるくだりには、
さすがに " おおっ! " となるけれど、
これらのエピソードにはあまりページがさかれず、
あくまでもパティ・スミスとロバート・メイプルソープが主役だ。
ミュージシャンとしての当時のパティ・スミスについては、
ファンならもっと深く知りたい部分であり、書いてほしい時代でもあるが、
彼女はそれを知っていても、意識してこのようにしたのかもしれない。
ただ、いつかは書いてくれるような気もする。

     **********

決して短い物語ではないけれど、その描写は淡々と描かれていくだけであり、
変な表現だが、ポンポンと読み進めることができた。
彼女の文章はもちろん、翻訳の影響もあるのだろう、
必要以上に感情移入をすることはなかった…が、それがとてもよかった。

一言で表すとしたら美しいラヴ・ストーリーになるだろう。
時代が変わり、それぞれがおかれた環境が変わっても、
二人の関係は決して変わらなかったことが素敵だ。
変わらなかったどころか、
どんどんその繋がりが太く強くなっていったことに感動する。

実質的な最後の章である 『神と手を取り合って』 は、
結末がどこに向かうのかがわかっているからこそ辛くもあるが、
アルバム 『ドリーム・オブ・ライフ』 のレコーディングと同時進行する物語に、
どんどん引き込まれてしまった。
読んでいる最中、アタマの中にはこのアルバムの曲がぐるぐると駆け巡った。
彼女の文章からは、そのレコーディング・シーンがハッキリと目に浮かぶし、
実際に 『ドリーム・オブ・ライフ』 を聴きながら数ページを読んだ。
ただでさえ美しい「ザ・ジャクソン・ソング」や「パス・ザット・クロス」、
そして「ワイルド・リーヴズ」らの曲が、僕には新しく生まれ変わったように聴こえた。

     **********

ロバート・メイプルソープが見にきたという、
息子への子守歌である「ザ・ジャクソン・ソング」のレコーディング。
ピアノに座るリチャード・ソウルとパティは向かい合い、ライヴ録音をする。
フレッド・スミスにリチャードが「何か注文は無いか」と聞くと、
「泣かせる曲にしろよ」とだけフレッドは言う。
歌い終わったパティがガラス越しにコントロール・ルームを見ると、
長椅子の上でロバートは眠り、フレッドは一人で泣きながら立っていた…。

何だかとてもココロに残ったシーンだ。
この本を読む前と、読み終えた今では、
『ドリーム・オブ・ライフ』 は、
僕にとってまったく違うアルバムになってしまった。

     **********

物語が終わり、読者への覚書を読み、いくつかの詩と写真を目にしていくと、
突然「机」という短い一篇があらわれる。
二人の物語を締めくくる素敵なエピソードだ。
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わが奔走 IT'S MY LIFE / 泉谷しげる

泉谷しげる with LOSERのARABAKI ROCK FES.出演。
個人的には大ニュースだったが、フェス出演に限っての再結成だからか、
その発表後は特に関連する続報は入ってこない。
単発だし、盛り上がるのは僕のような一部のファンだけかもしれないし…ということで、
フェス全体から見てもその注目度は、きっと僕が思っているよりは大したことはないのだろう。

オリジナルLOSERが活動していた期間は約2年と短かったが、
名義は別として、LOSERの作品と呼べるアルバムは4枚。
そして映像が3作と期間の割には数が多いので、ファンとして感じた充実度は凄かった。

88年に泉谷しげるが発表したアルバム 『吠えるバラッド』。
LOSER結成に至る経緯は、このアルバムの計画段階から始まっていた。

howlingballads.jpg
吠えるバラッド

レコーディングを終え、アルバム発表。
この前後の時点ではまだバンドはハッキリしていなかったはずだが、
チャボ抜きの4人でのTV出演をいくつか目撃し、興奮していたおぼえがある。
1988年1月、インクスティック芝浦での発売記念ライヴ開催と、
バックを務めるメンバーが発表されたときのことは最近ここにも書いたとおり
そのメンバーは 『吠えるバラッド』 のレコーディング・メンバーから選りすぐりの4人であり、
これがそのままLOSERとなったわけだ。

ちなみに僕が当時ロッキング・オン誌で確認したこのライヴ広告がどうしても見たくて、
当時と同じ時期のJAPAN誌を探したら…あった!載っていた!

