DRAMA!/中島みゆき -2009-

前半の6曲が、吉川晃司主演で、杉原千畝をモデルにしたミュージカル「SEMPO」。
後半の7曲が「夜会VOL.15〜夜物語〜元祖・今晩屋」で歌われた曲で構成された、
中島みゆき、何と36枚目(すげぇ!)のオリジナル・アルバムが発表された。
タイトルは『DRAMA!』。

中島みゆき
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
発売日:2009-11-18

僕は「SEMPO」を観ていないので、前半は何の先入観も無く耳を傾けることができた。
1曲目から、いきなりアルバムのエンディングを飾ってもおかしくない大作である。
短い曲でも、メロディーの展開が絶妙で組曲風に聴こえるというのが、
中島みゆきの名曲の特徴のひとつだと僕は思っている。
オープニングの「翼をあげて」はまさにそんな曲である。
これ1曲を聴いて、『DRAMA!』が僕にとっての傑作だということが決まった。

アルバムを聴き進んでいくと、どれもこれもがドラマチックな曲ということがわかってくる。
派手なビートでガンガンくる曲は無いが、ドッシリと重い曲ばかりであり、
単に流して聴くような気は起こらず、真剣にその音と対峙させられるようだ。

では、聴くのに疲れてしまうのか…ということはまったく無いと、僕は思う。
素晴らしいのは、変に気負うようなところはなく、不自然な大袈裟さも感じられず、
すべてがファンを裏切らないであろう中島みゆきのメロディであり、
誰もが聴きやすくコマーシャルなアレンジであるということだ。

前半のクライマックスである「NOW」は凄い曲だ。
このアルバム中、最大の聴きものかもしれない。

中盤以降は、僕も観た夜会からの曲なので、こうした作品化は嬉しく思う。
美しいメロディが切ない「十二天」。一転しての迫力ある歌唱が素晴らしい。
印象的なフレーズとメロディがココロに残っていた「らいしょらいしょ」。
夜会で聴いた限りでは単なる小品的に感じた曲も、こうして作品として発表されると、
聴き応えがある立派な1曲となっているのが不思議だ。
テーマ曲とも言える「暦売りの歌」は、実に中島みゆきらしいPOPな楽曲であり、
夜会から切り離して、シングルになったとしてもおかしくない名曲。
「百九番目の除夜の鐘」は、そのリフレインがアタマにこびりついて離れない…と、
このまま全曲コメントしたくなるな(笑)。

ラストの「天鏡」を聴き終えたら、また夜会でこれらの曲を聴きたくなってきた。
現在、まさに再演真っ只中の 『今晩屋』 だが、映像作品にならないのかな?

愛だけを残せ/中島みゆき -2009-

約2年振りのシングルで、映画 『ゼロの焦点』 の主題歌。
TVや映画の主題歌…みたいなことはお馴染になっているけれど、
少なくとも僕には、そういったことはまったく関係無いし、影響もゼロだ。
あくまでも、純粋に、当たり前に、中島みゆきの新曲として毎回接している。

中島みゆき
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
発売日:2009-11-04

どこから聴いても、現在の中島みゆきサウンドの王道である。

曲は、どこかで聴いたことがあるようなメロディのサビから始まる。
でも、あくまでもそれは聴いたことがあるような…なのであり、
彼女の声が " あいだ〜けをの〜こせぇ♪ " と発した瞬間から、
もう、そこは最新型の中島ワールドとなるのだ。
例の転調も終盤にちゃんと出てくるので、ファンはご安心を(笑)。

そして彼女の特徴のひとつでもあると思うリフレイン。
印象的なフレーズを強烈なヴォーカルでくり返し聴かせられるのだから、
否が応でも耳に残るし覚えてしまうし、メロディーが頭の中でしばらく鳴ってしまう(笑)。
しかし、これこそが僕にとっての中島だ。
これが無けりゃ、物足りなく感じてしまうだろうなぁ。

さて、そうは言ってもこの歌い方は彼女のヴォーカル・スタイルのひとつだとは言え、
受け付けないというファンもいるだろうことは想像できる。
僕はオッケーだが " もういいよ、これは " という人も少なくないかもしれない。

カップリングの「闘りゃんせ」は、僕は知らなかったのだが、久我陽子に提供した曲らしい。
イントロを聴いて、一瞬「銀の龍の背に乗って」かと思ってしまったが、
これまたどこから切っても中島みゆきだなぁ…というナンバーで、
タイトル曲と良く似た特徴を持ち、まるで兄弟姉妹のように聴こえてしまった。