CIMG0520.jpg CIMG0521.jpg

使われていた写真は違っていたが、おそらく文章は同じ。
僕が記憶していた内容は、ほぼその通りだった。

さて、この広告に並んで掲載されている泉谷しげるの自伝。
ここでは仮題となっているが、正式には 『わが奔走 IT'S MY LIFE』 となる。
確かライヴ会場のインクスティック芝浦で先行発売していた記憶がある。
僕はそこで買ったからだ。

itsmylife.jpg
わが奔走―IT’S MY LIFE

本の内容は 自伝+代表曲解説+吠えるバラッド制作ドキュメント の3部からなっている。
今読んでみてもそれぞれ興味深いけれど、
とりわけ感動したのが 『吠えるバラッド』 の制作過程だ。
その発端から完成までを泉谷自身が語っていくカタチで淡々と進んでいくだけなのだが、
読むファンにとっては思い入れの強さ、深さがとても移入しやすく、
おそらく読んだファンの数だけの感動的な物語になっているのではないかと思う。
しかも単なるエピソードの記録ということではなく、
音楽制作をテーマにした青春小説(笑)…いや、冗談ではなく、僕には本当にそう読めたのだ。
これをこのままドキュメンタリーの映像作品として撮っていたら、
かなりの感動的なものになっただろうとも思う。
というか、読んでいても、いちいち映像が浮かぶのである。
このことも感動した理由のひとつだ。

特に好きなシーンがある。
泉谷がアルバム制作についてポンタと話すところだ。

 ベースは吉田で、ギターは仲井戸でキメてる
 とにかくオレは前からポン太さんのドラムソロでうたいたかったんだよね

今ここを読み返してみても、泉谷とポンタが語っているシーン。
そこにチャボと吉田建の姿が重なるシーン…がアタマに浮かぶ。
特に " ギターは仲井戸でキメてる " というセリフはしびれたものだ。
何だか映画みたいだった。

当時からLOSERの4人は泉谷に対しておちゃらけた態度や発言が多かったし、
おそらく今もそれは変わらないだろう。
もちろん、それが本音の裏返しだということはわかっていたけれど。
逆に、泉谷しげるはどうだったか。
彼らしい言い方や、時にはおふざけもあったけれど、
基本的にはメンバー4人に対しての発言は、絶大的な信頼と深い愛を感じる尊敬があり、
そしてバンドに対しての発言は、強く大きな自信に満ちたものだったと思う。
そんなバランスが感動的だった。

1+4の個性が絶妙に絡み合っていた。
高い技術による優れた演奏力がここに加わり、
凄まじいLOSERサウンドとして鳴っていた。

時代は変わった。
80年代当時のままではないこともわかっているけれど、
仙台の空にあの音が鳴るのを聴きたいというのが本音だ。
いよいよ今月末。
「長い友との始まりに」から、もう24年なんだ。

いやらしさは美しさ / 早川義夫

ページをめくりたくて仕方が無いけれど、
早く読み終えてしまうことがもったいないなぁ…という、
そんな本に出会うことが稀にある。

早川 義夫
アイノア
発売日:2011-09

早川義夫のエッセイ 『いやらしさは美しさ』 は、僕にとってそんな一冊だ。
しかも書かれている内容のほとんどに共感でき、
更に書かれていることのほとんどが名言なのである、僕にとって。

もちろん数少ないけれど、こういった本も僕には確実に存在する。
例えばそれは、仲井戸麗市の 『だんだんわかった』 であり、
松村雄策の 『リザード・キングの墓』 であり…というように。

『いやらしさは美しさ』 は、
早川義夫というミュージシャン・歌手によるエッセイだけれど、
その音楽活動とは別の次元でも、この本はしっかりと存在している。
だから、僕のような彼の音楽のファンはもちろんだけれど、
ジャックスもソロも聴いたことが無いという人でも何も問題ないし、
この素敵な世界に、本当に気軽に入っていけるはずだ。
というか、興味が少しでもあったら入って欲しいと思う。

早川義夫には、他にも有名な 『ラヴ・ゼネレーション』
そして 『たましいの場所』 という、これまた最高に素敵なエッセイがある。

CIMG9748.jpg

『いやらしさは美しさ』 も含めたこの3冊とも、
僕にとっては宝物のような本である。

音が聞こえる / 天辰保文(文) 高木あつ子(写真)

CDジャーナルに2003年から2011年まで連載されていた 『音が聞こえる』 が本になった。
と言っても、この連載を僕は知らなかった。

様々なミュージシャン達が、想い出の品物について語ったものを、
天辰保文さんがまとめたもののようだ。
文章には、その品物を撮影した高木あつ子さんの写真が添えられていて、
短いながらも深い、モノクロームのゆったりした世界となっている。

取り上げられている人は、まずはジョン・レノン。
あの、血まみれのメガネから連載はスタートしている。
続いては仲井戸麗市。
チャボが持参したのは万年筆だ。
この他には、山下久美子、高橋幸宏、大貫妙子、土屋公平、加藤和彦、
佐野元春、鈴木茂、林立夫…など、錚々たるメンツが顔を揃える。
彼ら彼女らが語るのが、直接音楽の話ではないところがいい。
しかし、タイトルにあるように、そこからは音が聴こえるのである。

あとがきに天辰さんが書いているように、この企画は楽しかっただろうなぁ。
毎回、誰が何を持ってきてくれるのか…を想像するのは、
そりゃ興味深いし、やはり楽しいと思う。

基本的には楽器以外のものなのだが、ギターやキーボードを選ぶ人もいた。
ただし、語られるのは、楽器ではあるけれど楽器ではない…みたいな感じがして、
それはそれで面白いと思った。

歌や音楽について、早川義夫的な定義に共感する僕としては、
この本は何が音楽なのか…を、あらためて考えてみる機会も与えてくれたように思う。

ちょっと長い関係のブルース - 君は浅川マキを聴いたか

想像していた以上…いや、それどころか、
想像していたものをはるかに上回る、素敵なエッセイだった。

編集した喜多條さんによれば、
前半の第一章は、月刊 『遊歩人』という雑誌に載った、
「君は浅川マキを聴いたか…」というリレー・エッセイらしい。
もちろん彼女の生前に書かれたものだろう。
そして後半の第二章は、当然、そこに依頼されるべき人が、間に合わなかったけれど、
これだけは書いておきたいから…ということで書かれたもので構成されている。

第一章から素晴らしいエッセイが続く。
著者は年代的に1940年から1950年前後生まれの人が中心だ。
よって、浅川マキをテーマに68~70年あたりの激動の時代が描かれているものが多い。
ちなみに、僕が優れたエッセイだと思う理由のひとつは、
決まったテーマがあっても、それをもとに書いたその人自身が語られているかどうか…だ。

第一章に収録されたエッセイすべてが浅川マキを語り、そして自分を語っている。
リアルに、楽しそうに、胸をはって、自慢げに、嬉しそうに、懐かしそうに…と、
こんなことを書いているとキリがなくなるが、
とにかくその人が浅川マキを通して自分を大いに語っている。
だから、読む僕は感動する。
知らない時代のことでも、知らない名前があっても、感動する。
本当に素敵で素晴らしいと思ったし、実際に素敵で素晴らしい。

第二章。
ここからは亡くなった後に書かれたものになるので、ガラッとトーンが変わっている。
所謂、追悼文的なものが並んでいるため、もちろん切なくなるが、不思議と読後感は悪くない。

そして、何といってもこの本の最後を締めくくる三人だ。
まずは初代プロデューサーとして彼女を支えた寺本幸司さん。
2009年11月にマキさんからもらったという手紙で始まる寺本さんの文章は、
まるで浅川マキの優れたドキュメンタリー映像を見ているのかと錯覚する。
ヘタな短編小説以上の読み応えがあるものだった。

二人目は、彼女を撮り続けたカメラマンの田村仁さん。
マキさんの自宅を訪ねた時の様子が書かれた短いものだが、
きっとタムジンさんしか書けないであろう素敵な文章だった。

三人目はこの本の編集を務めた喜多條忠さん。
あとがきを兼ねての文章である。
最後の最後で、このあとがきの後に空白のページが設けられていることが明かされる。
ここは、この本を手にした人が書くページとなっている…と。
たったひと言でも書いてやってください…と。
マキを喜ばせてください…と。

何も知らないでこのことだけを知ったら、何てベタな演出なんだと思われるかもしれない。
でも僕はここを読んで、泣けて泣けて仕方がなかった。
今も282ページを読むと、一瞬で視界がぼやけてしまう。