マイナーかつミディアム・テンポの8ビートの曲調にのる彼女の力強いヴォーカル。
このスタイルは僕自身、かなり好みということもあり、このシングルはお気に入りだ。

それにしても、この人のこういった断定というか命令(笑)というか、
タイトルも、実に中島みゆきであるなぁと思う。
残そうでもなく、残してほしいでもなく、残したいでもなく、残せ。
決して過去のタイトルにそういうものが多いというわけでは無いのだが、
個人的に 『愛していると云ってくれ』 の印象が強いせいか、
僕にとっては、どうやら " 中島みゆき=命令形 " の印象があるみたい。

さて、アルバムに先がけてのシングルがこのサウンドとヴォーカルである。
ということは、その後に発表される新作は…。
しかも、タイトルは 『DRAMA!』 なのだ。
はたして、そのタイトルに嘘偽りなく、聴き応えのある作品であった。

HYMN FOR NOBODY/Masahiro Sayama with Kiyoshiro Imawano -1995-

5月2日以降、それこそRCからソロを含めて清志郎の曲を何度も聴いた。
それぞれの曲に深く、浅く、強く、弱く、そして良くも悪くも…と、
個人的に様々な思い入れや思い出がある。
それによって泣いたり笑ったり…の繰り返しだ。
ただ、冷静に言っちゃえば、そういった自分の感情の動きは予想の範囲でもある。
この曲を聴くとこうなる…とか、こういう曲だから聴いてみよう…とか、
何かしら自分の中に存在しているモノやコトやオモイである。
それがRCなら尚更で、ソロ名義であっても似たようなものだ。

でも、そういったものを超えた曲も存在する。

RCやソロ名義ではなく、清志郎がゲストで参加している作品は、
所有していても、普段はほとんど手にすることが無いCDが多い。
それらは余程のことや目的が無い限り、部屋に流れることも無いのだが、
だからこそ、そこに個人的な何かがこびりついている事も、少ない。

夏が終わる時期に、そんな曲の中のあるひとつを聴いた。

あまりにもの美しさを感じ、
色褪せることの無い永遠を感じ、
限りない喜びと愛を感じ、
そして最後に、どうしようもない切なさと、
大事な人を失ってしまったことの悲しみを感じて、自分でも驚くほど号泣した。

  愛してることさえ忘れてしまうほど
  日常の中でいつも君が好きさ
  限りある生命がやがて幕をとじても
  永遠の夢のように君に夢中さ

僕にとっての忌野清志郎は " ラヴ・ソング " である。
清志郎のラヴ・ソングが僕のすべてであった。
これは、今もあまり変わってはいない。

「Hymn For Nobody」。
そのタイトルと歌われている歌詞があまりにも…な賛美歌であるが、
僕の中では…とお断りしたうえで、この曲は「スローバラード」と肩を並べる、
忌野清志郎、最高のバラードである。

佐山雅弘
ビクターエンタテインメント
発売日:1995-01-21

NHKドラマスペシャル「白洲次郎」オリジナル・サウンドトラック -2009-

かつて渋谷陽一がBLANKEY JET CITYのアルバム・レヴューでこう書いていた。

  ライヴで歌われていた「ディズニーランドへ」が収められている
  これ一曲のために金を払ってもいい名曲である

ただ、僕にとってこの92年に発表された2ndアルバム 『BANG!』 は、
他の収録曲もすべて金を払ってもいい名曲であったけれど。

さて、いきなりBJCについて触れたが、本題はまったく違う。
最近、実際に " これ一曲のために金を払ってもいい " と思って買ったCDがある。
それが 『NHKドラマスペシャル「白洲次郎」オリジナル・サウンドトラック』 だ。

TVサントラ,カヒミ・カリィ,フレッド・フリス,ローレン・ニュートン
EMIミュージックジャパン
発売日:2009-05-20

白洲次郎がどのような人物だったのかはそこそこ知っているし、
特に興味を持っているということでも無かったので、肝心のドラマを僕は観ていない。
ただ、ドラマに使用される音楽はそうでは無かった。
その理由は、浜田真理子が歌う「しゃれこうべと大砲」が挿入歌として使われていたからだ。