最近になって浅川マキを本格的に知り、のめり込んでいるが、
僕がとても強く感じていることは、
マキさんの周りは何て素敵な人たちばかりだったのだろうということだ。

昨年末のピットイン。
渋谷毅さんがプロデュースした3日間の追悼ライヴ。
その最終日の本当のラスト。
金子マリさんが渋谷さんに言った " マキさん、本当に喜んでるよ " のひと言。
これがとても印象的な言葉として残ったのだけれど、
そのときは単に " あぁ、そうなのかな " 程度だった想いが、
マキさんを、マキさんの周りを少しずつ知っていくにつれ、
今では " あぁ、本当に喜んでいるんだろうな " に変わってきている。

ロング・グッドバイ 浅川マキの世界 / 浅川マキ・他 著

帯のコピーを転載する。

  2010年1月17日に急逝した、日本におけるワン&オンリーの歌手・浅川マキ、
  その独自の世界を、著者自身の原稿、対談、関係者等のインタビュー、写真、
  年譜、ディスコグラフィーで構成した、その軌跡の全貌を伝える、
  最初にして最後のオフィシャル決定版。
  デビュー当時から写真を撮り続けている田村仁の貴重な写真を多数収録。

巻頭の田村仁による、あまりにも美しくカッコイイ数枚の写真!
声が、歌が、音が聴こえる。
その時代を知らなくとも、見るだけでゾクゾクする。

この本は、70年代のものを中心とした彼女自身による文章と、
交流があった人との対談。
そして関係者の追悼文とインタヴュー。
ディスコグラフィーに年譜、コンサート・リスト等で構成されている。

めちゃくちゃ面白い。
出てくる人物…ミュージシャンは、ほとんどが初めて知る人だけれど、
まったくそれは邪魔にならず、グイグイとのめり込んでしまう。
特に彼女による文章がとても独特で、いい。
まだまだ人物像を掴むことはできていないけれど、
ココロ惹かれる不思議な文章を書く人だなぁ…と思う。
彼女が書いたものすべてが良かったが、
そんな中でも " 浅川マキが書く人物論 " で、
阿部薫のことを書いたものが、なかなか凄かった。

少しでも彼女に興味を持ったら、手にしたほうがいい。
読んで損はしないと思う。

     **********

" 時代に合わせて呼吸をするつもりはない "

本にも出てくるが、彼女の代表的なこんな発言がある。
なるほど、彼女のイメージにピッタリだ。
ただ、そうは言っても作品に関しては…特に初期のそれは、
発表された時代を抜きには語れないだろう。
だいいち、それでこその一連の初期の傑作群だと僕なんかは思うしね。

僕は事前にそういった彼女を取り巻く時代性や、
独特の新宿文化などを詳しく調べもしなかったし、
もちろん触れることもなく、ほぼ何の先入観も無く浅川マキ作品に接した。
しかも、まずはベスト・アルバムを聴いたことにより、
初期のオリジナル・アルバムを聴く前に、
音楽性が良い意味で多彩だということを知れたことも大きかった。
何の根拠もなく、勝手なイメージで膨らませていた音楽性はそこに無かった。
" 何だよ、モロにニュー・ミュージックじゃねぇか " と言った曲までもがあって驚いたが、
それにより僕の中の針がマイナスな方向に振れることは無かった。

     **********

CD化されたアルバムを、1stから発表順に10枚聴いていった。
聴くアルバムすべてが、本当にすべてが素晴らしい。
知っている曲のほうが圧倒的に少ないのだが、まったく関係ない。
確か清志郎が再発されたオーティスのレコードを後追いで聴いていったとき、
" 再発されるアルバム、すべてが良かった " と言っていたと思うが、
その気持ちは、もしかしたらこういうものだったかもしれない。

彼女の声、ヴォーカルが、特にライヴでのそれが凄まじくいい。
例えば「ガソリン・アレイ」。
72年発表の 『MAKI LIVE』 に収録されている。
真島昌利によるカヴァー(これもカッコイイ)を知っている人も多いと思うが、
浅川マキの本家ヴァージョンを聴いてしまうと、マーシーを聴けなくなってしまう。
これはマーシーのカヴァーが良くないというのでは無い。
聴く必要がなくなるのである。

浅川マキ
EMIミュージックジャパン
発売日:2011-01-19

冷静に聴けば初期には演歌的な曲もあるし、それはそれで正しいだろう。
実際に本での五木寛之との対談で " 演歌が好き " という発言もあるし。
でも、音楽のスタイル云々ではなく、
彼女が作る世界が僕にはロックであり、ロックとしか言い様が無い。
だから、素晴らしい。