マイ・ラスト・ソングというライヴで「海ゆかば」を歌うことになった浜田真理子が、
その曲の音源をチェックしていたところ森繁久彌が軍歌を歌っているアルバムに出会い、
そこに収録されていた「しゃれこうべと大砲」を気に入った…という経緯があったようだ。

この曲、僕は既にライヴで何度か体験済みだが、聴けば聴くほど感動的なものになっている。
彼女の歌は、歌い込むほどに透明度が増していく…が僕の感じていることなのだが、
この透明度というところは、美しさに置き換えてもオッケーだ。
いや、透明度よりも美しさと言ったほうがわかりやすいかもしれないな。
だから、最初にこの「しゃれこうべと大砲」を横浜のライヴで聴いたときに比べ、
約1年後の世田谷文学館のミニ・ライヴで聴いたときのとんでもなさは、本当にとんでもなかった。

このサントラに収録されたヴァージョンもまったく期待を裏切らない。
いや、それどころか、期待以上に心に沁み入る出来となっている。
これ一曲のために金を払っても…いや、実際にこれ一曲のために、僕は金を払った。

ライナーによれば、NHKサイドは当初、
浜田真理子には1stアルバムに収録されている「アメリカ」を打診していたそうだ。
しかし彼女はある理由でそれを断り、この曲に変えたという。
詳細は省くが、この話を知って聴くと、また味わいが違ってくる、感動的なエピソードである。

浜田ヴァージョンの「しゃれこうべと大砲」は、
間奏で「結婚行進曲(ワグナー)」のフレーズが弾かれ、
エンディングでは「ハレルヤ」の一節が歌われている。
これは彼女の意思なのか、それとも、もとになるヴァージョンがあるのかは不明。
ただ、これにより深みが感じられ、素晴らしい効果をあげていることは間違いない。

ALICE LIVE ALIVE 2009 〜I'm home〜 日本武道館 2009.11.13

僕が本格的なバンド編成で、初めて人前で演奏したのが中学の文化祭。
体育館の大きなステージ。今でもハッキリと覚えている。

ギターを抱えてステージに出て行く。
客席は真っ黒で何も見えない。
照明が眩しい。
お客さんがたくさん入っている(ように感じる)のがビンビンにわかる。
大きな拍手。
セッティングを終え、ドラムのカウントで演奏がスタート。

  あなたは稲妻のように〜♪

この日、僕はライヴで演奏する快感を覚えたのだった。

     **********

まだRCサクセションに出会う前に熱中して聴いていたレコード。
その中の1枚は、間違いなくこれだ。

アリス
EMIミュージック・ジャパン
発売日:2006-09-29

78年武道館ライヴ。
武道館をイメージさせるバンドやアーティストは数あれど、
僕にとってのアリスは確実にそれのひとつに当たる。

80年代から今日まで、普段の生活でアリスを聴くことは無かった。
谷村新司、堀内孝雄のソロ活動もまったく興味が無かった。
矢沢透にいたっては、何をしていたのかも知らなかった。
しかし、アリス再結成。そして全国ツアー。
武道館公演が決まったとき、そのチケットを僕は迷うことなく取った。
待望していたわけでは無い。
行きたかったからということとはちょっと違うし、
観てみたいということでも無い…ような気がする。
何だか、行かなければならない、観なければならない…ということだったのかもしれない。
それは自分では気がつかず、意識さえできない本能みたいなものなのかもしれない。

Image0911131.jpg Image0911132.jpg

ライヴは二部構成。
一部は3人だけのアコースティック・セットで、初期の曲を中心にしたメニュー。
「秋止符」や「走っておいで恋人よ」といった比較的知られている曲よりも、
僕は「もう二度と…」や「黒い瞳の少女」なんかに感動してしまった。

ちなみに二部では「あの日のままで」という曲が演奏されたのだが、
これと「もう二度と…」は、実はシングルのB面収録曲であり、
しかもそれぞれ「帰らざる日々」と「遠くで汽笛を聞きながら」という代表曲のB面だ。
当時の僕はシングル盤を良く買っていたから、B面にも好きな曲が少なくない。
だからこの2曲は嬉しかった。
どうせならB面シリーズで「最後のアンコール」や「街路樹は知っていた」も演ってほしかったな。

さて、一部は何だかんだでも落ち着いて観ていられたのだが…。

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仲井戸麗市と忌野清志郎。この二人にはその音楽だけでなく、全てにおいて大きく影響を受けています。僕の十代は1980年4月5日の久保講堂から始まりました。

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