こうなったら、80年代以降のオリジナル・アルバムの再発も期待したい。
僕のようなファンをどんどん増やして欲しいものである。

愛と勇気のロック 50 / 中山康樹

還暦を越えたベテラン・ロッカーの近作を50枚選び、
中山康樹らしい文章でガイドした文庫書き下ろし。

個人的にもお馴染みのミュージシャンばかりだけれど、
このように、彼等がバリバリの現役だということをあらためて示されると、感動する。

ベテラン・ロッカーの「新作」名盤を聴け!…と本の帯に書かれているように、
誰もが知る過去の名盤を紹介しているのではなく、あくまでも最近作に絞られている。
2000年代より前に発表された作品は取り上げられていない。

このテーマは、以前ここでも取り上げた " ミック・ジャガーは60歳で何を歌ったか " と同じだ。
ミック・ジャガー、ジョン・フォガティ、エリック・バードン、ポール・マッカートニー、
ロジャー・マッギン、ブライアン・ウィルソン、リンゴ・スター、エルトン・ジョン、ボブ・ディラン…。
このように、実際に両方の本でダブるミュージシャンも多い。

僕は50枚すべてを聴いたわけではないが、
読み終えた後には、聴いたアルバムはもう一度、
聴いたことが無いアルバムは聴いてみたいと思わせられる。

巻末の中山康樹×坪内祐三の対談も面白かった。
特に、ヴァン・モリソンの 『アストラル・ウィークス・ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』 や、
ルー・リードの 『ベルリン:ライヴ・アット・セント・アンズ・ウェアハウス』 を挙げて、
ライヴでの名盤再現が増えることを期待しているという話は共感した。
" 最近のライヴは長すぎる…つまりライヴの半分は昔の名盤LP1枚分を再現すればいい " という話。
これは楽しいと思うなぁ。

  最近はなんでライヴが長くなったんですかね?
  ブルース・スプリングスティーンが悪いんです(笑)

この話にも共感したけれど(笑)。

ミック・ジャガーは60歳で何を歌ったか / 中山康樹

この本には海外の14人のロック・ミュージシャン…いや、
年老いた海外の14人のロック・ミュージシャンが取り上げられている。

ポール・マッカートニーやミック・ジャガー、
あるいはボブ・ディランにブライアン・ウィルソンという人達は、
過去の全盛期を超える事ができないし、かつてのようには売れない事をわかっているのに、
それでも新しい曲を書き、アルバムを発表し続ける。
彼等はいかにして生き、何を表現し、そして今後も何を表現していくのか。
そんな彼等の活動から生きるための指針を見出せるのではないか…ということを、
中山康樹さんの視点で書いたものがこの本だ。

個人的に興味が無い人も取り上げられているが、それぞれ興味深く読めた。

これまでも色々なところで言われているし、ここにも書かれているけれど、
僕達は現在進行形で、ロックが初めて経験する " 老いる " という時代を生きている。

僕がロックを聴き始めた当時、若者のための音楽だと言う意識を持っていたかというと、
実はそんなことは無かったように思うけれど、
それでも60歳でシャウトするポール・マッカートニーや、
ステージ狭しと駆け巡り歌いまくるミック・ジャガーは想像していなかった。
でも、僕は実際に60歳を超えたポールのシャウトと、
ステージを駆けるミックのライヴを体験しているのだ。
先日観たジェフ・ベックとエリック・クラプトンも60を超えているし
65歳になったロジャー・ダルトリーが " 老いる前に死にたい " と目の前で歌うのも聴いた。

僕自身、ストーンズやポールのライヴでは、やはり過去の曲を多く求めてしまうし、
今後もそれらを聴きたいと思うし、聴き続けると思う。
でも、発表される新作を必ず聴き続けるということも、やはり間違いないことだろう。
となると、こういう形容はどうかと思うけれど、
彼等のロックの最後というものを僕は目撃できるのかもしれないのだ。
この " 最後 " というのは決してマイナスではなく、肯定的な視点だ。

彼等がいかにして生き、何を表現してきたのか…は僕なりにわかっている。
今なお何を表現しようとしているのか…という意識を今後は強く持って、
彼等のロックを聴き、観て、付き合って行きたいと思う。

KISSTORY

キッス祭り継続中ということで、せっかくだからこれもエントリーしておこう。

デビュー20周年を記念したキッスのヒストリー本、その名も 『KISSTORY』 。
ヒストリー本と言っても、作るのはキッスなのであるからして、
当然、良くある本では無いです。

まずは発売当時のインフォメーションを見てください。

CIMG7305.jpg

440ページのハード・カヴァー。
重さ8ポンド(約4kg!)。
そして38㎝×27㎝の大きさ。
これだけでもとんでもないアイテムだけれど、
何と言っても惹かれたのは、限定Noとメンバーのサイン入りということでした。

" 欲しいなぁ… " と思いました、もちろん。
ただ、当時のキッスの四人はポール・スタンレーとジーン・シモンズ。
そしてブルース・キューリックとエリック・シンガーだったのです。
ブルースとエリックには申し訳ないけれど、やはり僕としては…だったのですね。

てなことで入手を見送り、時は流れた…けれど、
とんでもないニュースが96年に発表になります。
オリジナル・メンバーで、しかもメイクをしてのリユニオン・ツアー!
70年代の二回の来日公演未体験の僕としては、死ぬほど盛り上がったのは言うまでもありません。
二度と観られないと思っていたオリジナル・メンバーのキッスが来るのです。

もちろん東京ドームでのライヴは一生忘れられないモノのひとつとなりました。
そしてその日に、これまた一生モノの宝物も入手することとなりました。
おわかりですよね(笑)。

例の 『KISSTORY』 、リユニオン後のインフォメーションは、こうなったのです。

CIMG7308.jpg

そうです!
限定No仕様では無くなりましたが、メンバーのサインはポール、ジーン、
そしてエース・フレーリーにピーター・クリスの四人になったのです!

続きを読む

キッス!キッス!キッス!KISS SPECIAL ミュージック・ライフ臨時増刊号

季節や時期に関係なく、気分によって部屋の片付けを突然始めるのは相変わらずで、
実は先週からそんなモードに入っています。
部屋がキレイになるのは嬉しいし、それが目的でもありますが、楽しみは他にもあります。
それは押入れから色々なものが出てくる…ということです。

今回もあんなモノやこんなモノが出てきて、懐かしんだりため息をついたり(笑)と様々。
そんな中から、久々に外気に触れたこんなモノを。

キッスが78年に来日した際に出た、ミュージック・ライフ増刊。
その名も 『キッス!キッス!キッス! KISS SPECIAL』。

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この本は当時、本当に死ぬほど(笑)読みました。
記事はもちろん、当時の広告も今では貴重だし、見るだけで楽しいです。
GRECOの広告や、キッスのレコードの広告などは、本当に懐かしい。

肝心の中身ですが、例えばメンバーそれぞれのインタヴューはなかなか貴重かも。
だってインタヴューをしているのは、ポールには落合恵子、エースには湯川れい子、
ピーターにはオスギとP子で、ジーンには羽仁未央…といった組み合わせだよ。
今読んでみると、もちろん当時とは違った印象を受けるので、凄く新鮮で面白い。

MLなので写真はたくさん載っているし、来日時の滞在記やステージ機材のガイド。
エースによるギター講座にギター・コレクションなど、これらは今でも楽しく読めます。

あと、今となっては凄いなーと思うのは、メイクを落とした素顔は誰?…という企画。
ここでは、ジーンの正体は当時レインボーのヴォーカリストだったロニー・ジェイムス・ディオ。
エースはバッド・カンパニーのギタリスト、ミック・ラルフス。
ポールは俳優のエリオット・グールド…となっているのですが、結構当たっていると思う(笑)。
あ、ピーターだけは、Mr.まねき猫といったオチになっています…。

と言うことで、この本のおかげで、
キッスは普段から良く聴いているけれど、それに輪をかけて祭り状態になっています。
※完全にayakoさん風の表現が伝染したな(笑)。
音を聴くだけでなくシングル盤を引っ張り出し、並べてニヤニヤしたり(笑)。

CIMG7273.jpg CIMG7274.jpg

しばらくキッス祭りは続きそうです。
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Blue

Author:Blue
1980年4月5日からスタートしたGREATな体験。それは見事に現在に至るまで続いています。

" 君の手を握りたいんだ 君の手を握りしめたいんだ 君の手を握りしめていたいんだ そう いつかのメロディーに聞いた "

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